※本記事にはプロモーションを含みます。
夕方の天気予報で「線状降水帯」の文字を見て、とりあえず窓の鍵を閉めて回った。そのあと何をすればいいのか分からないまま、スマホで雨雲レーダーを眺めて夜が更けていく——そんな時間の使い方、けっこうあると思います。
家の中にあるもので、いちばん早く手当てできるのが水のうです。45リットルのゴミ袋を二重にして、水を袋の1/3〜1/2まで入れ、空気を抜いて口を縛る。碧南市が公式に案内している手順は、これだけで終わります。重くて持てないなら1/3でかまわない、とも書かれています。
ただし、この記事でいちばん伝えたいのは作り方ではありません。同じ碧南市の案内には「簡易水のうは10cm程度の水深が限界」という一文があります。つまり水のうは万能の壁ではなく、10cmを超える見込みが立った時点で、道具の話から避難の判断に切り替えるための時間稼ぎです。台風接近時に何をいつやるかの全体像は、台風に備える備蓄リスト(上陸3日前・前日・当日の時系列)にまとめてあります。この記事はそのうち「水を家に入れない手当て」だけを深掘りします。
この記事でわかること
- 水のうの作り方が自治体ごとにどう違うか(袋の重ね方・水の量を横断比較)
- 作った水のうを家のどこに置くのか。1箇所でも抜けると逆流が起きる理由
- 土のうの詰め方・結び方・積み方(広島市公式の数値)と、止水板をJIS等級で見る方法
- 「もう防げない」の分岐点。浸水深と避難困難の目安をどこで判断するか
水のうは、ゴミ袋を重ねて水を1/3〜1/2入れるだけで作れる
水のうとは、砂の代わりに水を詰めた簡易のうのことである。土や砂が手に入らない家庭でも、ゴミ袋と水道水だけで作れるのが特徴です。
ここが面白いところで、自治体の公式ページを並べると数値がぴったりは揃いません。水の量は「1/3〜1/2」でほぼ一致するのに、袋の重ね方の表現は自治体ごとに違います。編集部の整理では、この不一致を隠さずに見せたほうが読者の判断材料になると考えました。
| 自治体 | 袋の重ね方 | 水の量 | 出典URL | 確認日 |
|---|---|---|---|---|
| 碧南市 | ゴミ袋を二重にする | 1/3〜1/2程度(重くて持てない場合は1/3でよい) | https://www.city.hekinan.lg.jp/soshiki/shiminseikatsu/kikikanri/7/19780.html | 2026年8月26日確認時点 |
| 塙町 | ゴミ袋を2〜3枚重ね(大きめのビニール袋を使用) | 半分程度。重ければ1/3程度 | https://www.town.hanawa.fukushima.jp/page/page000767.html | 2026年8月26日確認時点 |
| 取手市 | 指定不燃ゴミ袋など40リットルサイズ。段ボール1箱につき2枚 | 1/3〜1/2程度 | https://www.city.toride.ibaraki.jp/anzen-anshin/kurashi/anzen/bosai/sonaeru/suinou.html | 2026年8月26日確認時点 |
3つを並べると、共通しているのは「袋は1枚では使わない」「水は満杯にしない」の2点だけだと分かります。逆に言えば、その2点さえ守れば手元の袋で作れるということ。厚手の袋しかないなら二重、薄手のレジ袋しかないなら3枚重ね、と手持ちに合わせて読み替えるのが実用的です。
重さの感覚もつかんでおくと動きやすくなります。45リットルの袋に1/3なら約15リットル、2リットルのペットボトル7本半ぶん。重さにすると約15kgです。40リットルの袋に半分なら約20リットル、ペットボトル10本ぶんで約20kg。満杯にすると持ち運べなくなるので、公式が「1/3でよい」と逃げ道を書いているわけです。
なお、この手当てはゴミ袋の在庫があって初めて成立します。台風前に売り切れやすいものの順番は台風前に買っておくもの(売り切れる順の買い物リスト)で整理しているので、袋を切らしがちな家はそちらを先に見ておくと安心です。
水のうは家の中の全部の排水口に置かないと意味がない
排水口の逆流とは、外の下水道管が満水になり、行き場を失った水が家の中へ押し戻される現象である。玄関から水が入ってこなくても、家の内側から水が上がってくる経路がここです。
家の中全ての排水口に置く必要があります。置いてないところがあると、そこから逆流するおそれがあります
出典:碧南市公式サイト(https://www.city.hekinan.lg.jp/soshiki/shiminseikatsu/kikikanri/7/19780.html/2026年8月26日確認時点)
仕組みは東京都下水道局の説明が分かりやすいです。
下水道管内の水位が上昇し、下水が宅地内の排水管を通って逆流し、半地下部のトイレやお風呂場などの衛生器具から下水が噴出するおそれがあります
出典:東京都下水道局公式サイト(https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/living/amesh/underground/2026年8月26日確認時点)
要するに、家の排水管は下水道管とつながった1本の道です。道の向こう側が水でいっぱいになれば、水は空いているほうへ流れる。その出口が、家の中でいちばん低いところにある排水口になる、というだけの話です。だから「玄関だけ守る」では足りません。
置き忘れが1箇所でもあると、そこが逆流の出口になります。数を確保できないときは、ふだん水が溜まっていない排水口(洗濯機・洗面所)から優先して塞ぐ、という順番で考えると抜けが減ります。
碧南市の案内が挙げている置き場所を、チェックリストの形にしました。
- 台所のシンクの排水口
- 洗濯機の排水口(防水パンの中)
- 風呂場の排水口
- 洗面所の排水口
- トイレ(便器も逆流の出口になります)
一般的な間取りなら5〜6箇所。45リットルの袋が二重で1セットなので、全部を塞ぐには袋が10枚以上いる計算になります。1袋ぶんの水を溜めるのに時間がかかるわけでもないので、必要な数を先に数えておくほうが当日は速い。数えるのは今日でもできます。
段ボールに水のうを詰めれば、簡易の防水壁になる
水のう入り防水壁とは、段ボール箱の中に水のうを入れて並べ、簡易の堤防として使う方法である。取手市が公式に案内しているやり方です。
単体の水のうは、置いても丸く広がって隙間ができます。段ボールという「型」に入れることで角が立ち、箱を横に並べれば線としてつながる。柔らかいものを箱に入れて形を出す、という発想です。
取手市の数値(2026年8月26日確認時点)
段ボール1箱に対してゴミ袋2枚。段ボール3箱なら袋は6枚。袋は取手市指定の不燃ゴミ袋など40リットルサイズを使い、水は1/3〜1/2程度まで。詰め終わったら段ボールをガムテープで閉じます。
段ボール3箱ぶんの重さを考えてみます。40リットルの袋に半分で約20kg、それが1箱に2枚なので1箱でおよそ40kg。3箱で120kg前後になります。これは水を入れてから運ぶのが現実的でない重さです。箱を置きたい場所に先に並べ、そこで水を入れる。この順番だけは動かせません。
置き場所は、玄関の外側、勝手口、シャッターの下端、駐車場から家へ上がる段差といった「水が入ってくる線」。段ボールが濡れて崩れるまでの時間稼ぎと割り切って使います。
土のうは袋の7〜8割・スコップ6〜7杯が目安
土のうとは、専用の袋に土砂を詰めて口を縛った資材のことである。水のうより重く、水圧に対しても崩れにくいのが利点です。
詰める量の目安を数字で書いている自治体は多くありません。広島市の公式ページは、そこを文章で明記しています(2026年8月26日確認時点)。
- 詰める土は袋の約7〜8割まで。スコップで6〜7杯が目安です。満杯にすると口が縛れず、積んだときに形が崩れます。
- 縛るひもを2〜3回まわして絞り、緩まないようにさらに2〜3回まわして締めます。1回で終わらせないのがポイント。
- 積む締めたところを一方向に向け、置いた上からしっかりと押さえます。押さえることで袋が変形し、隣の袋との隙間が埋まります。
「締めたところを一方向に向け、置いた上からしっかりと押さえましょう」という広島市の書き方は、土のうを積むときの向きが揃っていないと隙間ができる、という意味です。向きを揃えて、上から体重をかける。この2つを守るだけで、同じ袋数でも止まり方が変わってきます。
手順を読み返すと分かるとおり、詰める・縛る・積むはどれも両手がふさがる作業です。片手に傘は最初から成り立ちませんし、前開きのレインコートも、しゃがんだり持ち上げたりするたびに裾がめくれて、結局は中まで濡れます。
原則は、雨が強くなる前に終わらせることです。この記事の後半のよくある質問にも書いたとおり、水のうも土のうも平常時の作業として組むのが本筋。ただし、自治体の配布場所へ土のう袋を受け取りに行く場面や、予報より早く降り出した場合には、濡れる前提の装備が要ります。そこで選択肢になるのが、上下に分かれたレインスーツです。TUTUYOの「レインスーツ 上下セット」は、上着とズボンが別になった形で、前開きのコートより動きを妨げにくい構成になっています(ブランド名・商品名と上下セットという形状は通販サイトの商品ページで確認/2026年9月12日確認)。
書けるのはここまでです。耐水圧や透湿度といった数値は、メーカーの公式な一次情報を確認できていないため、当サイトでは書きません。形状が上下セパレートであること——判断材料として挙げられるのは、その一点です。
土のう袋そのものの入手先について。自治体によっては無人の配布場所を設けている場合があります。有無・場所・持ち出せる数は自治体ごとに違うので、お住まいの自治体の窓口や公式サイトで確認してください(2026年8月26日確認時点)。当サイトでは、制度が年度で変わるため具体的な自治体名や配布方法は書かない方針にしています。
配布が無い自治体や、土砂を置いておく場所がない家のために、水に浸けると膨らむタイプの土のう袋も市販されています。TIAMORAの「水で膨らむ 土のう袋 吸水土嚢」は、袋のなかに吸水ポリマーが入っていて、土砂を詰めずに使う形式のものです(ブランド名・商品名はAmazonの商品ページ表示/2026年9月4日確認)。これはゴミ袋で作る水のうを置き換えるものではありません。室内の排水口は手元のゴミ袋でまかない、玄関や勝手口の線に並べる分だけ、土砂の手配と詰める手間を先に省いておく——という使い分けの選択肢です。吸水量や耐久年数は製造元の公式な一次情報を確認できていないため、当サイトでは数値を書きません。
順番そのものは変わりません。まず自治体に配布があるかを調べ、家の中の排水口を数える。買い足すかどうかを考えるのは、そのあとです。
止水板の性能はJIS A 4716の等級で見る
止水板とは、玄関や勝手口の開口部に取り付けて水の侵入を止める板状の資材である。据え付け式のものから、置くだけのものまで幅があります。
カタログの見た目では性能が分かりません。判断材料になるのがJIS A 4716の漏水量等級です。メーカー公式の解説によると、等級はWs-1からWs-6まであり、数字が大きいほど漏れる水が少なくなります(2026年8月26日確認時点)。
- Ws-1=漏水量50超〜200ℓ/h・㎡以下
- Ws-6=漏水量1ℓ/h・㎡以下(等級の中で最も漏水量が少ない区分)
ここで注意したいのが規格の適用範囲です。JIS A 4716が対象にしているのはシャッター式・扉式のみで、玄関前に置くだけのタイプはこの規格の試験対象に入りません。置くだけタイプの商品説明にある「Ws-◯相当」という表記は、メーカーの自主表示だということ。等級そのものと同じ重みでは読めません。なお、この規格の正式名称は「浸水防止用設備建具型構成部材」です(日本産業標準調査会のJIS検索で確認。2019年11月20日制定、2026年9月12日時点で改正なし)。名称に「建具型」と入っているとおり、扉やシャッターのように建物へ取り付ける建具を測るための規格であって、玄関前に置くだけのタイプが対象外なのは、規格の名前からしてそうなっている、ということになります。
ここまで読むと分かるとおり、止水板は「等級が書いてあるか」「その等級はJISの試験によるものか、自主表示か」の2段階で見るものです。表示の意味が分かれば、比べる軸は自然に決まります。
その軸で実物を1つ見てみます。旭電機化成(スマイルキッズ)の「止水板 3枚組 ABO-32903」は、玄関前などに置いて結束バンドで横に連結する、プラスチック製の板です。同社の公式サイトの製品ページには、本体がポリプロピレン、結束バンドがナイロン、クッションゴムがEPDM、商品サイズが約W445×D50×H400mm、商品重量が約360g/1枚と記載されています(2026年9月4日確認時点)。一方でJIS A 4716の等級表示は、公式の製品ページには見当たりません。上に書いたとおりこの規格の対象はシャッター式・扉式なので、置いて連結するタイプに等級が無いこと自体は筋が通っています。等級で比べられない代わりに、材質・寸法・重量という公表されている項目で見る。それがこのタイプの読み方になります。
玄関の間口が板1枚の幅より広ければ、枚数を足して横につないでいく考え方になります。ただし、これも水を止め切る道具ではありません。ハザードマップの想定浸水深が0.5mを超えている家なら、板を並べる時間は避難の準備に回すほうが理にかなっています。避難するかどうかの判断は、気象庁・お住まいの自治体・国土交通省の情報に従ってください。
簡易水のうは10cmが限界。そこから先は避難の判断に切り替える
浸水深とは、地面から測った水の高さのことである。ここまで紹介した手当てが効くかどうかは、この1本の数字でほぼ決まります。
碧南市公式は、簡易水のうについて「10cm程度の水深が限界」と明記しています(2026年8月26日確認時点)。ゴミ袋の水のうで守れるのはここまで。これを超える見込みが立ったら、家を守る作業から避難の判断へ切り替える——それがこの記事の結論です。
では10cmの先に何があるのか。国土交通省「川の防災情報」が、浸水深と被害の対応関係を示しています。
| 浸水深 | 目安(国土交通省「川の防災情報」の表現) |
|---|---|
| 0〜0.5m | 床下浸水(大人の膝まで) |
| 0.5〜1.0m | 床上浸水(大人の腰まで) |
| 1.0〜2.0m | 1階の軒下まで |
| 2.0〜5.0m | 2階の軒下まで |
| 5.0m以上 | 2階の屋根以上 |
出典:国土交通省「川の防災情報」(https://city.river.go.jp/kawabou/reference/index05.html/2026年8月26日確認時点)
この表を、水のうの限界と重ねてみます。簡易水のうが効くのは10cm、つまりいちばん上の段「0〜0.5m」のさらに手前の一部だけ。表の2段目に入った時点で、ゴミ袋の水のうは物理的に役目を終えています。国交省の表そのものが「大人の膝まで」「大人の腰まで」という身体の高さで書かれているのは、道具ではなく人の動きで測れという意味だと読めます。
同じ資料には、浸水深が大人の男性で0.7m以上、女性で0.5m以上になると避難が困難になるという事例が複数記載されています(2026年8月26日確認時点)。水が腰に届いてから外へ出るのは、すでに難しい段階だということ。
自宅の想定浸水深がどれくらいかは、ハザードマップで確認できます。色の意味の読み解き方と、自宅の想定を1枚にまとめる手順はハザードマップの見方(色と浸水深の読み解き方)にまとめてあります。想定が0.5mを超えているなら、この記事の道具は「避難までの数十分を稼ぐもの」という位置づけになります。
そして大前提として、避難するかどうか、いつ動くかの判断は、気象庁・お住まいの自治体・国土交通省が出す情報に従ってください。この記事の数値は自宅の状況を理解するための材料であって、避難の可否を決めるものではありません。土砂災害の警戒区域が近い家は、浸水とは別のタイミングで動く必要があります。判断の基準は土砂災害に備える(自宅が警戒区域か調べる手順と避難のタイミング)で整理しました。
半地下・地下室は、別の危険がある
半地下部とは、道路面より床が低い居室・車庫・階段室のことである。周囲より低いぶん、水が集まる場所になります。
東京都下水道局は、半地下部の対策として次を挙げています(2026年8月26日確認時点)。
- 逆流防止弁付きポンプを設置する
- 土のう・水のうを積む
- 出入口に止水板を設置する
- 出入口の一部を道路面より高くする(ステップアップ)
上の3つは、これまで説明してきた手当てと同じです。違うのは4つ目。出入口そのものを高くしてしまうという構造側の対処で、これは工事の話になります。逆に言えば、工事なしでできることは既に上の3つで出し切っている、ということでもあります。
そのうえで、東京都下水道局は次のように呼びかけています。
浸水のおそれがあるときは半地下部等へ入らぬようお願いします
出典:東京都下水道局公式サイト(https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/living/amesh/underground/2026年8月26日確認時点)
半地下は、水が入ってきたときに水圧でドアが開かなくなる場所です。道具を取りに行く、車を出す、といった用事も含めて、雨が強いあいだは近づかないという線引きになります。
ここまでの手当てを並べ直すと、もうひとつ足りていないものが見えてきます。明かりです。排水口を数えて袋を置いて回る、段ボールに水のうを詰める、土のうを積む、止水板を並べる。どれも両手を使う作業なのに、やる時間帯は台風が近づいている最中——つまり停電が起きやすい時間と重なります。暗い中で片手に懐中電灯を持てば、作業に使える手は1本だけになります。
だから照明は、頭に付けるタイプのほうが理にかなっています。編集部が候補に挙げているのがGENTOSのLEDヘッドライト「CP-195DB」です。メーカー公表値では、Highモードで明るさ120ルーメン・点灯時間7.5時間、電源は単3形アルカリ電池1本、本体サイズは約W60.0×H31.0×D41.0mm、重量は電池を含めて約69g(メーカー公式で確認/2026年9月12日確認)。単3形1本という電源は、備蓄している乾電池をそのまま回せるという意味でもあります。69gは、頭に載せていることを忘れる側の重さです。
ひとつ断っておきます。保護等級は防水ではなく、耐塵・防滴(IP64準拠)です。雨に打たれながら作業する場面を想定した等級であって、水に浸けてよいという意味ではありません。浸水した場所へ持ち込む道具ではない、という線はきちんと引いておいてください。
この方法が当てはまらない家
ここまでの手当てには、効かない条件があります。正直に書いておきます。
マンションの高層階。外から水が入る経路がそもそもありません。この場合に効いてくるのは断水・停電・エレベーター停止への備えで、水のうの出番はほぼ無いと考えてよいでしょう。ただし1階の共用部や機械室が浸水すると建物全体の設備が止まるので、管理組合側の対策がどうなっているかは別途確認しておく価値があります。
すでに浸水が始まっている家。水が入ってきてから水のうを作りに行くのは、順番が逆です。作業をやめて安全な高さへ移動する段階になっています。防ぎきれなかったあとの手順——洗って乾かしてから消毒する順番や薬剤の使い分けは、浸水した家の片付けと消毒のほうが担当です。
河川氾濫の想定浸水深が深いエリア。ハザードマップで自宅が2.0m以上に色分けされているなら、玄関前の手当ては結果を変えません。ここで考えるのは「どこへ、いつ移るか」で、道具の話ではなくなります。
よくある質問
Q. 水のうはいつ作ればいいですか。
A. 雨が強くなる前です。段ボールを使う方法は、水を入れると1箱で40kg前後になるため、置きたい場所へ先に箱を並べてから水を入れる手順になります。作ってから運ぶことはできない、と覚えておくと動く順番を間違えません。
Q. 使い終わった水のうはどうしますか。
A. 中身は水なので、袋を破らずに屋外や浴室で開けて流します。汚水に触れた袋を再利用するのは避けたいところ。だからこそ台風前にゴミ袋を多めに確保しておく、という買い方になります。
Q. 水のう以外に、水害用として何を足しておけばいいですか。
A. 地震向けの備蓄に少し足すだけで水害用になります。何を足すのかは水害の備蓄品リスト(浸水想定エリアで地震の備えに足す7つ)にまとめました。この記事は「水を家に入れない手当て」だけを担当しているので、中身の話はそちらへ送ります。
Q. 止水板と土のう、どちらを先に用意すべきですか。
A. どちらが上ということではなく、想定浸水深と開口部の数で決まります。玄関1箇所だけが弱点なら止水板、庭やシャッターなど水の入り口が複数あるなら土のうと水のう、という分け方が現実的でしょう。止水板を検討するなら、JIS A 4716の等級表示があるかどうかを先に見ておくと比較の軸ができます。
まとめ:今日やることは、排水口を数えること
浸水対策は、道具をそろえる話だと思われがちです。実際に効いてくるのは、家の中に水の出口がいくつあるかを知っているかどうか。数さえ分かっていれば、必要な袋の枚数も、当日の作業時間も先に見積もれます。
- 排水口を数える台所・洗濯機・風呂場・洗面所・トイレ。家を一周して数を紙に書き出します。5〜6箇所なら、二重の水のうで袋は10枚以上必要という計算が立ちます。
- 袋の在庫を確認する45リットルまたは40リットルのゴミ袋が、数えた枚数ぶんあるか。足りなければ次の買い物リストへ入れておきます。
- 自宅の想定浸水深を確認するハザードマップで0.5mを超えているなら、道具は避難までの時間稼ぎと位置づけ直し、避難先と経路を先に決めておきます。
買い足すタイミングについて。防災用品は8〜9月に価格が動きやすい時期があるので、時期と優先順位は防災の日セールで買うもの(安くなりやすい時期と備えの優先順位)を参考に組み立ててみてください。
最後にもう一度だけ。簡易水のうの限界は10cmです。そこを超える見込みが立ったら、家を守る作業は切り上げる。避難するかどうかの判断は、気象庁・自治体・国土交通省の情報に従ってください。
参考・出典
- 碧南市「水のうの作り方・使い方」 https://www.city.hekinan.lg.jp/soshiki/shiminseikatsu/kikikanri/7/19780.html (2026年8月26日確認)
- 塙町「水のうによる浸水対策」 https://www.town.hanawa.fukushima.jp/page/page000767.html (2026年8月26日確認)
- 取手市「水のうを作りましょう」 https://www.city.toride.ibaraki.jp/anzen-anshin/kurashi/anzen/bosai/sonaeru/suinou.html (2026年8月26日確認)
- 広島市「土のうの作り方・積み方」 https://www.city.hiroshima.lg.jp/saigaiinfo/saigai/1021018/1013366.html (2026年8月26日確認)
- 東京都下水道局「地下室・半地下家屋の浸水対策」 https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/living/amesh/underground (2026年8月26日確認)
- 国土交通省「川の防災情報」浸水深の目安 https://city.river.go.jp/kawabou/reference/index05.html (2026年8月26日確認)
- 鈴木シャッター「浸水対策ナビ」JIS A 4716の等級解説 https://suzuki-sh.co.jp/magazine/shinsuitaisaku-navi_no15/ (2026年8月26日確認)
- 日本産業標準調査会(JISC)JIS検索 規格番号A4716「浸水防止用設備建具型構成部材」 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html (2026年9月12日確認)
