※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。
冠水した道路を車で走れるかは、水深では決められない
雨で白く濁った路面の先が、少し下って光っている。前の車はゆっくり進んでいく。自分も続くべきか、Uターンすべきか——この判断を「水深が何センチか」で下そうとすると、たいてい間違えます。運転席から水深は測れないからです。
JAF(日本自動車連盟)は冠水路に関するテストを何度も行っていて、水深30cmと60cmで結果がはっきり分かれることを公開しています。ただ、その数字はあらかじめ深さが分かっているテストコースで測った値であって、目の前の道路の深さを教えてくれるものではありません。実際の道路には、側溝も、マンホールの外れた穴も、下り勾配も隠れています。
だから、この記事の答えはこうです。走り出す前に「こうなったら入らない・引き返す」という条件を、水深ではなく運転席から目で見えるサインで決めておく。決めるのは現場ではなく、雨が降る前。それが冠水路で命を落とさないための、いちばん確実な準備になります。
この記事でわかること
- JAFが実施した冠水路のテストは1本ではなく複数あり、実施年ごとに条件も結果も違うこと(表で整理)
- 水深が運転席から測れない理由と、代わりに使える「目で見えるサイン」
- 雨が降る前に決めておく、引き返す条件のチェックリスト
- 車に水が入ってきたときの脱出手順と、冠水路を通ったあとにやってはいけないこと
「何cmまで走れるか」を覚えるのではなく、「白線が見えなくなったら入らない」のような、自分で守れる引き返し条件を先に1つ決める。これが冠水路への備えの中心です。
車の外での備えとあわせて考えたい方は、家の中の備蓄と行動を時系列でまとめた台風に備える備蓄リスト|上陸3日前・前日・当日にやることを時系列でもどうぞ。こちらは「台風が来る前に家で何をするか」、この記事は「外に出てしまったあとの判断」を担当しています。
大雨のときに走るか止まるかの判断は、最終的には気象庁や自治体が出す気象情報・避難情報と、道路管理者や警察の指示に従ってください。通行止めや冠水表示板が出ている道路には、どんな理由があっても入らないでください。
JAFの実験でわかっている水深と結果は、テストごとに違う
JAFのユーザーテストとは、実際の車両を使って条件を変えながら検証し、結果を写真と動画つきで公開している実験企画のことです。冠水に関するものだけでも複数あり、実施年も車種も速度も違います。ネット上の記事では、この別々のテストの数字がひとまとめに紹介されていることがあります。まずは、どのテストの何年の値なのかを分けて見てください。
| 実施年月日 | テスト名 | 条件 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2010年4月8日 | 冠水路走行テスト(セダン×SUV) | 水深30cm/時速10km・30km | 両車種・両速度とも走行できた |
| 2010年4月8日 | 冠水路走行テスト(セダン×SUV) | 水深60cm/時速10km | セダンは31m地点でエンジンが停止し走行不可。SUVは走行できた |
| 2010年4月8日 | 冠水路走行テスト(セダン×SUV) | 水深60cm/時速30km | SUVでもわずか10mでエンジンが停止 |
| 2010年4月8日 | 水没テスト(車内からの脱出) | 水位がドアノブ付近(80cm前後) | 窓やドアが開きにくくなる。開かない場合は緊急脱出ハンマーでガラスを割る |
| 2014年6月3日 | 水深何cmまでドアは開くのか?(外から開ける) | 水深60cm | セダンで通常の約5倍の力が必要。ミニバンは男性の力でも外からスライドドアを開けられず |
| 2024年10月28〜30日 | 冠水路走行テスト〜BEV・HV・ガソリン車で検証〜 | 水深30cm/時速30km | 3車種とも走行可。BEVはアンダーカバーが脱落し浸水、HVはホイールカバー等が脱落、ガソリン車は車内が浸水 |
| 2024年10月28〜30日 | 冠水路走行テスト〜BEV・HV・ガソリン車で検証〜 | 水深60cm/時速40km | ガソリン車は28.5m地点で停止。HVは走破後にエンジンが停止。BEVは走破したが複数の警告灯が点灯 |
出典:JAFユーザーテスト「冠水路走行テスト」(jaf.or.jp・実施2010年)/「水没テスト」(jaf.or.jp・実施2010年)/「水深何cmまでドアは開くのか?」(jaf.or.jp・実施2014年)/「冠水路走行テスト〜BEV・HV・ガソリン車で検証〜」(jaf.or.jp・実施2024年)。いずれも2026年8月28日確認時点。
表をひととおり眺めたら、数字そのものより、次の一点を持ち帰ってください。同じ水深60cmでも、速度が変わるだけで結果がひっくり返っているということです。2010年のテストでSUVは時速10kmなら走れましたが、時速30kmでは10mしか進めませんでした。2024年のテストでも、水深60cmを時速40kmで進んだ3台は、停止・走破後に停止・警告灯点灯と、いずれも無傷では済んでいません。
30cmは、文房具の30cmものさし1本ぶんの高さです。60cmはそれを縦に2本並べた高さ。想像すると意外に低く感じるかもしれませんが、その低さで車は止まります。しかも2024年のテストでは、水深30cmを通っただけでガソリン車の車内に水が入り、BEVはアンダーカバーが脱落しました。「走れた」は「無事だった」と同じ意味ではありません。
水深は運転席から測れない。だから見えるサインで判断する
冠水路の水深とは、路面から水面までの高さのことであり、路面がどこにあるかを見ている人にしか測れない値です。ここが、この記事のいちばん伝えたいところ。テストの数字が役に立たないわけではありません。役に立たないのは、その数字を現場で使おうとする方法のほうです。
運転席から水面を見下ろしたとき、私たちが見ているのは水の「表面」だけ。その下に何があるかは見えません。路肩の側溝の蓋が外れていることも、アンダーパスのように路面が先で下っていることも、水面からは判別できません。国土交通省「道路の冠水対策」によれば、全国のアンダーパスは約3,800箇所(令和7年(2025年)3月末時点・2026年9月17日確認)あります。周囲より低い場所は、それだけ身近にあるということです。
では何を見るか。水深そのものではなく、水位が車のどこに届いているかを見ます。ドアが開かなくなる仕組みについて、国交省は次のように説明しています。
水深がドアの下端にかかると、車外の水圧により内側からドアを開けることが困難となり、ドア高さの半分を超えると、内側からほぼ開けられなくなります
出典:国土交通省 報道発表「水深が床面を超えたら、もう危険!」別紙PDF(発表2019年11月27日・2026年8月28日確認時点)
この「ドアの下端」「ドア高さの半分」という表現がありがたいのは、ものさしがいらないことです。前を走る車のドアの下端に水が触れていれば、その車の乗員はもう内側からドアを開けにくい状態にあります。自分の車も、同じ道に入れば同じことになります。数字を思い出す必要はありません。目の前の車のドアを見るだけです。
JAFが「ドアが開かなくなるのは水深◯cm」という単一の数値を出しているわけではない点にも注意してください。cmの数値が出ているのは、外から開ける力を測った2014年のテスト(水深60cmで約5倍の力)と、車内から脱出できるかを見たテスト(ドアノブ付近=80cm前後で開けにくくなる)で、それぞれ条件が違います。ひとつの「限界値」として覚えないほうが安全です。
引き返す条件は、雨が降る前に決めておく
引き返す条件とは、迷う前にひとつだけ決めておく「これが見えたら進まない」という自分ルールのことです。朝、いつもの通勤路。ワイパーを最速にしても前が見づらい。会社まであと10分。そんな場面で「入るか、引き返すか」をゼロから考えるのは、実はかなり難しいことです。急いでいる自分と、前を進んでいく他の車と、Uターンできる幅があるかどうかが、同時に頭に浮かびます。
だから条件は前もって決めておきます。以下は、水深ではなく目で見えるものだけで作ったチェックリストです。1つでも当てはまったら、その道路には入らない・引き返す。そう決めておくだけで、現場の判断が一瞬で終わります。
- 通行止め・冠水表示板が出ている、または警察や道路管理者の指示がある
- 路面の白線やセンターラインが水で見えない
- 側溝の蓋・縁石・歩道の段差の位置が水面からわからない
- 前を走る車のドアの下端に水が触れている(=内側からドアが開けにくい水位)
- 対向車の跳ね水がボンネットの高さまで上がっている
- この先がアンダーパス・線路下・立体交差など、周囲より低くなる場所である
- 水面が流れている、または波立っている
- 前の車が停止している、ハザードを出している、Uターンしている
- 引き返せる幅や場所が前方にあるか、自分で判断できない
そして、条件を守るには「引き返せる余地」を残しておく必要があります。水が見えてから減速するのでは遅い。水たまりに見える範囲の手前で停まれる速度で近づく、というのがセットになります。
自分の生活圏で水がたまりやすい場所は、事前に調べられます。国土交通省の各地方整備局や都道府県・市の道路管理者が、集中豪雨時に一時的に水がたまり通行に支障が出るおそれのある「道路冠水注意箇所」のマップを公表しています。通勤路・送迎ルートに該当箇所があるかを、晴れた日に一度見ておくと、雨の日の判断が変わります。(出典:国土交通省 関東地方整備局ほか 道路冠水注意箇所マップ/2026年8月28日確認時点)
車に水が入ってきたら、走り続けずに外へ出る
脱出とは、車を守ることをあきらめて人だけを外に出す行動のことです。車が動かなくなった、あるいは足元に水が入ってきた——その時点で優先順位は入れ替わります。日本自動車工業会が示し、国交省が資料内で引用している手順は次のとおりです。
まず落ちついて、シートベルトを外し、窓を開け、脱出します。シートベルトが外れない場合はシートベルトカッターなどで切断します。窓が開かない場合は、水面より上にあるドアガラスまたはリヤガラスを緊急脱出ハンマーなどで割って脱出します。(中略)ガラスが割れない場合は車内外の水圧差がなくなるまで浸水するのを待ち、ドアを開け、脱出します
出典:(一社)日本自動車工業会「安全すてきなカーライフ PASSPORT 2019-2020」P28(国土交通省が2019年11月27日の報道発表別紙で引用・2026年8月28日確認時点)
- シートベルトを外す外れないときはシートベルトカッターで切ります。慌てるとバックルを何度も押してしまうので、まずここを落ち着いて。
- 窓を開けるドアより先に窓です。水圧がかかったドアは開かなくても、窓は開くことがあります。
- 開かなければ、水面より上のガラスを割るドアガラスかリヤガラスを緊急脱出ハンマーで。フロントガラスは合わせガラスのため割れにくい構造です。
- それも無理なら、水圧差がなくなるまで待つ車内外の水位が同じになるとドアは開きます。国交省も「内外の水の高さが同じになるまで浸水すると、内側からドアが開くようになります」と説明しています。
「パワーウインドウは水に浸かったら必ず使えなくなる」と言い切る解説を見かけますが、公式資料の実測はもう少し複雑です。国交省が2019年11月27日に公表した報道発表の別紙には、JAF提供の実験写真として「水深60cmで停止中 パワーウィンドウは運転席のみ作動」というキャプションが載っています。全滅とは限らず、運転席だけ生きていたケースが記録されているわけです。同じ資料の別カットでは、水深90cmで「ドアを開けることはできなかった」、完全に水没した水深120cmでは「水の抵抗で重いものの開けることができた」と記されています。
ただし、これは「窓が開くことに期待してよい」という話ではありません。開かない前提で、割る道具を積んでおくのが備えです。(出典:国土交通省 報道発表別紙PDF/発表2019年11月27日・写真の実験実施年は資料に明記なし・2026年8月28日確認時点)
その「割る道具」は、置き場所と製品の選び方で結果が変わります。窓ガラスの種類によっては割れないこともあるため、選定と設置場所は車の脱出用ハンマーの選び方|割れない窓ガラスの見分け方と、置き場所の決め方で詳しく整理しています。トランクに入れたままでは間に合いません。
ここで念のために書いておくと、道具は引き返す判断の代わりにはなりません。この記事の中心は上のチェックリストのほうで、ハンマーの話は「入らない・引き返すの判断が間に合わなかったとき、手元にあるか」という一段うしろの備えです。そのうえで、上の手順の1と3——シートベルトを外す、水面より上のガラスを割る——は、1つの道具にまとめて持てます。Amazonベーシック(Amazon Basics)の「レスキューハンマー 車 緊急脱出用 シートベルトカッター ウィンドウハンマー 2点セット」は、商品名のとおりシートベルトカッターとウィンドウハンマーを備える構成で、「2点セット」として売られています(商品名の表記は2026年9月4日にAmazonの商品ページ表示で確認。セットの内訳やそのほかの仕様はメーカー公式サイトで確認できていないため、販売ページでご確認ください)。
ただし、ドアガラスに合わせガラスを使っている車種では、脱出用ハンマーで開口部を作れません。買う前にやることは、自分の車のガラスがどちらかを確かめて、運転姿勢のまま手が届く位置を決めておくこと。その手順は上でリンクした車の脱出用ハンマーの選び方にまとめてあります。順番としては、まず引き返す条件を1行決めるのが先で、道具はそのあとです。
シートベルトカッターは別に持っていて、窓を割る道具だけを運転席の手の届く位置に置きたい、という場合は形の違う選択肢もあります。PLEGOODの「緊急脱出ハンマー」は、商品ページ表示で高硬度ステンレス鋼製、バネ機構を使わないシンプルな構造とされています(Amazon商品ページ表示・2026年9月17日確認。メーカー公式サイトの仕様は今回の下調べでは照合していません)。仕組みが単純な道具は、使い方を思い出す手間が少ないのが利点です。どちらを選ぶにしても、ドアガラスが合わせガラスでないことを確かめたうえで、普段使うモールで仕様を見比べておいてください。
やむを得ず車を置いて避難するときの措置は、警察庁が示しています。「エンジンを止め、エンジンキーは付けたままとするか運転席などの車内の分かりやすい場所に置いておくこと」「窓を閉め、ドアはロックしないこと」。緊急車両の通行のために移動が必要になるためです。また警察庁は「津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のために車を使用しないこと」としています。(出典:警察庁「大地震が発生したときに運転者がとるべき措置」/公表日の明記なし・2026年8月28日確認時点)
車を置いて歩き出すと、カーナビやカーラジオからの情報は途切れます。手元に残るのはスマホだけで、その電池で道路情報も避難情報も家族との連絡もまかなうことになります。クマザキエイムの手回し/ソーラー蓄電ラジオ「SL-091」は、AM/FM(ワイドFM対応)を受信でき、4000mAhのバッテリーを内蔵して満充電で約18〜20時間動作、LEDライトとスマホへの給電機能もあるとメーカーが公表しています。車のグローブボックスではなく、車を離れるときに持ち出す荷物の側に入れておく道具です。普段使うモールで大きさと重さを確認しておいてください。
冠水路を通ったあとは、エンジンをかけずに整備工場へ
無事に通り抜けられた——その安心が、次の事故につながることがあります。国土交通省は、台風19号による車の水没死亡事故を受けた2019年11月27日の報道発表で、水が引いたあとの対応をはっきり示しています。
水が引いた後も、エンジンをかけないでください。また、発火するおそれがありますので、バッテリーの端子(マイナス側)を外してください
出典:国土交通省 報道発表「水深が床面を超えたら、もう危険!」(mlit.go.jp・発表2019年11月27日・2026年8月28日確認時点)
要するに、乾いたように見えても自分で確かめない、ということです。エンジンをかける行為そのものが発火のきっかけになりうる、と公的機関が言っている。ここは自己判断の余地を作らないほうがいい部分でしょう。
EV・PHV・HVはさらに扱いが違います。国交省は「ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、高電圧のバッテリーを搭載していますので、むやみに触らないで下さい」として、感電事故や電気系統のショートによる車両火災が起こるおそれを挙げています。バッテリー端子を自分で外す作業も含めて、整備工場や販売店に相談してください。一度浸水した車は、そのまま運転できる状態に見えても点検が必要です。
なお、車内に積んでいた防災用品も水に浸かっている可能性があります。何を車に置き、どこに分けて積むかは車に常備する防災グッズ|車内とトランクで分ける、夏に置けない物リストにまとめました。夏の車内は温度が上がるため、置ける物と置けない物が分かれます。
この記事が当てはまらないケース
ここまでは、大雨や台風で道路が冠水した状況を前提にしています。次のような場面では、判断の枠組みそのものが変わります。
- 地震・津波:警察庁は、津波からの避難でやむを得ない場合を除き、避難のために車を使用しないこととしています。内閣府(防災担当)も、東日本大震災で車避難が渋滞を招いた被災者の証言を教育コンテンツとして掲載しています。
- すでに水に囲まれてしまった場合:引き返す判断の段階を過ぎています。この記事の脱出手順の項を優先してください。
- 大型車・特殊車両・改造車:JAFのテストは乗用車(セダン・SUV・ミニバン・BEV・HV)を対象にしたものです。
- 保険の補償範囲:水没した車の補償は契約内容によって異なります。この記事では扱いません。加入先の保険会社や代理店に確認してください。
よくある質問
水深10cmくらいまでなら走っても大丈夫ですか?
「ここまでなら安全」という水深を、この記事では示しません。JAFが公開しているテストの条件は水深30cmと60cmで、それ以下の安全ラインを検証したものではないためです。そして何より、目の前の水たまりが10cmなのか40cmなのかを運転席から見分ける方法がありません。深さで判断するのではなく、白線が見えるか、側溝の位置がわかるか、といった見えるサインで判断してください。
SUVや四輪駆動なら走れますか?
車種だけでは決まりません。JAFが2010年4月8日に実施したテストでは、水深60cmをSUVは時速10kmで走行できましたが、同じ水深を時速30kmで進んだときはわずか10mでエンジンが停止しました。同じ車でも速度が変われば結果が変わっています。また2024年10月28〜30日のテストでは、水深30cm・時速30kmで走破したBEVでもアンダーカバーが脱落して浸水しました。「走破できた」と「損傷しなかった」は別の話です。
水に浸かったらパワーウインドウは開かなくなりますか?
必ず開かなくなるとは限りません。国交省が2019年11月27日に公表した資料の写真には「水深60cmで停止中 パワーウィンドウは運転席のみ作動」というキャプションがあります。とはいえ、どの席が生きているかを事前に知る方法はありませんから、開かない前提で緊急脱出ハンマーを手の届く場所に備えておくのが現実的です。
通り抜けたあと、普通に走れているならそのまま乗ってもいいですか?
おすすめできません。国交省は水が引いたあともエンジンをかけないよう呼びかけ、一度浸水した車は運転可能な状態でも整備工場で点検を受けるよう示しています。異常が表に出ていない時期がいちばん判断を誤りやすいところです。
まとめ:今日やることは、引き返す条件を1つ決めること
冠水した道路を車で走れるかどうかは、水深では判断できません。運転席から水深は測れず、路面の下に何があるかも見えないからです。JAFのテストが教えてくれるのは「何cmまで走れるか」ではなく、60cmという低さで、速度しだいで車は止まるという事実のほうでした。
今日やることは1つだけ。「白線が見えなくなったら入らない」など、自分が現場で守れる条件を1行に決めて、家族や同乗者にも伝えてください。決まっていれば、雨の朝に迷う時間がなくなります。
- 引き返す条件を1行で決める上のチェックリストから、自分が必ず守れそうなものを1つ選んで言葉にします。
- 通勤路の低い場所を地図で確認するアンダーパスや線路下、道路冠水注意箇所マップに載っている場所を書き出し、迂回路を1本決めておきます。
- 緊急脱出ハンマーの置き場所を見直す運転席から手が届くか、シートベルトを締めたまま取れるかを一度確かめます。
くり返しになりますが、走行・避難の可否は気象庁や自治体の気象情報・避難情報、そして道路管理者や警察の指示に従って判断してください。この記事の条件は、それらの指示に優先するものではありません。
参考・出典
- JAFユーザーテスト「冠水路走行テスト」 https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/disaster/waterway-driving(実施2010年4月8日・2026年8月28日確認時点)
- JAFユーザーテスト「水没テスト」 https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/disaster/submerge-test(実施2010年4月8日・2026年8月28日確認時点)
- JAFユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか?」 https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/disaster/door(実施2014年6月3日・2026年8月28日確認時点)
- JAFユーザーテスト「冠水路走行テスト〜BEV・HV・ガソリン車で検証〜」 https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/disaster/flood-driving(実施2024年10月28〜30日・2026年8月28日確認時点)
- 国土交通省 報道発表「水深が床面を超えたら、もう危険!」 https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_003565.html /別紙PDF https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001317808.pdf(発表2019年11月27日・2026年8月28日確認時点)
- (一社)日本自動車工業会「安全すてきなカーライフ PASSPORT 2019-2020」P28(上記国交省別紙PDF内の引用・2026年8月28日確認時点)
- 国土交通省「浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr09_000100.html(公表日の明記なし・2026年8月28日確認時点)
- 国土交通省「道路の冠水対策」 https://www.mlit.go.jp/road/bosai/bosai_gensai03.html(アンダーパス約3,800箇所・令和7年3月末時点データ/2026年9月17日確認)
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所」 https://www.ktr.mlit.go.jp/road/bousai/road_bousai00000001.html(継続更新・2026年8月28日確認時点)
- 警察庁「大地震が発生したときに運転者がとるべき措置」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/saigaiji/daizisinnunntennsya.html(公表日の明記なし・2026年8月28日確認時点)
- 内閣府(防災担当)「避難に車を使うなの意味 渋滞で実感」 https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/ichinitimae/thh25049.html(掲載2012年9月24日・2026年8月28日確認時点)
