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防災用のランタンは「高性能な1台」を探すより、置く場所から必要な台数を逆算するほうが選びやすくなります。目安になるのは、Panasonic公式サイトが示す「あかりは各部屋に1灯、家族1人につき1灯以上」という考え方です。本記事ではこれを食卓・トイレへの移動・手元作業の3シーンに分けた早見表にし、乾電池・充電式・ソーラー・手回しの4方式をメーカー公表スペックで比較します。
防災用ランタンが必要な理由|懐中電灯だけでは足りない場面
内閣府防災情報のページ「家庭における地震時等の停電対策について」によると、停電時に作動する足元灯や懐中電灯などの照明を準備している世帯は約43%と、半数に届いていません(2017年11月の世論調査に基づく記述)。夜間に停電すると、あかりの有無がそのまま動きやすさの差になります。
ここで押さえたいのが、懐中電灯とランタンの役割の違いです。懐中電灯は向けた一点を照らす「移動用」、ランタンは周囲に光が広がる「据え置き用」。食卓で家族の手元を照らしたり、部屋全体をほんのり明るくしたりするのはランタンの仕事です。東京都防災ホームページでも、夜間の停電で避難経路を見失わないよう、停電時に自動点灯する照明や懐中電灯を併せて準備することが呼びかけられています。移動用と据え置き用、役割の違う2種類をそろえるのが基本形です。
置く場所別の必要台数と明るさの早見表|食卓・移動・手元作業
Panasonic公式サイトでは、あかりは各部屋に1灯と、家族1人につき1灯以上を複数用意するのがポイントとされています。この指針を暮らしのシーンに当てはめて、当サイトで早見表に整理しました。明るさの単位lm(ルーメン)は、数字が大きいほど明るくなります。表の数値は、次章で紹介する各メーカーの公表値を手がかりにした目安です。
| シーン | 向いている光 | 明るさの目安 | 台数の目安 |
|---|---|---|---|
| 食卓・リビング(食事、家族で過ごす) | 周囲に広がる拡散光 | 約200lm以上 | 食卓・リビングに1灯 |
| トイレ・廊下への移動 | 手に持てる小型・軽量 | 約30〜60lm(各製品の弱モードや小型モデル相当) | 家族1人につき1灯(懐中電灯で代用可) |
| 手元作業(片付け、簡単な調理) | 手元に寄せられる中間の明るさ | 約100lm前後 | 作業する場所に1灯 |
たとえば3LDKで4人家族なら、指針どおりに数えると「部屋4つ+4人分」で8灯以上になります。多く感じるかもしれませんが、1人1灯の分は手持ちの懐中電灯やヘッドライトを数に入れて構いません。まずは食卓用の据え置き1灯+移動用に人数分から始めるのが現実的です。置き場所は「使う場所の近く」が原則で、収納の奥にしまい込まないことも大切です(→マンションの備蓄の置き場所)。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各リンク先でご確認ください。
電源方式4種を比較|乾電池・充電式・ソーラー・手回し
電源方式は大きく4つあります。違いをつかみやすいよう、実在する製品のスペックを並べました。下表は各メーカーが公式サイトで公表している値をもとにした整理で、当サイトで実測したものではありません(将来的に実測レビューを掲載する可能性はあります)。
| 方式・製品例 | 明るさ(公表値) | 点灯時間(公表値) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 乾電池式 東芝 LKL-3000 |
約50〜200lmの3段階 | 強で約3時間、弱で約20時間(単3形アルカリ3本) | 約280gと軽く、IPX4の防沫形。電池を替えればすぐ使える |
| 乾電池式・大型 パナソニック BF-BL40K(でかランタン) |
最大約800lm | 明るさ最小なら最長約1500時間(エボルタNEO使用時) | 家族が集まる部屋の据え置き向き |
| USB充電式 GENTOS EX-016PB |
弱約30lm〜強約300lm(無段階調整可) | 強で約8.5時間、弱で約38時間 | USB Type-Cで充電約3.5時間。繰り返し約300回 |
| ソーラー式(3WAY) YAZAWA LA9S01BK |
約60〜100lm | 約4.5〜8.5時間(アルカリ乾電池使用時) | ソーラー約6時間・USB約3.5時間で充電でき、単3形乾電池3本でも動く |
| 手回し式 YAZAWA BS901WH |
ライト・ラジオ・サイレン付き | 手回し10分でライト約27分・ラジオ約13分 | 電池が尽きたときの最後の備え。主力には不向き |
停電対策の主力にしやすいのは、乾電池式か、乾電池でも動く3WAYタイプです。充電式は明るさの調整幅が広い一方、停電が長引くと再充電の手段が課題になります。また消費者庁によると、ワイヤレスイヤホン・スマートウォッチ・携帯用扇風機といったリチウムイオン電池を使う身近な製品では、発煙・発火等の事故が2020〜2024年度の5年間で162件登録され、うち84.0%が電池起因と考えられています。リチウムイオン電池を内蔵する充電式ランタンでも、充電は安全な場所で、なるべく起きている時間帯に行いましょう。
なお、スマホへの給電まで考えるなら、それはモバイルバッテリーやポータブル電源の役割です。あかりと給電を1台にまとめるより、役割を分けたほうが機種選びに迷いません。
失敗しない選び方のチェックポイント
明るさは「lm」と「lx」をセットで見る
lm(ルーメン)はランタンが放つ光の量、lx(ルクス)は照らされた場所の明るさです。たとえば東芝LKL-3000の公表値では、約200lmで点灯したとき50cm前方の明るさは約120lxとされています。大きなlm値だけでなく、「どの距離でどれくらい明るいか」という記載があると、食卓で使うイメージがつかみやすくなります。
点灯時間は弱モードの数字を確認
停電の夜に最大光量をつけっぱなしにする場面は多くありません。弱モードで一晩もつか(公表値の例: LKL-3000は弱で約20時間、EX-016PBは弱で約38時間)を目安にすると、電池の減り方を見積もりやすくなります。
防滴性能と電池のローリングストック
台風による停電では窓際や水回りで使うこともあるため、IPX4(防沫形)のような防滴表記があると扱いやすくなります。乾電池式は単3形など家のほかの機器と同じ電池サイズにそろえると、使いながら買い足すローリングストックがしやすくなります。電池の補充は台風シーズン前の買い物リストに入れておくと忘れません(→台風前に買っておくもの)。考え方はカセットボンベの備蓄と同じで、「普段使う消耗品を少し多めに持つ」が続けやすい形です(→カセットボンベの備蓄は何本?)。
ソーラーや手回しがなくても、単1形から単4形までどのサイズの乾電池でも点灯する方式なら、「使いたいときに合う電池がない」という事態を避けやすくなります。
ろうそくでの代用は避けたい|火災リスクの注意点
停電時のあかりをろうそくで代用することは、当サイトではおすすめしません。東京都の「ろうそくの安全性に関する調査」によると、令和4年に東京消防庁管内で発生したろうそくによる火災の死者数は過去10年で最多の4人でした。また、都内の20歳以上2,000人を対象とした同調査では、ろうそく使用時に事故やヒヤリハットを経験した人が15.4%にのぼり、停電時に風呂場で使ったろうそくを消し忘れて火災になった事例も報告されています。
停電の夜は、暗い中で火を持ち歩くという、ふだんはしない動きが起こりがちです。LEDランタンを人数分そろえておけば、そもそも火を使う理由をなくせます。
まとめ|今日から場所別にあかりをそろえよう
ランタン選びは製品の比較から入ると迷いますが、「各部屋に1灯+1人1灯以上」という置く場所からの逆算で考えれば、必要な台数と明るさは自然に決まります。今日やることは1つだけ。家にある懐中電灯やランタンを1か所に集めて、台数と電池の残量を確かめることです。足りない分が見えたら、早見表に当てはめて少しずつ買い足していきましょう。あかりの目星がついたら、持ち出し用の備え全体の見直しもどうぞ(→防災リュックの中身リスト)。
点検のあとに耐久品を買い足すなら
よくある質問
Q. 懐中電灯が人数分あれば、ランタンは不要ですか?
A. 役割が違うため、両方あると使い分けられます。懐中電灯は一点を照らす移動向き、ランタンは周囲全体を照らす据え置き向きです。食卓を囲む、部屋で過ごすといった時間の長い場面では、置いて使えるランタンが役立ちます。
Q. スマホのライトで代用できますか?
A. 短時間の移動には使えますが、停電中のスマホは連絡や情報収集のために電池を残しておきたい機器です。あかりを別に用意しておくと、照明でスマホの電池を消費せずに済みます。
Q. 明るさは大きいほどよいですか?
A. 場所によります。家族が集まる部屋では明るいモデル(最大約800lmの公表値を持つ製品など)が向きますが、トイレへの移動用なら弱めの明るさでも用途に合い、軽さや点灯時間の長さのほうが重要になります。
出典: 内閣府「家庭における地震時等の停電対策について」/東京都防災ホームページ「出火防止対策」/Panasonic「停電・避難の際に ライト・ランタン」/東京都「ろうそくの安全性に関する調査」/消費者庁「リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意しましょう」/東芝ライフスタイル「センサー付きLEDランタン LKL-3000」/Panasonic「でかランタン」/GENTOS「EX-016PB」/YAZAWA「USB充電もできるソーラーランタン」/YAZAWA「手回し充電ラジオライト付」
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