防災リュックを詰めていて、最後に手が止まるのが財布まわりです。現金と保険証は入れた。では、マイナンバーカードはどうするのか。毎日使う物ではないのに、いざというとき無いと困りそうな気もする——この一枚をリュックに入れるか、家の引き出しに戻すかで、たいてい5分くらい悩みます。
先に答えを書きます。マイナンバーカードは原本を持ち出す側の物と考えて差し支えありません。ただしそれは「持ち出せたら」の話です。避難のときに財布ごと流された、置いてきた、そもそも取りに戻れなかった。実際に起きるのはそういう事態のほうで、備えの本体は「無くしたときにどこへ連絡するか」を先に決めておくことにあります。カード1枚の置き場所より、連絡先のメモ1枚のほうが効く場面は少なくありません。
この記事は、書類を「なんとなく大事そうだから」で選ぶのをやめて、災害のあとに実際に必要になる4つの手続き——罹災証明書の申請、保険金の請求、預金の引き出し、医療機関の受診——から逆算して並べ直したものです。公的機関が公表している情報の範囲で、原本が要る物とコピーで動き出せる物を分けます。
この記事でわかること
- マイナンバーカード・通帳・保険証・保険証券・お薬手帳を、原本/コピーのどちらで備えるかの線引き
- 罹災証明書の申請に何が要るかは自治体で書き方が違う、という事実(3自治体の実例)
- 紛失したときの公式な連絡先と、受付時間・かかる期間の目安
- 保険証を持たずに受診するとき、窓口で何を伝える必要があるか
なお、書類は持ち出し袋全体のごく一部です。水や明かり、衛生用品まで含めた優先順位は防災リュックの中身リスト|最低限の6つと、入れなくていい5つで整理しているので、袋そのものをこれから作る方はそちらを土台にしてください。ここでは書類と貴重品だけを深掘りします。
災害のあとに書類が要るのは、手続きの窓口である
災害後の書類とは、避難生活そのものに使う道具ではなく、「窓口で自分を証明し、手続きを始めるための鍵」である、というのがこの記事の立場です。避難所の床の上でマイナンバーカードが役に立つ場面は、正直なところほとんどありません。効いてくるのは、少し落ち着いてから役所や銀行や病院の窓口に立ったときです。
公的機関が示す持ち出し品リストも、貴重品を独立した項目として扱っています。消防庁の非常用持出品チェックシートでは、貴重品類として「現金 10円玉 預金通帳 印鑑 保険証 免許証」が並びます(消防庁・2026年8月15日確認)。10円玉が入っているのは公衆電話のためで、貴重品の欄が「連絡」と「手続き」の両方を見ていることがわかります。
つまりどういうことかと言うと、書類を選ぶ基準は「高価かどうか」ではなく「どの窓口で何を求められるか」だということです。この記事で扱う4つの場面を先に押さえておきます。
災害後に書類が必要になる主な4場面。
① 罹災証明書の申請(被害の程度を市区町村に認定してもらう)/② 保険金の請求(火災保険・地震保険)/③ 預金の引き出し/④ 医療機関の受診。それぞれ求められる物が違い、④に至っては現物が無くても道が用意されています。
①の罹災証明書は、災害対策基本法第90条の2にもとづく制度です。被災者から申請があったとき、市町村長は遅滞なく住家等の被害の程度を調査し、罹災証明書を交付しなければならないと定められています(内閣府 防災情報のページ・2026年8月15日確認)。義援金や各種支援、保険や税の手続きの入口になる書類なので、災害後の「まず取りに行くもの」として名前が挙がります。
もうひとつ、書類そのものとは別に頭に入れておきたいのが保管場所の問題です。内閣府の防災Q&Aは、避難所について「毛布の奪い合いや手元に置いてあったものが盗まれるほか、ストレスが原因とみられるトラブルも報告されています」とし、「貴重品は肌身離さずもつ」ことを呼びかけています(内閣府・2026年8月15日確認)。リュックの底に入れておけば安心、とはいかないわけです。避難所で自分が持つ物と施設側が用意する物の分担は避難所に持っていくものリスト|自治体が用意する物と、自分で持つ物の線引きにまとめています。
原本が要る物と、コピーで動き出せる物を分ける
原本主義とは、その書類の現物でなければ手続きが進まない状態を指す言葉である——災害後の実務に当てはめると、そこまで厳格な場面は思ったより多くありません。むしろ「現物が無くても、本人確認さえできれば別の道がある」制度がいくつも用意されています。
公的機関の公表情報をもとに、書類ごとに整理したのが次の表です。編集部の整理として、災害後にその書類を何に使うのか、原本を持ち出す価値があるのか、無くしたときの入口はどこか、の3点を1行にまとめました。
| 書類 | 災害後に使う場面 | 原本かコピーか(編集部の整理) | 無くしたときの入口 |
|---|---|---|---|
| マイナンバーカード | 罹災証明書の申請時の本人確認、避難所の受付 | 原本を持ち出したい。ただし本人確認は免許証や保険証でも代替できる運用が一般的で、この一枚が絶対に必要とは言い切れない | コールセンターで一時利用停止(24時間365日受付)。再交付は市区町村の窓口へ |
| 預金通帳・届出印 | 預金の引き出し | 原本が理想。ただし災害時は金融機関側が柔軟に対応する仕組みがあり、コピーや口座番号のメモでも初動の相談材料になる | まず取引先の金融機関に確認する。避難先の他行窓口で引き出せる取組みも案内されている |
| 健康保険証・マイナ保険証 | 医療機関の受診 | 現物が無くても受診できる道がある(後述の申告事項が条件)。原本もコピーも必須ではない、という珍しい例 | 窓口で氏名・生年月日・連絡先・加入している医療保険者の情報を伝える |
| 火災保険・地震保険の証券 | 保険金の請求 | 証券番号が分かれば手続きは進めやすい。コピーや写真で番号だけ持っておく価値が高い | 契約先が分からなくなった場合、業界横断の照会制度がある |
| お薬手帳 | 服薬内容の共有、災害時の処方 | 現物が最も確実。ただしコピーや写真でも服薬内容が確認できれば足りる場面がある | オンライン資格確認システムでの薬剤情報等の特例閲覧が代替になり得る |
表を眺めると、性格が2つに割れているのが見えてきます。マイナンバーカードと通帳・印鑑は「原本を持っていれば早い」側。保険証券とお薬手帳は「番号や内容さえ分かれば動ける」側。そして健康保険証は、現物が無いことを前提にした仕組みが国の側で整えられている、いちばん例外的な立ち位置にあります。
ここで断っておきたいことがあります。上の整理は「コピーで十分です」という意味ではありません。コピーでも初動対応の助けになるケースがある、というだけで、最終的に原本の提示や後日提出を求められる場合もあります。窓口で何を求められるかは自治体・金融機関・保険会社によって異なるため、手続きの可否は必ず現地の窓口や契約先にご確認ください。

コピーを作ったら、その日で終わりにしない
コピーには賞味期限があります。保険証券は更新で番号や補償内容が変わることがあり、住所も変わる。免許証には有効期限がある。3年前に取ったコピーが、いまの自分を証明しない紙になっている可能性は十分にあります。乾電池やアルファ米と同じで、書類のコピーも点検の対象です。何を何年ごとに入れ替えるかは防災グッズの買い替え期限一覧|3年・5年・7年・10年で替えるものと点検カレンダーにカレンダー形式でまとめてあるので、書類の見直しもその日にまとめてしまうのが楽です。
そしてもうひとつ、紙のコピーと並行してやっておきたいのが写真です。書類を1枚ずつスマートフォンで撮り、クラウドストレージにも置いておく。紙は濡れれば読めなくなりますが、クラウドに上げた画像は自宅が浸水しても残ります。避難先で「保険証券の番号だけ知りたい」というとき、リュックを開けるより速い。
ただ、写真を撮ったあとも紙のコピーは袋の中に残ります。ここで抜けやすいのが、その紙そのものを濡れから守る方法です。避難の道中で雨に降られる、リュックの底に水が回る、避難所で出し入れするうちに端から波打ってくる。読めなくなる条件のほうは、思っているより簡単にそろいます。高い保管ケースを買う話ではありません。密閉性の高い袋に小分けしておくだけでも、扱いはずいぶん楽になります。
その用途で編集部が候補に挙げているのが、クリロン化成の「BOS ストライプ 黒」Lサイズ(90枚入)です。メーカー公表のサイズは30cm×40cmで、A4の書類が折らずに入る大きさ。書類のコピーを1束、通帳と届出印、充電器とケーブル——というふうに袋を分けておくと、雨の中でリュックを開けたときに中身を全部さらさずに済みます。90枚という入数も、家族分を小分けして、余りは平時に使い切れる量です。
ただし、正直に書いておくことが2つあります。ひとつは、メーカーが公表しているのは防臭性能であって、防水の数値ではないこと。だからこの記事では「防水袋」とは書きません。もうひとつは、本来の用途がおむつやペットの排せつ物の処理であり、書類の保管はメーカーが挙げている使い方ではないということです。あくまで密閉性のある袋の転用として、水しぶきや湿気から小分けする程度に見ておくのが妥当なところだと思います。
ただし、先ほどの写真とクラウドという方法のほうには、前提がひとつあります。その写真を見るには、スマートフォンが動いていなければならないということです。停電と通信の混雑が重なる時間帯こそ、番号を照会したい場面が来ます。電池が切れた瞬間、クラウドに預けた書類はゼロになる。ここは紙のコピーに勝てないところで、だから電源の確保は書類対策の一部として考えたほうが筋が通ります。
持ち出し袋に入れる充電器として編集部が候補に挙げているのが、エレコムのモバイルバッテリー「EC-C61MN」です。メーカー公表値では約220g・10000mAhで、最大出力35W、USB-C×2とUSB-A×1の3ポートを備え3台同時充電に対応します(メーカー公式で確認・2026年8月15日確認)。半固体電池を採用したモデルで、重さは500mlのペットボトルより軽い。書類の写真を見るという用途で効いてくるのは、この重量と、家族のスマートフォンをまとめて延命できる3ポート構成のほうです。1台につき1個ずつ充電器を配るより、袋が軽くなります。
罹災証明書に何が必要かは、自治体によって違う
罹災証明書とは、住家などの被害の程度を市区町村が調査して証明する書類である。制度そのものは全国共通ですが、申請の窓口で何を出すよう案内されるかは、自治体ごとに書き方が違います。ここは「◯◯を持っていけば大丈夫」と一般化してはいけない部分です。
実際に3つの自治体の案内を並べてみます(いずれも2026年8月15日確認)。
- 大阪市——「本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証・健康保険証・在留カードなど)」とし、マイナンバーカードを例に明記
- 大田区——「身分証明書(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)」と、こちらも明記
- 品川区——「運転免許証、旅券、保険証など」と案内し、マイナンバーカードの名指しは無し
3つ並べると、書き方がそろっていないことがはっきりします。品川区の案内にマイナンバーカードが出てこないからといって使えないという意味ではないでしょうし、逆に大阪市の例示があるからといって全国どこでも同じ運用とは限りません。読み取るべきは、本人確認書類として認められる範囲は自治体が決めているという事実のほうです。
だから備え方はこうなります。マイナンバーカード「だけ」を頼りにせず、免許証・保険証など種類の違う本人確認書類を2つ以上、原本かコピーかを問わず持ち出せる形にしておく。そのうえで、平時のうちに自分の住む市区町村の罹災証明書のページを一度だけ開いて、必要書類の欄をブックマークしておくと、当日の迷いが減ります。
言い換えると、罹災証明書の申請で求められるのは「マイナンバーカードという特定の一枚」ではなく「あなたが本人であることを示せる何か」です。そう捉えると、リュックに何を入れるかの答えも自然と決まってきます。厚い書類の束ではなく、種類の違う証明を薄く2枚。
無くしたときに、どこへ連絡するか
紛失時の初動とは、被害の拡大を止める連絡と、代わりの手続きに乗り換える連絡の2種類である。マイナンバーカードで言えば前者が一時利用停止、後者が再交付の申請にあたります。この記事でいちばん持ち帰ってほしいのは、実はこの一覧のほうです。
| 失くした物 | 連絡先 | 受付・所要の目安 | そのあとにすること |
|---|---|---|---|
| マイナンバーカード | マイナンバー総合フリーダイヤル 0120-95-0178(音声ガイダンス2番) | カードの一時利用停止は24時間365日受付 | 再交付は住んでいる市区町村の窓口へ。紛失・破損による再交付は有料が原則 |
| 火災保険・地震保険の契約先が分からない | 日本損害保険協会「自然災害等損保契約照会センター」 0120-501331 | 受付から連絡まで2週間程度 | 災害救助法が適用された地域で、家屋等の流失・焼失等により契約の手掛かりを失った場合の照会制度 |
| 預金通帳・届出印 | 取引先の金融機関(避難先の他行窓口で相談できる取組みも案内されている) | 各行・状況により異なる | 本人確認のうえ一定の払出しに応じる銀行があるとされるが、上限額や条件は各行・状況により異なる |
| 健康保険証・マイナ保険証 | 受診する医療機関の窓口 | その場で申告 | 氏名・生年月日・連絡先(電話番号)・加入している医療保険者が分かる情報を伝える |
順に補足します。マイナンバーカードの一時利用停止は、コールセンターで24時間365日受け付けられています(マイナンバーカード総合サイト/地方公共団体情報システム機構・2026年8月15日確認)。深夜に気づいても、その場で止められるということです。再交付については、紛失や破損等を理由とする場合や旧カードを返納できない場合は有料が原則とされています。手数料の額や交付までの期間は自治体ページで案内が分かれており、目安として1,000円程度・申請から1か月程度という記載が複数の自治体で見られますが、全国一律の値ではないため、お住まいの自治体で確認してください。
ここが「紛失前提の備え」が要る理由です。再交付には申請から一定の期間がかかります。夏休みが丸ごと1回入るくらいの時間、手元にカードが無い状態が続きうるわけで、その間の本人確認をどうするかを別の書類で埋めておく必要があります。
保険については、契約先そのものが分からなくなるという事態にも制度が用意されています。日本損害保険協会の「自然災害等損保契約照会センター」は、災害救助法が適用された地域で、家屋等の流失・焼失等により損害保険会社との契約に関する手掛かりを失った方の照会に応じるもので、受付から連絡までは2週間程度とされています(日本損害保険協会・2026年8月15日確認)。ただし、平時に証券番号を写真で控えてあれば、この2週間は丸ごと省けます。
保険証を持たずに受診するときの申告事項
4つの場面のうち、いちばん道が開けているのが受診です。厚生労働省は、保険証がなくても保険診療を受けられるとしたうえで、「氏名、生年月日、連絡先(電話番号)、加入している医療保険者が分かる情報」を医療機関の窓口で伝える必要があると案内しています(厚生労働省・2026年8月15日確認)。この4点はセットです。何も言わずに受診できるという意味ではありません。
これは机上の制度ではありません。令和8年8月13日からの大雨の被災者について、厚生労働省保険局医療課が令和8年8月14日付で、マイナ保険証または資格確認書等の提示に関する事務連絡を出し、氏名・生年月日・連絡先等を窓口で伝えれば受診できることや、オンライン資格確認システムでの薬剤情報等の特例閲覧が周知されています(全国保険医団体連合会による周知記事・2026年8月15日確認)。実際の災害のたびに動いている仕組みだということです。
だからこそ、リュックに入れる価値が高いのは保険証のコピーそのものより「加入している医療保険者が分かる情報」を書いたメモです。保険者名・記号番号・持病・常用薬・かかりつけ医の連絡先を1枚にまとめておく。持ち歩き用の小さな備えとしては防災ポーチの中身|毎日持ち歩ける重さから逆算して決める12品で扱った考え方と同じで、重さゼロで効く数少ない備えです。
お薬手帳も同じ発想で扱えます。日本薬剤師会は災害対策マニュアルで慢性疾患の方の手帳活用を推奨しており、災害時などに服薬内容が確認できる場合、処方箋がなくても薬を受け取れる取り扱いが一時的に認められることがあります(日本薬剤師会・厚生労働省・2026年8月15日確認)。現物の手帳が最も確実ですが、写真でも中身は伝わります。
連絡先の話をもうひとつ。窓口の電話番号を控えても、家族と連絡が取れなければ手続きは動きません。誰がどの番号にかけるかを決めておく方法は家族の安否確認方法の決め方|災害用伝言ダイヤル171と伝言板・SNSの使い分けに整理してあります。書類メモの裏面に、家族の集合場所と171の使い方を書いておくと1枚で済みます。
この記事の考え方が当てはまらないケース
ここまでの整理が効かない場面もあるので、正直に書いておきます。
- すぐ自宅に戻れる在宅避難が中心の方——書類を袋に移す必要はあまりありません。耐火・防水の保管ケースに家でまとめておくほうが、紛失も盗難も減ります
- 原本を持ち出す余裕がない状況——夜間の急な避難や、火災・土砂の危険が迫っている場面で、引き出しを開けに戻るのは本末転倒です。書類はすべて後から再発行や照会の道があります。命が先です
- 同居家族に手続きを任せられる方——世帯で1人が原本を持ち、他の人は写真とメモ、という分担のほうが軽く済みます
加えて、この記事は「防災リュックに入れる書類」だけを扱っています。備蓄食や照明、季節物の買い時のような話はここでは触れていません。買い足しの時期をまとめて考えたい方は防災の日セールで買うもの|8〜9月に安くなりやすい時期と備えの優先順位【2026年版】のほうが向いています。
よくある質問
Q. 防災リュックにマイナンバーカードの原本を入れっぱなしにしても大丈夫ですか?
置きっぱなしはおすすめしにくい選択です。内閣府は避難所で手元の物が盗まれた事例に触れ、貴重品は肌身離さず持つよう呼びかけています。日常的に使うカードでもあるため、原本は財布や普段の保管場所に置き、防災リュックには「コピーまたは写真」と「無くしたときの連絡先メモ」を入れておく。避難のときに財布ごと持ち出す、という組み立てのほうが現実的でしょう。
Q. マイナンバーカードを失くしたら、罹災証明書の申請はできなくなりますか?
そうとは限りません。自治体の案内では、運転免許証や健康保険証など複数の本人確認書類が例に挙がっており、マイナンバーカードだけが認められているわけではないためです。ただし何が認められるかは自治体によって書き方が異なるため、実際に何を求められるかはお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。種類の違う本人確認書類を2つ以上用意しておくのが、いちばん確実な備えになります。
Q. 通帳と印鑑を失くしたら、お金は引き出せませんか?
災害時には金融機関側が柔軟に対応する仕組みがあります。全国銀行協会は、被災地域から避難した方が避難先の他の金融機関の窓口でも預金を引き出せる取組みを案内しており、必要な要件を満たすことを確認したうえで一定の金額の払出しに応じる銀行があるとしています。過去には、被災の影響で通帳・証書・届出印を紛失した場合でも本人確認のうえ支払いに応じた金融機関の事例も公表されています。ただし上限額や条件は各行・状況により異なり、すべての金融機関に共通する保証ではありません。まずは取引先の金融機関に確認してください。
Q. 書類はコピーだけで備えて、原本は全部家に置いておく形でもいいですか?
保険証券やお薬手帳のように「番号や内容が分かれば動ける」書類なら、その形でも初動対応の助けになります。一方で、預金通帳や届出印のように原本があると手続きが早い書類もあり、コピーだけでは最終的に原本の提示や後日提出を求められる場合もあります。全部をどちらかに寄せるのではなく、この記事の表のように書類ごとに分けるのが現実的です。
まとめ|今日やることは、連絡先メモを1枚つくること
マイナンバーカードは原本を持ち出す側の物。けれど、備えの本体は無くしたときの手順のほうにあります。カードを失くした夜に0120-95-0178が思い出せるかどうかで、翌朝の動きが変わる。持ち物を増やす話ではなく、紙1枚と写真数枚で済む話です。
- 連絡先メモを1枚つくるマイナンバーカードの一時利用停止のフリーダイヤル、取引先の金融機関、保険の契約先(分からなければ損保協会の照会センター)、加入している医療保険者の情報。この4行だけで足ります。
- 書類を撮ってクラウドに置く保険証券、お薬手帳、通帳の見開き、免許証。撮ったらクラウドストレージにも保存します。閲覧にはスマートフォンの電源が要るので、袋の充電器も同時に点検してください。
- 自治体の罹災証明書ページを開いてブックマークする必要書類の欄は自治体ごとに書き方が違います。平時に一度読んでおくのが、いちばん安い保険です。
あわせて読みたい: 防災リュックの中身リスト|最低限の6つと、入れなくていい5つ/防災グッズの買い替え期限一覧|3年・5年・7年・10年で替えるものと点検カレンダー
参考・出典
- 大阪市「罹災証明書・被災証明書(自然災害)」 https://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/page/0000376468.html (2026年8月15日確認)
- 大田区「り災証明書の発行について」 https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/chiiki/bousai/suigai/risai_syoumei.html (2026年8月15日確認)
- 品川区「罹災証明書の発行について」 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/bosai/bosai2/hisai/20240606090951.html (2026年8月15日確認)
- 内閣府 防災情報のページ「罹災証明書の概要」 https://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/pdf/risaisyoumeisyo_gaiyou.pdf (2026年8月15日確認)
- 内閣府「防災Q&A」 https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h25/72/question.html (2026年8月15日確認)
- マイナンバーカード総合サイト(地方公共団体情報システム機構)「紛失・拾得」 https://www.kojinbango-card.go.jp/faq_lost_found5/ (2026年8月15日確認)
- マイナンバーカード総合サイト(地方公共団体情報システム機構)「再交付」 https://www.kojinbango-card.go.jp/faq_apply13/ (2026年8月15日確認)
- 葛飾区「マイナンバーカードの再交付」 https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000046/1001402/1012493.html (2026年8月15日確認)
- 厚生労働省「保険証なしで医療機関を受診できます」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121713.html (2026年8月15日確認)
- 全国保険医団体連合会「令和8年8月13日からの大雨に関する厚生労働省事務連絡の周知」 https://hodanren.doc-net.or.jp/info/news/2026-08-14/ (2026年8月15日確認)
- 全国銀行協会「災害に関するよくあるご質問(FAQ)」 https://www.zenginkyo.or.jp/topic/disaster/faq/ (2026年8月15日確認)
- 厚生労働省(熊本地震関連情報) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121841.html (2026年8月15日確認)
- 日本損害保険協会「自然災害損保契約のご照会」 https://www.sonpo.or.jp/soudan/icrcd.html (2026年8月15日確認)
- 日本薬剤師会「薬剤師のための災害対策マニュアル」 https://www.nichiyaku.or.jp/yakuzaishi/activities/disaster/manual (2026年8月15日確認)
- 消防庁「非常用持出品チェックシート」 https://www.fdma.go.jp/relocation/bousai_manual/too/pdf/mocidashi.pdf (2026年8月15日確認)
