停電に備える食べ物|買う順番と、冷蔵庫から食べる順番の決め方

停電に備える食べ物|買う順番と食べる順番のアイキャッチ

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます

停電に備える食べ物は、加熱がいらないものから買う。そして停電したら、冷蔵室 → 冷凍室 → 常温の備蓄の順に食べる。買う順番と食べる順番。この2つさえ先に決めておけば、台風が近づいた日のスーパーでも、電気の止まった夜の台所でも迷いません。

量の目安は、農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」が最低3日分、できれば1週間分としています。支援物資が届くまで3日以上かかること、物流が止まると1週間ほど食品が手に入りにくくなることを想定した数字です。

ただ、リストを眺めても手が動かないことがあります。缶詰もレトルトも要る、それは分かる。分からないのは、限られた予算とカゴのスペースを何から埋めるか。この記事が扱うのは、その順番だけです。

買う順番 = 加熱不要 > お湯があれば食べられる > 火が要る
食べる順番 = 冷蔵室 > 冷凍室 > 常温の備蓄

この記事でわかること

  • 農林水産省が挙げる加熱不要・常温保存できる食品の分類と買う優先度
  • 台風の予報が出てから買うときの、当サイト作成の買い物優先度表
  • 停電後に冷蔵室・冷凍室・常温備蓄をどの順で食べるかの判定フロー
  • カセットこんろ1本=約68分(岩谷産業公表値)を「何食分」に翻訳する考え方

水やトイレまで含めた「わが家に何がどれだけ要るか」の全体量は家庭の備蓄品リスト完全版|人数×日数でわかる必要量早見表に一覧があります。この記事は、そこから「停電」の一場面だけを切り出したものです。

目次

停電に備える食べ物とは、電気もお湯も使わずに食べられる食品である

停電に備える食べ物とは、電子レンジも炊飯器も使えない状態で、封を開ければそのまま食べられる常温保存の食品のことです。冷蔵も冷凍もいらない。普段のまとめ買いとの違いは、ここにあります。

台風の進路予報を見ながらスーパーに寄って、カゴの前で止まる。あの数分の迷いは、たいてい「何を買うか」ではなく「どれを先に買うか」で起きています。軸は1本で足ります。熱源がなくても食べられるか。それだけです。

農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」第3章に挙げられている食品の例を、熱源の要否で並べ替えてみます。

役割 農水省ガイドが挙げる例 必要な熱源 買う優先度
主菜になるもの 魚介・肉の缶詰/レトルト(丼・カレー・パスタソース等)/充填豆腐 不要
主食になるもの 缶詰パン・乾パン 不要
飲みもの ロングライフ牛乳 不要
味を足すもの 乾物(かつお節・桜エビ・煮干し等) 不要
主食になるもの(湯が要る) 乾麺・カップ麺 お湯 中(熱源がある家だけ)

優先度の高い行は、全部「不要」でそろいます。カップ麺が下なのは味の問題ではありません。お湯を沸かす手段がない家では、カップ麺は食べられない食品になるからです。

レトルトを選ぶときは、パッケージの「温めずに食べられます」の表示を確認してください。同じカレーでも、湯せんや電子レンジが前提の商品と常温のまま食べられる商品は別物です。見分け方はレトルト食品の備蓄で扱っています。

まず1食分だけ、温めずに食べられる主菜を家に置く。現在の価格と1箱あたりの個数を見ておくところから。


【買い物の優先度表】台風の予報が出てから買うなら、この順番である

買い物の優先度とは、予算と時間が足りないときに、どれを先にカゴへ入れるかの序列のこと。次の表は、農水省ガイドの分類を当サイトが「買う順」に組み替えたものです。

順番 買うもの 熱源 まかなう日 なぜこの順か
1 そのまま食べられる主菜(魚介・肉の缶詰、温めずに食べられるレトルト、充填豆腐) 不要 1〜3日目 熱源の確認より先に、開けたら食べられるものを確保する
2 そのまま食べられる主食(缶詰パン・乾パン) 不要 1〜3日目 主菜だけでは食事の形にならない。1と対で買う
3 飲みもの(ロングライフ牛乳ほか) 不要 全期間 冷蔵庫に頼らない飲みものを持てる
4 味を足すもの(かつお節・桜エビ・煮干し等の乾物) 不要 3日目以降 同じ味が続くのがこたえる。軽くてかさばらない
5 お湯があれば食べられるもの(乾麺・カップ麺) お湯 3日目以降 熱源を持つ家だけ、2番目まで繰り上げてよい
6 普段の米・パスタなど火が要るもの 復旧後 停電中の主力ではない。ローリングストックの本体として回す

1から3までがそろえば、電気が止まっても食事の形が作れます。4以降は「食べ続けられるか」を支える層。1〜3が主役、4〜6は保険と考えると、予算の切り方に迷いません。

3日分で足りるとは限らない、という日数の話

2019年(令和元年)の台風15号では、千葉県内の停電の復旧見込みが、市区町村ごとに「3日以内」「1週間以内」「2週間以内」と区分して公表されました。9月9日の発災から9月30日ごろまで停電が続いた地域もあります。

つまり、「3日」は最低ラインであって上限ではないということ。3日分をそろえた家が次にやるのは、量を倍にすることではなく、4日目以降も食べ続けられる味の幅を足すこと。表の4番目に乾物を置いたのは、そのためです。

停電の復旧見込みと避難の判断は、必ず電力会社と自治体の最新情報に従ってください。ここでの日数は買い物の設計に使う目安です。台風接近時の買い物全般は台風前に買っておくものへ。

【判定フロー】停電したら、冷蔵室→冷凍室→常温備蓄の順に食べる

食べる順番とは、傷みやすいものから先に減らし、長く置けるものを最後に残すという考え方です。買う順番とは逆向きになります。

先に正直なことを。農林水産省の食品ストックガイドを読んでも、「停電したらこの順に食べなさい」という公的な指示は見当たりませんでした。栄養バランスの話はありますが、消費の優先順位は書かれていない。この順番は、保冷時間という物理的な条件から組み立てた当サイトの整理です。

  1. まず冷蔵室から食べる扉を開けなければ一般に2〜3時間という保冷の目安が示されています(パナソニック「UP LIFE」)。ここに入っているものは冷やし直せません。だから最初に減らします。
  2. 開ける回数を先に決める開けるたびに冷気は逃げます。何を出すかを紙に書いてから、「1回で全部出す」と決めて扉へ。
  3. 次に冷凍室へ移る日本冷凍食品協会は、扉を開閉しなければ3〜4時間程度、冷凍食品の品質を適正に保てるとしています。氷や冷凍食品ですき間を埋めておくほど解けにくい。
  4. 解けはじめたら、加熱の要否で分けるニップンの公式FAQには、解けた場合は再冷凍しないこと、加熱調理が必要なものは加熱してから食べること、と案内されています。
  5. 常温の備蓄に切り替える合図は、電力会社の復旧見込みが「当日中」ではないと分かった瞬間です。

数字が続いたので、言い直します。冷蔵室は夕飯の支度から片づけが終わるくらい、冷凍室はそれより1〜2時間長いくらい。そのあとは常温の備蓄で暮らす。1日目の夕方までに常温側へ移れているかが分かれ目です。

保冷時間の公表状況は停電中の冷蔵庫は何時間もつ?で検証しています。停電直後にやること全般は停電したらまず何をする?へ。

食べてよいかどうかの判断は、当サイトでは示せません。においや見た目といった自己流の基準もおすすめしません。少しでも迷うものは食べないでください。心配なときは自治体の相談窓口や保健所へ。

そなえぐらし管理人
いちばん悩んだのが、この「食べる順番」を書いてよいのかでした。公的な指示がない以上、断定はできません。それでも順番がないと、停電した夜に冷蔵庫の前で固まってしまう。だから根拠のある保冷時間だけを土台にしました。

熱源があるかで、買うものは変わる

熱源とは、停電中でもお湯を沸かせる手段のこと。家庭で現実的に用意できる熱源は、カセットこんろが中心になります。

岩谷産業の公式製品ページによると、カセットこんろ「達人スリムV」の強火連続燃焼時間はボンベ1本あたり約68分(気温20〜25℃、ガス消費量 約245g/h)。この68分を食事の回数に翻訳してみます。

湯を沸かして麺を戻すまでを1回10分と置くなら、1本でおよそ6回分。お湯を使う食事を1日1回にすれば、1本で5〜6日ぶんです。気温が低いと燃焼時間は短くなるため、余裕を見てください。

ボンベを何本持つかはカセットボンベの備蓄は何本?へ。ここで押さえたいのは本数より、熱源の有無が買い物リストを書き換えるという点です。

  • カセットこんろとボンベがある → 乾麺・カップ麺を2番目まで繰り上げてよい
  • カセットこんろがない → 優先度表の5番は当面買わない。1〜4に予算を集中させる
  • オール電化で熱源がまったくない → 加熱不要の食品だけで3日分が組めているかを先に確認する

この順番が当てはまらないケース

ここまでの順番は、大人が普通の食事をとれる家庭が前提です。次の条件があるなら、先に決めることがあります。

  • 乳幼児・高齢者・食事制限のある方がいる → 優先度表より、本人が食べ慣れたものの確保が先。医療機関や自治体の窓口へご相談を
  • 食物アレルギーがある → 加熱の要否より原材料表示の確認が最優先。普段と同じ銘柄で統一を
  • オール電化で熱源がまったくない → 「お湯があれば食べられる」層は戦力外。加熱不要の食品だけで日数を組みます
  • ポータブル電源で冷蔵庫を動かせる → 冷蔵室から食べる急ぎ度は下がります。ただし常温備蓄をやめる理由にはなりません
  • すぐに避難する状況にある → 食べる順番より避難情報が先。自治体の指示に従ってください
そなえぐらし管理人
当てはまらないケースを書くのは、記事としては損かもしれません。それでも書きます。順番はあくまで道具で、わが家の事情のほうが上位にあるからです。

よくある質問

Q. 停電に備える食べ物は、何日分そろえればいいですか

農林水産省の食品ストックガイドは、最低3日分、できれば1週間分としています。台風15号のように復旧見込みが「2週間以内」と区分された例もあり、3日を上限と考えないほうが安全です。

Q. 停電したとき、冷凍庫のものはどう扱えばいいですか

日本冷凍食品協会は、扉を開閉しなければ3〜4時間程度、冷凍食品の品質を適正に保てるとしています。解けた場合について、ニップンの公式FAQには、再冷凍はしないこと、加熱調理が必要なものは加熱してから食べること、と案内されています。食べられるかどうかの判断は当サイトでは行えません。迷うものは食べず、自治体の相談窓口や保健所へご相談ください。

Q. 公的機関が「この順に食べなさい」と決めているのですか

調べた範囲では、そうした指示は確認できませんでした。農林水産省の食品ストックガイドに栄養バランスの記述はありますが、停電時の消費順を定めた記載は見当たりません。この記事の順番は、公表された保冷時間の目安をもとに組み立てた当サイトの整理です。

Q. ローリングストックはこの順番とどう関係しますか

ローリングストックは、備蓄を普段の食事で少しずつ食べて買い足す方法です。優先度表の6番(普段の米・パスタ)がその本体。一方、1〜3番の加熱不要な食品は日常での出番が少ないので、賞味期限を年に1〜2回まとめて見る日を決めておくほうが合っています。

まとめ:今日やることは1つ

加熱がいらないものから買い、停電したら冷蔵室・冷凍室・常温備蓄の順に食べる。量の目安は最低3日分、できれば1週間分(農林水産省)。冷蔵室2〜3時間・冷凍室3〜4時間程度という保冷の目安が、その土台です。

今日やることは1つだけ。台所を見て、カセットこんろとボンベがあるかを確認してください。あるかないかで、次に買うものが変わります。余裕があれば、下の3つも今週中に。

  1. 熱源の有無を確認するこんろとボンベの本数をメモ。ないなら、加熱不要の食品だけで3日分が組めるかを数えます。
  2. 加熱不要の主菜を1食分足す優先度表の1番。次の買い物のついででかまいません。
  3. 食べる順番を家族と共有する「冷蔵室→冷凍室→常温備蓄」「開けるのは1日1回」。これだけで、停電した夜に相談しなくて済みます。

出典: 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」第1章同 第3章一般社団法人日本冷凍食品協会「冷食オンライン」株式会社ニップン 公式FAQパナソニック「UP LIFE」岩谷産業「カセットフー 達人スリムV」製品ページ経済産業省 電力レジリエンスワーキンググループ 検証資料内閣府防災「令和元年度台風第15号」(すべて2026年8月6日確認)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

目次