災害時のペットの水は何リットル必要?犬・猫の体重から逆算する早見表

災害時のペットの水は何リットル必要?犬・猫の体重から逆算する早見表

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「人の水は1人1日3リットル」という数字はどの防災サイトにも載っているのに、犬や猫の欄だけがどこにもない。リュックに水を詰めながら、そこで手が止まった人は少なくないはずです。

目安の答えはとても短いものでした。犬も猫も、1日に必要な水は体重1kgあたり40〜60mL。5kgの犬なら1日200〜300mL、4kgの猫なら160〜240mLという計算になります(ヒルズ・ペット栄養科学研究所の公表値/2026年9月3日確認時点)。3日分に直すと5kgの犬でおよそ0.6〜0.9L、7日分でもおよそ1.4〜2.1L。500mLのペットボトルで数本ぶん、という規模感です。

思っていたより少ない、と感じた方が多いのではないでしょうか。ペットの水がやっかいなのは、量そのものではありません。人の水と同じ棚から、同じ速さで減っていくことのほうです。以下では体重から直接引ける早見表と、人とペットを足して「わが家の合計」を出す計算式を用意しました。なお、ここで扱う数値はいずれも健康な状態での目安であり、気温・運動量・年齢・持病によって変わります。

この記事でわかること

  • 犬・猫の1日の飲水量の目安は体重1kgあたり40〜60mL。その数字がどこから来ているか
  • 体重別・犬猫別の早見表(1日/3日分/7日分をリットルで表示)
  • 人の3L/日とペットの分を足して、わが家の必要リットル数を出す書き込み式の計算
  • ウェットフードを備えると、必要な飲み水が減る理由

フードを何日分そろえるかは、この記事では扱いません。給餌量からの逆算と環境省の考え方はペットフードの備蓄量|犬・猫に何日分?環境省基準と1日給餌量からの計算式にまとめてあります。ここは水だけの話です。

目次

犬猫の飲水量の目安は「体重1kgあたり40〜60mL」から計算する

飲水量の目安とは、健康な犬や猫が1日に口にする水の量を体重から換算した数値のことです。ペットフードメーカーのヒルズが運営するペット栄養科学研究所の公式ページでは、犬・猫ともに体重1kgあたり1日40〜60mLという数字が示されています(2026年9月3日確認時点)。体重5kgなら約300mL、体重45kgの大型犬なら約3Lという例も同じページに挙げられていました。

猫についてはもう一つ、体重換算とは別の実測レンジが載っています。成猫で1日150〜300mL程度、ただし食べているフードの種類で大きく変わる、という書き方です。この「フードで変わる」という一言が後半の鍵になります。

この40〜60mLという幅は、あくまで健康な状態での目安です。子犬・子猫、高齢、腎臓や糖尿の持病がある場合、飲む量も必要な量も変わります。「この量を飲ませれば安心」という性質の数字ではありません。心配な点は、備蓄を組む前にかかりつけの獣医師に確認してください。

体重別の早見表|犬と猫を分けて3日分・7日分まで出す

早見表とは、体重の行を上から探すだけで必要リットル数にたどり着ける対応表のことです。上の計算式(体重kg×40〜60mL)を、そのまま日数まで掛けた形にしました。備える量を決めるときは、範囲の多いほう(60mL)で見ておくと安全側に倒れます。

犬の場合

体重 1日の目安 3日分 7日分
3kg 120〜180mL 約0.4〜0.5L 約0.8〜1.3L
5kg 200〜300mL 約0.6〜0.9L 約1.4〜2.1L
10kg 400〜600mL 約1.2〜1.8L 約2.8〜4.2L
20kg 800〜1,200mL 約2.4〜3.6L 約5.6〜8.4L
30kg 1,200〜1,800mL 約3.6〜5.4L 約8.4〜12.6L

猫の場合

体重 1日の目安 3日分 7日分
3kg 120〜180mL 約0.4〜0.5L 約0.8〜1.3L
4kg 160〜240mL 約0.5〜0.7L 約1.1〜1.7L
5kg 200〜300mL 約0.6〜0.9L 約1.4〜2.1L
6kg 240〜360mL 約0.7〜1.1L 約1.7〜2.5L
8kg 320〜480mL 約1.0〜1.4L 約2.2〜3.4L

数字を並べると身も蓋もありませんが、換算するとこうなります。4kgの猫の7日分は、コンビニの500mLペットボトルで3〜4本。20kgの中型犬でも、2Lボトル3〜5本あれば1週間ぶんに届きます。犬猫の水そのものは、置き場所に困るほどの量にはならないわけです。

そなえぐらし管理人
正直に言うと、編集部の整理でも「ペットの水は思ったより少ない」が最初の発見でした。危ないのは量を見誤ることより、人の分に混ぜて数えて、いつの間にか足りなくなること。

なお猫は、水そのものより器や置き場所で飲む・飲まないが分かれる動物です。避難の道具立てが犬と違ってくる理由は猫の防災グッズは犬と何が違う?にまとめました。

人とペットの水を合算する計算式|わが家の必要リットル数を出す

合算とは、人の備蓄水とペットの備蓄水をひとつの数字にまとめる作業のことです。人の目安は農林水産省が示す1人1日3リットル(飲用・調理用、最低3日分で9L/2026年9月3日確認時点)。ペットは前章の計算式を使います。次の3行を埋めてみてください。

わが家の必要リットル数
① 人の分 = 3L × ___人 × ___日 = ___ L
② ペットの分 = 体重 ___kg × 0.06L × ___日 = ___ L(多頭飼いは頭数ぶん繰り返して足す)
③ 合計 = ① + ② = ___ L

②の0.06Lは、目安の上限である60mLをリットルに直したものです。少ないほうの40mLで計算したければ0.04Lに置き換えてください。

大人2人と4kgの猫1匹、7日分で埋めるとこうなります。人が3L×2人×7日で42L、猫が0.24L×7日で約1.7L、合計およそ43.7L。2Lボトルに換算して約22本、6本入りのケースなら約4ケースぶんです。

ここで気づくことがあります。ペットの分は全体の4%に届きません。備蓄の重さを決めているのは、ほぼ人の側なのです。だからこそ、ペットの水を人の箱に同居させると、真っ先に人が使ってしまう。ペットのぶんは、たとえ2Lボトル1本でも別に分けて置くほうが確実です。人の必要量の内訳や生活用水との違いは水の備蓄は1人何リットル?飲料水と生活用水の必要量・本数早見表で詳しく扱っています。

合計を出したら、あとは数えやすい単位でそろえるだけです。編集部が箱で買う前提の候補として整理したのはアイリスオーヤマ 長期保存水 2L×6。2L×6本というケース単位なので、上の計算式で出した「合計◯L」を12Lで割るだけで必要ケース数が決まり、在庫の数え直しも箱の数で済みます。保存年数や採水地といった仕様は商品ページの表示をご確認ください。

ウェットフードを備えると、必要な飲み水は減る

ウェットフードとは、缶詰やパウチのように水分を多く含んだタイプのペットフードのことです。一般に水分は75〜90%程度とされます(複数のペットフード専門メディアの記述が一致。特定メーカー公式の成分表示は未取得のため、目安としての引用にとどめます/2026年9月3日確認時点)。

これが備蓄にどう効くのか。ヒルズの公式ページには、猫の具体例が載っています。ドライフード主体では1日約300mLだった飲水量が、缶詰主体では約150mL程度になるという比較です(2026年9月3日確認時点)。犬についても「ウェットタイプを食べている犬は食事から水分を摂るため、飲む量が少ない傾向」という記述があり、こちらは具体的なmL数までは示されていません。

つまり備蓄の設計としては、ウェットフードを何食か混ぜておくと、その分だけ持ち出す水のボトルが減らせる、という関係になります。逆に、ふだんドライ主体の子は表の多いほう(60mL)で見積もっておくほうが無理がありません。

ただし、これは「水を減らしてよい」という話ではありません。避難先でウェットを食べてくれる保証はどこにもなく、食欲が落ちる場面のほうがむしろ普通です。水は表どおりに用意したうえで、ウェットは余裕として持つ。この順番を逆にしないでください。

置き方で決まる|器・分散・運搬の3点だけ押さえる

停電した夜、暗い体育館の隅で、床にペットボトルを傾けて犬に飲ませようとする——避難所の水の話は、たいていこの場面から始まります。量が足りていても、飲ませる形が無ければ意味がありません。

ふだん家で使っている陶器やステンレスの器は、重くて割れる。紙皿は水を入れると数分でふやけます。避難用のバッグに入るのは、たたんで薄くなる器という条件になります。編集部が候補として整理したのは折りたたみのペット用給水ボウル(Amazonの商品ページ表示では VIBRIPRIYA/型番 JP410250305・2026年8月10日確認)。メーカー公式のスペックは未収集のため、重量・素材・容量といった仕様はここでは書きません。バッグの隙間に差し込めて、水を注げばそのまま器になる、という一点で選ぶ候補です。

器が決まったら、次は置き場所を散らす番です。ペット用の水を1か所にまとめると、その部屋に入れなくなった瞬間にゼロになります。玄関の持ち出し袋に1本、寝室に1本、車に1本。分散の考え方は人の備蓄と同じです。

そして数日たつと、話は「給水所から運ぶ」に変わります。ペット同伴で並ぶ列に2Lボトルを何本も抱えていくのは現実的ではなく、折りたためる容器がひとつあると往復の回数が減ります。山善 折り畳みウォータータンク 10L YWT-10は、使わないときは畳んでしまえる10Lのタンク。10Lは4kgの猫なら計算上40日分を超え、20kgの犬でも8日以上に相当する量です(重量はメーカー公式に記載が見当たらないため記載しません)。

避難先に何をどの順で持っていくかは、水だけでは決まりません。優先順位の全体像はペットの同行避難の準備リスト|環境省が示す優先順位を参照してください。

この目安が当てはまらないケース

体重換算はあくまで健康な成犬・成猫を前提にした計算です。次に当てはまる場合、表の数字はそのまま使えません。

  • 子犬・子猫:体重あたりの必要量が成犬・成猫と異なる
  • 高齢、または腎臓・糖尿など持病がある:飲水量そのものが平時から違う
  • 療法食やウェット主体:食事からの水分量が前提と変わる
  • 多頭飼い:頭数ぶんを個別に計算して足す。器も頭数ぶん要る
  • 夏の避難や、屋外での待機が長くなる場合

これらに一つでも当てはまるなら、備蓄量の判断はかかりつけの獣医師に相談してください。この記事の数値は診断や治療の代わりになるものではありません。

よくある質問

Q1. 人間用の長期保存水を、そのままペットに飲ませてもいいですか?

調べた範囲では、環境省や獣医師会などによる公的な統一見解を確認できませんでした(2026年9月3日確認時点)。個別の獣医師監修記事に「軟水は基本的に問題ない、硬水は注意」という趣旨の記述はありますが、これは平時の飲用水選びの話であり、災害備蓄用の保存水を直接扱ったものではありません。与えてよいとも、いけないとも、この記事では断定しません。ふだんの飲水や持病の有無をふまえた判断になるため、かかりつけの獣医師に確認しておくのが確実です。

Q2. ペットの水は何日分そろえればいいですか?

環境省の「ペットの災害対策」ページ本文には「十分な水や食料の他、常備薬等も用意し」とあるだけで、具体的な日数の記載は確認できませんでした。現行の「人とペットの災害対策ガイドライン」(平成30年2月改訂)本文PDFは画像形式でテキストを抽出できず、日数の原典確認には至っていません(2026年9月3日確認時点)。そのため当サイトでは日数を断定せず、人の備蓄と同じ「最低3日分、可能なら1週間分」という一般的な防災の目安に合わせて表を組んでいます。フードの日数と合わせて決めたい場合は、親記事の考え方に合わせてそろえるのが分かりやすいでしょう。

Q3. うちの猫はあまり水を飲みません。少なめでも大丈夫?

ヒルズの公表値では、成猫の実測は1日150〜300mL程度で、食事の種類によって幅が出るとされています。缶詰主体なら約150mL、ドライ主体なら約300mLという例のとおり、飲む量が少ないこと自体がただちに問題とは限りません。ただし備蓄の量は、避難先で何を食べるか分からない前提で組むもの。表の多いほうで用意しておき、飲水量の変化そのものが気になるときは獣医師の判断を仰いでください。

まとめ|今日やることは、ペット用の1本を分けて置くだけ

必要な量は、体重1kgあたり40〜60mL。5kgの犬でも7日分で2Lボトル1本強という、拍子抜けするほど小さな数字でした。足りなくなる原因は量の見積もりではなく、人の水と混ざって先に消えることにあります。

  1. 体重を量る早見表は体重の行から引きます。うろ覚えの体重で計算しないところから始めます。
  2. 合計を出す「3L×人数×日数」+「体重kg×0.06L×日数」で、わが家の必要リットル数を1つの数字にします。
  3. ペット用として分けて置く出た量のうちペットのぶんを、人の箱とは別の場所へ。ラベルを1枚貼るだけでも違います。
そなえぐらし管理人
3ステップと書きましたが、今日やるのは3番だけで十分です。棚の奥から2Lを1本引き抜いて、ペットのごはんの隣に置く。それだけで、この記事の目的はほぼ達成されます。

参考・出典

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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