台風前のベランダの片づけ|物干し竿と排水溝、順番を決めれば10分で終わる

台風前のベランダで、物干し竿を寝かせて植木鉢を屋内へ移し、排水口の落ち葉を取り除く片づけの順番を示したイラスト

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます

台風が近づいた日、ベランダの前で手が止まる理由はいつも同じです。何から手をつけるか、決まっていないから。順番は先に決めておけます。重いものを運ぶ、飛びやすいものを片づける、最後に水の出口をあける。この3手だけです。

なぜ順番から入るのか。気象庁「風の強さと吹き方」は、風速20〜25m/sの段階で「何かにつかまっていないと立っていられない」「飛来物によりけがをする恐れがある」、25〜30m/sで「取り付けの不完全な屋外外装材がはがれ、飛び始める」としています。ベランダの片づけは、風が強くなってからでは作業そのものが成り立たない性質の仕事なのです。だから、決めておく。当日の判断を減らすほど早く終わります。

扱うのはベランダの中だけに絞ります。物干し竿、植木鉢、サンダル、排水口、エアコン室外機。目の前にある物をどの順で動かすか、それだけの記事です。

この記事でわかること

  • ベランダの片づけを「重い→飛びやすい→水の出口」の3順で終わらせる考え方
  • 気象庁「風の強さと吹き方」が示す風速20m/s台・30m/s以上の目安
  • 物干し竿・植木鉢・サンダル・エアコン室外機のモノ別の扱い方
  • 排水口を最後にあける理由と、ベランダが管理規約上どういう場所か

台風が来る前に、いつ何をするかという時系列の全体像は台風に備える備蓄リストで整理しています。この記事は、その中の「ベランダ」の一工程だけを取り出したものです。

目次

ベランダの片づけは「重い→飛びやすい→水の出口」の順で終わる

片づけの順番とは、限られた時間の中で、放っておいたときの影響が大きいものから手を打つための優先順位である。ベランダにある物は、たいてい次の3つのどれかに収まります。

順番 対象 自分のベランダでの見分け方 やること
1 重いもの 片手で持ち上げると腰にくる。大きめの植木鉢、物干し台の土台、灯油缶、ふた付きの収納ケースなど 運べるものは屋内へ。運べないものは壁ぎわの低い位置に寄せ、手すりから離す
2 飛びやすいもの 片手で軽く持ち上がる、または面が広い。物干し竿、ハンガー、サンダル、ゴミ箱、すのこ、小さいプランター 原則すべて屋内へ。屋内に入らない竿は床に寝かせ、手すりや柵にひもで結ぶ
3 水の出口 排水口(ドレン)、ベランダの隅、溝になっている部分 落ち葉・砂・洗濯ばさみなど流れをせき止める物を取り除く

重いものほど先に、水の出口は最後に。逆にすると、片づけの最中に出た砂やほこりが排水口へ流れ込み、掃除をやり直すことになります。編集部の整理では、時間の配分は「重いもの3分・飛びやすいもの5分・排水口2分」。合計10分が目安です。

気象庁の「風の強さと吹き方」で、作業を終える時刻を決める

「風の強さと吹き方」とは、気象庁が風速の段階ごとに屋外で起きることをまとめた目安の表である。ベランダの作業をいつまでに終えるかを考えるとき、この段階が物差しになります。

風速(平均) 気象庁が示す目安
20〜25m/s 何かにつかまっていないと立っていられない。転倒する人も出る。飛来物によりけがをする恐れがある。鋼製シャッターが壊れ始める。風で飛ばされた物でガラスが割れる
25〜30m/s 樹木が根こそぎ倒れ始める。ブロック塀が壊れ、取り付けの不完全な屋外外装材がはがれ、飛び始める
30m/s以上 屋根が飛ばされたり、木造住宅の全壊が始まる

数字が続いたので、体の感覚に置き換えます。秒速25mを単純に時速へ直すと90km。高速道路を走る車と同じくらいの速さで空気が動いている状態です。秒速20mでも時速72kmですから、一般道を走る車の速さ。その中で長い竿を抱えて歩くのは、どう考えても無理があります。片づけは、風の音が変わる前に。

屋外の作業をやめるべき具体的な風速や時刻の基準は、今回の調査では気象庁・自治体などの一次情報で確認できませんでした。数値の基準は示せません。避難や外出をやめる判断は、必ず気象庁の発表とお住まいの自治体の情報に従ってください。

飛ばされた物が当たる先として、いちばん気になるのは窓です。養生テープが効くのかという話は台風の窓ガラス対策で別に整理しました。ベランダを空にすること自体が、窓を守る一手でもあります。

物干し竿・植木鉢・室外機は、しまう先を決めてから外に出る

しまう先とは、屋内で「その物を置くと決めた場所」のことである。ここが決まっていないと、片づけは途中で止まります。

ベランダに出て、まず物干し竿を両手で持ち上げる。そこで手が止まりますよね。これ、どこに置くんだっけ、と。玄関に立てかければ人が通れなくなり、部屋に寝かせれば床が濡れる。迷っている間に雨脚が強くなる——この数分がいちばんもったいない。外に出る前に置き場所を決めておくと、あとは運ぶだけの単純作業になります。

  • 物干し竿:屋内が第一。入らないときは床に寝かせ、手すりや柵にひもで固定する。東京消防庁も「物干し竿や物干し台は寝かせ」と呼びかけています
  • ハンガー・ピンチハンガー・洗濯ばさみ:1つ残らず屋内へ。軽くて面が広く、風を受けやすい形をしています
  • 植木鉢・プランター:屋内へ。運べない大鉢は倒して壁ぎわに寄せる。受け皿の水も捨てておく
  • サンダル・ゴミ箱・すのこ・デッキブラシ:屋内へ。ゴミ箱はふただけが飛ぶこともあります
  • エアコン室外機:固定の方法は機種と設置状況で変わります。断定はできません。取扱説明書と、賃貸・分譲なら管理会社や管理組合に確認を。上に物を置かないことだけは共通です

屋内のどこにしまうか迷ったら、家の中の収納を先に一度ならしておくのが早道です。防災用品を4部屋に分散させる考え方は防災グッズの収納場所にまとめてあります。空いた棚が1段あるだけでいい。それで当日の動きは変わります。

集合住宅では屋内の余白そのものが少ない、という事情もあります。備蓄をどこに置くかという問題と地続きなので、マンションの備蓄の置き場所もあわせてどうぞ。

チェックリストで自分の家の点数を数えてみてください。竿とハンガー以外は、ほとんどが「小さくてばらばらな物」のはずです。それを一時的に放り込めるふた付きの箱をひとつ空けておくと、廊下がふさがりません。台風が過ぎたらそのまま元に戻すだけ。


ひもや養生テープなど、当日になって足りなくなりがちな消耗品は台風前に買っておくもので先に確認しておくと安心です。

排水口を最後にあけるのは、そこが浸水の入口になるから

専用使用部分とは、マンションでは共用部分でありながら、その住戸の人だけが使えると定められた場所のことである。ベランダやバルコニーは、多くの場合これに当たります。

国土交通省のマンション標準管理規約では、バルコニー等は第14条で専用使用権の対象とされ、第21条で通常の使用に伴う保存行為(清掃など)は専用使用権者の責任と定められています。つまり、床の掃除も排水口の詰まり取りも、住んでいる人の担当。管理会社が毎回やってくれる場所ではありません。

そして大田区防災ポータル「家屋を浸水から守る!」は、台風や大雨の前に排水口を掃除することを勧めています。落ち葉や砂で出口がふさがれば、降った雨はベランダの床にたまり、サッシの下から室内へ入ってきます。排水口は、洗面台の栓と同じ。栓が閉まっていれば、蛇口をひねった分だけ水位は上がります。

隣戸との間にある「隔て板」は、平成17年消防庁告示第3号により、容易に開放・除去・破壊できる構造とし、避難経路として使用される旨などを表示することが定められています。片づけた物を隔て板の前に寄せてしまうと、逃げ道をふさぐことになります。寄せるなら壁ぎわへ。

床上・床下まで水が来る事態への備えは、ベランダの片づけとは別の話になります。持ち出す物・使う物の一覧は水害の備蓄品リストにまとめました。

そなえぐらし管理人

排水口を3番目に置いたのは、優先度が低いからではありません。むしろ逆で、ここだけは「やり直したくない」から最後にしています。編集部で順番を組み直したとき、いちばん議論になったのがこの一点でした。

この順番が当てはまらないケース

当てはまらないケースとは、ベランダの形や住まいの決まりごとが、この記事の前提と違う場合である。正直に書いておきます。

  • ルーフバルコニーや戸建ての広いテラス:面積も物の量も違うため、10分では終わりません。前日までの作業として組んでください
  • 手すりへの固定が禁止されている住まい:規約や賃貸契約でひも掛け・ビス留めを制限している場合があります。管理会社や管理組合の指示が優先です
  • すでに風が強まっている:この記事の内容は、風が強くなる前に行う前提です。作業を始めるかどうかは気象庁と自治体の情報で判断してください
  • 共用廊下側の物:考え方は同じですが、そちらは避難通路です。そもそも物を置かないのが原則になります

よくある質問

Q. 物干し竿は寝かせるだけで大丈夫ですか

A. 屋内に入るなら、屋内が確実です。入らない場合の対応として、東京消防庁は「物干し竿や物干し台は寝かせ」と呼びかけています。寝かせたうえで、転がらないように手すりや柵へひもで結んでおくとより安定します。竿受けに載せたままにしないことが要点です。

Q. 排水口はどこまで掃除すればいいですか

A. 落ち葉、砂、髪の毛、洗濯ばさみなど、水の流れをせき止める物を取り除ければ十分です。仕上げにバケツ一杯の水を流し、たまらずに抜けるか見てください。大田区防災ポータルも、台風・大雨の前に排水口を掃除することを案内しています。

Q. エアコンの室外機は固定したほうがいいですか

A. 固定の要否と方法は機種や設置状況によって変わるため、この記事では断定しません。最新の情報はお使いのエアコンメーカーの公式サイトと取扱説明書で確認してください。集合住宅では管理会社・管理組合への確認も必要です。共通して言えるのは、室外機の上や周囲に物を置かないことです。

まとめ:今日やることは1つ

今日やることは1つだけ。ベランダに出る前に、屋内のどこに置くかを決めることです。置き場所さえ決まっていれば、当日の作業は運ぶだけになり、迷う時間がなくなります。

  1. 重いものを先に動かす大きめの植木鉢、物干し台の土台、灯油缶。運べないものは壁ぎわの低い位置へ寄せます。
  2. 飛びやすいものを屋内へ物干し竿、ハンガー、サンダル、ゴミ箱、すのこ。竿が入らないときは寝かせて手すりに結びます。
  3. 最後に排水口をあける落ち葉と砂を取り、水を流して抜けるか確認。ここで作業は終わりです。

台風前後の動きを時系列で見直したいときは台風に備える備蓄リストを、窓側の対策は台風の窓ガラス対策をどうぞ。ベランダが空になれば、窓の心配も一段減ります。

参考・出典

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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