土砂災害に備える|自宅が警戒区域か調べる手順と、避難のタイミングの決め方

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土砂災害の備えは、突きつめると2つしかありません。ひとつは「自宅が土砂災害警戒区域に入っているかを今日調べる」こと。もうひとつは「キキクルが紫になったら全員で避難する、と雨が降る前に決めておく」ことです。この2つが済んでいれば、夜中に雨音で目が覚めてスマホの通知を見たとき、画面を眺めながら迷う時間がなくなります。

全国の土砂災害警戒区域(イエローゾーン)は721,014箇所、特別警戒区域(レッドゾーン)は621,287箇所が指定されています(令和8年6月30日時点・国土交通省/2026年8月11日確認時点)。令和7年の土砂災害発生件数は37都道県で578件で、集計開始以降(昭和57年〜令和6年)の平均1,116件を下回る水準でした(令和8年3月31日発表・国土交通省/2026年8月11日確認時点)。件数が平均より少なかった年でも、指定された区域の数そのものは減りません。

つまり、備えの出発点は「今年は多いか少ないか」ではなく「自分の家がその72万箇所のどれかに当たるかどうか」。ここから先は、その確認手順と、当日の判断の決め方を順に並べていきます。

なお、土砂災害に関する気象庁の情報は、2026年5月29日から名前が変わりました。旧「土砂災害警戒情報」はレベル4土砂災害危険警報、旧「大雨警報(土砂災害)」はレベル3土砂災害警報です(気象庁「土砂災害に関する情報の改善」/2026年9月17日確認)。この記事は新しい名称で書き、旧名称を併記しています。

この記事でわかること
  • 土砂災害警戒区域(イエロー)と特別警戒区域(レッド)は、規制の目的がどう違うのか
  • 自宅が警戒区域かを国のハザードマップで調べ切る操作手順
  • キキクルの色(無色・黄・赤・紫・黒)と警戒レベル、取るべき行動の対応表
  • 避難のタイミングを事前に紙へ書き込むシートと、夜間・暴風時の考え方

なお、色の読み方や浸水深の意味など、ハザードマップそのものの読み解き方はハザードマップの見方と自宅の想定を1枚にまとめる手順で別に整理しています。この記事は土砂災害に絞って進めます。

目次

土砂災害の警戒区域は、2種類あって意味が違う

土砂災害警戒区域とは、土砂災害が発生した場合に居住者等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあり、警戒避難体制を特に整備すべき区域として、土砂災害防止法に基づき都道府県が指定する区域です(内閣府「避難情報に関するガイドライン」/2026年8月11日確認時点)。

同じ地図の上に色違いで載っているので混同されやすいのですが、イエローとレッドは「危険度の強弱」だけの違いではありません。法律が何を規制しているかが違います。

区分 公式の定義 規制の目的
土砂災害警戒区域
(イエローゾーン)
土砂災害が発生した場合に居住者等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあり、警戒避難体制を特に整備すべき区域 警戒避難体制の整備
土砂災害特別警戒区域
(レッドゾーン)
土砂災害警戒区域のうち、土砂災害が発生した場合に建築物に損壊が生じ居住者等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあり、一定の開発行為の制限及び建築物の構造の規制をすべき区域 開発行為の制限・建築物の構造規制

出典: 内閣府「避難情報に関するガイドライン」(2026年8月11日確認時点)

イエローは「逃げる体制をつくる区域」、レッドは「建て方まで縛る区域」。レッドはイエローの内側にある区域なので、レッドに入っていればイエローでもあります。イエローだから軽い、という読み方はしないでください。

指定数の内訳も見ておくと、イエローゾーン721,014箇所のうち、土石流が222,068、急傾斜地の崩壊が482,534、地滑りが16,412(令和8年6月30日時点・国土交通省/2026年8月11日確認時点)。急傾斜地の崩壊、つまりがけ崩れが全体の3分の2近くを占めます。

自宅が警戒区域かを調べる

ハザードマップポータルサイトとは、国土交通省・国土地理院が運営する地図サイトで、全国の災害リスク情報を重ねて見られる「重ねるハザードマップ」と、市区町村が公開する地図を探せる「わがまちハザードマップ」の2つで構成されています(2026年8月11日確認時点)。

「ハザードマップで確認しましょう」とだけ言われて、開いたはいいものの何をどう押せばいいか分からず閉じてしまう。ここが一番落ちやすい穴なので、手順を分けます。

  1. 土砂災害のレイヤーで地図を開く次のURLを開くと、土砂災害の情報が選ばれた状態で「重ねるハザードマップ」が表示されます。
    https://disaportal.gsi.go.jp/hazardmap/maps/index.html?layerset=dosya
  2. 自宅の住所を入れて地図を寄せる住所の検索欄に自宅の住所を入力し、屋根の形が分かるくらいまで拡大します。隣の区画との境目が見える倍率まで寄せるのがコツ。
  3. 建物にかかっている色を見る「土砂災害警戒区域等」として、イエローとレッドが表示されます。自宅の建物そのものにかかっているか、道路一本ぶんだけ外れているかまで確認します。
  4. 3種類のどれかを確認する同じ警戒区域でも、土石流・急傾斜地の崩壊・地すべりのどれとして指定されているかで、後で書く「取るべき行動」が変わります。地図上の凡例で種別まで見ておきます。
  5. 「わがまちハザードマップ」で市区町村の地図も見るポータルサイトからは、お住まいの市区町村が公開しているハザードマップも探せます。避難場所や避難経路は、こちらの地図のほうが詳しく載っていることがあります。
  6. 都道府県の砂防担当部局のサイトで指定状況を確かめる各都道府県も独自に土砂災害警戒区域等のマップを公開しています。指定の追加や変更が反映されるのはこちらが早い場合があるため、最後に一度見ておくと安心です。
  7. 結果を1行メモに残す「自宅=イエロー(急傾斜地の崩壊)/レッドは道路の向かい側から」のように、種別まで含めて紙に書き出します。次の章以降で使います。

サイトの画面構成やボタンの並びは更新されることがあります(2026年8月11日確認時点の情報です)。表示が変わっていた場合は、ハザードマップポータルサイトのトップから「重ねるハザードマップ」に進み、災害の種類として土砂災害を選び直してください。

そなえぐらし管理人
賃貸でも持ち家でも、この確認は5分で終わります。むしろ引っ越し先の候補を見るときにこそ開いてほしい地図です。

土砂災害は3種類あり、前兆も違う

土砂災害とは、がけ崩れ(急傾斜地の崩壊)・土石流・地すべりの3つを指す総称で、国土交通省はそれぞれを次のように説明しています(2026年8月11日確認時点)。

  • がけ崩れ(急傾斜地の崩壊):地中にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め、雨や地震などの影響によって急激に斜面が崩れ落ちること
  • 土石流:山腹、川底の石や土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流されるもの。時速20〜40kmで一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させる
  • 地すべり:斜面が地下水等の影響によってゆっくりと斜面下方に移動する現象。一旦動き出すと完全に停止させることが非常に困難

時速20〜40kmという数字だけでは体感しにくいので、身近なものに置き換えてみます。自転車を全力でこいだときから、原付が街なかを走るくらいの速さ(当サイトによる換算の目安です)。見えてから走って逃げ切れる速さではない、というのがこの数字の意味するところです。

前兆現象も、種類ごとに現れ方が違います。以下は国土交通省北陸地方整備局 神通川水系砂防事務所の公式ページに記載されているものです(2026年8月11日確認時点)。

がけ崩れの前ぶれ
・がけに割れ目が見える
・がけから水がわき出ている
・がけから小石がぱらぱらと落ちてくる

土石流の前ぶれ
・川の水が急に濁ったり、流木がまざりはじめる
・山鳴りや、立木のさける音、石のぶつかりあう音がする
・雨が降り続いているのに、川の水位が下がる

地すべりの前ぶれ
・沢や井戸の水が濁る
・地面にひびわれができる
・斜面から水がふき出す

内閣府のガイドラインは、こうした前兆を見つけたときの行動もはっきり書いています。「小さな落石、湧き水の濁りや地鳴り・山鳴り等の土砂災害の前兆現象を発見した場合は、直ちに身の安全を確保する行動をとるとともに、市町村にすぐに連絡する」(2026年8月11日確認時点)。見に行って確かめるのではなく、離れてから連絡する。順番が逆にならないようにしたいところです。

キキクルの色で、取る行動を先に決めておく

土砂キキクルとは、大雨による土砂災害発生の危険度の高まりを、地図上で1km四方の領域(メッシュ)ごとに5段階に色分けして示す気象庁の情報で、常時10分毎に更新されています(気象庁「土砂キキクル」/2026年9月17日確認)。2026年5月28日までは「大雨警報(土砂災害)の危険度分布」と呼ばれていました。色は無色・黄・赤・紫・黒の5段階で、黄から黒までがそれぞれ警戒レベル2〜5相当にあたります。

この対応関係を先に頭へ入れておくと、雨の夜に「今どのくらい危ないのか」を自分で言葉にできます。逆に言えば、色を見てから意味を調べているようでは間に合いません。

表記 警戒レベル相当情報 判定の目安(60分雨量と土壌雨量指数) 取るべき行動
無色 今後の情報等に留意 実況値及び6時間先までの予測値がレベル2土砂災害注意報の基準未満 災害への心構えを高める
注意 警戒レベル2相当[土砂災害] 実況値又は6時間先までの予測値がレベル2土砂災害注意報(旧 大雨注意報)の基準以上 自らの避難行動を確認(ハザードマップ・避難先・避難経路の確認)
警戒 警戒レベル3相当情報[土砂災害] 3時間先の予測値がレベル4土砂災害危険警報(旧 土砂災害警戒情報)の基準以上 高齢者等は遅くともこの段階で危険な場所から避難を開始。それ以外の人も避難の準備・自発的な避難の開始を検討
危険 警戒レベル4相当情報[土砂災害] 実況値又は2時間先までの予測値がレベル4土砂災害危険警報の基準以上 一般の方も遅くともこの段階で、危険な場所から全員避難
災害切迫 警戒レベル5相当情報[土砂災害] 実況値がレベル5土砂災害特別警報(旧 大雨特別警報(土砂災害))の基準値以上 命に危険が及ぶ土砂災害が切迫しているか、すでに発生している可能性が高い。紫の時点で避難を済ませておく

出典: 内閣府「避難情報に関するガイドライン」(2026年8月11日確認時点)、気象庁「土砂キキクル」(2026年9月17日確認)

キキクルの色と並んで発表される情報の名前は、2026年5月29日から次のように変わっています。旧名称で覚えている人は、ここで一度読み替えておいてください。

警戒レベル相当 2026年5月29日からの名称 2026年5月28日までの名称
5相当 レベル5土砂災害特別警報 大雨特別警報(土砂災害)
4相当 レベル4土砂災害危険警報 土砂災害警戒情報
3相当 レベル3土砂災害警報 大雨警報(土砂災害)
2相当 レベル2土砂災害注意報 大雨注意報

出典: 国土交通省 水管理・国土保全局、気象庁「土砂災害に関する情報の改善」(令和8年4月更新/2026年9月17日確認)

紫に対応する「レベル4土砂災害危険警報」は、以前の「土砂災害警戒情報」です。呼び名は変わりましたが、土砂災害防止法第27条に基づく避難に資する情報という性質は変わらず、情報が伝わる流れも従来どおりとされています(同資料/2026年9月17日確認)。気象庁は、2時間先までの予測値がこの基準以上になると予想された時点で速やかに発表するとしており、紫が出た状況を命に危険が及ぶ土砂災害がいつ発生してもおかしくない非常に危険な状況と説明しています(気象庁「土砂キキクル」/2026年9月17日確認)。

赤を飛ばして紫が出ることがあります。気象庁は、高齢者等の避難にかかる時間を考えてレベル3土砂災害警報をレベル4土砂災害危険警報より1時間程度早く発表するとしていますが、積乱雲が急速に発達する場合など予測が難しい状況では、レベル3を経ずにレベル4が発表される場合もあると書いています。2026年5月の運用変更で、キキクルに赤が出る頻度は減る見込みとも示されています(気象庁「土砂キキクル」、「土砂災害に関する情報の改善」/2026年9月17日確認)。「赤を見てから準備」ではなく、黄の段階で避難先と避難経路を確かめておく、という気象庁の説明どおりに動くのが安全です。

紫の判定に使われる「2時間先」というのは、映画を1本見終わるくらいの長さ(当サイトによる時間の目安です)。その間に、家族を起こして、靴を履かせて、荷物を持って、暗い雨の中を移動しきる必要があります。持ち出す物を当日から考え始めると、この2時間はあっという間に溶けます。持ち物は防災リュックの中身リスト(最低限の6つ)と、避難所に持っていくものリスト(自治体が用意する物と自分で持つ物の線引き)で先に固めておいてください。

土砂災害では立退き避難が原則

立退き避難とは、自宅を離れて指定緊急避難場所や安全な親戚・知人宅などへ移動する避難行動のことです。洪水や高潮では「屋内安全確保」が選択肢に入る場面もありますが、土砂災害では原則が違います。

「土砂災害警戒区域等の居住者等の避難行動は『立退き避難』が原則である。これは、土砂災害が突発的に発生することが多く発生してから避難することは困難であるとともに、木造住宅を流失・全壊させるほどの破壊力を有しているため、屋内で身の安全を確保することができるとは限らないためである。」
(内閣府「避難情報に関するガイドライン」/2026年8月11日確認時点)

ここで注意したいのが、「2階の斜面と反対側の部屋へ」という言い回しです。よく聞くフレーズですが、公式のガイドラインでは、かなり限定された条件つきの次善策として書かれています。

「2階の斜面と反対側」が選択肢になる条件は2つそろったときだけ

  • ① 小規模な斜面崩壊(崖崩れ)が想定される区域であること
  • ② 土砂災害の発生のおそれが高まり時間的余裕がない場合、または指定緊急避難場所等までの移動が、かえって命に危険を及ぼしかねないと判断される状況であること

この条件がそろって初めて「住居や利用している施設等の建築物の斜面とは反対側の、可能な限り上層階に移動することが考えられる」とされています。平時に推奨されている行動ではありません。さらに土石流が想定される区域では、通常の木造家屋の場合、2階以上に移動しても土石流によって家屋が全壊し命が脅かされる場合があると明記されています。土石流の想定区域では、土砂災害警戒区域等から離れた堅牢な建物(できれば高層階)や、河川・渓流から高低差のある高い場所へ移動することが考えられる、というのが公式の記載です。(内閣府「避難情報に関するガイドライン」/2026年8月11日確認時点)

先ほどの調べ物で自宅の指定種別まで確認しておく理由が、ここにあります。同じ「警戒区域」でも、土石流の想定区域なのか、崖崩れの想定区域なのかで、緊急時に残る選択肢が変わるからです。

立退き避難では、雨の中を斜面や擁壁のそばを通って移動する場面が出てきます。頭を守る道具を玄関に置いておくなら、置き場所を取らない折りたたみ式が現実的です。DICプラスチックの折りたたみヘルメット「IZANO2」(型式 AA21型HA7-K21式)は、メーカー公表で重量450g、折りたたみ時の厚さ63mm、飛来・落下物用と墜落時保護用の国家検定を取得しています(電気用には使えません)。厚さ6cmほどなので、防災リュックの横や靴箱の上にも収まります。ヘルメットは土砂そのものを防ぐ道具ではないので、あくまで移動中の備えとして、普段使うモールで仕様を確認しておいてください。

避難のタイミングを紙に書いておく

避難のタイミングとは、「どの情報が出たら、誰が、どこへ動くか」をあらかじめ決めた自分の家のルールのことです。雨の音がしている最中に家族で相談を始めると、たいてい決まりません。

内閣府のガイドラインは、平時にあらかじめ確認・準備しておくこととして、避難先、避難経路の安全性、避難先への持参品、家族や地域との共有、離れて暮らす高齢者への連絡を挙げています(2026年8月11日確認時点)。この5つを、そのまま書き込み欄にしました。印刷するか、手帳に写して埋めてみてください。

  • 自宅の指定:イエロー/レッド/指定なし(     ) 種別:土石流/急傾斜地の崩壊/地すべり
  • 動き出す合図:キキクルが(   )色になったら/警戒レベル(   )が出たら
  • 誰が:全員/先に動く人(         )
  • どこへ(第1候補):(            ) 徒歩で約(  )分
  • どこへ(第2候補):安全な親戚・知人宅/ホテル等(        )
  • どの道で:(         ) ※沢・渓流沿い、擁壁の下を通らない道を選ぶ
  • 何を持って:防災リュック/薬・お薬手帳/充電器/(       )
  • 誰に連絡:(       )へ(      )で。離れて暮らす家族(       )
  • 帰宅の判断:市町村が避難情報を解除したら。雨がやんだかどうかでは決めない

連絡の手段は、決めていないと当日に迷います。171や災害用伝言板とSNSの使い分けは家族の安否確認方法の決め方に手順をまとめてあるので、シートの「誰に連絡」を埋める前に一度目を通しておくと早く決まります。

もうひとつ、大雨の夜は停電と重なることがあります。スマホの電池が減ってくると、キキクルの確認と家族への連絡を同じ電池でまかなうことになります。クマザキエイムの手回し/ソーラー蓄電ラジオ「SL-091」は、AM/FM(ワイドFM対応)を受信でき、4000mAhのバッテリーを内蔵して満充電で約18〜20時間動作、LEDライトとスマホへの給電機能もあるとメーカーが公表しています。情報を耳で取る手段を1つ分けておくと、スマホの電池を連絡に回せます。シートの「誰に連絡」と一緒に、普段使うモールで仕様を見ておくと検討が早く済みます。

夜間と暴風のときは、時計を前倒しする

移動そのものが危険になる時間帯があります。ガイドラインの記載はこうです。「夜間や暴風時の立退き避難は危険を伴う。夜間に災害の状況が悪化する見込みがある場合はまだ日が明るいうちから避難するべきであり、暴風が予想される場合は、昼夜を問わず暴風が吹き始める前に避難を完了させるべきである。」(2026年8月11日確認時点)

それでも、紫が夜中に出ることはあります。子どもの手を引き、傘か荷物を持つと、懐中電灯を持つ手が残りません。GENTOS(ジェントス)のLEDヘッドライト「CP-195DB」は単3電池で動き、商品ページ表示で本体重量約69g、明るさHigh120lm・Eco25lm(ほかに赤色サブLED 3lm)、実用点灯時間High7.5時間・Eco25時間、IP64の防滴性能です(Amazon商品ページ表示・2026年9月17日確認)。額に付けるライトなら両手が空き、足元の水たまりや側溝の位置を見ながら歩けます。電池は防災リュックの予備と同じ単3でそろえられるか、普段使うモールで仕様を確認しておいてください。


台風のように進路と時刻が事前に読める災害なら、この前倒しは計画できます。上陸の3日前から当日までの動き方は台風に備える備蓄リスト(上陸3日前・前日・当日の時系列)に落とし込んであります。土砂災害の警戒区域が、洪水や内水の浸水想定区域と重なっている家も少なくありません。両方に当てはまる場合は水害の備蓄品リスト(浸水想定エリアで足すもの)も合わせて確認しておくと、荷物の中身が一度で決まります。

雨の中を歩いて避難先まで移動するなら、傘よりも両手が空くレインウェアが向いています。風のある日は傘がほとんど役に立たず、片手もふさがるからです。TUTUYOの「レインスーツ 上下セット」は、商品ページで透湿防水と通気メッシュ、リュック対応をうたっている上下セットです(Amazon商品ページ表示・2026年9月17日確認。メーカー公式サイトの仕様は確認できていません)。上下に分かれているので、防災リュックを背負ったまま着られるか、サイズ表とあわせて普段使うモールで確認しておくと、当日に袋から出してすぐ使えます。

雨がやんでも、まだ戻らない

避難した後の判断も、先に決めておく項目のひとつです。「土砂災害は、降雨が止んだ後しばらくしてから発生する場合があるため、自宅・施設等への帰宅判断は、市町村の避難情報の解除を踏まえ行う」(内閣府「避難情報に関するガイドライン」/2026年8月11日確認時点)。空が明るくなったから帰る、ではありません。解除を待つ、です。

そなえぐらし管理人
シートで一番埋まりにくいのが「動き出す合図」です。ここを空欄のままにすると、当日ぜんぶ現場判断になります。紫、と書くだけでいいので埋めてください。

向かない人・当てはまらないケース

この記事の手順が万能というわけではありません。前提として押さえておきたい限界が3つあります。

  • 警戒区域の外でも土砂災害は起こり得ます。指定は基準に基づいて行われるもので、指定がないことは安全の保証ではありません。地図が白でも、周囲に斜面や渓流があるなら前兆現象の項目は覚えておく価値があります。
  • 警戒レベル5は必ず発令されるとは限りません。ガイドラインは「警戒レベル5が発令される状況は、災害が発生又は切迫し、安全にとることができる行動が極めて限られている状況であるため、警戒レベル5まで待つことなく、警戒レベル4又は警戒レベル3で避難する必要がある」としています(2026年8月11日確認時点)。レベル5を待つ計画は、計画として成立しません。
  • キキクルの色は、避難の指示そのものではありません。色は危険度の分布を示す情報であり、避難の判断とタイミングは市町村が出す避難情報と現地の状況に従ってください。この記事のシートは、その指示が出たときに迷わず動くための下準備です。

よくある質問

Q. 賃貸でも自宅が警戒区域か調べる意味はありますか?

あります。イエローゾーンは警戒避難体制を特に整備すべき区域として指定されるもので、建物の所有形態とは関係なく、そこに住む人の避難行動に直結します。むしろ引っ越し先を探している段階でハザードマップポータルサイトを開いておくと、候補の絞り込みに使えます。

Q. キキクルが紫になったのに、市町村から避難指示が出ていません。どうすればいいですか?

紫は警戒レベル4相当情報[土砂災害]にあたり、「危険な場所から全員避難」に対応する色です。ただし避難の判断とタイミングは、市町村が出す避難情報と現地の状況に従ってください。そのうえで、夜間に状況が悪化する見込みがあるなら明るいうちから、暴風が予想されるなら吹き始める前に、という考え方が公式に示されています(2026年8月11日確認時点)。

Q. 前兆現象を見つけたら、まず何をすればいいですか?

内閣府のガイドラインは「直ちに身の安全を確保する行動をとるとともに、市町村にすぐに連絡する」としています(2026年8月11日確認時点)。確認しに近づく、写真を撮る、といった行動が先に来ないようにしてください。

Q. レベル4土砂災害危険警報(旧 土砂災害警戒情報)が出てから、どれくらいで危なくなりますか?

「土砂災害警戒情報」は2026年5月29日から「レベル4土砂災害危険警報」という名前で発表されています。気象庁は、2時間先までの予測値がレベル4土砂災害危険警報の基準以上になると予想された時点で速やかに発表するとしていて、キキクルの紫と同じく、命に危険が及ぶ土砂災害がいつ発生してもおかしくない非常に危険な状況と説明しています。「何時間後に危なくなる」と待つ情報ではなく、土砂災害警戒区域等にお住まいの一般の方も遅くともこの段階で避難を始める、というのが公式の考え方です(気象庁「土砂キキクル」/2026年9月17日確認)。

Q. 雨がやんだので家に戻ってもいいですか?

土砂災害は降雨が止んだ後しばらくしてから発生する場合があるため、帰宅の判断は市町村の避難情報の解除を踏まえて行う、というのが公式の考え方です(2026年8月11日確認時点)。

まとめ:今日やることは、地図を1回開くこと

土砂災害の備えは、道具をそろえる話から始まりません。自分の家がどの色の上に建っているかを知り、どの色になったら動くかを先に決める。この2つが決まっていれば、雨の夜にやることは「決めたとおりに動く」だけになります。

  1. 今日:地図を開く土砂災害のレイヤーで重ねるハザードマップを開き、自宅の色と指定種別(土石流/急傾斜地の崩壊/地すべり)を確認して1行メモに残す。
  2. 今週:合図を決めるキキクルの紫=全員避難を家族で共有し、避難先の第1候補と第2候補、避難経路を書き込みシートに埋める。
  3. 雨の前:荷物と連絡先を固める防災リュックの中身と、離れて暮らす家族への連絡手段を確定させる。当日に考える項目をゼロにしておく。

避難の判断とタイミングは、市町村が出す避難情報と現地の状況に従ってください。この記事でできるのは、その指示が届いた瞬間に迷わないための下ごしらえまでです。

参考・出典

  • 内閣府(防災担当)「避難情報に関するガイドライン」令和8年3月改定版(2026年9月17日確認)
  • 国土交通省「砂防:がけ崩れとその対策」/「砂防:土石流とその対策」/「砂防:地すべりとその対策」(2026年8月11日確認)
  • 国土交通省「全国における土砂災害警戒区域等の指定状況」令和8年6月30日時点(2026年8月11日確認)
  • 国土交通省 報道発表「令和7年の土砂災害発生件数を公表」令和8年3月31日(2026年8月11日確認)
  • 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」(2026年8月11日確認)
  • 国土交通省北陸地方整備局 神通川水系砂防事務所「こんなときは注意-土砂災害の前ぶれ」(2026年8月11日確認)
  • 気象庁「土砂キキクル」(jma.go.jp/2026年9月17日確認)※2026年5月28日までの名称は「大雨警報(土砂災害)の危険度分布」
  • 国土交通省 水管理・国土保全局、気象庁「土砂災害に関する情報の改善」令和7年12月(令和8年4月更新)(PDF/2026年9月17日確認)
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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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