揺れを感じたのに、手元のスマートフォンは静かなまま。テレビの速報テロップだけが流れていて、自分の端末が壊れたのではないかと不安になる——「緊急地震速報が鳴らない」という検索は、たいていこの状況から始まります。
ただ、鳴らなかった理由は一つではありません。大きく二つに分かれます。気象庁がそもそも警報を発表していなかったか、発表はされたけれど端末が受け取れなかったかです。前者なら端末はまったく正常で、設定をいくら見直しても意味がありません。気象庁が緊急地震速報(警報)を出すのは、最大震度5弱以上または最大長周期地震動階級3以上と予想されたときだけだからです。震度4で揺れた地震では、そもそも警報は流れません。
だから最初にやることは、設定画面を開くことではありません。「同じ時刻に、まわりの人のスマホは鳴ったか」を確かめること。ここが分岐点になります。
この記事でわかること
- 気象庁が緊急地震速報(警報)を発表する条件と、「予報」との違い(原文引用)
- 「気象庁が出していない」と「端末が受け取れていない」を切り分ける順番
- ドコモ・au・ソフトバンク・ワイモバイル・楽天モバイルの5社で、受信できない条件はどう書かれているか
- マナーモードで鳴るかどうかが機種によって変わる理由と、設定の確認手順
鳴らない理由は2系統ある。①気象庁が発表していない(震度5弱未満など)/②端末が受け取れていない(電源・圏外・通話中・設定オフなど)。①なら端末は正常で、直すものは何もない。
受信の話に入る前の土台として、家具の固定や備蓄の点検はこちらにまとめてあります。速報が鳴ってから動ける部屋かどうかは、鳴る鳴らない以前の問題だからです。あわせて地震の備えリスト|家具の固定と備蓄を1枚で点検する家庭のチェック表を確認してみてください。
切り分けは「まわりのスマホは鳴ったか」から始まる
切り分けとは、原因を①気象庁側と②端末側のどちらかに寄せる作業のことです。順番を間違えて設定画面から入ると、直すものが何もないのに延々と迷うことになります。
- まわりの端末を見る同じ部屋・同じ職場にいた人のスマホは鳴りましたか。誰も鳴っていなければ①(気象庁が発表していない)の可能性が高く、自分だけ鳴らなければ②(端末側)です。
- その地震の情報を確認する気象庁の地震情報で、その時刻の地震の最大震度を見ます。最大震度4以下なら、警報の発表条件に届いていません。
- ①なら何もしない、②なら設定を開く①だと分かった時点で、設定の見直しは不要です。②のときだけ、この記事の後半にある確認手順へ進んでください。
気象庁は「最大震度5弱以上」の予想でしか警報を出さない
緊急地震速報(警報)とは、地震波を検知した気象庁が、強い揺れが予想される地域に向けて発表する警報のことです。テレビやスマートフォンで見聞きするあの音は、この「警報」にあたります。
地震波が2点以上の地震観測点で観測され、最大震度が5弱以上または最大長周期地震動階級が3以上と予想された場合に発表する。
出典:気象庁「緊急地震速報(警報)及び(予報)について」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/eew/shikumi/shousai.html ・2026年8月28日確認時点)
条件が二重になっているのが読み取りどころです。観測点2点以上、かつ震度5弱以上の予想。1か所のセンサーが揺れを拾っただけでは発表されません。誤報を減らすために、二人以上の目撃がないと動かない仕組みにしてある、と考えると近いでしょう。
もうひとつ、混同されやすいのが「予報」の存在です。緊急地震速報(予報)はマグニチュード3.5以上、または最大予測震度3以上、長周期地震動階級1以上で発表されます(観測点でP波・S波の振幅が100ガル以上になった場合も含みます)。つまり警報より広い範囲の地震で出ている。ただしこれは主に専用の受信機やサービス向けで、一般の携帯端末に一斉配信されるのは警報のほうです。
「予報は出ていたのに鳴らなかった」というケースは珍しくありません。予報対応の受信機や事業所向けサービスを使っている人だけが受け取っている情報で、スマートフォンの標準機能は警報しか鳴らしません。
なお、2026年5月29日から気象庁は「新たな防災気象情報」の運用を始めていますが、対象は河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮です。当該ページの本文に地震の言及はなく、緊急地震速報の発表基準・名称は変わっていません。発表基準の最終変更は2023年2月1日の長周期地震動階級の追加のままです(2026年8月28日確認時点)。
震源が近いと、速報は揺れに間に合わない
猶予時間とは、緊急地震速報が届いてから強い揺れが到達するまでの時間のことです。これは震源からの距離で決まるため、震源の真上に近い場所ほど短くなり、ゼロになることもあります。
震源に近い場所への緊急地震速報の提供が強い揺れの到達に原理的に間に合いません。
出典:気象庁「緊急地震速報の特性や限界、利用上の注意」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/eew/shikumi/tokusei.html ・2026年8月28日確認時点)
同じページには「緊急地震速報が間に合わない場合や、猶予時間がわずかしかない場合があります」とも書かれています。揺れたあとに音が鳴った、という体験談がなくならないのはこのためです。端末の遅延ではなく、仕組みの限界のほうにあたります。
精度についても注意書きがあります。予想震度や予想長周期地震動階級は「±1階級程度の誤差を伴うなど、精度が十分でない場合があります」。言い換えると、震度4と予想されて発表が見送られたものの、実際には震度5弱だった——という順番が起こりうるということです。鳴らなかったことと、揺れが小さかったことは同じ意味ではありません。
速報が鳴らなくても、大きな揺れを感じたらその場で身を守る行動を優先してください。避難するかどうか、どこへ向かうかの判断は、自治体や気象庁など公的機関の情報と指示に従ってください。
端末が受け取れない条件は、5社でほぼ共通している
一斉同報配信とは、対象エリアの端末へ一斉に警報を送り届ける、携帯電話の通信網側の機能です。気象庁は、この機能で緊急地震速報(警報)を配信している事業者を次のように挙げています。
携帯端末への一斉同報機能を使用して緊急地震速報(警報)を配信しているのは、NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイル、楽天モバイルがあります。
出典:気象庁「緊急地震速報について(FAQ)」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq25.html ・2026年8月28日確認時点)
4社と書かれている記事をときどき見かけますが、公式に列挙されているのは5社です。ワイモバイルが落ちやすい。家族で回線がバラバラなときに「うちは対象外なのでは」と迷う原因になるので、最初に押さえておくと早いところです。
| 事業者 | サービス名 | 公式が挙げる「受信できない」条件 | 出典(2026年8月28日確認時点) |
|---|---|---|---|
| NTTドコモ | 緊急速報「エリアメール」 | 電源を切っている/機内モードを設定している/電波状態が悪い場所 | ドコモ公式「緊急速報『エリアメール』ご注意事項」 |
| au | 緊急速報メール | 通話中/メール・SMS・+メッセージの送受信中/電源が入っていない/電波の届かない場所(圏内に入っても再送はされない)/電波OFFモード/機内モード。対応機種・配信エリアであることが前提 | au公式FAQ(更新日 2025/03/06) |
| ソフトバンク | 緊急速報メール | 本記事の調査では公式の条件一覧を特定できませんでした。各社公式ページで最新をご確認ください | 気象庁FAQ(配信事業者としての記載) |
| ワイモバイル | 緊急速報メール | 同上。配信事業者であることは気象庁が明記しています | 気象庁FAQ(配信事業者としての記載) |
| 楽天モバイル | 緊急速報メール | 対応機種以外では利用できない/iOS14.4以下でキャリア設定を行っていない場合は利用できない/楽天回線エリアでは災害・避難情報が一部地域のみ配信に対応 | 楽天モバイル公式「緊急速報メール」 |
並べてみると、共通しているのは電源・電波・機内モード・対応機種の4点だと分かります。auだけが「通話中・メール送受信中」と「圏内に戻っても再送されない」を明記していますが、これはau回線だけの弱点というより、他社が書いていないだけと読むほうが安全でしょう。地下鉄で圏外だった数十秒のあいだに発表されていれば、地上に出ても後追いでは鳴りません。
iPhoneには前提条件がもう一つあります。Appleは「緊急速報は、この機能に対応した通信事業者のSIMカードまたはeSIMを使っている場合に受信できます」としています。SIMを入れずWi-Fiだけで使っている端末や、海外事業者のSIMで運用している端末は、設定がオンでも鳴らない側に入ります。
出典:Apple「iPhoneで日本の緊急速報を設定する」(https://support.apple.com/ja-jp/102295 ・2026年8月28日確認時点)
マナーモードで鳴るかどうかは、機種で決まる
マナーモードとは、着信音を抑えるための端末側の状態設定です。「緊急速報だけは必ず突破する」と思われがちですが、公式の記述はそこまで言い切っていません。
マナーモード・公共(ドライブ)モード時での専用ブザー音、専用着信音、バイブレーションの鳴動は、携帯電話で設定できます。設定できない機種では…マナーモード設定中はエリアメールの専用ブザー音、専用着信音は鳴りません。
出典:NTTドコモ「緊急速報『エリアメール』ご注意事項」(https://www.docomo.ne.jp/service/areamail/notice/ ・2026年8月28日確認時点)
読み替えると、こういうことです。マナーモード中の鳴動をオン/オフできる機種なら自分で選べる。その設定項目を持たない機種では、マナーモードにしている限り鳴らない。機種によって答えが逆になるので、「マナーモードでも鳴るはず」という一般論のまま寝室で寝てしまうのは危うい前提です。
例外がiPhoneで、同じドコモのページはiPhoneのエリアメール受信時について「常に最大音量で鳴動」すると記載しています。Androidは機種次第、iPhoneは常時最大音量。同じ家の中でも端末によって挙動が違う、というのが実際のところです。
「家族のスマホは鳴ったのに自分だけ鳴らなかった」は、故障よりも先にマナーモードと機種差を疑う場面です。設定オフ・圏外・通話中と合わせて、原因の大半はこの4つに収まります。
キャリアの標準機能とは別に、防災アプリで確実に鳴らす方法もあります。特務機関NERV防災(運営:ゲヒルン株式会社)は公式サイトで、緊急地震速報(警報)や津波警報などの通知は「マナーモードやおやすみモードに設定中でも強制的に鳴動します」と説明しています。同社は気象庁長官から地震動の予報業務許可を受け、気象業務支援センターと専用線で接続しているとも記載されています。ただしこれはアプリ独自の仕様であり、キャリアの標準機能の話ではありません。
出典:特務機関NERV防災 公式サイト(https://nerv.app/ ・2026年8月28日確認時点)
アプリを何本入れるか、役割をどう分けるかで迷ったときは、防災アプリのおすすめは何個入れる?公表機能で比べる4本の役割分担と通知の整理で公表機能ベースの比較を整理しています。
設定を確認し、受け取り口を二重にする
ここまでで②(端末側)だと分かった人向けの手順です。触る場所はどちらのOSでも通知の設定画面ひとつなので、数分あれば終わります。
iPhoneの確認手順
- 「設定」アプリを開くホーム画面から設定を開きます。
- 「通知」を選ぶ通知の一覧画面に入ります。
- 画面をいちばん下までスクロールする「緊急地震速報/災害・避難情報」の項目が最下部にあります。ここがオンになっているかを見ます。
Appleは「デフォルトでは、デバイスで『緊急地震速報/災害・避難情報』がオンになっています」「受信すると、警告音に似た特別な音が鳴ります」と説明しています。初期状態はオン。過去に自分でオフにした記憶がなくても、機種変更やバックアップ復元をまたぐと状態が変わっていることはあるので、一度は目で見ておくほうが確実です。
出典:Apple「緊急地震速報/災害・避難情報/詳しい安全警報情報(iPhone)」(https://support.apple.com/ja-jp/102516 ・2026年8月28日確認時点)
Androidの確認手順
- 「設定」アプリを開く機種によりアイコンの位置は異なります。
- 「通知」を選ぶ通知設定の一覧に進みます。
- 「緊急速報メール」を開くアラートを受け取る頻度や、オンにする設定をここで選びます。
Googleの公式ヘルプによると、Androidの「通知のクールダウン」機能——通知が連続したときに音量を下げる仕組み——の対象外に、通話・アラーム・優先度の高い会話とならんで緊急速報メールが挙げられています。通知が多い日でも抑制されない側にいる、ということです。
出典:Google「Androidで通知を管理する」(https://support.google.com/android/answer/9079661?hl=ja ・2026年8月28日確認時点)
スマホ以外に、受け取り口をもう1つ
端末の設定を直しても、電源が落ちていれば鳴りません。停電が続いたとき、あるいは災害直後に通信が混み合ったとき、スマートフォンだけに受け取り口を集約しているのが弱点になります。
ここで効いてくるのが放送です。気象庁は、地震動の警報を発表した場合、政令で指定された機関(現在は日本放送協会)に直ちに通知しなければならず、通知されたNHKは直ちに警報を放送しなければならないと説明しています。つまりNHKのラジオ放送は、法律に裏づけられた受け取り口だということになります。
出典:気象庁「緊急地震速報(警報)及び(予報)について」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/eew/shikumi/shousai.html ・2026年8月28日確認時点)
ただし、テレビ・ラジオは緊急地震速報で自動的にスイッチが入るわけではありません。気象庁は「テレビ・ラジオが自動でスイッチオンにはなりません。…スーパーとして文字や音声を番組に重ねて放送されます」と説明しています。ラジオを持っているだけでは受け取れず、電源を入れて聞いている状態が前提です。
出典:気象庁FAQ(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq25.html ・2026年8月28日確認時点)
そのうえで、停電中でも電源を確保しやすいラジオを1台持っておくと、聞ける時間帯を自分でつくれます。編集部が枠として置いているのは、クマザキエイム(KUMAZAKI AIM)の手回し充電ラジオライト SL-091。手回しで充電できるタイプのラジオにライトが付いた製品で、乾電池やコンセントが使えない状況でも、ラジオを鳴らせる状態を自分の手で作れるところが役割です。細かい仕様や現在の取り扱いは、メーカーおよび販売ページの最新情報をご確認ください。
停電中に何をどう使い分けるか、電池をどう温存するかは停電時の情報収集の手段一覧|ラジオ・スマホ・公的発信の使い分けと電池を守る設定にまとめてあります。
鳴らない前提で考えると、備えは「数秒」ではなく「揺れたあと」に移る
ここまでで、速報が届かない理由を二つ見てきました。震源が近ければ、強い揺れの到達に原理的に間に合わない。最大震度5弱以上と予想されなければ、そもそも警報は発表されない。どちらも端末の不具合ではなく、仕組みとして決まっている線引きです。
ということは、鳴らないケースは仕様として残り続けることになります。設定を直しても、機種を新しくしても、この二つは消えません。そう受け止めると、備えの重心は自然に移ります。速報が鳴ってからの数秒に何ができるかではなく、鳴っても鳴らなくても同じように効くものは何か、という置き方へ。
速報の有無に左右されないものは、突き詰めると二つです。揺れが来たときに、家の中で物が飛んでこない状態にあるかどうか。そして、頭を守れる状態にあるかどうか。ここへ、揺れたあとの数時間を支える電源を足すと、やることは三つに整理できます。
速報が鳴るかどうかと無関係に効くのは、①家具の固定(物が飛んでこない部屋にする)②頭を守る道具(手が届く場所に置く)③停電しても情報を取り続ける電源(受け取り口を生かし続ける)の3つ。設定の確認が終わったら、次はここへ進む。
①家具の固定は「ネジを打てるかどうか」で方式が変わる
家具の固定はひとまとめに語られがちですが、実際には取り付け方式がいくつかあり、置き場所によって向き不向きが分かれます。壁にネジを打てる持ち家と、下地を傷つけたくない賃貸とでは、選べる手そのものが違うからです。どれがどれより強いという話ではなく、その場所で使えるかどうかの話だと考えてください。
| 固定したい場所 | 向く方式 | 理由 |
|---|---|---|
| 壁に下地があり、ネジを打てる | L字金具で家具と壁を留める | 家具と壁を直接つなぐ方式。効かせたい高さに合わせて取り付け位置を選べる |
| 賃貸などで壁にネジを打ちたくない | 家具の天面と天井のあいだの突っ張り式 | ネジ穴を残さず設置できる。天井側の強度と、取付高さが合っているかが前提になる |
| 扉が開いて中身が出てくるのが気になる | 扉のラッチ・ストッパー類 | 本体の転倒とは別に、収納物の飛び出しを抑える目的の道具 |
ネジを打てる場合の代表がL字金具です。アイリスオーヤマの防災用品 家具転倒防止L字金具 JTK-L2(品番 H527206)は2個セットの製品で、L字型の金具をネジ止めして家具と壁をつなぐ方式。取り付け位置を自分で決められるので、背の高い家具の上部など、効かせたい高さに合わせやすいところが持ち味です。ただし壁側に下地があるかどうかは事前の確認が要ります。石膏ボードだけの面にネジを打っても、想定した働き方はしません。
逆に、賃貸で壁に穴を開けたくない、あるいは打てる下地が見つからない。そういう部屋で選択肢になるのが突っ張り式です。平安伸銅工業の家具転倒防止 突っ張り棒(ホワイト)REQ-50は、取付高さ50〜75cmに対応する製品。家具の天面から天井までの隙間がこの範囲に収まる場所で使うものなので、注文する前にその高さを一度測っておくと、サイズが合わずに戻す手間が省けます。
金具や突っ張り棒を取り付けたから家具は倒れない、と言い切れるものではありません。壁や天井の下地の状態、家具の重さと形、取り付け位置によって結果は変わります。適合条件と取り付け方法は、製品の取扱説明書とメーカーの案内に従ってください。
②頭を守る道具は、置ける場所に置けるかどうかで決まる
家具を固定しても、落ちてくるものすべてが止まるわけではありません。棚の上の小物、壁に掛けた額、割れた窓ガラス。揺れの最中に自分の意思でできる数少ないことが、頭を守る姿勢を取ることです。
そしてこの用途で最後に効くのは、性能の細部より置き場所のほうです。押し入れの奥にしまったヘルメットは、揺れているあいだ取り出せません。そこで折りたたみ式が挙がります。DICプラスチックの折りたたみヘルメット IZANO2 は、たたんだ状態で保管できるタイプ。玄関の靴箱の上や枕元、デスクの足元といった手が伸びる範囲に置いておけるのが、この形の意味です。規格や重さといった細かい仕様は、メーカーおよび販売ページの最新の記載をご確認ください。
揺れが収まったあと、家が無事なら、そのまま自宅にとどまる在宅避難という選択が現実的になります。そのとき最初に困るのが水まわりです。排水管の点検が済むまでトイレを流せない状況もあるため、携帯トイレの備蓄が要になります。買い置きの寿命が気になる方は、携帯トイレに使用期限はある?メーカー8社の公表値を1社ずつ確かめたで各社の公表値を並べてあります。
③停電しても情報を取り続ける電源
三つめが電源です。鳴った端末も鳴らなかった端末も、電池が尽きればそこで受け取り口ではなくなります。停電の最中に安否を伝え、自治体の発信を追い、家族の位置を確かめる。どれもスマートフォンが動いていることが前提の行動です。
先に挙げた手回しラジオが「放送を聞き続けるための電源」だとすれば、モバイルバッテリーは「手元の端末を生かし続けるための電源」にあたります。エレコムの半固体モバイルバッテリー EC-C61MN は、半固体電池を採用した製品で、メーカー公式の重量は約220g。持ち出し袋に入れても、机の引き出しに常備しても収まる範囲の重さです。ふだんから充電を切らさず、置き場所を決めておくことのほうが、容量の細かい差より効いてきます。
なお、電源には優先順位をつける場面があります。医療機器を自宅で使っている家庭では、スマートフォンより先に確保すべき電力があり、連絡の順番もあらかじめ決めておくほうが動けます。在宅の医療機器は停電で何時間もつ?メーカー公表のバッテリー時間と、先に決めておく連絡の順番で、公表されているバッテリー時間の考え方を整理しました。
速報が鳴らなかった日にできることは、二つに分かれます。設定を開いて①か②かを見分けること。そして、鳴らなくても効く三つを、今日ひとつだけ埋めておくこと。前者は数分で終わり、後者は残りの時間を変えます。
この記事が当てはまらないケース
- 事業所や施設で、専用受信機や館内放送を通じて緊急地震速報(予報)を受け取っている場合。発表条件が警報とは異なります
- SIMを入れていない端末、Wi-Fi専用タブレット、海外事業者のSIMで使っている端末。一斉同報の対象外です
- 鳴らなかったのが緊急地震速報ではなく、津波警報や災害・避難情報だった場合。発表する主体も配信の条件も別の話になります
- 防災アプリ側の通知が鳴らないケース。アプリごとの設定・権限の問題で、キャリアの一斉同報とは別系統です
よくある質問
Q. 震度4の地震で鳴りませんでした。故障でしょうか。
A. 故障ではない可能性が高いといえます。緊急地震速報(警報)の発表条件は「最大震度が5弱以上または最大長周期地震動階級が3以上と予想された場合」です。震度4の予想では発表されません。
Q. 家族のスマホだけ鳴りました。何が違うのですか。
A. 気象庁が発表した回であれば、原因は端末側です。設定オフ、マナーモード(機種によっては鳴りません)、通話中、圏外、機内モード、対応機種でない——このいずれかにあたることがほとんどです。まず通知設定を開いて状態を見てください。
Q. マナーモードにしていると鳴らないのですか。
A. 機種によります。ドコモの公式説明では、マナーモード時の鳴動を設定できる機種と、設定できずマナーモード中は鳴らない機種があります。iPhoneはエリアメール受信時に常に最大音量で鳴動するとされています。
Q. テレビをつけておけば必ず気づけますか。
A. 「必ず」とはいえません。緊急地震速報でテレビ・ラジオが自動でスイッチオンになることはなく、放送中の番組に文字や音声を重ねる形で流れます。電源が入っていない時間帯は届かないという前提で考えてください。
まとめ:今日やることは1つだけ
鳴らなかったことに気づいた日にやるべきなのは、設定をいじることではなく、①と②のどちらだったのかを見分けることです。まわりのスマホが鳴っていなかったなら、あなたの端末は正常です。自分だけ鳴らなかったなら、原因は通知設定の画面の中にあります。
- 切り分けるその地震で他の人のスマホは鳴ったか、最大震度は5弱以上だったかを確認します。
- 設定を見る②だったときだけ、iPhoneは「設定→通知→最下部」、Androidは「設定→通知→緊急速報メール」を開いて、オンになっているかとマナーモード時の挙動を確認します。
- 受け取り口を分けるスマホ以外にラジオなど別の経路を1つ用意し、聞ける状態にしておきます。
速報は、身を守る行動を始める合図にすぎません。鳴っても鳴らなくても、避難の要否や経路の判断は自治体・気象庁など公的機関の発表に従ってください。
参考・出典
- 気象庁「緊急地震速報(警報)及び(予報)について」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/eew/shikumi/shousai.html(2026年8月28日確認時点)
- 気象庁「緊急地震速報の特性や限界、利用上の注意」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/eew/shikumi/tokusei.html(2026年8月28日確認時点)
- 気象庁「緊急地震速報について(FAQ)」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq25.html(2026年8月28日確認時点)
- 気象庁「緊急地震速報の発表基準の変更について」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/eew/lpgm_start/lpgm_start.html(2026年8月28日確認時点)
- 気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/keiho-update2026/index.html(2026年8月28日確認時点)
- NTTドコモ「緊急速報『エリアメール』ご注意事項」 https://www.docomo.ne.jp/service/areamail/notice/(2026年8月28日確認時点)
- au「緊急速報メールが届かない」公式FAQ https://www.au.com/support/faq/details/00/0000/000021/pg00002179/(2026年8月28日確認時点)
- 楽天モバイル「緊急速報メール」 https://network.mobile.rakuten.co.jp/service/emergency-alert-mail/(2026年8月28日確認時点)
- Apple「緊急地震速報/災害・避難情報/詳しい安全警報情報(iPhone)」 https://support.apple.com/ja-jp/102516(2026年8月28日確認時点)
- Apple「iPhoneで日本の緊急速報を設定する」 https://support.apple.com/ja-jp/102295(2026年8月28日確認時点)
- Google「Androidで通知を管理する」 https://support.google.com/android/answer/9079661?hl=ja(2026年8月28日確認時点)
- 特務機関NERV防災 公式サイト https://nerv.app/(2026年8月28日確認時点)
