ポータブル電源のおすすめ容量は?防災用は人数×日数で逆算する

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ポータブル電源の容量は、結論から言うと「動かしたい家電の消費電力×使う時間×停電日数」で必要なWh(ワットアワー)を逆算して決めるのが、大きすぎず小さすぎない選び方です。人気モデルから選ぶのではなく、わが家の数字から決める——この記事では、数字を当てはめるだけの計算式と早見表、容量4クラス別に「スマホ・扇風機・冷蔵庫が何時間動くか」の試算をまとめました。

「そもそもわが家に要るのか?」と迷っている段階の方は、先にポータブル電源はいらない?をご覧ください。本記事は、要ると決めた方が容量を決めるための続編です。

この記事でわかること

  • 必要な容量(Wh)をわが家の数字から逆算する計算式と書き込み式の早見表
  • 容量4クラス別に「スマホ・扇風機・冷蔵庫が何時間動くか」の試算
  • 容量以外の落とし穴3つ(定格出力・実効容量・再充電)
  • 正直な話——そこまで要らない家庭の条件
目次

結論:容量は「人数×日数×動かしたい家電」で決まる

カタログには「300Wh」「1000Wh」といった容量の数字が並びますが、この数字だけを眺めていても選べません。同じ4人家族でも、スマホの充電と夜の照明だけ確保したい家庭と、冷蔵庫をできるだけ止めたくない家庭とでは、必要な容量が3倍以上変わるからです。

もうひとつの変数が停電日数です。内閣府防災情報のページは首都直下地震の被害想定(最終報告)で、発災直後は約5割の地域で停電し、1週間以上不安定な状況が続くとしています(首都直下地震シナリオに限った想定です)。また同じく内閣府は、南海トラフ巨大地震のような広域災害では従来の「3日分」ではなく1週間以上の備蓄が望ましいという指摘を紹介しています。「わが家は何日分を見込むか」を先に決める——ここが容量選びの出発点です。

必要Whを逆算する計算式と空欄早見表

使う計算は、理科で習う電力量の考え方そのままです。

家電1つの1日分(Wh)=消費電力(W)×1日に使う時間(h)
必要容量(Wh)=家電全部の1日分の合計×停電日数÷0.8

そなえぐらし管理人
最後の「÷0.8」を飛ばすと約2割足りなくなります。電気を取り出すときの変換ロスの分で、Anker Japan公式サイトも稼働時間を「容量(Wh)×0.8÷消費電力(W)」で計算しています。

消費電力(W)は家電本体のラベルや取扱説明書、メーカーの仕様表で確認できます。下の表のW数はメーカー公表値・製品表示をもとにした目安で、実機での計測値ではありません。「使う時間」と「Wh」をわが家の数字に置き換えて、空欄を埋めてみてください。

家電 消費電力の目安 使う時間の例 1日分のWh
スマホ充電 1回≒約15Wh 1人1日1回 15Wh×台数
LED照明・ランタン 約5〜10W 夜に5時間 約25〜50Wh
扇風機 約20〜40W 8時間 約160〜320Wh
家庭用冷蔵庫 約100〜200W 回したい時間分 100〜200Wh×時間
わが家の必要容量 合計×日数÷0.8=__Wh

たとえば「スマホ2台(30Wh)+照明8W×5時間(40Wh)+扇風機30W×8時間(240Wh)を3日間」なら、(30+40+240)×3÷0.8で約1,160Wh。候補は後述の700〜1500Whクラスです。この「人数×日数から積み上げる」発想は、非常食は何日分必要?人数別早見表と同じ考え方です。

容量帯4クラス別|スマホ・扇風機・冷蔵庫は何時間動くか

市販モデルはおおよそ4つの容量帯に分かれます。クラスごとの代表値で、スマホ充電(1回≒15Wh)・扇風機(30W)・冷蔵庫(150W)がどれだけ動くかを計算すると次のとおりです(表示容量×0.8÷消費電力による机上の試算で、実機検証ではありません)。

容量クラス(計算に使った代表値) スマホ充電 扇風機30W 冷蔵庫150W
〜300Wh(300Wh) 約16回 約8時間 約1.5時間
300〜700Wh(500Wh) 約26回 約13時間 約2.5時間
700〜1500Wh(1000Wh) 約53回 約26時間 約5時間
1500Wh超(2000Wh) 約106回 約53時間 約10時間

家庭用冷蔵庫の消費電力100〜200Wという目安と計算式は、Anker Japan公式の解説を参考にしました。実際の消費電力は機種や季節で変わるため、比較のための目安と考えてください。

表からわかるのは、スマホと照明が中心なら300Whクラスでも数日まかなえること、冷蔵庫まで動かすなら700Wh以上が現実的なラインだということです。Anker Japan公式も用途別の目安として「防災・停電対策には700Wh以上」を挙げています。


容量帯ごとの製品ラインは公式サイトでまとめて確認できます(→EcoFlow(エコフロー)公式サイトでポータブル電源を見る)。

ポータブル電源の国内主要ブランドには、EcoFlowのほかにJackeryがあります(→Jackery(ジャクリ)公式サイトでポータブル電源を見る)。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

容量以外で見落としがちな3つのポイント

1. 定格出力(W)が足りない家電は動かせない

容量(Wh)は電気をためられる量、定格出力(W)は一度に出せる力です。容量が十分でも、家電の消費電力が定格出力を超えていると動きません。電気ケトルや電子レンジには1,000Wを超える製品が多いので、調理家電まで使いたい場合は定格出力の欄も確かめましょう。

2. 表示容量がまるごと使えるわけではない

先ほどの計算式で0.8で割ったとおり、実際に使えるのは表示容量の8割程度が目安です。この割り算を飛ばして「合計Whぴったり」の容量を選ぶと、2割ほど足りない計算になります。

3. 停電が長引く想定なら再充電の手段を決めておく

1週間分をすべて本体の容量でまかなうと、かなり大きなクラスが必要です。ソーラーパネルや車から充電できる機種を選び、本体は一段小さいクラスにする組み合わせも選択肢です。なお容量が大きいほど本体は重くなり、10kgを超える製品もあります。ポータブル電源は在宅避難用の据え置き機材と割り切り、持ち出す備えは防災リュックの中身リストと役割を分けて考えましょう。

「そこまで要らない家庭」の条件

当サイトは特定の製品を売る立場ではないので、はっきり書きます。次に当てはまる家庭は、大きな容量クラスを慌てて選ぶ必要はありません。

  • 守りたいのがスマホの充電だけ——人数分のモバイルバッテリーと乾電池式ライトで足りることが多いです(容量の決め方は防災用モバイルバッテリーの容量の決め方へ)
  • 車で充電できる——スマホなどの小物は車のソケットからも充電でき、ポータブル電源の出番の一部を車がカバーできます
  • 冷蔵庫の中身は「食べ切る」で対応する——クーラーボックスと保冷剤でしのぐ前提なら、700Wh超の大型クラスは過剰になりがちです
  • 調理はカセットコンロで代替する——電気調理の予定がなければ、大出力・大容量は不要です

逆に、在宅ワークで通信が途切れると困る方、夏の停電で扇風機を長時間使いたい方、調乳や冷蔵が欠かせない乳幼児のいる家庭では、逆算した容量分の価値があります。要否から考え直したい方はポータブル電源はいらない?で判断基準を整理しています。

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リチウムイオン電池の保管で注意すること

買ったあとの置き場所にも注意点があります。ポータブル電源に使われるリチウムイオン電池は高温が苦手です。総務省消防庁「リチウムイオン電池総合対策ポータル」は、高温になる場所で使用・保管しない、強い衝撃や圧力を加えない、廃棄する前には電池を使い切る、と呼びかけています。消費者庁とNITE(製品評価技術基盤機構)も、高温になる場所での使用・保管を避けるよう注意喚起しています。

  • 直射日光の当たる窓際や夏場の車内に置きっぱなしにしない
  • 本体の発熱や膨らみなど、いつもと違う様子があれば使用を中止する——消費者庁・消防庁とも「異常を感じたら使用を中止」するよう呼びかけています
  • 残量の管理や充電の頻度は取扱説明書に従う

夏に熱がこもる場所は避け、目が届いて温度が上がりにくい部屋の棚などに置くのが向いています。

まとめ:今日は「動かしたい家電のW数」を3つ調べるだけ

容量選びは「どのモデルが人気か」ではなく「わが家は何Wh必要か」から始まります。手順は3ステップです。

  1. 停電時に動かしたい家電を3つ選ぶスマホ充電・照明・扇風機など、「これが止まると困る」順に3つに絞ります
  2. 本体ラベルか仕様表で消費電力(W)をメモ家電の背面や底面のラベル、または取扱説明書の仕様欄で確認できます
  3. 計算式に入れて容量クラスを決める「合計×日数÷0.8」で必要Whを出し、この記事の4クラス表と照らし合わせれば完了です

候補を見に行くなら、この記事で例に挙げたEcoFlow公式サイトJackery公式サイトで、算出したWhに近いモデルの現行価格を見比べるのが早道です。

ポータブル電源を含む停電・断水への備えの全体像は台風前に買っておくもので整理しています。あわせてどうぞ。

よくある質問

Q. 4人家族なら1000Whを選んでおけば大丈夫ですか?

A. 世帯人数だけでは決まりません。同じ4人家族でも、スマホと照明だけなら300Whクラスで足りる場合があり、冷蔵庫や扇風機まで動かすなら700Wh以上が候補になります。「人数×停電日数×動かしたい家電」で、わが家の数字を出すのが先です。

Q. 停電は何日分を想定すればいいですか?

A. 内閣府防災情報のページは、南海トラフ巨大地震のような広域災害では1週間以上の備蓄が望ましいという指摘を紹介しています。ただし全部を電気でまかなう必要はありません。まず3日で計算し、ソーラーパネルや車での再充電で延ばす考え方が現実的です。

Q. 買ったあとは押し入れにしまっておけばいいですか?

A. 高温になる場所を避けるのが公的機関に共通する注意喚起です。夏場に熱がこもる場所は避け、時々残量と動作を確かめられる場所に置いてください。充電の頻度は取扱説明書の指示に従いましょう。


出典: 内閣府防災情報のページ「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」内閣府防災情報のページ「できることから始めよう!防災対策」総務省消防庁「リチウムイオン電池総合対策ポータル」消費者庁「リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意しましょう」NITE「モバイルバッテリー『高温下に放置して発火』」Anker Japan公式「ポータブル電源で冷蔵庫は何時間動かせる?」Anker Japan公式「ポータブル電源の容量の目安とシーン別のおすすめ製品」

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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