避難所にテントは持ち込める?内閣府の文書が定める間仕切りの基準と自分で備える範囲

※本記事にはプロモーションを含みます。

体育館の床にブルーシートが敷かれ、家族4人分の荷物を足元にまとめて座る。前を人が通るたびに視線が合い、夜になっても照明は完全には落ちない。「せめて自分たちのまわりだけでも囲えたら」と考えて、押し入れのワンタッチテントを思い出す——避難所とテントを結びつけて検索する人の多くは、たぶんこの順番でたどり着きます。

先に、いちばん大事なことを書きます。国の文書は、個人がテントを持ち込むことを認めても禁じてもいません。内閣府の中心的な2つの文書、「避難所運営ガイドライン」(平成28年4月)と「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(令和6年12月改定)を原典のテキストで検索すると、「テント」という語のヒットは0件。使われているのは「パーティション」「間仕切り」だけでした(2026年8月23日確認時点)。禁止条項が見つからないのではなく、そもそも個人のテントという想定で書かれていないのです。

その代わりに国の文書が数字で書いているのは、間仕切りで区切られる「1人あたりの広さ」のほう。1人あたり最低3.5㎡、通路幅は1m以上、世帯どうしの間隔はできるだけ2m。この3つの数字を知っていると、避難所に着いてから「テントを広げていいのか」を自分でも判断しやすくなります。

この記事でわかること

  • 内閣府の2文書に「テント」の語が1件も出てこないという、原典検索の結果
  • 1人3.5㎡・通路1m以上・世帯間隔2mという、間仕切りまわりの数値基準とその位置づけ
  • パーティションは自治体の備蓄・協定でまかなう前提になっていること(実数つき)
  • 持ち込めるかは各避難所の運営が決め、学校敷地内でのテント使用を公式サイトで断っている区もあること。テントの代わりに自分で持てる物の範囲
目次

内閣府の文書に「テント」という語は出てこない

避難所運営ガイドラインとは、内閣府(防災担当)が市町村向けに避難所運営の業務項目とチェックリストを整理した文書です。取組指針のほうは、その避難所で確保すべき生活環境の水準を示したもの。どちらも避難所の話をしている以上、テントについても何か書いてあるはずだ——そう考えるのが自然でしょう。

ところが、原典をテキスト化して検索した結果はこうでした。

文書 改定・発行 規模 「テント」の検索結果
避難所運営ガイドライン(内閣府) 平成28年4月 約1.8MB/2,759行 0件
避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(内閣府) 令和6年12月改定 約389.8KB/1,162行 0件

編集部が各PDFをテキスト化して検索した結果(2026年8月23日確認時点)。両文書とも、区切りを指す語としては「パーティション」「間仕切り」のみが使われています。

2,759行の文書に1件も出てこない、というのはかなり強い事実です。「テント」は国の避難所文書の語彙に入っていない、と言い切っていい。つまり、国が個人のテント持ち込みを認めたという読み方も、禁じたという読み方も、どちらも原典には根拠がないということになります。

一方で、自治体の避難所運営マニュアルには「テント」の語が出てきます。ただし、その中身を読むと役割がはっきり分かれていました。ある県のモデルマニュアルではプライバシー確保のための「室内テント」、ある市のマニュアルでは室内に入りきれない人のために屋外へ設営する「学校のテント」や「校庭の仮設テント」。いずれも運営側が用意して運営側が設営するもので、避難者が自分のテントを持ってくる話ではありません。「持ち込み」「持込」という語自体、確認した範囲のマニュアルではヒットしませんでした。

マニュアルの外に目を広げると、個人のテントをはっきり断っている自治体の例があります。東京都世田谷区の公式サイトのページ(https://www.city.setagaya.lg.jp/03660/10474.html)の本文には、「テントのフレームの先端やペグが体育館の床、校庭を傷つけてしまう恐れがあることや、限られた避難所のスペースをたくさんの避難者の方と共有していただく観点から、体育館、教室、廊下、昇降口、校庭など学校の敷地内でのテントの使用はお断りしています。」とあり、続けて「持ち込まれても使用はできません。」と書かれています(2026年9月15日確認)。理由として挙がっているのは、床や校庭を傷つけるおそれと、スペースの共有の2つ。国の文書が決めていない以上、現場の側が「使えない」と先に決めている地域もあるということです。自分の地域がどうなっているかは、後半の「自分の避難所の運営マニュアルを見る」の手順で調べられます。

国の文書には、個人のテント持ち込みを認める記述も禁じる記述も存在しない。書かれているのは「間仕切りで1人3.5㎡を確保する」という運営側への要求だけ。したがって持ち込めるかどうかは、各避難所の運営判断に委ねられています。避難の判断や現地でのルールは、必ず内閣府や自分の自治体が出している一次情報に従ってください。

ここを曖昧にしたまま「内閣府が間仕切りを推奨しているのだから、テントもだいたい大丈夫」と書いている解説記事も見かけます。気持ちは分かるのですが、推奨されているのは運営側が配るパーティションであって、個人が持ち込むテントではない。似て見えて、主語がまるで違うのです。

避難所まわりで何を持ち、何を持たないかの全体像は、全体像→避難所に持っていくものリストで先に押さえておくと、この記事の位置づけも分かりやすくなります。

避難所で1人に確保される広さは3.5㎡が基準になった

スフィア基準とは、人道支援の分野で国際的に共有されている、被災者の生活環境に関する最低基準です。内閣府はこれを避難所の目標水準として引用しています。令和6年12月改定の取組指針には、原文でこう書かれています——「スフィア基準に沿って、1人当たり最低3.5㎡の居住スペースとなるようにすること」。

3.5㎡と言われてもピンと来ないので、身近なものに置き換えます。おおよそ畳2枚分。大人が寝転がって、枕元にリュックを置いて、少し寝返りが打てる程度の面積です。ここから通路分はさらに別途確保することになっているので、「3.5㎡の中に通路が含まれる」わけではありません。

項目 数値 出典 身近な換算
1人あたり最低居住面積 3.5㎡ 内閣府 取組指針(令和6年12月改定) 畳およそ2枚分
要配慮者の目安 4㎡程度 ある県の避難所運営マニュアル作成モデル(大規模避難所版・令和8年4月) 畳およそ2枚半
通路の幅 1m以上(居住面積とは別途確保) 同上 車いすが通れる幅
世帯どうしの間隔 できるだけ2m(少なくとも1m以上) 同上 大人が横になった長さくらい
トイレの数 初期は50人に1基、中期は20人に1基(女性用と男性用が3:1) 内閣府 取組指針
入浴施設 50人に1つ、男女別 内閣府 取組指針

いずれも2026年8月23日確認時点の記載。自治体名は本文では伏せていますが、出典URLは記事末尾に掲載しています。

数字が続いたので、意味のほうに翻訳します。この4つの数値が言っているのは、要するに「1人分の島(3.5㎡)を作り、島と島のあいだに2mの海を置き、そのあいだを1mの道が通る」という配置です。テントを立てる余地があるかどうかは、この島のサイズと、島の外側にどれだけ余白が残っているかで決まります。自分の家族の人数×3.5㎡がどのくらいの塊になるのか、床にメジャーを当てて一度見ておくと感覚がつかめます。

ただし、ここで断定の強さを間違えないでください。内閣府自身が平成28年4月のガイドラインで、スフィア基準について「今後の我が国の『避難所の質の向上』を考えるとき、参考にすべき国際基準となります」と書いています。参考にすべき基準であって、法的な義務基準ではない。3.5㎡が確保されていないから違法、という話ではないのです。

世帯どうしを2m空けるという数値は、プライバシーだけの話でもありません。人と人の距離は、共同生活の衛生とも直結します。この観点は避難所の感染症対策で気をつけることのほうで扱っているので、間隔の意味を深く知りたい人はそちらへ。

書き込み式:自分の避難所に何人入るのかを出す

指定避難所の床面積は、自治体の避難所一覧や施設概要で公開されていることがあります。分かったら、次の順に埋めてみてください。電卓ひとつで出せます。

手順 やること 計算 あなたの数字
避難所の床面積を調べる     ㎡
通路・受付・物資置き場に回る分を引く ① −(見込み面積)     ㎡
居住スペースを3.5で割る ② ÷ 3.5     人
自治体の想定避難者数と見比べる ③ と比較 足りる/足りない

目安として、居住スペース100㎡あたりで約28人(100÷3.5)。②で引く面積は施設によって大きく変わるため、あえて空欄にしています。通路は1m以上を別途確保する決まりなので、細長い体育館ほど通路に取られる割合は大きくなる、とだけ覚えておけば十分でしょう。

この計算をしておく意味は、収容がぎりぎりの避難所ほど「個人のテントを広げる余地」が物理的に消える、と先に分かることにあります。数字が足りていれば、当日ふるまいを決めるのが楽になります。

間仕切りは自治体が備蓄と協定でまかなう前提になっている

パーティションは、内閣府の取組指針のなかで避難生活に不可欠な品目として名指しされています。原文はこうです——「食料、飲料水、携帯トイレ、簡易トイレ、パーティション、簡易ベッド…は避難生活に不可欠…スフィア基準を満たすことができるよう…備品を確保する」。つまり個人が用意すべき物ではなく、行政が確保すべき物として位置づけられている。

実際の規模感も公表されています。ある市の避難所運営マニュアルに載っている備蓄実数は、簡易型避難用テント450張、簡易間仕切り(ファミリールーム)111,393枚。11万枚という桁は、個人がリュックに詰める話とは次元が違う。

足りない分をどうするかも、あらかじめ決められています。内閣府は「事前に民間事業者と協定を締結するなどにより、不足する分については、速やかに調達すること」と方針を示し、受け皿となる段ボール業界側も「緊急時、被災地周辺の近隣段ボール工場が協力することで、いち早く供給できる」と説明しています。段ボール製の間仕切りやベッドが被災地に届く速さは、この協定が下敷きになっているわけです。

そなえぐらし管理人
正直なところ、この11万枚という数字を見た時点で「かさばるテントを背負っていく」という選択肢の優先順位は、編集部の整理ではかなり下がりました。届く前提の物にリュックの容積を使うより、届かない物に使うほうが合理的だと思うのです。

ここで扱っているのは「視線・音・空間を仕切る」話です。床の硬さや冷たさへの備え、段ボールベッドやマットの選び方は別の担当なので、避難所の床で寝る備え(段ボールベッドとマット)を合わせて読んでください。仕切りと寝床は、必要な理由も届くタイミングも違います。

現実には基準どおりの広さを確保できていない避難所もある

基準の話が続いたので、実態の数字も置いておきます。2025年3月11日配信の報道によると、原発から30km圏内の122市町村のうち、2024年12月改定の新指針が示す3.5㎡を満たせるのは2割。約半数にあたる48市町村は、1人あたり2〜3㎡の水準にとどまっていました(調査は2024年12月〜2025年2月に実施)。

2〜3㎡は、畳にすると1〜2枚分。3.5㎡との差は畳半分から1枚ぶんですが、その半畳は荷物を置く場所であり、体の向きを変える余地でもあります。数字の差以上に、体感は変わるでしょう。

とはいえ、これは不安を煽るための数字ではありません。基準が2024年12月に引き上げられたばかりで、施設側の追随はこれからだ、という途中経過を示すデータです。読者側にできることも、はっきりしています。自分が行く可能性のある避難所が今どちらの側にいるのかを、平時のうちに調べておく。それだけで、当日の期待値の置き方が変わります。

広さに余裕がない避難所だと分かっていれば、テントを担いでいく前提の計画は最初から立てない。余裕がありそうなら、運営に相談する余地があるかもしれない。どちらに転んでも、知っているほうが動きやすいのは間違いありません。

テントを立てる場面で守るべき制約は決まっている

仮に運営から使用を認められたとしても、避難所には共通の制約があります。マニュアル類に共通して書かれているのは、防火と動線の2点でした。

ふさいではいけないもの
ある市の避難所運営マニュアルの防火順守事項には、「居住スペース内の通路、避難口等に避難の障害となる物品を置かないこと」と明記されています。テントは足元だけでなく、張り綱やペグ、出入り口の開閉スペースまで含めて場所を取る。通路1m以上という設計を、自分の1張りで崩さないことが前提になります。

火気からの距離
同じ文書には「暖房器具を使用する場合は…衣類、寝具等の可燃物から安全な距離を保つこと」ともあります。テントの生地は可燃物です。ストーブの近くに立てる発想は、この時点で外れます。

もうひとつ、覚えておきたい前提があります。収容しきれない人が出たときの対応は、すでに運営側の手順として決まっているという点です。あるマニュアルには「室内に入りきれない人がいる場合は、屋外に学校のテントを設営します」「健康な避難者は、校庭に仮設テントを設営しそこに収容します」とあり、さらに「校庭内における自家用車での宿泊は、原則禁止」とも書かれていました。

つまり、混み合った場面ほど運営側の割り振りが優先される設計になっている。自前のテントを広げたい状況と、運営がテントを出したい状況は、たいてい同時に来ます。持っていくかどうかを考えるときは、この順番も一緒に思い浮かべておくといいでしょう。

持っていく物を決める前に、自分の避難所の運営マニュアルを見る

この記事でいちばん勧めたい行動は、テントを買うことでも、買わないと決めることでもありません。自分が行く避難所の運営マニュアルを1回開くことです。判断の材料は、通販サイトの商品ページではなく、そこに書いてあります。

  • 自治体名+「避難所運営マニュアル」で検索する(多くはPDFで公開されています)
  • PDFを開いたら「テント」で文字検索する。運営側が設営する物として出てくるのか、避難者の持ち込みに触れているのかを見る
  • 「間仕切り」「パーティション」で検索し、備蓄品目に入っているかを確認する
  • 自治体の備蓄一覧ページで、間仕切りや簡易テントの数量が公表されていないか探す
  • 指定避難所一覧で、行く可能性のある施設の収容人数と床面積を控える
  • 見つからなければ、平時の防災担当窓口に「間仕切りは配られますか」「個人のテントの扱いはどうなっていますか」と聞いてみる

マニュアルに書いていないことは、たいてい「現場で決める」という意味です。書いていないと分かっただけでも収穫。当日、運営に確認すべき事項として頭に入れておけます。

テントの代わりに自分で持てる範囲を決めておく

マニュアルを開いて「個人のテントは想定されていない」「間仕切りは備蓄されている」と分かったら、次に考えるのは、リュックに入る大きさで何を持つかです。先の吹き出しで書いたとおり、届く前提の間仕切りに容積を使うより、届かない物に使うほうが理にかなっています。テントに期待していたことを分解すると、自分で持てる物に置き換えられる部分が見えてきます。

テントに期待していたこと 誰が用意する前提か 自分で持つなら
周囲の視線をさえぎる 間仕切り(パーティション)は行政が確保する品目 持たない。運営が配る前提で待つ
床の上で眠るときに、体とまわりを覆う 段ボールベッドなどは運営側。届くまでの時間は地域で変わる 薄く畳める敷物・掛け物
着替えや体を拭く時間を持つ 入浴施設は取組指針の目安で50人に1つ 水を使わずに体を拭ける物

「誰が用意する前提か」の列は、この記事で引用した内閣府の取組指針と自治体マニュアルの記載を、当編集部が整理したものです。

敷物の候補として分かりやすいのが、Eco Ride Worldの「アルミシート」3枚入りです。メーカーの公式サイトが見当たらないため販売ページの表記で書くと、広げたサイズは約160×210cm、素材はアルミ蒸着ポリエステルで、片面がゴールド、片面がシルバー。掛け算すると1枚あたり約3.4㎡で、この記事で見てきた1人分の基準(3.5㎡)とほぼ同じ広さになります。テント1張りの容積の代わりに、1人分の広さの敷物を薄く畳んで持つ、という置き換えです。3枚入りなので、家族で1枚ずつ持ち出し袋に分けて入れる形にもできます。販売ページの表示を普段使うモールで一度見て、サイズを確かめておくと安心です。


掛け物のほうは、災害備蓄用の不織布毛布「もしもうふ」10枚入りが候補になります。製造元の表記は販売先によって分かれていて(モノタロウやアスクルの販売ページでは「アクシス」の表記)、ここでは販売ページの表記で書きます。1枚のサイズは約1400×2000mm、重さは約500g、圧縮して収納した状態で約185×250×62mm。素材は難燃性のポリエステル不織布で、日本防炎協会の認定品とされています。「テントを立てる場面で守るべき制約」の見出しで見たとおり、テントの生地は可燃物として暖房器具から離すべき物でした。避難所に持ち込む布物を選ぶなら、防炎の表示があるかは見ておきたい項目です(防炎品だから火気の近くで使ってよい、という意味ではありません)。ただし10枚入りは、1家庭で使い切る量ではありません。家族それぞれの持ち出し袋に1枚ずつ入れ、残りは自宅に置いて在宅避難のときの寝具に回す、という分け方を前提にできる家に向きます。毛布の種類ごとの違いは防災用毛布・ブランケットの比較で整理しています。


最後の「体を拭く」は、囲いがあってもなくても必要になる物です。アイリスオーヤマの「大判からだふき」(型番 KRD-20)は、販売ページの表記ではシート1枚が約60×40cm、20枚入り、ノンアルコールのタイプ。60×40cmは、A2の紙(42×59.4cm)とほぼ同じ大きさです。入浴施設の目安が50人に1つという数字を思い出すと、順番を待つあいだに自分の区画で体を拭ける物を持っておく意味が見えてきます。断水したときの体の清潔の保ち方は断水時に体を清潔に保つ方法でまとめています。

3つとも、設営の場所を取らず、1人分の区画の中で広げたりしまったりできる大きさの物、という基準で選んでいます。張り綱やペグまで含めて場所を取るテントとは、そこが違います。とはいえ、どの物も使ってよい場所や置き方は、当日の運営の指示に従ってください。

この考え方が当てはまらないケース

ここまでは、体育館などの指定避難所に一般の避難者として入る場面を前提にしてきました。次のような場合は、別の判断軸が要ります。

  • 在宅避難や車中泊を選ぶ場合——建物の安全が確認でき、自宅に留まれるなら、避難所内の間仕切りの話はそもそも発生しません。ただし敷地内での車中泊を原則禁止としている避難所もあるため、車を使う前提の計画は自治体の記載を先に確認してください。
  • 屋外の指定場所に避難する場合——校庭などに運営側が仮設テントを設営する運用があります。その場合は割り当てに従う形です。
  • 医療的ケアや配慮が必要な方がいる世帯——1人4㎡程度を目安とする記載もあり、福祉避難所という別の選択肢もあります。自分たちで仕切るより、事前に相談しておくほうが確実です。
  • アウトドア用品をすでに持っている人——買い足す必要はありません。持っていく物を1つ増やすかどうかの問題であって、この記事は購入をすすめる趣旨ではないためです。

そのうえで、上の1つ目——在宅避難や車中泊を選ぶ場合——と、運営から使用を認められた場合には、囲いを自分で持っている意味が出てきます。用途が「避難所に持ち込む」ではなく、「自宅や車のそばで、着替えと就寝の場所を家族のぶんだけ区切る」に変わるからです。この形の製品としては、VGVGの「防災テント ワンタッチ 避難テント 3〜4人用」のように、たたんだ状態から広げて立てるワンタッチ式のものがあります(ブランド名・商品名はAmazonの商品ページ表示/2026年9月4日確認)。耐水圧・重量・たたんだときの寸法は製造元の公式な一次情報を確認できていないため、当サイトでは数値を書きません。

念のためもう一度書きます。これを持っていれば避難所で使える、という話ではありません。使えるかどうかを決めるのは各避難所の運営で、確認先は自分の地域の運営マニュアルと平時の防災担当窓口です。避難するかどうか、どこへ避難するかの判断は、内閣府および居住自治体が発表する一次情報に従ってください。

よくある質問

Q. 避難所にテントを持ち込むのは禁止されていますか?

A. 内閣府の2文書には、禁止する記述も許可する記述もありません。「テント」という語自体が0件でした(2026年8月23日確認時点)。確認した自治体マニュアルにも個人の持ち込みに関する明文規定は見つからず、実際の可否は各避難所の運営が判断することになります。一方で、東京都世田谷区のように、公式サイトで「学校の敷地内でのテントの使用はお断りしています」と明記している区もあります(2026年9月15日確認)。

Q. 間仕切りは自分で用意しないともらえませんか?

A. パーティションは内閣府の取組指針で避難生活に不可欠な品目として挙げられ、行政が確保するものとされています。備蓄で足りない分は事前協定による調達で補う方針も示されています。ただし届くまでの時間は災害の規模や地域によって変わるため、確実に何日で届くとお伝えすることはできません。

Q. 1人3.5㎡は必ず確保されますか?

A. 内閣府自身がスフィア基準を「参考にすべき国際基準」と説明しており、法的な義務基準ではありません。報道された調査では、原発30km圏の122市町村のうち3.5㎡を満たせるのは2割、約半数の48市町村は2〜3㎡水準でした。確保される前提で計画を立てるより、自分の地域の実情を調べておくほうが実用的です。

Q. テントを立てるとしたら、どこに注意すればいいですか?

A. 通路と避難口をふさがないこと、暖房器具などの火気から距離を取ることの2点が、マニュアルに明記された制約です。設営の可否そのものは、その場の運営に確認してください。

あわせて読みたい: 避難所に持っていくものリスト|自治体が用意する物と、自分で持つ物の線引き

まとめ:今日やることは1つだけ

調べれば調べるほど、テントの是非は「国が決めている問題」ではなく「自分の避難所が決めている問題」だと分かってきます。だからこそ、今日の行動もはっきりします。自分の避難所の運営マニュアルを1回開く。これだけで十分です。

  1. マニュアルを探す自治体名+「避難所運営マニュアル」で検索し、PDFを開きます。所要5分ほど。
  2. 3語で検索する「テント」「間仕切り」「パーティション」の3語を文字検索し、運営側が用意する物なのか、持ち込みに触れているのかを確かめます。
  3. 結果を家族と共有する「うちの避難所は間仕切りが備蓄されている/記載がない」の一言を家族に伝え、持ち出し袋の中身を決める材料にします。

間仕切りは、届く前提で行政が確保することになっている物。3.5㎡という広さは、義務ではないけれど目標として国が掲げた数字。そして自分のテントの扱いは、国ではなく現場が決めること。この3つを分けて覚えておけば、当日あわてずに済みます。

なお、避難するかどうか、どこへ避難するかの判断は、内閣府および居住自治体の発表する一次情報に従ってください。この記事は平時の準備を整理したものです。

参考・出典

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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