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折りたたみ防災ヘルメットは、見た目の好みで選ぶと高い確率で「置き場所に入らない」か「いざというとき開き方が分からない」のどちらかにぶつかります。決め手になるのは3つだけです。①国家検定の合格ラベルがあるか、②たたみ方がどの方式か、③しまう場所の内寸に収納時サイズが入るか。この順番で見ていけば、候補は自然と2つか3つに絞れます。
数字で言うと、今回メーカー公表値を確認できた4製品の収納時の厚さは63mm〜80mm、重量は約415g〜450gの範囲に収まっていました(2026年9月7日確認時点)。厚さの差は最大でも17mm、重さの差は35g。つまり「薄さ」も「軽さ」も、製品間の差はカタログを並べるほど劇的ではありません。差が本当に出るのは、たたみ方の方式と、あなたの家の棚の内寸との相性のほうです。
頭部を守れるかどうかの最終的な判断は、厚生労働省が定める規格、消防庁やお住まいの自治体が出す一次情報、そして製品に同梱される取扱説明書に委ねてください。この記事がやるのは、その手前にある「どれを候補に残すか」の絞り込みです。
この記事でわかること
- 折りたたみ防災ヘルメットを絞り込む3つの基準と、見る順番
- 「労・検」ラベルがあるかを商品ページだけで判定する3ステップのフロー
- たたみ方3方式(回転式・引きひも式・押し上げ式)の長所と短所
- IZANO2・BLOOM No.100・MOVO No.105・Crubo ST#130などの公表スペックと、公式に載っていなかった項目
選ぶ順番は ①ラベル(労・検)→ ②たたみ方の方式 → ③しまう場所の内寸。この順を逆にすると、気に入った製品が棚に入らないと分かった時点で最初からやり直しになります。
基準1:まず「労・検」ラベルの有無で候補を切る
国家検定(型式検定)とは、労働安全衛生法にもとづいて厚生労働省が定めた「保護帽の規格」に、製品の型式ごとに合格していることを国が認めた仕組みである。規格の正式名称は「保護帽の規格」(昭和50年9月8日労働省告示第66号)です。
ここで一つ、多くの記事が混ぜて書いてしまっている点を分けておきます。規格を「定める」のは厚生労働省ですが、検定を「実施する」のは登録型式検定機関です。公益社団法人産業安全技術協会(TIIS)はその代表的な機関のひとつであって、所管官庁ではありません。商品ページに「TIIS」の名前があっても、それは検定を受けた機関名であって、役所のお墨付きが二重にある、という意味ではないのです。
告示の中では、第4条が「飛来・落下物用」(帽体・着装体・あごひもを有し、物体の飛来または落下による危険を防止するための保護帽)、第5条が「墜落時保護用」(帽体・衝撃吸収ライナー・あごひもを有し、墜落による危険を防止するための保護帽)と定義されています。防災用として家に置くなら、地震で上から物が落ちてくる場面を想定した「飛来・落下物用」が最低ラインになります。
ややこしいのは、実際の製品表示が「飛来・落下物用」「飛来物・墜落時用」のように組み合わせ表記になっている点です。3種類の区分から1つを選ぶ、という単純な構造ではありません。なお電気用を含む区分については、今回の調査で告示原文の該当条文まで到達できませんでした。ここは断定せずに置いておきます。
JIS T8131(産業用ヘルメット)という規格名を商品ページで見かけることがあります。複数の規格解説サイトの記載が一致しているところによれば、これは産業用ヘルメットの性能要件や試験方法を定めた任意規格で、国家検定(労検)とは別の制度です。JIS適合と書かれていても、それだけでは検定合格品とは言い切れません。規格票の原文までは確認できていないため、ここは「別制度である」という整理までにとどめます。
防災ずきん側の認定制度(日本防炎協会の防炎製品認定)との違いや、ヘルメットとずきんのどちらを買うべきかについては、防災ヘルメットと防災ずきんはどちらが必要?国家検定と防炎認定の違いで選ぶで制度の系統から整理しています。この記事は「ヘルメットを買うと決めた人」向けなので、規格の話はここまでにします。
基準2:たたみ方の方式で、開くまでの手数が変わる
折りたたみ防災ヘルメットとは、収納時に帽体の一部を重ねる・回す・沈み込ませることで厚みを減らし、使用時に立体に戻して使う保護帽である。薄くする仕組みは製品によって違い、これが使い勝手の差の正体です。
夜中に揺れて、真っ暗な寝室で手探りでヘルメットをつかんだ場面を想像してみてください。そのとき「どこをどう動かせば開くのか」を体が覚えているかどうかが、実際にかぶれるかどうかを分けます。方式ごとの動きの違いは、カタログの数値よりずっと生活に直結する情報です。

| 方式 | 展開の動き | 薄くなる方向 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| 回転式 | 帽体の上部をひねって回し、立体に起こす | 高さ(縦)方向が縮む | 回す向きを覚えていないと迷う。手袋をしたままだと滑りやすい |
| 引きひも式(ワンタッチ変形) | 付属のひもを引くと帽体が変形して開く | 高さ(縦)方向が縮む | ひもの位置を暗所で探せるか。ひも自体が劣化する部品になる |
| 押し上げ式(ワンプッシュ) | 沈み込んでいる帽体を一押しして起こす | 高さ(縦)方向が縮む | 押す位置が正しくないと半開きになりうる。開ききったか手で確かめる習慣が要る |
この3方式のうち、メーカー公式ページで方式の説明まで確認できたのは限られます。谷沢製作所のCrubo ST#130は回転式(帽体上部を回転させて展開)と公式に記載があり、トーヨーセフティーのBLOOM No.100は「ひもを引くとワンタッチで変形」と説明されています。DICプラスチックのIZANO2は「一押しで展開」という趣旨の記載はあるものの方式名そのものは公表されておらず、同じくトーヨーセフティーのMOVO No.105は公式ページに方式の記載がありませんでした(いずれも2026年9月7日確認時点)。方式名を断定して書いている比較記事の多くは、販売店側の説明を根拠にしています。
どの方式を選んでも、買ったその日に一度、明るい場所で開いて元に戻すところまでやってください。取扱説明書の手順どおりに動かすのが前提です。開き方に不安がある方式は、家族のうち一番手先が不器用な人に合わせて選ぶのが安全側の判断になります。
基準3:しまう場所の内寸から逆算して選ぶ
収納時寸法とは、たたんだ状態の外形サイズであり、置き場所に入るかどうかを決める唯一の数字である。ここを最後に確認する人が多いのですが、順番としては候補を絞る側に置いたほうが早く決まります。
今回確認できた範囲の収納時の厚さは63mm〜80mm。63mmは箱ティッシュを寝かせた高さとほぼ同じで、80mmはそれをひとまわり厚くしたくらい。重量の約415g〜450gは、500mLのペットボトル1本より少し軽いあたりです。棚に置くにも、リュックの外ポケットに差すにも、この程度なら現実的に収まります。
ただし厚さだけを見て決めると失敗します。たとえば収納時の「長さ」は製品によって277mm〜345mmと差があり、奥行き20cm台の浅い棚だと縦置きしないと入らない場合も出てきます。玄関のシューズボックス上、寝室のベッドサイド、リビングの収納棚——置く場所を先に決めて、そこの内寸をメジャーで測ってから商品ページを開く。手順としてはこれだけで、買ってからの「入らない」がほぼ消えます。
書き込み式:わが家のしまい場所メモ(スマホのメモに写して、店頭や商品ページで見比べてください)
| 置く場所 | 内寸 幅 | 内寸 奥行 | 内寸 高さ |
|---|---|---|---|
| (例)玄関の棚 | mm | mm | mm |
| 寝室の枕元 | mm | mm | mm |
| 持ち出し袋の中 | mm | mm | mm |
置き場所そのものを迷っているなら、寝室の地震対策|枕元に置くものと置いてはいけないもので「枕元に置いてよいもの」の考え方を整理しています。収納量をできるだけ増やしたくない方は、ミニマリストの防災備蓄で持ち物を減らす側の発想も参考になります。
買う前に自分で判定する:3ステップのフローと交換年の早見表
ここまでの基準を、商品ページを見ながら順番に潰していける形にしました。まずは足切りのチェックリストから。
- 商品ページに「国家検定合格品」または「労・検」の表記がある
- 使用区分に「飛来・落下物用」が含まれている
- 収納時寸法(3辺)が数値で公表されている
- 頭囲の対応範囲が公表されていて、使う人の頭囲が入っている
- たたみ方の手順が説明書または公式ページで確認できる

チェックリストの1つめでつまずいたときのために、判定のフローを用意しました。この3ステップは、告示と検定機関の解説をたどれば誰でも同じ結論にたどり着ける機械的な手順です。
- ラベルの文言を探すパッケージまたは商品ページに「労・検」の表記、あるいは「国家検定合格品」「飛来・落下物用」「墜落時保護用」のいずれかの文言があるかを見ます。
- あれば検定合格品と判断するその製品は型式検定に合格しており、厚生労働省が定めた「保護帽の規格」(昭和50年労働省告示第66号)に適合している型式だ、と判断できます。
- 無い、または「防炎製品認定」だけなら別物と判断する「日本防炎協会認定品」「防炎製品」の表記しかない場合、それは頭巾・帽子類の民間認定であり、労働安全衛生法上の型式検定とは別の制度です。法定の使用区分の対象にはなりません。
ラベルに記載される項目についても触れておきます。小売各社の解説によれば、検定取得(更新)年月・検定番号・製造会社名・製造年月・使用区分・帽体材料名などが記されるとのことでした。ただし、検定機関が発行する合格標章の正式な様式そのものは今回確認できていないため、あくまで「そういう項目が並ぶ」という目安として受け取ってください。
もうひとつ、買ったあとに効いてくる数字です。日本ヘルメット工業会は、熱可塑性樹脂(ABS・PC・PEなど)の帽体は使用開始から3年以内、熱硬化性樹脂(FRPなど)は5年以内、あご紐と着装体は1年程度での交換を目安として示しています(法的な強制力はないとも明記されています)。今回取り上げる製品の帽体はABS系が中心なので、実質的には3年の側です。
| 買った年 | 帽体の交換目安(ABS系・3年) | あご紐・着装体の点検目安(1年) |
|---|---|---|
| 2026年 | 2029年まで | 2027年 |
| 2027年 | 2030年まで | 2028年 |
| 2028年 | 2031年まで | 2029年 |
買った年を丸で囲んで、防災リュックの中に一枚入れておくと確認が楽になります。加えて、外観に異常がなくても大きな衝撃を受けたヘルメットは使わない——これは工業会もメーカーも共通して案内している点です。内部が損傷している可能性があるためで、見た目では判断できません。
公表値で見る5つの折りたたみ製品
ここからは製品ごとの整理です。当サイトでは、複数メーカーの公表値を1枚の表に横並びにした検証は行っていません。数値は各社の公式ページに書かれた形のまま、1製品ずつ紹介します。公式に記載がなかった項目は「公式未記載」と書きます(すべて2026年9月7日確認時点)。
IZANO2(DICプラスチック)|収納時の厚さ63mmが公式に明記されている
DICプラスチックの折りたたみヘルメット「IZANO2」は、型式表記が「AA21型HA7-K21式」。使用区分は「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」の両方を国家検定で取得しています。帽体材質はABS、頭囲対応範囲は47〜62cmと幅が広く、大人と体の大きな子どもで共用しやすい設計です。
寸法は収納時297×222×63mm、使用時297×222×139mm、重量450g。ただし正直に書いておくと、DIC公式ページで数値そのものを直接確認できたのは「収納時の厚さ63mm」の一文だけで、重量450gや他の寸法は複数の販売店ページの一致した記載にもとづきます。公式カタログPDFからの抽出ができませんでした。
厚さ63mmという数字が効くのは、玄関の浅い棚や、リュックの背面ポケットのように「厚みだけが制約になる場所」に置くケースです。頭囲の下限が47cmまで下りている点と合わせて、家族で1個から始めたい場合の候補になります。
IZANO 防災用たためるヘルメット(DICプラスチック)|初代モデル。現行の販売状況は公式に確認できず
同じDICプラスチックの「IZANO」は、IZANO2の前のモデルにあたります。DIC株式会社が2021年5月20日付で公表したニュースリリースでは、IZANO2を「IZANO初代の後継として新発売」と位置づけ、初代は収納時の厚みが2cm厚かった(IZANO2で23%薄型化した)と説明されていました。
一方で、公式サイト上に初代IZANO単独の現行スペックページを見つけることができませんでした。関連ページを開いても表示はIZANO2の公式サイトに統一されており、初代が今も並売されているのか、実質的にIZANO2へ一本化されているのかは公式に確認できていません。重量・使用時寸法・頭囲対応範囲についても、初代単独の公表値は確認できませんでした。
したがってこのモデルは、「IZANO2の在庫が見つからないときの選択肢」あるいは「販売ページに初代と明記されている場合に、厚みが2cm増えることを承知で選ぶもの」と考えるのが実態に近いはずです。購入前に販売ページで検定区分の表記を必ず確認してください。
防災用折りたたみヘルメット ブルーム No.100(トーヨーセフティー)|ひもを引くとワンタッチで変形
トーヨーセフティーの「BLOOM(ブルーム)No.100」は、公式ページに「ひもを引くとワンタッチで変形」と展開方法が明記されている数少ない製品です。帽体はPP+PE樹脂、中心カバーがABS樹脂。重量は約430gで、頭囲対応範囲は52〜61cmです。
寸法は収納時が345(長さ)×195(高さ)×80(厚さ)mm、使用時が275(長さ)×145(高さ)×208mm。収納時に長さ方向が伸びるタイプなので、細長いすき間に差し込む置き方と相性がよく、逆に奥行きの浅い棚では向きを工夫する必要が出てきます。
検定区分について一点、注意が要ります。公式ページで確認できた範囲では「飛来・落下物用」の記載はあるものの、墜落時保護用の記載は見当たりませんでした。落下物対策として選ぶぶんには要件を満たしますが、区分を両方求めるなら別の製品を見たほうが確実です。耐用年数の記載は公式にありませんでした。
作業・防災用 折りたたみヘルメット MOVO No.105(トーヨーセフティー)|約415gで今回の中では最も軽い
同じトーヨーセフティーの「MOVO(モボ)No.105」は、重量約415g。今回公表値を確認できた製品の中では最も軽い数字でした。帽体はABS樹脂、ヘッドバンドは合成樹脂、衝撃吸収ライナーに発泡スチロールを使っています。使用区分は「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」の両方の合格品です。
寸法は収納時が高さ74×幅208×長さ277mm、使用時が高さ140×幅208×長さ277mm。長さと幅が変わらず、高さだけが74mmから140mmへ立ち上がる構造なので、置き場所の「幅と奥行き」さえ確保できていれば、たたんだ状態と使用状態で必要な面積が変わりません。収納袋が付属します。頭囲対応範囲は52〜61cmです。
ここまで軽さと寸法の話が続いたので、意味を翻訳しておきます。415gと450gの差は35g。単体では体感しにくい差ですが、防災リュックに他の装備を詰めた状態で肩にかけると、こうした数十グラムが積み上がって効いてきます。すでにリュックが重い自覚がある人ほど、軽い側を選ぶ理由があるということです。なお、たたみ方の方式は公式ページに記載がありませんでした。
携帯防災用ヘルメット Crubo(クルボ)ST#130(谷沢製作所)|回転式と明記された唯一の製品
谷沢製作所(タニザワ)の「Crubo(クルボ)」は、公式サイトでの正式表記が「ST#130」です。通販サイトで併記されることのある「E041」は販売店側の商品コードであり、メーカーの型番表記ではありません。検索するときはST#130で当たったほうが公式情報にたどり着けます。
この製品の特徴は、帽体上部を回転させて展開する「回転式」であることが公式に説明されている点です。重量420g、材質はABS。収納時W208×D278×H80mm、使用時W208×D278×H140mm。使用区分は「飛来・落下物用」「墜落時保護用」の両方の合格品で、不織布製(水色)の収納袋が付属します。
サイズ展開が今回の中で最も細かく、頭囲対応範囲は標準が53〜62cm、小サイズが47〜56cmの2種類。家族それぞれの頭囲を測ってから買い分けたい場合に選択肢が広がります。価格はオープン価格と公式に記載されており、耐用年数の記載はありませんでした。
折りたたみ式が向かない人と、承知しておくべきデメリット
ここまで選び方を書いてきましたが、全員に折りたたみ式を勧めるつもりはありません。次のどれかに当てはまるなら、いったん立ち止まったほうがいい場面です。
- 置き場所に厚み80mm・長さ350mm程度の余裕がすでにある(薄さの利点を活かせない)
- 使う人が高齢の家族で、暗所や慌てた状態で展開の動作をするのが難しい
- 頭囲が47cm未満、または62cmを超えていて、今回の対応範囲から外れる
- 作業内容として電気を扱う想定があり、電気用の区分が必要
デメリットも並べておきます。ひとつは「開く」というひと手間が常に挟まること。固定型のヘルメットならつかんでかぶるだけですが、折りたたみ式は展開の動作が先に来ます。この一手間は、方式を体が覚えているかどうかで大きさが変わります。
もうひとつは、可動部と部品が増えるぶん、点検すべき箇所が増えること。ヒンジ部分、引きひも、あご紐、着装体。あご紐と着装体は1年程度での交換が目安とされている部品でもあります。「買って置いておけば終わり」にはならない道具だと考えておいてください。
そして、これがいちばん大事な点です。どの製品も「これをかぶれば助かる」と言えるものではありません。国家検定は、定められた試験方法に対して一定の性能を満たすことを確認する仕組みであって、あらゆる衝撃を想定したものではないからです。実際の落下物の重さも角度も、試験条件とは違います。家具や家電が倒れてこない状態を先に作るほうが、順番としては上です。冷蔵庫・テレビ・食器棚の地震対策で転倒側の対策を確認してから、ヘルメットを足す。この順番をおすすめします。
自治体の非常持出品リストでも、ヘルメットの位置づけは「必需品」ではなく「必要に応じて準備するもの」の区分に置かれていることがあります。北海道美瑛町の公式ページでは「ヘルメット・防災ずきん ※頭部のサイズにきちんと合ったものを用意しましょう」と、サイズを合わせることに注意が向けられていました(2026年9月7日確認時点)。持っているかどうかより、頭に合っているかどうかだということです。
点検のあとに耐久品を買い足すなら
よくある質問
折りたたみ式は、普通のヘルメットより性能が落ちますか?
「折りたためるから弱い」とは言えません。今回取り上げた製品は、いずれも国家検定の合格品として販売されています。ただし合格している使用区分は製品によって違います。「飛来・落下物用」だけの製品と、「墜落時保護用」も含む製品があるため、比べるなら形状ではなく区分の表記を見てください。区分ごとの試験内容そのものは、厚生労働省の告示と製品の取扱説明書が一次情報です。
子ども用として選べますか?
頭囲の対応範囲を見て判断します。今回確認できた範囲では、IZANO2が47〜62cm、Crubo ST#130の小サイズが47〜56cmと、下限が47cmまで下りていました。BLOOM No.100とMOVO No.105は52〜61cmなので、小さな子どもには合いません。まずメジャーで実際の頭囲を測り、その数字が範囲に入る製品だけを候補に残すのが確実です。
何年で買い替えればいいですか?
日本ヘルメット工業会は、ABS・PC・PEなどの熱可塑性樹脂の帽体で使用開始から3年以内、FRPなどの熱硬化性樹脂で5年以内、あご紐・着装体は1年程度を交換の目安としています。今回の製品はABS系が中心なので、実質的には3年が目安です。ただし、これは業界団体の目安であって法的な義務ではありません。大きな衝撃を受けた場合は、年数にかかわらず使用を止めてください。
防災ずきんではだめですか?
だめということはありませんが、認定の系統が違います。防災ずきんの多くは日本防炎協会の防炎製品認定で、これは労働安全衛生法にもとづく保護帽の型式検定とは別の民間認定です。どちらを選ぶかの判断材料は防災ヘルメットと防災ずきんはどちらが必要?国家検定と防炎認定の違いで選ぶにまとめました。
どこに置くのが正解ですか?
「揺れているあいだに手が届く場所」が原則で、多くの家庭では寝室の枕元と玄関の2か所が候補になります。ただし枕元は、置くものを間違えると別のリスクになる場所でもあります。寝室の地震対策|枕元に置くものと置いてはいけないもので置いてよいものの線引きを確認してみてください。
今日やることは、置き場所の内寸を測る1つだけ
折りたたみ防災ヘルメット選びで迷子になるのは、たいてい「候補が多すぎるから」ではなく「基準の順番が決まっていないから」です。ラベル、方式、寸法。この3つを上から潰していけば、候補は数点まで落ちます。
そして、今日その場でできることは1つだけあります。置きたい場所の内寸をメジャーで測って、スマホにメモすること。これさえあれば、あとは商品ページの収納時寸法と突き合わせるだけの作業になります。「あとで調べよう」で止まってしまう人が多いのは、最初の一歩が大きすぎるからです。地震に備えない理由で最も多いのは「先延ばし」でも触れたとおり、手を動かす単位を小さくするのがいちばん効きます。
- 置き場所を1か所決めて内寸を測る幅・奥行・高さの3つをメジャーで測り、mm単位でメモします。ここが判断の基準線になります。
- 使う人の頭囲を測る眉の上と後頭部のいちばん出っ張ったところを通して1周。この数値が対応範囲に入る製品だけを候補にします。
- ラベル表記で候補を絞る商品ページで「飛来・落下物用」の表記を確認し、収納時寸法が1で測った内寸に収まるものを残します。残った中から、たたみ方の方式で決めてください。
ヘルメットが決まったら、次は他の備えとの並びを見直す番です。家具の固定や備蓄の抜けは地震の備えリスト(家具の固定と備蓄を1枚で点検)で一覧にしてあります。ヘルメット単体ではなく、持ち出し袋ごと一式でそろえたい場合は防災セットのおすすめはどれ?で中身の構成から比べられます。
参考・出典
- 厚生労働省「保護帽の規格」(昭和50年9月8日労働省告示第66号)第4条・第5条 — 法令等データベース(2026年9月7日確認)
- 公益社団法人産業安全技術協会「型式検定について」 — tiis.or.jp(2026年9月7日確認)
- 公益社団法人産業安全技術協会「登録検定機関」 — tiis.or.jp(2026年9月7日確認)
- 日本ヘルメット工業会 よくある質問(交換の目安) — japan-helmet.com(2026年9月7日確認)
- DICプラスチック株式会社「IZANO2」製品ページ — dic-plas.co.jp(2026年9月7日確認)
- DIC株式会社 ニュースリリース(2021年5月20日/IZANO 2 新発売) — dic-global.com(2026年9月7日確認)
- トーヨーセフティー「No.100 BLOOM」 — toyo-safety.co.jp(2026年9月7日確認)
- トーヨーセフティー「No.105 MOVO」 — toyo-safety.co.jp(2026年9月7日確認)
- 株式会社谷沢製作所「Crubo ST#130」 — tanizawa.co.jp(2026年9月7日確認)
- 北海道美瑛町「非常持出品の準備」 — town.biei.hokkaido.jp(2026年9月7日確認)
- ミドリ安全「ヘルメットの労検ラベルの見方」 — midori-helmet.jp(2026年9月7日確認・小売企業による解説)
