電気・水道・ガスはどの順で戻る?一次資料で確認できた復旧日数と、備蓄を何日分にするかの決め方

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停電はその日のうちに直ったのに、蛇口からは空気しか出てこない。風呂も沸かせない。災害のあとの家では、こういう「まだらな復旧」が起こります。ライフラインは3つそろって戻ってくるものではないからです。

戻る順番はおおむね決まっています。まず電気、次に水道、最後が都市ガス。一次資料で確認できた範囲でも、阪神・淡路大震災(1995年1月発生)は電気が発災6日後、水道の仮復旧が42日後、都市ガスが85日後という並びでした。

そして、調べるとほぼ必ず出てくるのが「電気6日・上水道30日・都市ガス55日」という3つの数字。これは過去の災害の実績ではありません。2005年(平成17年)2月に内閣府中央防災会議がまとめた資料にある、首都直下地震(東京湾北部地震のケース)を想定した復旧目標日数です。20年前の想定に基づく政策目標を、全国どこにでも当てはまる実績として読んでしまうと、備蓄日数を決める土台がずれます。

この記事でわかること

  • 「電気6日・上水道30日・都市ガス55日」が、いつの・何の想定の・どんな基準の数字なのか
  • 一次資料で復旧日数を確認できた3つの災害の実績(仮復旧・全戸復旧・概ね復旧の定義を併記)
  • 水道の「本管が復旧した」と「自宅の蛇口から出る」が別物である理由
  • 備蓄を何日分そろえるかを、自宅の条件から自分で決める判定の形
目次

よく引かれる「6日・30日・55日」は、首都直下地震を想定した2005年の目標値である

復旧目標日数とは、実際に何日かかったかの記録ではなく、想定した地震が起きたときに何日で戻すかを掲げた政策上の目標である——まず、ここが出発点です。

この3つの数字の出どころは、内閣府中央防災会議の資料「首都直下地震に係る被害想定手法について」(平成17年=2005年2月)。想定しているのは日本全国の地震ではなく、東京湾北部地震を震源とするケースひとつです。首都圏の人口密度・事業者数・応援体制を前提に置いた数字なので、そのまま地方都市や離島に移すことはできません。

もうひとつ、見落とされやすいのが「どこまで戻ったら復旧とみなすか」の基準です。電気6日と上水道30日は、地震直後の機能支障実態数の95%が回復するまでの日数。ところが都市ガスの55日だけは基準が違い、80%が回復するまでの日数として算定されています(算定には阪神・淡路大震災の実態である85日が用いられています)。

同じ表に並んでいても、電気と上水道は「95%まで」、都市ガスは「80%まで」。ガスの55日は、残り2割がまだ止まっている段階の数字です。55日は、小学生の夏休みよりも長い——その長さが、しかも8割戻った時点の目安だと考えると、体感がだいぶ変わります。

目標復旧日数「電気6日・上水道30日・都市ガス55日」が、2005年の内閣府資料の首都直下地震想定に基づく数字であり、電気と上水道は95%回復、都市ガスは80%回復を基準としていることを示した対応表

ちなみに、似て非なる数字も存在します。東京都防災会議「東京都における直下地震の被害想定に関する調査報告書」(平成9年=1997年8月)では、電力7日・上水31日・ガス57日。こちらは「応急復旧作業が完了した被害箇所数が発災直後の被害箇所数に占める割合=100%になる日数」という、さらに別の定義です。数字が1〜2日ずれているのは誤差ではなく、ゴールラインの引き方が違うからでした。

確認の経路について正直に書きます。編集部は今回、内閣府の当該原本PDF(平成17年版)そのものには到達できていません。数字・出典年・基準の脚注をそのまま転記している東京都中央区の公式調査報告書「大地震発生後のライフライン等の被害想定および復旧見通し」(表2-5)を経由して確認しています(2026-08-31確認時点)。自治体の公式報告書に載った転記表であり、報道や個人サイトの孫引きではありませんが、原本ではありません。この記事では、その経路まで含めて数字を出しています。

つまりどういうことか。この3つの数字は「使ってはいけない数字」ではありません。首都圏で大きな地震が起きたときに行政と事業者が目指す線として、いまも参照される値です。ただし20年前の想定であり、地域が限定され、系統ごとに基準も違う。だから、この数字を「うちが何日分そろえるかの答え」に直結させるのではなく、実績と並べて読む必要があります。

一次資料で復旧日数を確認できたのは、3つの災害だけである

復旧日数とは、「どの状態をもって復旧とみなすか」の定義とセットでなければ比較できない数字である。この前提を外すと、42日と85日と152日を同じものさしで並べてしまいます。

下の表は、公的機関の一次資料で日数まで確認できたものだけをまとめたものです。各数字が仮復旧・全戸復旧・概ね復旧のどれを指すかを、必ず併記しました。

災害(発生年月) 電気 上水道 都市ガス 出典
阪神・淡路大震災
(1995年1月)
停電 約260万戸 →発災6日後(1月23日)に倒壊家屋等を除き復旧完了=概ね復旧 断水 約127万戸 →42日後仮復旧完了、91日後全戸通水完了 供給停止 約84万5千戸 →85日後(4月11日頃)に倒壊家屋等を除き復旧完了=概ね復旧 内閣府 専門調査会 資料2(阪神部分は兵庫県資料を基に内閣府作成)
東日本大震災
(2011年3月)
東京電力管内 約405万戸 →8日後(3月19日)に管内全域で復旧完了。東北電力管内 約450万戸 →新潟・山形1日後、秋田2日後、青森26日後、福島45日後に順次復旧完了(屋内配線未確認・立入制限区域等を除く=概ね復旧 一次資料で日数・戸数を確認できず。この表には入れていません 供給停止 約46万戸 →埼玉1日後、神奈川3日後、青森5日後、茨城14日後、千葉19日後、福島36日後に県別で順次復旧完了。全国のガス事業者の復旧完了は53日後(5月3日/甚大被害・立入困難地区を除く=概ね復旧 内閣府 同資料2(電気・ガス)/日本ガス協会「東日本大震災情報」(全国完了日)
能登半島地震
(2024年1月)
一次資料未確認(この表には入れていません) 6県38事業者で最大 約13.6万戸断水 →石川県は輪島市・珠洲市の早期復旧困難地域(合計 約1,821戸)を除き、発災から約152日後(5月31日)に水道本管が復旧済み。宅内配管の復旧は別途進行中 一次資料未確認(この表には入れていません) 国土交通省 大臣官房参事官(上下水道技術)資料3

数字を並べたので、いったん翻訳します。この表からはっきり読めることは3つ。電気はどの災害でも1週間前後で概ね戻っていること。水道とガスは月単位になりうること。そして「復旧完了」と書いてある日付の多くに、倒壊家屋や立入制限区域という除外がついていることです。除外された家に住んでいた人にとっては、表の日数はまだ先の話でした。

能登の約152日を体感に直すと、およそ5か月。お正月に始まって、梅雨入りの手前まで続いた長さです。1年の3分の1以上を、水道本管の復旧を待って過ごした地域があった——これは煽りではなく、備蓄の日数を考えるときに置いておくべき事実として書いています。

表に入れなかった災害について。熊本地震(2016年4月)、北海道胆振東部地震(2018年9月)、台風15号による千葉県の停電(2019年9月)は、今回の調査で一次資料に到達できませんでした。報道の集約であれば数字を書けますが、一次資料で取れたものと同じ表に混ぜると、表の意味がなくなります。そのため本文でも数字は挙げていません。東日本大震災の上水道の数字(「3日後に◯%」といった復旧率)も同じ理由で扱っていません。

そなえぐらし管理人
熊本地震を落とすかどうかは、最後まで迷いました。数字自体はよく見かけますし、入れたほうが表は豪華になります。ただ、この記事の売りは「定義をそろえて並べたこと」なので、出所の強さが違うものを1行足した時点で崩れてしまう。載せない、と決めました。

復旧を待つあいだ、多くの人は避難所ではなく自宅で過ごします。その前提で何が必要になるかは、在宅避難の準備リスト|成立する3つの条件と、人数×日数でわかる水・トイレの必要量早見表で条件から整理しています。

ガスが最後になるのは、各戸を1件ずつ訪ねて安全を確認する必要があるからである

戸別安全確認とは、供給を再開する前に作業員が1軒ずつ訪問し、屋内のガス漏れの有無を確かめたうえで開栓・点火試験まで行う工程である。都市ガスの復旧が最後になる理由は、ほぼこれに尽きます。

電気や水道は、幹線を直せば末端まで一気に届きます。ガスも管の損傷確認と耐圧試験まではまとめて進められます。しかし最後の一歩だけは、まとめられません。留守なら再訪問。鍵が開かなければ、また出直し。この積み重ねが、数万戸・数十万戸の単位で発生します。専門機関の解説でも、都市ガスの復旧は目安として1〜2か月以上かかるとされています(京都光華女子大学「ぼうさいらぼ」2026年3月31日公開/同記事は東京ガスグループの地震対策ページを参考資料として挙げていますが、編集部は東京ガス公式ページ自体は直接確認していません)。

実績とも整合します。阪神・淡路大震災の85日、東日本大震災の全国完了53日。どちらも「まとめて直せない工程」を抱えた系統の日数です。ガスだけは、直っていく途中に必ず人が家に来る。そう理解しておくと、待ち時間の長さに納得がいきます。

この日数は、そのまま「家の火が止まっている期間」になります。85日、あるいは53日。その長さを前にすると、加熱の手段をガス以外にもう一系統持っておく意味がはっきりしてきます。カセットコンロがその一系統で、いざというときに効くのは本体よりも、手元に何本残っているかのほうでした。

イワタニ(岩谷産業)のカセットガス CB-250-ORは、3本組を8セット、合計24本でまとめて届く形の製品です。使用期限は製造から約7年と岩谷産業公式が示しています(2026-09-18確認)。ばら売りを買い足していく買い方だと手元の本数が把握しづらくなりますが、24本単位なら箱のまま「いま何本」と数えられる。復旧が月単位になりうる系統の代替なので、日数ではなく本数で在庫を持てる形と相性がよいわけです。


逆に言えば、電気は最も早く戻る系統でした。ではオール電化の家は有利なのか——止まっているあいだに何が同時に使えなくなるかを含めて考える必要があります。時系列での整理はオール電化の停電対策|何が止まるかを時系列で並べ、必要な電源を計算するにまとめました。

「復旧しました」と「自宅で使えます」は、別の出来事である

本管とは、道路の下を走る配水の幹線であり、そこから敷地内に引き込んで蛇口までつなぐ宅内配管とは別の設備である。この2つが別だという一点が、体験としての「復旧」を大きく左右します。

能登半島地震(2024年1月発生)の例が、はっきりしています。国土交通省の資料には、石川県で早期復旧困難地域を除き5月31日に水道本管が復旧済みとなったことが記されたうえで、「引き続き、宅内配管工事の加速化を進める」と明記されていました。つまり、本管が復旧した時点でも、各家庭の蛇口から水が出るとはかぎらなかったということです。珠洲市では、配水管が復旧しても宅内配管の復旧が困難な世帯に向けて、給水機能付き止水栓を5月23日から設置する応急対応も行われました。

ニュースで「◯◯市の断水が解消」と聞いても、自分の家の蛇口はまだ空気を吐いている。この落差は、気のせいでも運の悪さでもなく、設備の構造からくるものでした。

断水が長引く背景も、同じ資料に書かれています。浄水場・配水池・処理場に直結する管路といった、上下水道システムの「急所」にあたる基幹施設が被災したこと。そして全国の水道基幹管路の耐震適合率は42.3%(令和4年度末)にとどまること。設備側の耐震化が進むまでは、水道は復旧に時間がかかりうる系統だという前提で備えるのが現実的です。

本管が戻るまでのあいだ、水は自分で運ぶことになります。給水車や給水所まで行き、容器に入れて持ち帰る。この往復が何日続くかは、上で見たとおり地域によって大きく違いました。そして運ぶ側で効いてくるのが、水を入れる容器のほうです。

山善の折り畳みウォータータンクYWT-10は、容量10Lのタイプ。使わないあいだは畳んでおけるので、断水しない年月のほうがずっと長いこの用途では、収納の場所を取り続けない形が現実的です。ただし10Lを満たせば水だけで10kgになるので、満水で運べるかは人によります。途中まで入れて回数を分ける前提でも、容量に余裕がある側を選んでおくほうがつぶしは効きます。能登半島地震で本管の復旧まで約152日かかった例を見たあとだと、「もらいに行く手段があるか」は備蓄量と同じ重さで効いてくるとわかります。

断水中に自宅の中から水を確保できる場所があるかどうかも、日数の見積もりを左右します。給湯設備の貯湯タンクが飲用に使えるかは各社で表現が分かれるため、断水したら家の中のどこから水が取れる?エコキュート各社の公式表現で確かめた飲用の可否で公式の書き方をそのまま並べています。

何日分そろえるかは、「最低3日・できれば1週間」を土台に自宅の条件で決める

家庭備蓄の推奨日数とは、国が示す下限と目安であり、住まいの条件によって上に伸ばして使うものである。土台になるのは農林水産省の数字です。

農林水産省は2014年に「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」を策定しています。同省の広報誌「aff」特集記事にある原文の表現は、「自宅での避難生活を想定して、最低でも3日分、できれば1週間分の備蓄が必要といわれています」。あわせて3段階の考え方も示されています。①災害当日にそなえる調理不要な1日分、②国等の支援が届くまでの3日分、③食料供給が滞る場合に備えた1週間分程度。「1週間分が必須」とは書かれていない点は、そのまま受け取っておきたいところです。

ここに、前半で見た復旧日数を重ねます。電気は1週間前後で概ね戻る。水道とガスは月単位になりうる。ということは、「3日か7日か」で悩むべきなのは食料であって、水とトイレはもっと長い時間軸で考えることになります。系統ごとに答えが違うわけです。

ただし、いちばん早く戻る電気でも、阪神・淡路大震災で6日、東日本大震災の東京電力管内で8日かかっていました。日数の判定に入る前に、この「数日から一週間」をどう過ごすかだけ先に置いておきます。暗い時間は、体力も判断力も静かに削っていくからです。

GENTOSのLEDランタン(充電式/電池式)は、内蔵電池でも乾電池でも点けられるタイプです。使えるのは単1・単3・単4で、明るさは430〜1000ルーメンの範囲で落とせます(Amazonの商品ページ表示・2026-09-18確認)。ここで効いてくるのは明るさの上限ではありません。電源を2系統持てることのほうです。電気が戻るまで6〜8日という実績に対し、充電できない日が続いても、家に転がっている乾電池へ切り替えて夜をつなげます。

明るさを落とせるかどうかは、そのまま電池の在庫の差になります。夜通しつけておく常夜灯は暗く、手元で作業する時間だけ明るく、外に出るときだけ最大に——この使い分けができると、同じ電池でも持ちがまるで違ってきます。復旧までの日数を先に決めておけば、何日分の乾電池を置いておくかも逆算できるはずです。


「うちは何日分か」を決める判定

当てはまるものを数えてください。量ではなく、日数を決めるためのチェックです。

  • 台所や給湯が都市ガスである(最後に戻る系統。加熱と入浴の代替を長めに見る)
  • プロパン(LPガス)である(各戸のボンベ単位の設備なので、都市ガスの復旧日数とは別の話になる)
  • オール電化である(最も早く戻る系統に集約されている一方、止まっている間は加熱も給湯も同時に止まる)
  • 集合住宅の3階以上に住んでいる(本管が生きていても、受水槽や給水ポンプが動かなければ各戸まで水は上がらない)
  • 築年数の古い戸建てである(宅内配管が傷むと、本管の復旧発表から自宅で使えるまでにさらに時間がかかる)
  • 首都圏以外に住んでいる(6日・30日・55日は首都直下地震を想定した目標値なので、そのままは当てはまらない)
  • 家族に乳幼児・高齢者・持病のある人がいる(待てる日数そのものが短くなる)

0〜1個=農林水産省が下限として示す3日分から始める。2〜3個=支援が届くまでの3日を超える前提で1週間分へ。4個以上=1週間分をそろえたうえで、水とトイレだけは日数をもう一段長く見る。復旧日数の実績が、食料より水・トイレのほうが長く出ているためです。

そのうえで、いちばん長引くのは水道でした。阪神・淡路大震災の全戸通水まで91日、能登半島地震の本管復旧まで約152日。目標値の30日という数字だけを見ていると、この幅を見落とします。水の必要量そのものは水の備蓄は1人何リットル?飲料水と生活用水の必要量・本数早見表で計算できます。

日数を長めに置くほど、水は「置いたまま忘れられる」ことが条件になります。サーフビバレッジの「長期保存水 2Lペットボトル×6本入」は、保存期間5年と表記された長期保存タイプです(Amazonの商品ページ表示・2026-09-18確認)。ふつうの飲料水を回転させ続けるのが苦手な家でも、5年の保存期間なら入れ替えの回数を減らせます。2Lボトルは開けたあとに分けて使いやすく、調乳や薬の服用にも回せる形です。


もうひとつ、復旧が延びるほど確実に積み上がるのがトイレです。水道が止まっている日数×家族の人数×1日の回数。この掛け算は、日数が2倍になれば必要な回数もそのまま2倍になります。食料は我慢が効いても、ここは効きません。

クリロン化成の「BOS 非常用トイレ Bセット 50回分」は、凝固剤50袋(10g/袋)汚物袋(黒)50枚(70cm×70cm)、防臭袋BOS(白)50枚(35cm×50cm)、便器カバー(青)2枚(65cm×80cm)という構成。公式の使用目安は4人で2.5日分(1人1日5回として)と示されています。回数で在庫を数えられるので、上の判定で決めた日数から必要なセット数を逆算しやすいのが、この用途に向く理由です。本体サイズは横19.8cm×高さ21.4cm×厚み10.8cm、重量は約2.3kg。玄関収納やトイレの棚に置ける大きさに収まっています。


食料のほうは、日数が決まれば食数に直せます。3日分と7日分で何がどれだけ要るのかは非常食は何日分必要?3日分と7日分の早見表【1〜5人家族】にまとめました。

食料の見積もりが済むと、最後に残るのが体を清潔に保つ手段です。本管まで水が戻っても、宅内配管が傷んでいれば蛇口までは来ない——この記事で見てきたとおりの状況が、いちばん長く尾を引くのがここでした。風呂に入れない日数は、断水の日数よりさらに伸びます。

アイリスオーヤマの大判からだふきは、20枚入り・1枚64×40cmという表示の製品です(枚数とサイズはAmazonの商品ページ表示・2026-09-18確認。メーカー公式の仕様は編集部で確認できていません)。64×40cmは、背中や足をまとめて拭ける大きさ。判定で決めた日数に家族の人数を掛ければ、必要な枚数もそのまま出ます。日数が決まれば、あとは合うものを選ぶだけです。

そなえぐらし管理人
編集部の考えとしては、3日か7日かで一週間悩むくらいなら、今日3日分を買ってしまうほうが早いです。7日分はあとから足せます。ゼロのまま完璧な計画を立てるより、3日分がある状態から伸ばしていくほうが、結果として遠くまで行けると思っています。

日数が決まったら、次は量です。人数と日数から必要量を出す作業は家庭の備蓄品リスト完全版|人数×日数でわかる必要量早見表【2026年版】にすべて集約してあるので、ここで出した日数を持っていってください。

この記事の数字が当てはまらないケースがある

ここまでの日数を、そのまま自分の家の答えにできない場合があります。先に挙げておきます。

  • 想定地震が違う:6日・30日・55日は東京湾北部地震のケースを想定した目標値です。海溝型の巨大地震や内陸の直下型など、想定が変われば前提から変わります
  • 地方・離島・山間部:事業者の体制も応援部隊の到達時間も首都圏とは異なります。能登半島地震で断水が長期化した背景にも、地形と基幹施設の被災がありました
  • 集合住宅の宅内設備:受水槽・高置水槽・給水ポンプ・共用の配管は、本管の復旧とは別に管理組合や管理会社の判断で進みます
  • 被害の規模:表に載せた日付の多くには「倒壊家屋等を除く」「立入制限区域等を除く」という除外がついていました。自宅の被害が大きい場合、復旧完了の発表と自分の生活の再開は一致しません
  • 年次:目標値は2005年、実績は1995年・2011年・2024年のものです。設備の耐震化も復旧体制も年々変わります(2026-08-31確認時点)

この記事は、過去の公表データから備蓄日数を考えるための材料をまとめたものです。実際の避難の要否や在宅避難を続けるかどうかの判断は、内閣府・消防庁およびお住まいの自治体が発表する情報に従ってください。

ライフラインの復旧日数についてよくある質問

電気・水道・ガスは、必ずこの順番で戻りますか?

一次資料で確認できた範囲では、阪神・淡路大震災(1995年1月)も東日本大震災(2011年3月)も電気→ガスの順で、水道もガスより先に仮復旧しています。ただし「必ず」ではありません。停電が原因で断水が起きる地域もあれば、津波や液状化で水道の被害だけが突出する地域もあります。順番は傾向として押さえ、日数は幅で見ておくのが安全です。

「6日・30日・55日」を目安に備蓄日数を決めてよいですか?

出発点としては使えますが、そのまま答えにはできません。2005年時点の首都直下地震想定に対する目標値であり、電気と上水道は95%回復、都市ガスは80%回復と基準もそろっていないためです。実際の備蓄日数は、農林水産省の「最低でも3日分、できれば1週間分」を土台に、この記事の判定で自宅の条件を足して決めるのが現実的です。

水道の復旧が発表されたのに、自宅で水が出ないのはなぜですか?

発表されるのは多くの場合「本管」の復旧で、そこから自宅へ引き込む宅内配管は別の工事だからです。能登半島地震では、石川県で5月31日に本管が復旧済みとなったあとも、国土交通省の資料に「引き続き、宅内配管工事の加速化を進める」と記載されていました。集合住宅では、さらに受水槽や給水ポンプの復旧も必要になります。

まとめ:今日やることは、自宅の条件を数えることひとつ

電気→水道→ガスという順番と、水道が最も長引きうるという実績。この2つがわかれば、備蓄日数は自分で決められます。よく引かれる6日・30日・55日は、2005年の首都直下地震想定に対する目標値であって、あなたの家にかかる日数ではありませんでした。

今日やることは1つだけ。上の判定リストで、自宅に当てはまる項目の数を数えることです。買い物はそのあとで構いません。

  1. 条件を数える都市ガスかプロパンか、集合住宅の何階か、家族に待てない人がいるか。当てはまった数で、3日分か1週間分かを決めます。
  2. 系統ごとに日数を分ける食料は決めた日数どおり。水とトイレは、復旧日数の実績が長く出ている分だけ一段長く見積もります。
  3. 量に翻訳する決まった日数を人数と掛けて、必要量に直します。計算はハブ記事の早見表に任せ、今日は日数の決定まででいったん終わりです。

数字はどれも公表資料からの引用です。この記事に載せられなかった災害・系統があるのは、一次資料に到達できなかったためで、「被害がなかった」という意味ではありません。新しい一次資料が確認でき次第、表を更新します。

参考・出典

  • 内閣府「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」資料2(阪神・淡路大震災および東日本大震災の電気・都市ガスの復旧状況/阪神部分は兵庫県資料を基に内閣府作成)
    https://www.bousai.go.jp/kaigirep/chousakai/tohokukyokun/1/pdf/sub2.pdf (2026-08-31確認)
  • 兵庫県「阪神・淡路大震災の支援・復旧状況」
    https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk41/pa17_000000002.html (2026-08-31確認)
  • 一般社団法人 日本ガス協会「東日本大震災情報」(全国のガス事業者の復旧完了日)
    https://www.gas.or.jp/tohoku/index.htm (2026-08-31確認)
  • 国土交通省 大臣官房参事官(上下水道技術)資料3「令和6年能登半島地震を踏まえた上下水道の強靱化について」(令和6年6月18日13時時点データ)
    https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/suisinkaigi/joukyou_dai8/siryou3.pdf (2026-08-31確認)
  • 東京都中央区「大地震発生後のライフライン等の被害想定および復旧見通し」表2-5(原典=内閣府「首都直下地震に係る被害想定手法について」平成17年2月、および東京都防災会議「東京都における直下地震の被害想定に関する調査報告書」平成9年8月)
    https://www.city.chuo.lg.jp/documents/2870/kekka02.pdf (2026-08-31確認)
  • 農林水産省 広報誌「aff」2016年9月号 特集1「非常食(2) 最低3日分の備蓄食料品を」(2014年策定「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」に基づく記述)
    https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1609/spe1_02.html (2026-08-31確認)
  • 京都光華女子大学 社会共創学科「ぼうさいらぼ」(2026年3月31日公開/都市ガスの戸別安全確認と復旧期間の解説)
    https://www.koka.ac.jp/sociology/news/bousailab/gas-recovery-after-earthquake (2026-08-31確認)
  • アイリスプラザ「【5年長期保存】アイリスの保存水 2L×6本」商品ページ(型番 H574413F)
    https://www.irisplaza.co.jp/index.php?KB=SHOSAI&SID=H574413F (2026-08-31確認)
  • クリロン化成 BOS公式サイト「非常用トイレ」商品情報
    https://bos-bos.com/toilet/ (2026-08-31確認)

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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