非常食で足りなくなる栄養はたんぱく質と野菜|公表値で見る主食だけの備蓄の穴

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備蓄箱にアルファ米が20食。水も、カセットボンベも、モバイルバッテリーもある。数だけ見れば足りている——けれど「中身の栄養」まで数えたことがある人は、そう多くないはずです。

先に答えを置きます。尾西食品のアルファ米「白飯」を1日3食たべた場合、たんぱく質は18.9gです。厚生労働省が避難所の食事について示している参照量は、1歳以上1人1日あたりたんぱく質55g。18.9 ÷ 55 = 約34%。主食だけの備蓄は、たんぱく質でいえば3分の1程度にとどまる計算になります。

エネルギーも同じです。白飯のアルファ米3食で1,098kcal、成人(15〜69歳)の参照量2,100kcalに対して約52%。しかも尾西食品・サタケの白飯の栄養成分表示には、ビタミンCの項目そのものがありません。この記事は、その「穴」がどこにどれだけ空いているのかを、各メーカーが公表している数値だけを並べて確かめていく記事です。数字の出どころが弱いものは、弱いと書いたうえで数値を伏せています。

この記事でわかること

  • 厚生労働省が避難所の食事について何と記しているか(原文引用つき)
  • 主食系の非常食4ブランドの、1食あたりエネルギー・たんぱく質・食塩相当量の公表値
  • 主食だけで1日3食を回したときのたんぱく質充足率(当サイトの積算・途中式つき)
  • わが家の不足量を「人数×日数」で出す書き込み式の早見表と、そこに足す食品

備蓄の全体像、つまり水・食料・衛生用品を何日分ずつ持つかという枠組みから見直したい方は、家庭の備蓄品リスト完全版|人数×日数の早見表を先に開いてから戻ってきてください。この記事は、そのリストの「食料」欄をもう一段だけ深く掘る位置づけです。

目次

厚生労働省は避難所の食事を「主食が中心」と記している

避難所における食事提供の栄養の参照量とは、被災後の避難所で確保が望まれる栄養素の量を、国が数値で示したものです。

根拠は、厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室が出した「避難所における食事提供の計画・評価のために当面の目標とする栄養の参照量について」(平成23年4月21日付事務連絡)。ここに、避難所の食事の実態がこう書かれています。

おにぎりやパンなどの主食が中心で、肉・魚等のたんぱく質や野菜などの副食の摂取は十分ではなく、避難所間での不均衡もみられる状況にあります。

出典:厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室「避難所における食事提供の計画・評価のために当面の目標とする栄養の参照量について」(2026年8月17日確認)

この一文が、この記事の出発点です。不足しやすいのが「たんぱく質」と「野菜」だという整理は、当サイトの主張ではなく、国がすでに文書に書いていること。ここを押さえておくと、あとの数字が読みやすくなります。

同じ事務連絡の別紙には、目標とする参照量が示されています。

対象 エネルギー たんぱく質 ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンC
1歳以上(1人1日あたり) 2,000kcal 55g 1.1mg 1.2mg 100mg
成人 15〜69歳 2,100kcal 55g 1.1mg 1.3mg 100mg
高齢者 70歳以上 1,800kcal 55g 公式未記載(本記事では未確認) 公式未記載(本記事では未確認) 100mg

出典:厚生労働省・同事務連絡別紙(被災後3ヶ月までを想定。2010年版食事摂取基準を平成17年国勢調査の人口構成で加重平均して算出されたもの/2026年8月17日確認)

この参照量は「被災後3ヶ月まで」を想定した避難所向けの目標値であり、平常時の1日の必要量とは別のものさしです。この記事の計算はすべて、この55g・2,100kcal・100mgを基準に行っています。

ちなみに農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」も、家庭備蓄の推奨として「ツナ、サバ、イワシ、サンマなど魚介の缶詰や、コンビーフ、牛肉の大和煮、焼き鳥など肉類の缶詰は長期保存ができる上、手軽にたんぱく質をとることができる」、そして「じゃがいも、たまねぎ、かぼちゃなどの日持ちする野菜を日頃から多めに買い置き」を挙げています。国の二つの省庁が、それぞれ別の文書で同じ方向を指しているわけです。

主食系の非常食の公式栄養成分表示にエネルギー・たんぱく質・食塩相当量は載るが、ビタミンCの表示欄は見当たらなかったことを示す対応図

主食系の非常食は1食あたりのたんぱく質が6〜8g台にとどまる

主食系の非常食とは、アルファ米・缶詰パン・即席麺など、水や湯だけで主食が1食ぶん成立する備蓄食品のことです。

ここが、この記事の核になる表です。編集部が各メーカーの公式サイト・公式PDFに掲載されている栄養成分表示を1件ずつあたり、1食あたりのエネルギー・たんぱく質・食塩相当量を横並びにしました。公式ページに欄そのものがないものは、埋めずに「公式未記載」と残しています。

商品(メーカー) 1食の量 エネルギー たんぱく質 食塩相当量 ビタミンC
アルファ米 白飯(尾西食品) 100g 366kcal 6.3g 0.01g 公式未記載
アルファ米 五目ごはん(尾西食品) 100g 377kcal 6.9g 1.8g 公式未記載
マジックライス 白飯(サタケ) 100g 364kcal 6.2g 0.01g 公式未記載
マジックライス 五目ご飯(サタケ) 100g 357kcal 8.1g 2.5g 公式未記載
PANCAN オレンジ味(パン・アキモト) 1缶 335kcal 7.8g 0.48g 公式未記載
PANCAN ストロベリー味(パン・アキモト) 1缶 331kcal 7.3g 0.43g 公式未記載
カップヌードル(日清食品/比較用) 78g 364kcal 10.7g 4.6g 公式未記載

出典:各社公式サイトおよび公式PDFの栄養成分表示(2026年8月17日確認)。カップヌードルの数値については、日清食品グループ公式サイトに「パッケージ表示と異なる場合がある」旨の注記があります。

数字が並んだので、いったん言葉に翻訳します。主食系の非常食は、どれを選んでも1食あたりのたんぱく質が6g台から10g台の狭い帯に収まっているということ。白飯かパンか、和風か洋風かという選択は、たんぱく質の量にはほとんど影響しません。味の好みで選んで構わない代わりに、味の好みでは不足は埋まらない、という構造です。

もうひとつ、食塩相当量の列は落差が激しい。尾西食品の白飯が0.01g、カップヌードルが4.6g。同じ「1食」でも、食塩相当量では460倍の開きがあります。サタケの五目ご飯の2.5g、尾西の五目ごはんの1.8gも、白飯とは桁が違う。備蓄を全部味つきごはんで揃えると、意図せず食塩の摂取が積み上がっていく——これは公表値を並べて初めて見える形です。

この表に載せた商品には、当サイトは商品リンクを置いていません。検証の対象に広告を貼ると、数値の並べ方そのものが疑われるためです。リンクを置くのは、後半の「不足を補う側」の商品だけにしています。

アルファ米や缶詰パンといった主食系の非常食そのものの選び方(保存年数、水だけで戻るか、アレルギー表示など)は、非常食のおすすめはどれ?種類別の選び方で種類別に整理しています。この記事は、そこで選んだ主食の「その先」を扱う内容です。

【当サイトの試算】主食だけで3食回すとたんぱく質は参照量の約34%になる

積算とは、1食あたりの公表値に食数を掛けて、1日ぶん・数日ぶんの合計を出す計算のことです。

途中式をすべて見せます。使うのは、上の表にある尾西食品のアルファ米「白飯」(100g)の公表値と、厚生労働省の参照量(成人15〜69歳)だけです。

【1日ぶん・白飯のアルファ米3食】
たんぱく質:6.3g × 3食 = 18.9g → 18.9 ÷ 55g = 約34%
エネルギー:366kcal × 3食 = 1,098kcal → 1,098 ÷ 2,100kcal = 約52%
不足するたんぱく質:55g − 18.9g = 36.1g/人・1日
※当サイトの単純積算です。公的機関が示した食べ合わせの推奨ではありません(2026年8月17日時点の公表値による)。

36.1gという数字だけでは、多いのか少ないのか掴めないと思います。だから同じ表の中で換算してみます。ホテイフーズの「やきとり たれ味」(75g缶)は1缶あたりたんぱく質11.5g。36.1 ÷ 11.5 = 約3.11日あたり、やきとり缶を3缶以上あけてようやく届く量です。エネルギーの不足分(2,100 − 1,098 = 1,002kcal)を大塚製薬のカロリーメイト ロングライフ(2本200kcal)に置き換えれば、1,002 ÷ 200 = 約5回ぶん。

味つきごはんならどうか、という疑問も先に潰しておきます。サタケのマジックライス「五目ご飯」はたんぱく質8.1gで、主食系のなかでは高いほう。8.1g × 3食 = 24.3g、24.3 ÷ 55 = 約44%。10ポイントほど改善しますが、半分には届きません。そのぶん食塩相当量は2.5g × 3食 = 7.5gまで積み上がります。主食の銘柄を替えて解く問題ではない、というのがこの計算の結論です。

そしてビタミンC。参照量は100mgですが、尾西食品・サタケいずれの白飯も、公式の栄養成分表示にビタミンCの欄がありません。「0mg」と断定はできない——公表されていないものを数値にするのは、この記事のやり方ではないからです。書けるのはここまで:主食系の非常食では、ビタミンCが公表されている商品が見つかりませんでした(2026年8月17日時点)。

そなえぐらし管理人
この記事、当初は「1日に必要なたんぱく質は◯g」という一般向けの数値を軸にする予定でした。ただ、その根拠にあたる公的PDFが画像化されていて本文を直接確認できず、二次情報の一致でしか裏が取れなかった。だから軸を、原文を確認できた避難所の参照量55gのほうに丸ごと差し替えています。読者から見れば数字がひとつ変わっただけですが、ここを妥協すると当サイトが表を作る意味がなくなるので。

備蓄を3日分にするか7日分にするかで、この不足量は素直に3倍・7倍になります。日数の決め方そのものに迷いがある場合は、非常食は何日分必要?3日分と7日分の早見表で先に日数を確定させてから、次の早見表に進んでください。

わが家の不足量は「人数 × 日数 × 36.1g」で出せる

不足量の早見表とは、上の1人1日あたり36.1gという積算結果に、家族の人数と備蓄日数を掛けた一覧のことです。

下の表は、主食系の非常食だけで3食を回した場合に、たんぱく質があと何g足りない計算になるかを人数×日数で並べたものです。右側の「やきとり缶の換算」は、その不足量をすべてホテイフーズのやきとり たれ味(1缶11.5g)だけで埋めたと仮定した場合の缶数で、実際には缶詰・スープ・栄養補助食品で分担することになります。あくまで量を体感するための目盛りとして見てください。

家族の人数 3日分の不足量 やきとり缶の換算 7日分の不足量 やきとり缶の換算
1人 108.3g 約9.4缶 252.7g 約22.0缶
2人 216.6g 約18.8缶 505.4g 約43.9缶
3人 324.9g 約28.3缶 758.1g 約65.9缶
4人 433.2g 約37.7缶 1,010.8g 約87.9缶

当サイトの試算(2026年8月17日時点の公表値による)。計算式は「人数 × 日数 × 36.1g」、缶換算は「不足量 ÷ 11.5g」。

4人家族の7日分で約88缶。この数字を見て「多すぎる」と感じたなら、その感覚は正しい方向を向いています。やきとり缶だけで埋めるのは現実的ではないから、次の章で役割を分けて配分するわけです。

自分の備蓄で同じ計算をするなら、下の欄をそのまま埋めてください。主食の銘柄が違っても、手順は変わりません。

手順 やること わが家の記入欄
備蓄している主食1食のパッケージ裏を見て、たんぱく質の表示値を書く [   ]g
①×3食=1日に主食から摂れるたんぱく質 [   ]g
55g −②=1人1日の不足量 [   ]g
③×家族の人数×備蓄日数=家全体の不足量 [   ]g
④を、次章の「たんぱく質枠」の公表値で割って個数に直す [   ]個

③がマイナスになる(=主食だけで55gを超える)家庭は、まずありません。値が小さいほど不足が少ないという意味なので、③の数字そのものが、買い足しの優先度になります。

主食1食のたんぱく質を3食分にしても55gに届くかどうかで、不足量を人数と日数で掛けるかを分ける判定図

足すのは「たんぱく質枠」と「野菜枠」の2枠に分けて考える

枠で考えるとは、不足を埋める食品を用途ごとにグループ化し、それぞれに何食ぶんかを割り当てる方法のことです。

3日目の昼、袋を開けたらまた白いごはんだった——そのときに手を伸ばせるものが、ここでいう「枠」です。1品ずつ吟味して選ぶのは平時の仕事で、備蓄する段階で枠ごとに数を決めておけば、非常時は開けるだけで済みます。

たんぱく質枠:肉・魚の缶詰

先ほどの表で見たとおり、たんぱく質の実質的な主役は缶詰です。ホテイフーズコーポレーションの「やきとり たれ味」は、公式サイトの表示で75g缶あたりエネルギー144kcal/たんぱく質11.5g/食塩相当量1.1g(2026年8月17日確認)。この記事で扱った食品のなかで、1食あたりのたんぱく質がもっとも大きい値です。プルトップ缶で加熱せずそのまま食べられ、味つきなので白飯のおかずとして完結する——主食が白飯に偏っている備蓄ほど、噛み合わせが良い組み合わせといえます。農林水産省のストックガイドが「肉類の缶詰」を名指しで推奨しているのも、この位置づけです。


缶詰は種類が多く、プルトップの有無や内容量で使い勝手がかなり変わります。ツナやサバなど魚介系も含めた選び方は缶詰備蓄のおすすめの選び方|プルトップ・内容量にまとめてあるので、枠に何缶入れるかを決めたら、中身の配分はそちらで詰めてください。

野菜枠:野菜のスープ

野菜側は、たんぱく質を稼ぐ枠ではありません。カゴメの「野菜たっぷりスープ」は、公式サイトの表示で1食160gあたりトマトのスープ67kcal/たんぱく質2.3g/食塩相当量0.9g、かぼちゃのスープ81kcal/2.4g/0.9g、豆のスープ86kcal/4.5g/0.9g、きのこのスープ50kcal/1.8g/0.8g(2026年8月17日確認)。豆のスープの4.5gが最大で、缶詰の11.5gとは役割が違うことが数値からもはっきりします。野菜枠は、たんぱく質の穴ではなく「主食と缶詰だけでは並ばない品目」を埋めるための枠だと考えるほうが、公表値に忠実です。SO-50はこの4種で構成されています。

なお、フリーズドライの味噌汁も同じ野菜枠の候補としてよく挙がります。ただし今回、アマノフーズ(アサヒグループ食品)の公式ページでは個別商品の栄養成分表示を直接確認できませんでした(2026年8月17日時点)。数値の裏が取れていない以上、この記事では成分を書かず、商品リンクも置きません。同じ理由で、井村屋のえいようかん(たんぱく質等の内訳)、森永製菓のinゼリー、永谷園のフリーズドライごはん、アイリスオーヤマのパックごはんも、数値の掲載を見送っています。

予備枠:常温で置いておける栄養補助食品

缶もお湯も使えない場面のために、袋を切るだけで済むものを1種類だけ。大塚製薬のカロリーメイト ロングライフ チョコレート味は、公式サイトの表示で2本(40g)あたりエネルギー200kcal/たんぱく質4.3g/食塩相当量0.41g(2026年8月17日確認)。たんぱく質は缶詰の半分以下なので、これで36.1gの不足を埋めにいく設計は成り立ちません。位置づけはあくまで、先ほど計算した1,002kcalというエネルギー側の穴を、水も加熱もなしで埋める役です。役割を取り違えなければ、備蓄箱の隙間を埋める枠として使えます。

温めずに食べられるかどうかは、停電時の備蓄では品目選びの最初の分岐になります。レトルト側の見分け方はレトルト食品の備蓄|温めずに食べられる商品の見分け方で整理しました。缶詰・スープ・レトルトを合わせて、たんぱく質枠の数をそろえていくのが実際の手順になります。

  • たんぱく質枠:肉・魚の缶詰を、③の不足量 ÷ 公表値 で算出した個数
  • 野菜枠:野菜のスープを、1人1日1食を目安に
  • 予備枠:加熱も水も不要な栄養補助食品を、1人1日1回ぶん
  • すべてパッケージ裏のたんぱく質(g)を確認してから数を決める

この考え方が当てはまらない人がいる

この記事の計算は、厚生労働省の参照量のうち「成人 15〜69歳」の数値を使った、健康な成人を想定した単純な積算です。次に当てはまる方は、この記事の数字をそのまま自分に当てはめないでください。

  • 乳児・幼児(必要量も食べられる形状も成人とは別のものさしになります)
  • 高齢の方(同じ事務連絡でも70歳以上のエネルギー参照量は1,800kcalと別に示されています)
  • 食物アレルギーのある方(原材料表示の確認が量の計算より先に来ます)
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 持病があり、たんぱく質・食塩・水分などに医師や管理栄養士から指示が出ている方
  • 治療用の食事制限を受けている方

個別の栄養や健康に関する判断は、この記事ではできません。持病・アレルギー・服薬・妊娠中・乳幼児・高齢の方の食事については、かかりつけの医師、管理栄養士、お住まいの自治体の保健センターなど、公的機関や専門職にご相談ください。当サイトが示せるのは、公表されている栄養成分の数値と、公的機関の文書に書かれている事実までです。

また、この記事は特定の食品を食べることによる効果や、栄養を満たすことで得られる結果について述べたものではありません。あくまで「備蓄している食品の公表値を合計すると、参照量に対してどの位置にあるか」を可視化した記事です。

非常食の栄養についてよくある質問

Q. 野菜ジュースを備蓄すれば野菜不足は補えますか?

農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」は、家庭備蓄の推奨品目として乾物や野菜ジュースを挙げています。一方で、それを何本飲めば何が満たされるという基準は示されていません。当サイトとして書けるのは、野菜のスープやジュースは商品ごとに栄養成分表示が公表されており、購入前にたんぱく質・食塩相当量を確認できる、という点までです。パッケージ裏の数値を見て、上の早見表の欄に入れて判断してください。

Q. たんぱく質はサプリメントで補ってもいいですか?

この記事はサプリメントの是非を判断する立場にありません。厚生労働省の事務連絡が示しているのは避難所での栄養の参照量であって、それを何で満たすかの指定ではないためです。持病がある方、服薬中の方、妊娠中の方については、摂り方を含めて医師や管理栄養士にご相談ください。

Q. カップ麺を主食にするのはだめですか?

だめだと断じる根拠は、公表値からは出てきません。日清食品グループの公表値では、カップヌードル1食(78g)はエネルギー364kcal・たんぱく質10.7gで、主食系のなかではたんぱく質がむしろ多いほうです。ただし食塩相当量は4.6gで、尾西食品のアルファ米 白飯(0.01g)とは大きく離れます。備蓄をすべてカップ麺で揃えると食塩相当量が積み上がる、という事実を踏まえて配分を決めるのが現実的でしょう。

Q. アルファ米を五目ごはんに替えれば、たんぱく質は足りますか?

足りません。サタケのマジックライス 五目ご飯はたんぱく質8.1g(100g)で、3食では24.3g。厚生労働省の参照量55gに対して約44%です。白飯の約34%からは改善しますが、半分には届かない計算になります。同時に食塩相当量は1食2.5g、3食で7.5gまで増えます(いずれも2026年8月17日時点の公表値による当サイトの積算)。

Q. 主食のパッケージにビタミンCが書かれていないのはなぜですか?

理由は当サイトでは確認できていません。事実として書けるのは、今回調べた尾西食品・サタケ・パン・アキモト・日清食品の各商品では、公式の栄養成分表示にビタミンCの欄が見当たらなかったということだけです(2026年8月17日時点)。表示がないことは「含有量ゼロ」の証明にはならないため、この記事ではビタミンCについて数値での断定を避けています。

まとめ:今日やることは「主食1食のたんぱく質を数える」だけ

厚生労働省が避難所の食事について「主食が中心で、たんぱく質や野菜などの副食の摂取は十分ではない」と記し、参照量としてたんぱく質55gを示している。一方、主食系の非常食は各社の公表値で1食6〜10g台。3食たしても18.9g、約34%にとどまる——この記事で並べたのは、その一点だけです。

備蓄セットを丸ごと買い替える必要はありません。7日分のセット商品を1食あたりで見比べたい場合は非常食セット7日分の比較|1食あたりで見る選び方が参考になりますが、まずは手元の箱を開けて、主食1食のたんぱく質を1回数えるところから。

不足を補う側の商品をもう少し広く見たい方へ。軽さと湯の量から選ぶ観点はフリーズドライ非常食の選び方|軽さ・湯の量をメーカー公表値で比較に、缶詰の選び方は缶詰備蓄のおすすめの選び方|プルトップ・内容量・回転で比較にまとめてあります。

  1. 数える備蓄している主食を1袋取り出し、栄養成分表示のたんぱく質(g)を書き写します。所要時間は1分ほどです。
  2. 引くその値を3倍して、55gから引きます。出てきた数字が、1人1日あたりの不足量になります。
  3. 割る不足量に家族の人数と備蓄日数を掛け、たんぱく質枠に入れる缶詰の公表値で割ります。買い足す個数が、そのまま出ます。

主食の量ではなく、主食に何を添えるかで決まる。備蓄箱に足りないのは、たいてい食数ではなくおかずのほうです。

参考・出典

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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