台風の窓ガラス対策|養生テープは効くのか、フィルム・雨戸との使い分け

台風に備えて雨戸を閉めた住宅の窓辺と、室内側からカーテンを引く様子を描いたイラスト

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます

窓の前に立って、養生テープの端を持ったまま少し考える。米印に貼るのか、格子に貼るのか。そもそもこれ、意味があるんだろうか——。台風が近づいた日の、たぶん一番よくある場面です。

先に答えを置きます。窓ガラス対策の優先順位は「①雨戸・シャッターを閉める → ②室内側で対策する → ③テープ」。この順番が逆になっている家が多い、というのがこの記事の立場です。理由は、効果を裏づける数値があるかどうかにあります。飛散防止フィルムには日本産業規格 JIS A 5759 が定めた基準——たとえば層間変位試験でガラス飛散防止率95%以上——がある。いっぽう養生テープには、効果を数値で示した公的な試験基準が、今回の調査では見つかりませんでした(出典: 日本ウインドウ・フィルム工業会「JIS:工業規格」)。

風の数字も先に置いておきます。気象庁「風の強さと吹き方」では、平均風速20〜25m/sの帯で「飛来物によって負傷するおそれがある」とされ、40m/s以上では「住家で倒壊するものがある」と記されています。2019年の令和元年房総半島台風(台風第15号)では千葉市で最大瞬間風速57.5m/sを観測し、関東地方を中心に住宅約74,000戸が損壊しました(出典: 総務省消防庁「消防の動き」2022年7月号)。窓を割るのは風そのものより、風が運んでくる物だと考えると、対策の優先順位も自然に決まります。

この記事でわかること

  • 養生テープに公的な効果基準があるのか、無いのか
  • 予報の「平均風速」から、体感する突風を逆算する式
  • 窓1枚ごとに対策レベルを決める判定シート(書き込み式)
  • 雨戸・フィルム・テープの役割分担と、残り時間別にできること

窓ガラス対策の順番は「外側で受け止める → 室内側で飛散に備える → 最後にテープ」。テープを否定するのではなく、テープから始めない。これが今日決められる一番大きいことです。

窓だけを切り出して読める記事にしていますが、台風対策そのものは時系列で動くものです。上陸の何日前に何をするかの全体像は台風に備える備蓄リスト|時系列で何をするかにまとめてあるので、そちらと合わせて使ってください。

目次

台風の窓ガラス対策は、3つの基準で決まる

窓ガラス対策とは、飛来物の衝突とガラスの飛散という2つの被害を、窓の外側と内側のどちらかで食い止める備えのことです。何を選ぶかは、次の3つの基準でほぼ決まります。

基準1:予報の風速帯。予報の風速帯とは、気象庁が発表する平均風速の区分のことで、10分間の平均値を指します。20〜25m/sを超えるかどうかが、飛来物を前提にするかどうかの分かれ目になります。

基準2:窓の外側に受け止めるものがあるか。雨戸・シャッター・面格子とは、ガラスの外側に置かれて飛来物を先に受ける部材のこと。あるなら話は早い。無い窓が1枚でもあるなら、そこが弱点になります。

基準3:残り時間。残り時間とは、台風の接近予想時刻までに、安全に屋外作業ができる時間のことです。気象庁の表では平均風速15〜20m/sの帯ですでに「高所での作業はきわめて危険」とされているため、外での作業はこの帯に入る前に終える前提で考えます。

  • 雨戸やシャッターが付いていない窓が、家の中に1枚以上ある
  • その窓が、道路・駐車場・隣家の屋根など、物が飛んできそうな方角を向いている
  • ベランダや庭に、風で動きそうな物がまだ置いてある
  • 予報の最大風速が20m/s以上、または「非常に強い風」の表現が出ている
  • 飛散防止フィルムを貼った記憶がない(または誰が貼ったか分からない)

当てはまる数が多いほど、テープより先にやるべきことが残っている状態です。この記事の後半に、窓1枚ごとの判定シートを置いてあります。

予報の風速から、自分の窓が受ける風を逆算する

予報を見ると「最大風速25m/s」。この数字を見ても、正直ピンときませんよね。ニュースで見た「瞬間風速50m/s」とも桁が合わない気がして、結局どっちで身構えればいいのか分からなくなる。ここを先に片づけます。

気象庁によれば、平均風速は10分間の平均、瞬間風速は3秒間の平均です。そして同庁の資料には、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多く、大気の状態が不安定な場合などは3倍以上になることがあると注記されています(出典: 気象庁「風の強さと吹き方」)。

つまり、予報の数字は「ならした値」だということ。10分間ならして20m/sでも、その中の3秒を切り取れば30m/s、荒れていればもっと上に振れる場面がある、という読み方になります。

そなえぐらしの逆算式
瞬間風速の目安 = 予報の平均風速 × 1.5(通常)/ × 3(大気が不安定なとき)
例:予報が「平均風速20m/s」なら、瞬間風速は30m/s前後を基準に、悪条件では60m/s近くまで振れる可能性を見ておく。(倍率の出典: 気象庁「風の強さと吹き方」注記)

出した数字を、気象庁の公式表に当てはめます。自分の窓が何を受ける可能性があるのかが、ここで具体的な言葉になります。

平均風速 予報用語 瞬間風速の目安 屋外の危険度 建物・周辺への影響
15〜20m/s 強い風 約30m/s(時速〜70km) 風に向かって歩けず転倒する人も。高所作業は極めて危険 看板・トタン板が外れ始める。雨戸やシャッターが揺れる
20〜25m/s 非常に強い風 約40m/s(時速〜90km) 何かにつかまっていないと立っていられない。飛来物によって負傷するおそれ 看板が落下・飛散。屋根瓦や屋根葺材が飛散するものがある
25〜30m/s 非常に強い風 約40m/s(時速〜110km) 屋外での行動は極めて危険 固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる。仮設足場が崩落
30〜40m/s 猛烈な風 約50m/s(時速〜140km) 多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある ブロック塀が倒壊。外装材が広範囲に飛散し下地材が露出
40m/s〜 猛烈な風 約60m/s〜(時速140km〜) 住家で倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある

(出典: 気象庁「風の強さと吹き方」)

気象庁の風の強さと吹き方にもとづく、平均風速20〜25m/sで飛来物によって負傷するおそれ、25〜30m/sで屋外での行動は極めて危険、40m/s以上で住家で倒壊するものがあるという対応を示した図

時速に直すと、体感はもっとはっきりします。瞬間風速40m/sは時速およそ90km。高速道路を走る車の窓から手を出したときに受ける風、と考えると、そこに屋根瓦や看板の破片が混ざって飛んでくる状況が想像しやすいはずです。実際、2018年の台風21号では最大瞬間風速58.1m/sの風が吹き、関西地区を中心に建物のガラス破損や屋根の飛散といった被害が出ています(出典: 日本ウインドウ・フィルム工業会「防災フィルム」)。

窓1枚ごとの対策レベル判定シート

家全体でまとめて考えると、たいてい判断が止まります。窓は1枚ずつ条件が違うからです。ここでは編集部の整理として、窓1枚を選んで5項目をチェックする形にしました。紙にメモしながら読み進めてください。

  • ① その窓に雨戸・シャッターが無い
  • ② その窓が、道路・駐車場・空き地・隣家の屋根に面している
  • ③ その窓の外に、鉢植え・物干し竿・自転車など動く物がある
  • ④ 予報の平均風速が20m/s以上(=瞬間風速40m/s前後を見込む帯)
  • ⑤ その窓の内側が、寝室や子ども部屋など、人が長時間過ごす場所

該当した数で、その窓の扱いを決めます。

該当数 対策レベル(編集部の整理) 今回やること 台風が過ぎたあとに検討すること
0〜1個 A:閉めて施錠すれば足りる窓 雨戸を閉める。鍵をかける。カーテンを引く 特になし。定期的に雨戸の動作確認を
2〜3個 B:室内側で対策する窓 鍵をかけ、カーテンやブラインドを閉じる。外の物を屋内へ移す 飛散防止フィルムの施工を検討する
4〜5個 C:恒久対策の候補になる窓 Bと同じ対応に加え、暴風の時間帯はその部屋で過ごさない 防災フィルム・防災安全合わせガラス・シャッター増設を比較する

この判定に公的なお墨付きがあるわけではありません。あくまで、気象庁の風速表と「飛来物が主役である」という前提から、編集部が読者の判断用に組んだ道具です。ただ、レベルCの窓が1枚でも見つかったなら、その台風のあいだにやることと、過ぎたあとに検討することが、はっきり分かれたはずです。

その窓に雨戸・シャッターがあるかで分岐し、ある場合は雨戸を閉めて施錠しカーテンを引く、ない場合は施錠してカーテンを閉じ外の物を屋内へ移して飛散防止フィルムを検討する、と示した図

雨戸・フィルム・養生テープの役割分担

役割分担とは、それぞれが「何を防ぐために作られたか」の違いです。同じ土俵で優劣を競わせるものではなく、担当する場面がそれぞれ違います。

対策 担当する場面 効果の公的な裏づけ いつできるか
雨戸・シャッター ガラスに当たる前に飛来物を受け止める —(既存設備。閉めることは消防庁も「必要に応じて補強する」と呼びかけ) 今日。閉めるだけ
飛散防止フィルム/防災フィルム 割れたガラスの飛散・貫通に備える JIS A 5759 に飛散防止率などの数値基準あり。防災フィルムは JIS R 3109 の試験に合格したもの 後日。施工が必要
養生テープ —(後述のとおり公的基準が確認できず) 探した範囲では確認できず 今日。ただし優先順位は最後

順番に見ていきます。まずは、今日いちばん効く行動から。

雨戸・シャッターは、窓の外で飛来物を受け止める

雨戸・シャッターとは、ガラスの屋外側に設けられ、閉めることで窓面を覆う建具のことです。総務省消防庁は台風の事前の備えとして「窓はしっかりと鍵をかけ、必要に応じて補強する」「風で飛ばされそうな物は飛ばないよう固定し、格納できるものは家の中へ格納する」と呼びかけています(出典: 総務省消防庁「消防の動き」2022年7月号)。

鍵をかける、という一手が地味に効きます。クレセント錠を締めると窓が枠に引き寄せられ、風でガタつく余地が減るためです。閉めた雨戸が風で揺れる帯は、気象庁の表では平均風速15〜20m/s。つまり、雨戸があっても「揺れる」ところまでは織り込んでおく必要があります。

雨戸を閉める作業は、風が強まる前に。気象庁の表では平均風速15〜20m/sの帯ですでに「高所での作業はきわめて危険」とされています。2階の雨戸や物干し竿の取り込みは、雨が本降りになる前に済ませてください。

そして、雨戸を全部閉めた家は、昼でもかなり暗くなります。カーテンも引くとなおさら。停電まで重なると、窓の点検に行くにも足元が見えません。窓対策の日は、明かりを一度手元にまとめておくと動きがスムーズです。


集合住宅では、そもそも雨戸が付いていない住戸も少なくありません。ベランダの物をどこにしまうか、共用部に置けるのか——このあたりは住戸ごとの事情が大きいので、置き場所の考え方はマンションの備蓄の置き場所で整理しています。ベランダを片づけるとは、飛来物の材料を自分の家から減らすことでもあります。

防災フィルムと防災安全合わせガラスには、数値基準がある

飛散防止フィルムとは、ガラスの室内側に貼ることで、割れたときの破片の飛散を抑える目的で作られたフィルムです。ここには規格があります。

日本ウインドウ・フィルム工業会の解説によれば、JIS A 5759(2016年版)は主に建築物の窓・出入口などに用いられる無機ガラスを対象とし、アクリル樹脂板やポリカーボネイト樹脂板などの有機ガラスは対象外です。そのうえで、フィルムを次のように区分しています。

区分 記号 試験方法 基準値
衝撃破壊対応ガラス飛散防止フィルム GI-1/GI-2 ショットバッグ試験 ガラス破片10個の質量80g以下・最大破片1個55g以下。450mm落下加撃10回でガラスが破壊しないこと
層間変位破壊対応ガラス飛散防止フィルム GD-1/GD-2 層間変位試験 ガラス飛散防止率95%以上
ガラス貫通防止フィルム SF 鋼球落下試験 3,000±50mmの高さから落として貫通しないこと

(出典: 日本ウインドウ・フィルム工業会「JIS:工業規格」)

数字が続いたので、いったん翻訳します。要は、第三者が同じ条件で試験して同じ結果が出るかを確かめられる形で、性能が書かれているということ。鋼球落下試験の3,000mmは3m、建物のおよそ1階分の高さです。そこから鋼球を落として貫通しない——という水準が、記号ひとつで判別できるようになっています。

台風に効くのはどれか、という話になると、さらに上の枠があります。日本ウインドウ・フィルム工業会は、会員企業の製品のうち JIS R 3109(建築用ガラスの暴風時における飛来物衝突試験方法)に従った試験に合格したものを「防災フィルム」と規定しています。名称が似ていても、飛散防止フィルムと防災フィルムは通ってきた試験が違う、ということです。

もうひとつ、地域の話。同工業会は、評価試験の結果として防災フィルムを国土交通省の定める基準風速41m/秒未満の地域の建物に施工できるとしています。41m/秒未満の地域は、沖縄県・鹿児島県島しょ部・東京都八丈町および小笠原諸島等を除き、ほぼ全国をカバーします。

基準風速とは、平成12年建設省告示第1454号により市町村ごとに定められた値で、過去の観測に基づき再現期間約50年に換算した10分間平均値です。全国で30m/秒〜46m/秒の範囲にあり、この値をもとに窓や帳壁の設計風圧力が算定されます(出典: 平成12年建設省告示第1454号に基づく国土交通省・建築研究所の解説資料)。

ここが読者にとって一番使えるところかもしれません。窓は建築基準法の枠組みのなかで、その地域の基準風速に耐えるよう設計されている。だから恐れるべきは、設計の想定を超える風圧そのものよりも、想定に入りようがない飛来物のほうだ——と考えると、優先順位の理由がつながります。

そなえぐらし管理人

正直に言うと、この記事を組むまで「フィルム=飛散防止」でひとくくりにしていました。JIS A 5759 と JIS R 3109 で試験そのものが別、と知って書き直したくらいです。見積もりを取るときは、商品名ではなくどの試験に合格しているかを聞くのが早いと思います。

養生テープは、公的な効果基準が確認できなかった

ここが、この記事を書いた理由です。

今回、気象庁・消費者庁・国民生活センター・日本ウインドウ・フィルム工業会の公式サイトを当たりましたが、窓に養生テープやガムテープを貼ることの効果について言及した一次情報は見つかりませんでした。効果を否定する公式見解も、肯定する公式見解も、確認できていません。民間企業のコラムには多数の解説がありますが、当サイトは孫引きを採用しない方針なので、それらは根拠として使いません。

この「無い」という結果自体が、実は答えの形をしています。フィルムには、ガラス飛散防止率95%以上、破片の合計質量80g以下といった数値の合否基準がある。テープには、探した範囲でそれが無い。同じ「窓に貼るもの」なのに、検証の枠組みがある側と無い側に分かれている、という非対称です。

だから当サイトは、養生テープについて「意味がない」とも「効く」とも書きません。書けるのはここまでです。数値で効果を確かめた公的基準が確認できない以上、雨戸・鍵・室内側の備えより先に着手する根拠がない。米印貼りと格子貼りのどちらが優れているかについても、比較試験の一次情報は見つかりませんでした。貼り方の優劣を断定する記述は、当サイトでは出せません。

剥がすタイミングにも触れておきます。粘着テープは、日差しや時間の経過で粘着剤が変質し、跡が残ることがあります。台風が去って安全が確認できたら、無理に引っぱらず、窓の状態を見ながら早めに剥がす前提で貼ってください。ガラスに割れやひびが見えるときは、破片が動く可能性があるため触らず、業者や管理会社に相談を。

段ボールやプラダンを室内側に立てかける方法もよく紹介されます。ただし、総務省消防庁の呼びかけで確認できたのは「窓はしっかりと鍵をかけ、必要に応じて補強する」という表現までで、資材の種類や厚みを名指しした公式の基準は確認できませんでした。厚さ何ミリなら足りる、といった数値を当サイトから出すことはできません。

買い足すなら、当日ではなく前倒しで。何が先に店頭から消えるかの順番は台風前に買っておくもの|売り切れる順に整理してあります。テープを買いに行くために暴風のなかを移動する、という順番だけは避けてください。

この対策が向かないケースと、デメリット

窓対策には、はっきり届かない範囲があります。先に挙げておきます。

  • 浸水には効かない:窓の飛散対策は、水の侵入を止める備えではありません
  • 賃貸では選べないことがある:フィルム施工やシャッター増設は原状回復や共用部の扱いに関わり、管理会社の確認が要ります
  • 有機ガラスは JIS A 5759 の対象外:アクリル板やポリカーボネイト板の窓は、この規格の想定から外れます
  • 基準風速41m/秒以上の地域:沖縄県・鹿児島県島しょ部・東京都八丈町および小笠原諸島等では、防災フィルムの施工可能地域の目安から外れます
  • 間に合わない時間帯がある:屋外作業は、風が強まる前に終える前提でしか成立しません

ひとつめの浸水について補足します。大雨と暴風はセットで来ますが、対策の中身は別物です。浸水想定エリアに住んでいるなら、窓の前に確認すべきものがあります。水害の備蓄品リスト|浸水想定エリアの備えで、水に対する備えは分けて用意してください。

残り時間の話も、表にしておきます。編集部の整理です。

残り時間の目安 できること もう間に合わないこと
数日前 フィルム施工の見積もり依頼、雨戸の動作確認、資材の買い足し
前日 ベランダ・庭の片づけ、雨戸を閉める、判定シートで窓を仕分け フィルムの施工手配
風が強まってから 鍵をかける、カーテンを引く、その部屋から離れる 屋外での作業全般(気象庁の表で「高所作業は極めて危険」の帯)

暴風の時間帯に停電が重なることも、珍しくありません。2019年の台風第15号では、倒木や飛来物による電柱の折損で大規模停電も発生しています。窓から離れた部屋で待つあいだ、手元の情報と連絡手段を保てるかどうかが、その後の行動を左右します。

スマートフォンの残量が心細いなら、充電手段をひとつ確保しておくと、待ち時間の落ち着き方が変わります。


実際に電気が止まったとき、最初の10分で何をするかは別記事にまとめています。ブレーカーや冷蔵庫の扱いも含めて停電したらまず何をするかを先に読んでおくと、暗いなかで迷わずに済みます。

そして、窓の対策をどれだけ整えても、建物ごと危険な状況になれば話は別です。避難するかどうかの判断は、必ず自治体や気象庁など公的機関の発表に従ってください。夏場に避難所へ向かう場合の装備は夏の避難所の暑さ対策にまとめてあります。

よくある質問

Q. 養生テープを米印に貼るのと、格子状に貼るのでは、どちらが効きますか?

A. 優劣を判断できる一次情報が見つかりませんでした。貼り方の違いを比較した公的な試験データは、今回の調査では確認できていません。当サイトとしては、どちらかを推奨する根拠を持っていません。テープに時間をかけるより、雨戸を閉める・鍵をかける・外の物を屋内に入れるという、公的な呼びかけがある行動を先に済ませることをおすすめします。

Q. 予報が「最大風速25m/s」なら、どれくらいの突風を想定すればいいですか?

A. 気象庁の注記では、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多く、大気の状態が不安定な場合などは3倍以上になることがあるとされています。25m/sなら、まずは瞬間風速40m/s前後を基準に。気象庁の表では、平均風速25〜30m/sの帯は「屋外での行動は極めて危険」とされる領域です。

Q. 飛散防止フィルムを貼れば、台風の飛来物にも耐えられますか?

A. 同じ「フィルム」でも試験が違います。JIS A 5759 の飛散防止フィルムは、破片の飛散や貫通に関する基準をクリアしたもの。台風の飛来物を想定した JIS R 3109 の試験に合格したものは、日本ウインドウ・フィルム工業会が「防災フィルム」として区別しています。施工を依頼するときは、どちらの試験に合格した製品かを確認してください。

Q. 賃貸マンションでも何かできることはありますか?

A. 鍵をかける、カーテンやブラインドを閉じる、ベランダの物を屋内へ移す。この3つは設備に手を加えずにできます。フィルム施工やシャッターの増設は、原状回復や共用部の扱いに関わるため、管理会社や貸主への確認が先です。

Q. 窓ガラスが割れてしまったら、どうすればいいですか?

A. まず、その部屋から離れて別室に移り、家族の安否と負傷の有無を確認してください。暴風のあいだは破片が動き続けるため、片づけは風が収まってから。けがをした場合は医療機関へ、身の危険を感じる場合は消防や自治体の指示に従ってください。応急の対応や修理は、安全が確認できたうえで業者・管理会社に相談を。

まとめ:今日やることは1つだけ

1つに絞るなら、家じゅうの窓を見て回り、雨戸・シャッターが無い窓を数えること。数さえ出れば、テープを買うのか、部屋の使い方を変えるのか、台風のあとにフィルムを検討するのかが、自動的に決まります。

  1. 雨戸の無い窓を数える紙に部屋名を書き出して、雨戸・シャッターが付いていない窓に印をつける。ここまでで5分。
  2. 印をつけた窓を判定シートにかけるこの記事の5項目で該当数を数え、A・B・Cに仕分ける。Cの窓は暴風の時間帯に使わない部屋にする。
  3. 外の物を先に片づける鉢植え・物干し竿・自転車。飛来物の材料を自分の家から減らすのが、いちばん確実な窓対策です。

台風のたびにゼロから考えなくて済むよう、判定シートの結果は紙に残しておくのがおすすめです。次の台風では、印をつけた窓だけ見に行けばよくなります。

窓の対策が済んだら、次は持ち出す側の準備です。中身の考え方は防災リュックの中身リストに整理してあります。

あとは台風全体の段取りに戻ります。上陸の何日前に何をするかは台風に備える備蓄リスト|時系列で何をするかが出発点です。

最後にもう一度だけ。ここに書いた数値は、備えを組み立てるための材料であって、安全を保証するものではありません。避難や外出の判断は、必ず自治体・気象庁・消防庁など公的機関の最新の発表に従ってください。

参考・出典

いずれも確認日は2026年8月9日です。

  • 気象庁「風の強さと吹き方」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kazehyo.pdf
  • 気象庁「風について(よくある質問集)」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq2.html
  • 総務省消防庁「消防の動き」2022年7月号「台風に対する備え」 https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/rei_0407_26.pdf
  • 日本ウインドウ・フィルム工業会「JIS:工業規格」(JIS A 5759_2016) http://www.windowfilm.jp/law/jis.html
  • 日本ウインドウ・フィルム工業会「防災フィルム」 http://www.windowfilm.jp/winfilm/bousai.html
  • 建築研究所 講義資料(建設省告示第1454号・基準風速の解説) https://www.kenken.go.jp/japanese/research/lecture/h16/slide/06-1/ref/No6.htm
  • 国土交通省 資料(風圧力・基準風速関連) https://www.mlit.go.jp/common/000995423.pdf
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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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