ペットフードの備蓄量|犬・猫に何日分?環境省基準と1日給餌量からの計算式・早見表

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フードの袋を持ち上げたとき、思ったより軽くて「あ、あと数日分しかない」と気づく。犬や猫と暮らしていれば、覚えのある感覚だと思います。ふだんなら買い足せば済む話。ただ、備蓄となると必要な量が急にわからなくなる。

先に数字を置きます。環境省のガイドラインは、ペット用のフードと水を「少なくとも5日分(できれば7日分以上)」と示しています(出典: 環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」)。必要量そのものは、1日の給餌量(g)× 頭数 × 日数という掛け算ひとつ。1日100g食べる子なら、7日分は700g。500gの小分けパックで1.5袋弱です。

難しいのは日数でも計算方法でもなく、自分のペットの1日あたりの量を把握しているかだけ。ここさえ押さえれば、電卓を1回叩いて終わります。

この記事でわかること

  • 環境省が示すペットフード・水の備蓄日数(5日分/7日分以上)の原文と位置づけ
  • 1日の給餌量から必要量(kg)を出す計算式と、5日・7日・14日分の早見表
  • ドライ/ウェット/小分けパックの保存性の違いと、ローリングストックへの組み込み方
  • フードと同じ優先順位で備える「フード以外」のもの(環境省の優先順位リスト)
目次

ペットフードの備蓄日数は「少なくとも5日分、できれば7日分以上」

ペットフードの備蓄日数とは、買い足しができない期間を手持ちだけで食事をつなげる日数のことである。ここには公的な数字があります。

環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」は、飼い主が確保しておく備蓄品を優先順位つきで整理しています。その優先順位1「動物の健康や命に係わるもの」の筆頭が「ペットフード、水(少なくとも5日分[できれば7日分以上])」です(出典: 環境省、同ガイドラインPDF 本文p.19「4 ペット用の避難用品や備蓄品の確保」)。

注目したいのは、フードと水がセットで書かれている点、そして同じ優先順位1に「療法食、薬」も並ぶ点です。備蓄リストを作るときに抜けやすいのが、まさにこの2つ(出典: 環境省)。

一方、環境省のウェブページ「ペットの災害対策」側に日数の明記はなく、「十分な水や食料の他、常備薬等も用意し、避難所や避難ルートを確認しておく」という案内にとどまります(出典: 環境省)。ネット上で「3日分」「1ヶ月分」と数字が割れるのは、上のPDFにたどり着かないまま孫引きされるためです。

人の非常食は「最低3日、できれば7日」が広く案内される目安で、考え方は非常食は何日分必要かで整理しています。世帯で設計するときは、人の日数に引きずられてペット分を3日で止めないこと。

備蓄量の計算式は「1日の給餌量 × 頭数 × 日数」の3要素で決まる

必要備蓄量とは、そのペットが1日に食べる量を、備える日数分だけ積み上げた総重量のことである。要素は3つしかありません。

必要備蓄量(g) = 1日の給餌量(g) × 頭数 × 備蓄日数
※1日の給餌量が不明な場合は → 1日の必要カロリー(kcal) ÷ フードのkcal/100g × 100 = 1日の給餌量(g)

問題は最初の「1日の給餌量」です。同じ体重の犬でも、100gあたりのカロリーが高いフードなら少ないグラム数で済み、低ければ増える。体重だけでは決まらないため、「体重◯kgなら◯g」という万能の数表は原理的に作れません。

実際、主要メーカー公式(ユニ・チャームペット、ヒルズ、ロイヤルカナン)はいずれも、固定の数表ではなく入力式の計算ツールで給与量を提供しています。ユニ・チャームペットの「ペットフード給与量計算」は、犬・猫の種類、成長段階、体重、フードの100gあたりカロリーを入れると1日の給与量目安をkcalとgで出す仕組み(出典: ユニ・チャームペット公式)。ヒルズの「フード給与量ガイド」も同様の形式です(出典: Hill’s Pet Nutrition Japan公式)。

やることは単純。いま与えているフードの袋の裏を見て、100gあたりのkcal表示を控える。その数字を計算ツールに入れて1日のg数を出し、日数を掛ける。所要3分です。

なお同ツールは総合栄養食と水のみを与える場合の基準で、「より正確な給与量については、かかりつけの獣医師にご相談ください」と注記されています(出典: ユニ・チャームペット公式)。指定の食事がある場合は、備蓄量の設計も動物病院に相談してください。

1日の給餌量別・必要備蓄量の早見表(5日/7日/14日分)

早見表とは、掛け算の結果を並べて計算の手間を省いたものである。下表は1頭あたりの数値。多頭飼いなら各頭の数字を足してください。

1日の給餌量 5日分 7日分 14日分
40g 200g 280g 560g
60g 300g 420g 840g
80g 400g 560g 1.12kg
100g 500g 700g 1.4kg
150g 750g 1.05kg 2.1kg
200g 1.0kg 1.4kg 2.8kg
300g 1.5kg 2.1kg 4.2kg

体感に変えてみます。1日100gの子の7日分は700g——500mlペットボトル1.5本ぶんで、棚1段の隅に収まります。1日300gの大型犬なら2.1kg。2Lペットボトル1本より重く、持ち出すには覚悟がいる重量です。量が決まって初めて、置き場所と持ち出し方が具体化する。計算を先にやる理由はここにあります。

2頭飼いなら2倍、猫3頭なら3倍。多頭飼いの家庭ほど「思っていたより多い」となりがちです。

そなえぐらし管理人
正直なところ、この記事を作るまで私も「大きい袋を1つ買っておけば安心」という認識でした。でも計算すると、効くのは総量より袋の分け方だとわかります。5kg袋1つと1kg袋5つ。同じ5kgでも、持ち出せるのは後者です。

ドライ・ウェット・小分けパックは保存性が違うため役割を分ける

保存性とは、開封前後にどんな環境でどれだけの期間もつかという性質のことである。備蓄の主役をどれにするかは、ここで決まります。

ヒルズ公式は、ドライフードについて「湿気の少ない涼しい場所(38℃以下)で保存してください」とし、「48℃を超える環境に48時間以上置くと、製品の劣化やビタミンの破壊が早まります」と明記しています(出典: Hill’s Pet Nutrition Japan公式)。夏場の車内やベランダ収納が向かないのは、この温度条件のためです。

ウェット(缶詰)は条件が変わります。同社は開封前を「10〜38℃の場所に保存してください。冷凍はしないでください」、開封後は「冷蔵庫で保存してください」「2時間以内に食べ切るようにし」「2〜3日以内に使い切ってください」と案内(出典: Hill’s Pet Nutrition Japan公式)。つまり停電で冷蔵庫が使えない状況では、開封後のウェットはその場で食べ切る前提になります。

だからこそ小分けパックが効きます。常温保存タイプには賞味期限の長いものもあり、いなばペットフードの「焼ささみ かつお味」は賞味期限18ヶ月、内容量1本、約35kcal/本と公表されています(出典: いなばペットフード公式)。1回で使い切るサイズなら、開封後の保存問題そのものが起きません。

タイプ 開封前の扱い 開封後 備蓄での役割
ドライ 38℃以下・湿気の少ない場所 密閉して早めに使い切る 主食。総量の大半を担う
ウェット(缶) 10〜38℃・冷凍不可 要冷蔵・2〜3日以内 補助。停電時は使い切り前提
小分けパック 常温保存で長期のものも(例: 18ヶ月) 1回で使い切り 持ち出し袋用

迷ったら1文で——総量はドライで確保し、持ち出し袋には小分けパックを入れる。保存条件のうえでも重量のうえでも無理のない形です。

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ペットフードのローリングストックは「小分け+定位置」で回す

ローリングストックとは、備蓄品をふだんの生活で消費しながら買い足し、常に一定量を保つ方法のことである。ペットフードは毎日必ず減るため、人の食料よりこの方式と相性がいい分野です。

  1. 下限を決める早見表で出した「7日分」を切らさないラインとして紙に書き、袋に貼る。
  2. 下限を割ったら買う残りが近づいた時点で次を買い、使うのは常に古い袋から。
  3. 定位置を作る「ここが空いたら補充」と一目でわかる置き方に。数えずに見て判断できる状態が理想です。

ポイントは備蓄用と日常用を分けないこと。分けた瞬間、備蓄側だけ放置されて期限が切れます。人の食料での同じ考え方はローリングストックのやり方に、期限管理でつまずいたときの整理は非常食の期限切れへの対処にまとめています。

もうひとつ。銘柄を切り替えるときは、古いほうが棚の奥に取り残されがちです。切り替え時こそ棚の中身を見る。

フード以外に備えるものは環境省の優先順位リストで確認する

備蓄品の優先順位リストとは、限られた持ち出し容量の中で何から詰めるかを整理した順序表のことである。環境省のガイドラインは、これを3段階で示しています(出典: 環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」)。

  • 優先順位1(動物の健康や命に係わるもの): ペットフード、水(少なくとも5日分、できれば7日分以上)/療法食、薬/ペットシーツ/排泄物の処理用具/トイレ用品(猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部)/食器
  • 優先順位2(情報): 飼い主の連絡先/ペットの写真/ワクチン接種状況・既往症・投薬中の薬情報・検査結果・健康状態・かかりつけの動物病院などの情報
  • 優先順位3(ペット用品): タオル、ブラシ/ウェットタオルや清浄綿/ビニール袋/洗濯ネット/ガムテープやマジック

この並びを見ると、フードだけ積んでも備えは半分だとわかります。見落とされやすいのが猫砂。わざわざ「使い慣れた」「使用済猫砂の一部」と書かれているのは、環境が変わった場所でも排泄できるようにするためです。

同じ優先順位1に並ぶペットシーツも、量で効くものの代表です。ワンモードの「超吸収 ペットシーツ 厚型 ワイド 大容量 240枚 業務用」は犬にも猫にも使えるトイレシートで、240枚入りの業務用サイズ。断水した期間は洗って干すという選択肢が消えるため、交換の回数はふだんより読みにくくなります。厚型のワイドなら1枚あたりの守備範囲が広く、ケージの中に敷く使い方にも回せる。入数やサイズの詳細は、販売ページで最新の仕様を確認してください。

水も同じ優先順位1です。ペット分と人間分を合わせた総量の考え方は水の備蓄量の計算で確認してください。飲用だけでなく、食器を洗う分も現実には要ります。

その食器も、同じリストに名前が挙がっている一品です。VIBRIPRIYAの折りたたみ給水ボウルは餌入れと給水の両方に使える形で、350mlと650mlの容量から選べ、カラビナが付いています。持ち出し袋の外側に留めておけるうえ、使わないときは平たくたためるので、袋の中でフードの場所を奪いません。散歩やふだんの外出で先に使い慣れておくと、避難の当日に戸惑わずに済みます。容量やカラビナの仕様は、販売ページで最新の情報を確認してください。

優先順位2の「情報」は、コストゼロで今日できる備えです。ワクチンの記録や動物病院の連絡先をスマホで撮影し、紙にも印刷して持ち出し袋へ。それだけで大半が埋まります。

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ペットフードの置き場所は4か所に分散させる

分散保管とは、備蓄品を1か所にまとめず複数の場所に分けて置く方法のことである。一室が使えなくなっても全部を失わないためです。

ペットフードなら、日常ストック(キッチン周り)、持ち出し袋(小分けパック中心)、車載分、玄関の少量——この4か所。1つ使えなくても数日はつながります。

車内保管は要注意です。ヒルズが示す「48℃を超える環境に48時間以上」という劣化条件(出典: Hill’s Pet Nutrition Japan公式)に、真夏の車内は容易に該当します。車載分を持つなら、真夏は積まない・短期で入れ替えるといった運用が前提になります。

分散の考え方は防災グッズの収納は4か所分散でに、集合住宅の事情はマンションでの備蓄置き場所にまとめています。

この計算法が向かない場合とデメリット

ここまでの方法は、成犬・成猫が総合栄養食を一定量食べている前提の設計です。以下に当てはまるなら、計算だけでは足りません。

  • 療法食や指定の食事がある: 環境省リストでも優先順位1に「療法食、薬」が入ります。備蓄日数や入手経路はかかりつけの動物病院へ
  • 成長期・高齢期で給餌量が変わる: 早見表は固定値の掛け算。量が動く時期は3か月に1度の見直しが前提です
  • 偏食がある/複数銘柄を混ぜている: 総量が合っていても、食べない銘柄では意味がありません
  • 置き場所の温度管理ができない: 38℃以下を保てないなら、量を減らして回転を速める設計に切り替えます

デメリットもはっきり書きます。日数を積むほど置き場所を圧迫します。1日300gの大型犬2頭で14日分なら8.4kg——収納の一角が丸ごと埋まる規模。加えて期限管理の手間も恒常的に発生します。「買って置けば終わり」ではありません。

それでも計算する価値があるのは、量が決まれば置き場所も持ち出し方も自動的に決まるからです。ここまで読んだ方は、もう必要量を出す材料が揃っています。

フード以外まで一式でそろえたい場合は、まとまった製品から始める手もあります。防災ダイレクトの「ペット防災セット(ホワイト)」は防災士監修の犬猫兼用で、防炎防水素材のバッグはショルダーと手持ちの2way。反射材と蓄光材、QRコードの迷子札が付いており、暗い中を移動する場面やはぐれたときを想定した構成になっています。すでに手元にあるものと重なる部分は、フードの置き場所に振り替えればいい。同梱品の一覧と各点の仕様は、販売ページで最新の情報を確認してください。

まとめ:今日やることは「袋の裏のkcal表示を控える」1つだけ

環境省が示す少なくとも5日分、できれば7日分以上を基準に、1日の給餌量 × 頭数 × 日数で総量を出す。これが全体像です。1日100gなら7日で700g、300gなら2.1kg。数字が出れば袋のサイズも置き場所も決まります。

  1. kcal表示を控えるいま使っているフードの袋裏、100gあたりのカロリーをメモする。
  2. 1日のg数を出すメーカー公式の給与量計算ツールに体重とkcalを入力し、1日の給餌量を確定させる。
  3. 7日分を分けて置く出た数字×7を用意し、日常ストックと持ち出し袋へ分散。猫砂・水・病院情報も同じ棚に。

先に数字を決めてしまえば、あとは合うものを選ぶだけです。まずは袋の裏を見るところから。

参考・出典

数値は2026年8月4日に各公式サイトで確認した内容に基づきます。給与量や食事の内容は、かかりつけの動物病院にご相談ください。

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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