フリーズドライ非常食の選び方|軽さ・湯の量をメーカー公表値で比較

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フリーズドライの非常食は「軽くてお湯を注ぐだけ」とよく紹介されますが、実際には1食何gで、お湯は何ml必要なのでしょうか。結論から言うと、持ち出し袋用は「1食の軽さ」、在宅備蓄用は「お湯と燃料の確保」を基準に選ぶと迷いません。フリーズドライとアルファ米は製法の異なる別物で、向いている場面も少し違います。本記事では尾西食品・永谷園の公式サイトに掲載された公表値だけを使い、1食あたりの重さ・エネルギー・お湯の量を整理しました。実測・実食のレビューではなく、公式情報・製品表示をもとにした整理である点をあらかじめお断りしておきます。

目次

フリーズドライ食品とは?非常食に向く理由

農林水産省の解説によると、フリーズドライ食品とは「食品を凍らせ、真空凍結乾燥機と呼ばれる機械で真空に近い状態にして乾燥させたもの」です。高温をかけない製法のため食材の色や香り、風味が復元されやすく、常温で長期間の保存ができるので保存料も使用していない、と説明されています(出典:農林水産省「フリーズドライ食品」)。

非常食の観点で押さえたいポイントは3つです。

  • 乾燥している分、1食が軽い(後述の表のとおり、ご飯系で1食75〜80g)
  • お湯(製品によっては水)で戻して食べるため、水と燃料の備えとセットで考える必要がある
  • 賞味期限は、一般的なフリーズドライ食品では1年程度とされる一方、長期保存仕様の製品には5〜8年のものもあり、製品による幅が大きい

重量とお湯の量で比べる|メーカー公表値の早見表

まず主食になるご飯系です。フリーズドライ製法のご飯(永谷園)と、非常食の定番であるアルファ米(尾西食品)を並べます。数値はすべて各社公式サイトの公表値です。

製品(製法) 内容量 エネルギー 出来上がり量
尾西の白飯(アルファ米) 100g 366kcal 260g
永谷園 フリーズドライごはん 白飯 80g 322kcal 約260g
永谷園 フリーズドライごはん ピラフ味 75g 298kcal 約260g

※永谷園のフリーズドライごはんは、正式には「業務用長期保存食フリーズドライごはん」シリーズとして販売されている製品です。

お湯まわりの公表情報は次のとおりです。尾西の白飯は必要水量160mlで、「お湯または水を注ぐだけ」と公表されており、5年保存。永谷園のフリーズドライごはんは「お湯で3分、水でも5分」ででき上がり、賞味期限は96ヶ月(8年)です(必要な湯量はパッケージ表示をご確認ください)。単純計算では1gあたりのエネルギーは尾西の白飯が約3.7kcal、永谷園の白飯が約4.0kcal。同じ「出来上がり約260g」でも、持ち歩く重さはフリーズドライごはんのほうが20〜25g軽いことになります。

次に汁物です。永谷園のフリーズドライみそ汁を例にすると、1袋の軽さがよくわかります。

製品 1袋の重さ 1袋のエネルギー 賞味期限
フリーズドライあさげ(8袋入) 8.4g 29kcal 21ヶ月
らくらくみそ汁(12袋入・ねぎ/わかめ/とうふ/油あげ) 12袋で61.8g(単純計算で1袋約5.2g) 14〜16kcal 18ヶ月



フリーズドライとアルファ米は別物|尾西食品の公表値で違いを確認

ここまで同じ表で並べてきましたが、フリーズドライとアルファ米は製法が違う別物です。フリーズドライは前述のとおり凍らせて真空に近い状態で乾燥させる製法。一方のアルファ米は、炊いたごはんを乾燥させた「アルファ化米」で、尾西食品は「炊き上がったら、すぐに熱風を使って乾燥させます」と製法を公表しています(出典:尾西食品「アルファ米を知っていますか?」)。検索上位の記事では両者が同じ「お湯を注ぐ非常食」としてまとめて紹介されがちですが、公表値を見ると性格の違いがはっきりします。

  • 重さ:尾西のアルファ米は白飯・わかめごはん・五目ごはんなど8種が内容量100g・必要水量160ml・出来上がり260gで共通(赤飯・山菜おこわは100g・110ml・210g)。永谷園のフリーズドライごはんは75〜80gと一段軽い
  • 賞味期限:尾西のアルファ米は5年、永谷園のフリーズドライごはんは96ヶ月(8年)
  • 戻し方:永谷園は「お湯で3分・水でも5分」と公表。尾西の白飯はお湯または水160mlを注いで戻す(所要時間はパッケージ表示をご確認ください)

どちらが優れているという話ではなく、次からの2章のとおり用途で選び分けるのが実用的です。非常食全体の組み立て方は非常食の選び方ガイドで詳しく紹介しています。

持ち出し用に選ぶなら|1食の重さで荷物を軽くする

東京都荒川区は、急な屋外避難に対応する「非常用持ち出し袋」と、在宅避難のための「日常備蓄」を分けて準備するよう案内しています(出典:荒川区「非常用持ち出し袋を準備しましょう」)。持ち出し袋には飲料水だけで大人1人あたり3リットルという目安が示されており、袋の総重量はすぐに重くなります。だからこそ、食品は1食あたりの重さで選ぶ価値があります

単純計算ですが、主食3日分(9食)を入れる場合、尾西のアルファ米なら100g×9食で900g、永谷園のフリーズドライごはん(白飯)なら80g×9食で720gと、180gの差になります。フリーズドライあさげを6袋足しても50.4gです。一方で、屋外への避難ではお湯を用意できない場面も想定されます。永谷園のフリーズドライごはんは「水でも5分」、尾西のアルファ米も「お湯または水を注ぐだけ」と公表されており、水で戻せるかどうかと所要時間は、持ち出し用として購入前に確認しておきたい情報です。

持ち出し袋全体の中身は非常用持ち出し袋の中身リストにまとめています。なお荒川区は、ふだんから持ち歩く「常用持ち出し袋」の例としてチョコレートや飴などを挙げており、非常用持ち出し袋とはまた別の枠で考えるとそろえやすくなります。

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※価格・在庫は変動します。最新情報は各リンク先でご確認ください。

在宅備蓄用に選ぶなら|お湯と燃料をどう確保するか

農林水産省は家庭の食料備蓄について「最低でも3日分、できれば1週間分」を推奨し、(1)災害発生当日は調理せずに食べられるもの、(2)公的支援が届くまでの3日分、(3)食料供給が滞る場合に備えた1週間分程度、という3段階の考え方を示しています(出典:農林水産省「特集1 非常食(2)」)。お湯で戻すフリーズドライやアルファ米が主に活躍するのは(2)(3)の段階です。

在宅備蓄で効いてくるのが湯量です。尾西の白飯は1食に160mlのお湯(または水)が必要なので、単純計算で4人家族が1食そろえると640ml、1日3食では約1.9リットルのお湯が要ります。飲料水とは別に調理用の水を見込むこと、そしてお湯を沸かす手段の確保が前提になる、ということです。水の備蓄量の考え方カセットコンロとガスボンベの備蓄もあわせてご覧ください。

また、みそ汁系は賞味期限が18〜21ヶ月と、長期保存のご飯系(5〜8年)より短めです。ふだんの食事で使いながら減った分を買い足す回し方(ローリングストック)に向いており、長期保存のご飯系は据え置きの備蓄に向いています。


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まとめ|用途別の選び分けチェックリスト

  • 持ち出し袋用:1食の重さで選ぶ。ご飯系は内容量75〜100gの差がある。水で戻せるかも表示で確認
  • 在宅備蓄用:1食の湯量×人数×食数で、必要な水と燃料を逆算しておく
  • 賞味期限:18ヶ月〜8年と製品差が大きい。長期保存タイプは据え置き、短めのものは日常使いで回す

今日やることは1つだけです。家にあるご飯系の非常食を1つ手に取り、内容量(g)と必要な湯量の表示を確認してみてください。その数字が、次に買い足すときの基準になります。

よくある質問

Q. フリーズドライとアルファ米、どちらを備蓄すればいいですか?

A. 用途で分けるのがおすすめです。重さを抑えたい持ち出し袋には1食が軽いフリーズドライごはん、在宅備蓄にはお湯・燃料の確保とセットでアルファ米や長期保存ごはんを、と役割分担すれば両方を無理なく使えます。

Q. お湯がないと食べられませんか?

A. 製品によります。永谷園のフリーズドライごはんは「水でも5分」ででき上がると公表されており、尾西のアルファ米も「お湯または水を注ぐだけ」と案内されています。水で戻す場合の所要時間は製品ごとに異なるため、購入前にパッケージの表示を確認してください。

Q. 賞味期限はどのくらいですか?

A. 農林水産省の解説では一般的なフリーズドライ食品は1年程度とされます。ただし長期保存仕様では永谷園のフリーズドライごはんが96ヶ月(8年)、尾西のアルファ米が5年など、製品によって大きく異なります。


出典: 農林水産省「フリーズドライ食品」農林水産省「特集1 非常食(2)」荒川区「非常用持ち出し袋を準備しましょう」尾西食品「100g尾西の白飯」尾西食品「製品規格」尾西食品「アルファ米を知っていますか?」永谷園「業務用長期保存食フリーズドライごはん 白飯」永谷園「業務用長期保存食フリーズドライごはん ピラフ味」永谷園「フリーズドライ らくらくみそ汁」永谷園「フリーズドライあさげ 8袋入」

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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