防災リュックは何リットル必要?中身の重さから逆算する容量とサイズの決め方

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通販サイトで防災リュックを開いて、商品説明を上から下までスクロールしても「容量◯L」という数字がどこにも出てこない。そんな経験はないでしょうか。レビュー欄には「思ったより小さい」「必要な物が入らない」と書かれているのに、肝心の容量が分からないまま買うかどうかを決めることになります。

そこで、市販の防災リュックセット4商品について、リュック本体の容量(L)とセット総重量(kg)がメーカー公式で公表されているかを一つずつ確認しました。結果は、容量(L)を数字で示していたのは4商品中1商品だけ。しかもそれはメーカー直営と確認できない販売ページの記載でした。セット総重量(kg)にいたっては、4商品すべてが公式未記載です(2026年8月15日時点)。

つまり、読者が「何リットル」で探しても、売る側がその数字を出していない。ならば順番を逆にするしかありません。先に中身の総重量を決めて、それが収まる大きさを後から選ぶ——これがこの記事の立場です。

この記事でわかること

  • 市販の防災リュックセット4商品で、容量(L)と総重量(kg)が公表されているかを横並びにした検証結果
  • 「背負える重さは体重の◯%」という数値に公的な根拠が見つからなかったこと、その代わりに使える物差し
  • 水・食料・装備の公表重量を積み上げて、必要な容量を逆算する計算式と書き込み式の早見表
  • 1人用と家族用の違い、そして一次持ち出し袋と自宅の備蓄をどこで切り分けるか

なお、リュックの「中に何を入れるか」は別の記事で1点ずつ扱っています。防災リュックの中身リスト|最低限の6つと、入れなくていい5つが中身の側、この記事は入れ物の側という役割分担です。中身が決まっていない方は、先に向こうを読んでから戻ってくると計算が早く進みます。

目次

市販の防災リュックは、容量が公表されていないことが多い

防災リュックセットとは、リュック本体に水・食料・ライトなどをあらかじめ詰め合わせて売られている商品のことです。買った日から玄関に置ける手軽さが売りで、点数の多さ(30点、40点といった表記)が前面に出ます。

ところが、その点数の裏で「入れ物がどれだけの大きさか」「全部で何kgになるか」は、驚くほど書かれていません。実際に4商品を確認した結果が下の表です。公式に記載が無かった欄は、推測で埋めずに「公式未記載」とそのまま残しました。

商品 リュック容量(L) セット総重量(kg) 点数 本体寸法 出所
アイリスオーヤマ 防災リュックセット33点 BRS-33 公式未記載 公式未記載(複数の販売店に「リュック本体 約2.0kg」「収納状態 約3kg」の記載あり) 33点 幅約32×奥行約16×高さ約43cm アイリスオーヤマ公式通販「アイリスプラザ」商品ページ(点数・寸法)/重量は販売店記載
山善(YAMAZEN) 防災リュック30点セット 一次避難用 YBG-30R 公式未記載 公式未記載(ヨドバシ.comに「重量1970g」の記載。リュック単体かセット総重量かは不明) 30点 幅32×奥行43×高さ16cm 山善 商品情報サイト(寸法・点数)/重量はヨドバシ.com記載
Defend Future 防災セット Relief2(1人用) 公式未記載(第三者の比較サイトに22Lの記載) 公式未記載(同じく5.2kgの記載) 34点 公式未記載(掲載元により差異あり) 公式ストアの本文詳細は取得できず。数値は第三者比較サイト(マイベスト)記載
天通ライト 防災セット1人用40点 fz-pm01 38L(販売ページの記載。メーカー直営の公式ページは確認できず) 公式未記載 40点 公式未記載 Yahoo!ショッピング販売ページ(「ブランド登録なし」表示)

※すべて2026年8月15日時点の確認。空欄を作らないために推測値を入れることはしていません。

点数は4商品とも堂々と出ているのに、容量と総重量はほぼ全滅。この非対称が何を意味するかというと、「何が入っているか」は売り文句になるけれど、「どれだけ重いか」は売り文句にならない、ということでしょう。買う側にとっては後者のほうが避難の成否を分けるのに、です。

寸法が分かれば、おおよその容量は自分で出せます。幅×奥行×高さ(cm)を掛けて1000で割ると、リットルに近い数字になります。BRS-33の32×16×43cmなら約22L相当。ただしリュックは角張った箱ではないので、この計算はあくまで上限の目安で、メーカーの公式表記ではありません。当サイトの参考計算として扱ってください。

そなえぐらし管理人
正直に言うと、4商品を調べ終えた時点で「これは記事にならないかもしれない」と思いました。容量の比較表を作るつもりが、埋まらない欄ばかりだったからです。でも、埋まらないこと自体が答えでした。数字が無いものを他所から拾ってきて並べるより、無いと書くほうが読者の役に立つはずだ、と方針を変えています。

市販セットそのものの中身をどう見るかは、防災セットのおすすめはどれ?市販セットの中身を1点ずつ検証する選び方で品目ごとに整理しています。この記事では入れ物の大きさに話を絞ります。

背負える重さに、公的な基準は無い

「背負える重さの上限」とは、その重さを超えると避難の速度や安全が落ちる境目のことです。多くの記事が「男性15kg・女性10kg」「体重の15%まで」といった数字を挙げています。では、その出どころはどこか。

消防庁、内閣府、東京都、日本赤十字社——災害の一次情報を出している機関の資料を確認しましたが、「◯kgまで」という具体的な数値基準は見つけられませんでした。自治体の案内にあるのは定性的な表現だけです。荒川区は「自分一人で持って歩ける程度の重さを考え」と書き、高知市は「できるだけ身軽に避難できるように、必要最低限の物品や貴重品程度にとどめる」としています。kgの数字はどちらにもありません。

この記事では「体重の◯%」という数値を使いません。公的な根拠を確認できなかったためです。見つからなかったことと、存在しないことは同じではありません。今後、公的機関が数値を示したときは追記します。

そなえぐらし管理人
ここは迷いました。「体重の15%」と書いたほうが記事としては歯切れがよく、読者も安心します。ただ、出典をたどると必ず別の記事に行き着いて、最初の一次情報にたどり着けない。数字を借りて書くのは簡単ですが、それをやり始めると当サイトが積み上げているものが崩れるので、書かない側を選びました。

参考までに、重さに関わる公的な数字が全く無いわけではありません。消防庁の検討会資料には、津波避難計画を立てるうえでの目安として、歩行速度1m/秒、地震発生から避難開始まで2分、避難可能距離500mという数値が示されています。ただしこれは津波避難に限定した計画上の前提で、荷物の重さの基準ではありません。参考の枠を出ないことは押さえておきたいところです。

ちなみに、子どものかばんの重さについて文部科学省が2018年に出した通知(いわゆる置き勉通知)にも、具体的なkg数値の記載はありません。行政が重さの数字を出したがらないのは、体格も距離も人によって違いすぎるから、と考えるのが自然でしょう。

では、何を物差しにするか。編集部の整理では、次の3つが実用的です。

  • 階段で試す/詰め終えたリュックを背負い、自宅か近所の階段を3階ぶん上る。途中で手すりを掴みたくなったら重すぎます
  • 片手をあける/手すり、子どもの手、ドアノブ。避難中は必ず手を使います。荷物を持ったまま片手があくか
  • 15分歩けるか/指定避難所までの距離を地図で測り、その距離を背負って歩けるかを平時に確かめる

数字で切れないものを、動作で切る。乱暴なようですが、体格も避難所までの距離も一人ひとり違う以上、こちらのほうが誠実だと考えています。一人暮らしの女性が10kgという上限を先に置いて中身を組み立てた例は、一人暮らし女性の防災リュック|10kgに収める中身の決め方と置き場所にまとめました。

中身の総重量から、必要な容量を逆算する

逆算とは、答え(容量)から考えるのをやめて、条件(重さ)から順に絞り込むやり方です。順番はシンプルで、まず背負って歩ける総重量を自分で決め、そこからリュック本体と、いちばん重い水と食料を先に引きます。

背負って歩ける総重量 −(リュック本体の重量)−(水と食料の重量)= そのほかの装備に使える重量

この式で真っ先に効いてくるのが水です。ペットボトルは中身だけでなく容器の重さも背負うことになります。清涼飲料の500mLボトルは本体が約23.6g、2Lボトルは約29.8g(いずれも業界団体が公表している軽量化の実績値)。ここから計算すると、500mLの水1本は約530g、2Lの水1本は約2,030gになります。

身近な換算をひとつ。2Lボトル1本(約2.03kg)は、500mLボトル4本(約2.12kg)とほぼ同じ重さです。総重量はほとんど変わらないのに、500mLに分けておけば家族で分担でき、開けた分だけ飲み切れる。同じ重さでも、形を変えると背負い方まで変わってくるのです。

食料も似た構造です。アルファ米は「出来上がり量」で書かれることが多いのですが、リュックに入れる時点の重さは乾燥状態の重量です。尾西食品の白飯100gタイプなら、持ち出し時は100g(出来上がり260g・必要水量160ml)。携帯おにぎりの鮭なら内容量42g(出来上がり109g・必要水量67ml)です。

言い換えると、パッケージに大きく書かれた数字と、あなたが背負う数字は別物だということ。ここを取り違えると、計算が2倍以上ずれます。

以下が、そのまま書き込んで使える早見表です。印刷するか、スマホのメモに写して埋めてください。

品目 1点あたりの重量 個数 小計
水 500mLペットボトル 約530g ____本 ____g
水 2Lペットボトル 約2,030g ____本 ____g
アルファ米 白飯100gタイプ(持ち出し時) 100g ____食 ____g
アルファ米 携帯おにぎり(持ち出し時) 42g ____食 ____g
パックご飯(200gタイプ) 200g ____食 ____g
カロリーメイト ロングライフ 48.5g/箱 ____箱 ____g
LEDヘッドライト(GENTOS CP-195DB) 69g ____個 ____g
モバイルバッテリー(エレコム EC-C61MN) 220g ____個 ____g
衣類・下着・タオル ____g ____g
衛生用品・救急用品 ____g ____g
貴重品・書類・現金 ____g ____g
リュック本体 ____g 1個 ____g
合計 ____g

※重量はいずれもメーカー公式または業界団体公表値にもとづく数値(2026年8月15日時点)。水の合計値は容器重量を足した当サイトの計算です。空欄は家庭用のはかりで実際に量って埋めてください。

合計が出たら、最後に大きさの話になります。リュックの容量(L)は店頭で測れませんが、寸法(cm)はたいてい表示されています。幅×奥行×高さ÷1000でおおよそのリットルが出るので、詰めたい中身を床に並べ、その山がその箱に収まるかを想像する。ここまで来て初めて「20Lか30Lか」に意味が生まれます。

中身の総重量から防災リュックの容量を決める4ステップの対応図。①中身を全部床に並べて重さを合計する、②背負って歩ける上限を決める(公的な基準は無く階段と15分で判断する)、③上限から本体と水と食料を引いて装備の重量を出す、④幅×奥行×高さcm÷1000でおおよそのリットルを見積もる

1人用と家族用は、足し算にならない

家族用の防災リュックとは、人数分の中身を人数分の背中に配分した「セット」のことであり、大きな袋ひとつのことではありません。ここを取り違えると、4人家族なので4倍の容量、という設計になってしまいます。

物には、分けられる物と分けられない物があります。水と食料は前者。飲む人が決まっているので、各自のリュックに振り分ければ重さは頭数で割れます。問題は後者、つまり分けても意味が薄い物です。

品目 分けられるか 4人家族での持ち方 そう考える理由
水・食料 分けられる 体力に応じて配分。子どもは軽く 消費すれば減る。重さを頭数で割れる
明かり(ヘッドライト) 分けにくい 1人1個 はぐれた瞬間に、明かりの無い人が生まれる
情報・電源(モバイルバッテリー) 分けにくい 大人が各自1個 連絡手段は各自の手元にあって初めて機能する
救急用品・工具 共有できる 大人のリュックに1組 同時に2組使う場面が想定しにくい
衛生用品(生理用品など) 本人が持つ 使う人のリュックへ 必要量に個人差があり、他人が代行できない

この表の意味するところは、家族が増えても比例して増えるのは水と食料だけ、ということです。明かりと電源は人数ぶん必要になるので単価が積み上がりますが、1点あたりが軽い。救急セットや工具は増えません。だから「4人だから4倍」ではなく、実際には2.5〜3倍あたりに落ち着く家庭が多いはずです。

生理用品は1周期あたりの必要枚数から逆算する必要があるため、生理用品の備蓄|1周期30枚から逆算する必要数の計算式と人数別早見表で人数別に計算しました。乳幼児がいる家庭は、おむつとミルクが水・食料と同じ「日数に比例して増える」枠に入ります。月齢別の必要数は赤ちゃんの防災グッズリスト|月齢別の必要数を1日あたりから逆算する早見表つきを参照してください。

子どものリュックに水を入れるときは、階段を上れるかを平時に確かめてください。大人が「これくらいなら」と思う重さでも、体格が違えば意味が変わります。持てない荷物は、結局その場に置いていくことになります。

一次持ち出し袋と自宅の備蓄には、境界線がある

一次持ち出し品とは、避難するときに最初に持ち出すもの。二次持ち出し品とは、避難した後で少し余裕が出てから自宅へ戻って取りに行くものを指します。荒川区は「非常用持ち出し袋」と在宅避難用の「日常備蓄」を分けて準備するよう案内しており、両者は別物として設計するのが行政の想定です。

この線引きが曖昧なまま詰めると、リュックはどこまでも重くなります。「あったら便利」を全部入れた結果、玄関から動かせない袋ができあがる——これが容量選びで最も多い失敗ではないでしょうか。

判定はこの1問で足ります。

  • 持ち出した最初の1日、それが無いと避難生活が止まるか/はい → リュックへ。いいえ → 自宅の備蓄へ
  • 代わりがきくか/同じ役目を果たす軽い物があるなら、重いほうは家に残す
  • 避難所に置いてあるか/自治体の備蓄品目を調べ、確実に配られる物はリュックから外せる
  • 戻って取りに行ける物か/数日後に取りに戻る前提の物は、最初の1回では背負わない
その品を防災リュックに入れるか自宅の備蓄に残すかを判定する分岐図。それが無いと避難生活が止まるかで分かれ、止まる場合は一次持ち出し袋へ入れる背負って歩く前提の物、止まらない場合は自宅の備蓄として残す取りに戻れる前提の物。最初の1日を基準に分ける

何日ぶんを背負うかに公的な数値の定めは見当たりませんでした。編集部の整理では、リュックに入れるのは避難した直後の数日ぶんに絞り、それ以降を自宅の備蓄で支えるという配分を基本にしています。人数×日数で必要量を出す方法は家庭の備蓄品リスト完全版|人数×日数でわかる必要量早見表【2026年版】に早見表としてまとめてあります。リュックが重すぎると感じたら、この記事と行き来しながら品目を家側へ移してください。

もうひとつ、外出中に被災する可能性も忘れずに。家の玄関にあるリュックは、家にいなければ使えません。毎日持ち歩ける重さに絞った防災ポーチの中身|毎日持ち歩ける重さから逆算して決める12品が、その隙間を埋める役割になります。

中身を軽くする決め手は、1点あたりの重量を知ることだ

軽量化とは、品目を減らすことではなく、同じ役目をより軽い物に置き換える作業です。減らすと備えが薄くなりますが、置き換えなら備えは保ったまま数字だけが下がります。

効きやすいのは、明かり・食料・電源の3つ。いずれも「無いと困る」度合いが高く、かつ製品による重量差が大きい分野です。以下、公表されている重量が確認できた製品を挙げます。

明かりは、両手があく形にする

GENTOSのLEDヘッドライト「CP-195DB」は、本体約69g(単3アルカリ電池1本を含む重量)。明るさはHighモード120ルーメン、Ecoモード25ルーメン、そしてサブの赤色が3ルーメンです。点灯時間はHighで7.5時間、Ecoなら25時間、赤色は70時間もちます。防滴等級は耐塵・防滴のIP64準拠。

この製品を挙げる理由は、重量と点灯時間の関係にあります。69gは、先ほどの早見表でいえばカロリーメイト ロングライフ約1.4箱ぶん。その重さで、Ecoモードなら夜通し使える計算になります。加えてヘッドライト形なので、手すりを掴む・子どもの手を引く・荷物を持つといった動作をふさぎません。単3電池1本という点も、避難所で調達しやすい規格という意味で軽視できないところです。


主食は「持ち出し時の重さ」で選ぶ

尾西食品のアルファ米「携帯おにぎり」は、内容量42g、出来上がり量109g、必要水量67ml(鮭の公表値)。おにぎり型に成形されるので、器も箸も使わずに食べられる形状です。

同じ尾西食品の白飯100gタイプと比べると、持ち出し時の重さは42g対100g。半分以下です。もちろん出来上がりの量も違うので単純な優劣ではありませんが、「1食ぶんを軽く積み増したい」「子どもの分を少量ずつ入れたい」という場面では、この差が効いてきます。42gという重さは、カロリーメイト ロングライフ1箱(48.5g)よりやや軽い程度です。それくらい軽い主食が存在する、と知っておくだけで組み方が変わります。

調理不要の補助食を1つ入れておく

大塚製薬のカロリーメイト ロングライフ チョコレート味は、1箱48.5g(栄養成分表示は2本〈40g〉あたり)。賞味期限は製造から3年6か月で、流通在庫の期間を考慮して「3年保存」と表記されています。

アルファ米には水とお湯、そして待ち時間が要ります。避難の初日、水を確保できるまでの数時間をつなぐ物として、水も加熱も不要な食品を1つ入れておくと動きやすい。1箱48.5gという重さなら、2箱入れても約97gです。3年保存という期限の長さは、入れ替えの手間そのものを減らしてくれる点でも扱いやすい設計だと言えます。

電源は「何台まかなえるか」で選ぶ

エレコムのモバイルバッテリー「EC-C61MN」は、半固体電池を採用したモデルで重量約220g、容量10000mAh、最大出力35W。USB-C×2とUSB-A×1の3ポートを備え、3台同時に充電できます。

家族で避難する場面を考えてみてください。スマートフォンが3台あるとき、バッテリーを3個持てば単純に3倍の重さになります。1台で3台分をまかなえるなら、220gで足ります。先ほどのヘッドライト69gと合わせても約290g。500mLの水1本(約530g)の半分ほどの重さで、明かりと連絡手段の両方が確保できる計算です。中身を軽くするというのは、こういう置き換えの積み重ねにほかなりません。

買い替えのタイミングを図るなら、値下がりしやすい時期を狙う手もあります。防災の日セールで買うもの|8〜9月に安くなりやすい時期と備えの優先順位【2026年版】で、優先して入れ替える順番を整理しました。

この考え方が当てはまらない人もいる

逆算という方法が有効なのは、徒歩で避難所へ向かうことを前提にした人です。前提が違えば、答えも変わります。

  • 在宅避難が成立する人/耐震性が確保された住まいで、周囲に浸水や土砂の危険が無いなら、背負う設計より家に置く備蓄の設計が先。リュックは小さくてかまいません
  • 車で避難する人/重量の制約がほぼ外れます。ただし渋滞や通行止めで車を降りる可能性は残るため、車内の荷物とは別に、背負える最小限の袋を1つ用意しておくと安心です
  • 体力的に背負えない人/高齢の方、けがや持病のある方、妊娠中の方。この場合はキャリー型や、玄関から動かせる範囲での分割保管を検討します。背負う前提を無理に守る必要はありません
  • 介助が必要な家族がいる人/両手を空ける必要があるぶん、荷物の総量は減らさざるを得ません。行政の避難行動要支援者名簿への登録も含めて、平時に相談しておく選択肢があります

よくある質問

Q. 防災リュックは20Lと30Lのどちらを選べばいいですか

先に中身を決めてから答えが出る問いです。詰めたい物を床に並べて重さを合計し、その山が入る大きさを寸法から見積もってください。一般論として、1〜3日ぶんの水・食料・衣類・衛生用品を1人分入れるなら20L台では窮屈になりやすく、逆に容量が大きいと隙間を埋めたくなって重くなります。容量は「余らせない大きさ」を選ぶのが現実的です。

Q. 何日分を入れておけばいいですか

日数の公的な定めは確認できませんでした。ただ荒川区は「非常用持ち出し袋」と在宅避難用の「日常備蓄」を分けて準備するよう案内しており、すべてを背負う想定にはなっていません。編集部の整理では、持ち出し袋は避難直後の数日ぶんに絞り、残りを自宅の備蓄に置く配分を基本にしています。長期分をまとめて1つの袋に詰めようとすると、たいてい持ち上がらない重さになるためです。

Q. 家族4人なら、1つの大きいリュックにまとめてもいいですか

おすすめしません。1つにまとめると、その1人が動けなくなった時点で家族全員の備えが止まります。はぐれた場合も同じです。水と食料は体力に応じて分け、明かりは1人1個、連絡手段は大人が各自1個。分けられる物は分けるのが原則です。

Q. 市販の防災セットを買えば、容量の悩みは解決しますか

解決するとは限りません。この記事で確認した4商品では、リュック本体の容量(L)もセット総重量(kg)も公式に記載されていないものが大半でした(2026年8月15日時点)。買った後で「思ったより重い」と気づく可能性は残ります。買うなら寸法表示のある商品を選び、届いたら中身を一度出して、自分の必要な物と入れ替える前提で考えてください。

Q. リュックが重すぎて背負えないときは、何から抜けばいいですか

水の一部と、大きめの食料からです。この2つが総重量の大半を占めるためで、2Lボトルを1本減らすだけで約2kg軽くなります。抜いた分は自宅の備蓄に回してください。逆に、ヘッドライトや救急用品のような軽くて代えのきかない物は、重さの割に効き目が大きいので最後まで残す判断になります。

まとめ|今日やることは1つ

防災リュックの容量は、カタログの数字からは決められません。売る側が容量も総重量も出していないのですから、こちらが中身の重さを先に決めるしかない。順番を逆にすれば、20Lか30Lかという迷いは自然に消えます。

今日やることは1つだけ。家にあるリュックに、いま入れたい物を全部詰めて、体重計に載せる。数字が出れば、次の判断はすべてそこから始まります。

  1. 詰めて量る/手持ちのリュックに中身を入れ、体重計で総重量を確認します。まず現在地を知るところから
  2. 背負って階段を上る/3階ぶん上ってみて、手すりを掴みたくなるようなら重すぎ。上の早見表で、どの品目が重いかを特定します
  3. 家に残す物を決める/「最初の1日、無いと避難生活が止まるか」で判定し、いいえの物を自宅の備蓄へ移します。それでも重ければ、明かり・食料・電源を軽い製品に置き換える番です

あわせて読みたい: 防災リュックの中身リスト|最低限の6つと、入れなくていい5つ防災の日セールで買うもの|8〜9月に安くなりやすい時期と備えの優先順位【2026年版】

参考・出典

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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