電子レンジ・炊飯器はポータブル電源で使える?表示Wと消費電力の違いから必要な出力と容量を計算

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冬の停電で困ることのひとつが、温かい食事です。冷凍ごはんがあっても、電子レンジが動かなければ温められません。「ポータブル電源があれば、レンジや炊飯器は使えるのだろうか」と考えている家庭に向けて、メーカーの公式仕様から出力と容量を計算しました。

結論から言うと、電子レンジは扉や広告に出ている「1000W」「600W」といった表示W(高周波出力)ではなく、消費電力で判定します。消費電力は表示Wより大きく、たとえばパナソニックの単機能レンジNE-FL1Aは、表示が最大1,000Wで消費電力は1.40kW(1,400W)です。定格出力300Wクラスのポータブル電源では届かず、定格出力1,500Wクラスが目安になります。

炊飯器のほうは、1回炊くのに使う電気の量「炊飯時消費電力量(Wh)」で回数が決まります。容量1,070WhのJackery ポータブル電源 1000 Newなら、公表値からの当サイト試算で炊飯は約4.6〜7.4回。一方、保温を半日続けると炊飯1回分より多くの電気を使う機種もあります。

この記事でわかること

  • 電子レンジの「表示W」と「消費電力」が違う理由と、メーカー3機種の実際の数字
  • ポータブル電源につなげるかを決める2つの条件(出力と波形)
  • 1,070Wh級で電子レンジを1回3分なら何回使えるか(当サイト試算)
  • 炊飯器3機種の「1回あたりWh」と「保温1時間あたりWh」から見た、炊飯回数と保温時間
  • わが家の必要容量を出す書き込み式の計算と、電気が尽きたあとの切り替え先
目次

電子レンジの表示Wと消費電力は別の数字で、判定に使うのは消費電力

表示W(高周波出力)とは、食品を温めるマイクロ波そのものの強さのことです。一方の消費電力は、コンセントから実際に取る電気の大きさを指します。シャープの公式FAQは、高周波出力には「ターンテーブルを回す電力やファンを回す電力は含まれていません」と説明し、それらを合算したものが消費電力だとしています。

つまり「1000Wのレンジ」は、温める力が1000Wという意味です。電源から1000Wだけ取るわけではありません。ポータブル電源につなげるかどうかは、電源側から見た数字、つまり消費電力で考える必要があります。

もうひとつ知っておきたいのが、表示Wの最大値が短時間だけの値である機種があることです。パナソニックはNE-FL1Aの仕様で、高周波出力1000Wは短時間高出力機能(最大1分30秒)で、通常は600Wへ自動的に切り換わると明記しています。東芝もER-S17Yについて、定格高周波出力900Wは短時間高出力機能(最大1分30秒)で、定格連続高周波出力は600Wと注記しています。

メーカー公式の仕様ページで、単機能レンジ3機種の数字を並べました。

メーカー・型番 方式・庫内 表示W(高周波出力) 定格消費電力 消費電力÷表示W(当サイト計算)
パナソニック NE-FL1A インバーター・22L 最大1,000W(短時間。通常600W) 1.40kW(1,400W) 約1.4倍
東芝 ER-S17Y インバーター・17L 最高900W(短時間1分30秒。定格連続600W) 1,350W 約1.5倍
シャープ RE-TF17S インバーター・17L 500W(短時間・定格連続400W)/650W(60Hzのみ) 950W(50Hz)/1,300W(60Hz) 約1.9倍(50Hz)/約2.0倍(60Hz)

※各社公式仕様ページの値(2026年9月30日確認時点)。倍率は表示Wの最大値で消費電力を割った当サイトの計算です。

倍率は約1.4倍から約2.0倍まで開いています。シャープのRE-TF17Sは、同じ機種でも50Hz地域と60Hz地域で消費電力が950Wと1,300Wに分かれるのも見逃せない点です。

つまり「表示Wの何倍」という覚え方では、機種によって外れます。わが家のレンジの消費電力は、本体の銘板ラベルか取扱説明書の仕様表で確かめるのが確実です。ラベルには「定格消費電力」や「消費電力 ◯kW」と書かれていることが多く、扉に大きく出ている数字とは別の場所にあります。

電子レンジの表示W(高周波出力)と消費電力の違い、ポータブル電源の定格出力で判定する流れの図

ポータブル電源につなげるかは「消費電力≦定格出力」と「正弦波」の2条件で決まる

定格出力とは、ポータブル電源が安定して出し続けられる電力の上限のことです。電子レンジや炊飯器をつなぐときは、この定格出力と家電の消費電力を比べます。

  • 条件1: 家電の消費電力(定格消費電力)が、ポータブル電源の定格出力以下である
  • 条件2: ポータブル電源の出力波形が正弦波である

波形について、Jackery社の公式ブログは、出力波形には「正弦波」「修正正弦波」「矩形波」の3種類があり、電子レンジに使う場合は「必ず正弦波の製品を選んでください」と説明しています。同社は自社のポータブル電源をすべて正弦波出力としています。購入を考えている機種の仕様に「正弦波」「純正弦波」とあるかを確認しましょう。

条件1を具体的な製品に当てはめます。Jackery 240 New(容量256Wh・定格出力300W)は、公表されている定格出力が300Wです。上の表の3機種は、消費電力がいちばん小さいRE-TF17Sの50Hzでも950W。公表の定格値から計算すると、どの機種も300Wに届かないため、240 Newで電子レンジは動かないというのが計算上の結論です。

一方、Jackery ポータブル電源 1000 New(容量1,070Wh・定格出力1,500W)なら、3機種とも消費電力が1,500W以下に収まります。つまり、電子レンジを視野に入れるなら、容量より先に「定格出力が1,500Wクラスか」を見るのが順番です。容量と出力の見分け方は「ポータブル電源の容量クラスの選び方」で整理しています。

家電メーカーの想定について

  • 電子レンジ・炊飯器のメーカーの公式FAQや取扱説明書には、ポータブル電源での使用可否を名指しした記載がありません
  • 取扱説明書には「交流100V専用」などの電源の注意が書かれています。メーカーが想定した電源(家庭のコンセント)ではない点は理解したうえで、取扱説明書の電源に関する注意に従ってください
  • 延長コードやタップを使う場合は、その定格も消費電力を上回っているかを確認します

1,070Wh級なら電子レンジは1回3分で約12〜18回が目安になる

使用回数の計算とは、ポータブル電源の容量から、電子レンジを何分ずつ何回動かせるかを割り出すことです。Jackery社の公式コラムは、使える時間を「容量(Wh)×0.8÷電子レンジの消費電力(W)」としています。0.8は、同社が計算に使っている係数で、電池の電気を家庭用の交流に変えるときのロスを見込んだ値です。

電子レンジの使用回数

使える回数 = 容量(Wh) × 0.8 ÷ 消費電力(W) × 60 ÷ 1回の分数

Jackery ポータブル電源 1000 New(1,070Wh)で、1回3分として計算しました。使える電気は1,070×0.8=約856Whです。

電子レンジ(消費電力) 1000 Newの定格出力1,500Wとの比較 合計で動かせる時間 1回3分なら
パナソニック NE-FL1A(1,400W) 出力内 約36.7分 約12.2回
東芝 ER-S17Y(1,350W) 出力内 約38.0分 約12.7回
シャープ RE-TF17S・60Hz(1,300W) 出力内 約39.5分 約13.2回
シャープ RE-TF17S・50Hz(950W) 出力内 約54.1分 約18.0回

※当サイト試算。消費電力は各社公式仕様、係数0.8と計算式はJackery社公式コラムによる(2026年9月30日確認時点)。満充電からの目安で、ほかの家電を同時に使わない場合です。

約12回は、4人家族が1日3食、1人1回ずつレンジで温める回数とほぼ同じです。言い換えると、満充電の1000 Newを電子レンジだけに使っても、1日分の温めでほぼ使い切る計算になります。合計の動作時間で見ても、1,400Wの機種で約37分。テレビ番組1本分より短い時間です。

1回の分数を短くすれば回数は増えます。2分なら同じ計算で約18回(1,400Wの機種)。冷凍のおかずを小分けにしておく、温めは1回にまとめる、といった使い方のほうが、容量の減りを抑えられます。

電子レンジに使える定格出力と、何回かを数える容量の両方を満たす例が、Jackery ポータブル電源 1000 New(型番JE-1000D)です。容量1,070Wh、定格出力1,500W、瞬間最大出力3,000W(AC3ポート合計)。電池はリン酸鉄リチウムで、本体は約10.8kgです(2026年9月30日確認時点)。この記事では、電子レンジと炊飯器の回数を計算する基準の機種として使っています。


同じシリーズには上位機の1000 New V3もあり、2製品が並行して販売されています。型番を見比べて選んでください(→Jackery(ジャクリ)公式サイトでポータブル電源を見る)。

そなえぐらし管理人
電子レンジは「何回使えるか」より「1回の消費電力が大きい」ことを意識しておきたい家電です。冷蔵庫や照明にも電気を回すなら、温めの回数は家族で決めておくと安心ですね。

炊飯器は定格Wではなく「1回あたりWh」で回数を数える

炊飯時消費電力量(Wh)とは、ごはんを1回炊き上げるまでに使う電気の量のことです。炊飯器の定格消費電力(W)は加熱が強い瞬間の値で、炊飯中ずっとその電力を使うわけではありません。そのため回数は、メーカーが公表している「1回あたりWh」で数えるのが正確です。

メーカー公式の仕様から、IH炊飯器3機種を並べました。

メーカー・型番 方式・容量 定格消費電力(炊飯時) 炊飯1回あたり 保温1時間あたり
象印 NP-GS05 IH・0.5〜3合 700W 115Wh 14.7Wh
パナソニック SR-FE101 2段IH・0.5〜5.5合 約1,180W 152Wh 13.7Wh
タイガー JPV-M100 圧力IH・0.5〜5.5合 1,100W 187Wh 17.5Wh

※各社公式仕様ページの値(2026年9月30日確認時点)。マイコン式の例として、アイリスオーヤマ RC-MGA30は定格消費電力485W(炊飯時)ですが、1回あたり・1時間あたりのWhは公式ページに記載がないため表に入れていません。

1000 Newの使える電気約856Whを、この値で割った当サイト試算は次のとおりです。

炊飯器 炊飯だけなら 保温だけなら 炊飯1回分の電気で保温できる時間
象印 NP-GS05 約7.4回 約58.2時間 約7.8時間
パナソニック SR-FE101 約5.6回 約62.5時間 約11.1時間
タイガー JPV-M100 約4.6回 約48.9時間 約10.7時間

※当サイト試算。1,070Wh×0.8=約856Whを各社公表のWhで割った目安(2026年9月30日確認時点)。

右端の列に注目してください。保温を8〜11時間ほど続けると、それだけで炊飯1回分の電気を使います。朝に炊いて夜まで保温すると、次の1回を炊ける電気がまるごと消える計算です。

停電中の炊飯器の使い方

炊いたら保温せずにスイッチを切り、保温に使うはずだった電気を次の炊飯に回す。すぐ食べない分は小分けにして、食べるときに温め直す方法を考えておきます。

つまり停電中は「保温で置いておく」より「必要なときに炊く」ほうが、同じ容量で食事の回数を増やせます。5.5合炊きの機種で1回に多めに炊き、保温を切っておけば、1回分の電気で家族の数食分をまかなえる計算です。

もうひとつ見落としやすいのが出力です。表のSR-FE101(約1,180W)とJPV-M100(1,100W)のように、IH炊飯器には定格消費電力が1,000Wを超える機種があります。定格出力1,000Wのポータブル電源では、この2機種は出力を超えてしまいます。炊飯器もレンジと同じく、まず定格出力で判定し、回数はWhで数えてください。3合炊きのNP-GS05(700W)でも、定格出力300Wクラスには届きません。

必要な容量は「レンジの分数×回数」と「炊飯のWh×回数」を足して出す

必要な容量とは、停電中に使いたい調理家電を、決めた回数だけ動かすのに要るポータブル電源のWhのことです。家電ごとの数字を書き込めば、容量クラスが決まります。

わが家の必要容量(書き込み式)

(レンジの消費電力 ◯◯W × 1回の分数 ◯分 ÷ 60 × 回数 ◯回 + 炊飯1回あたり ◯◯Wh × 回数 ◯回)÷ 0.8 = 必要な容量 ◯◯Wh

書き込む項目 わが家の値 どこで調べるか 計算例
レンジの消費電力 ◯◯W 本体ラベル・取扱説明書の仕様 1,400W(NE-FL1A)
1回の分数×回数 ◯分×◯回 家族の人数と食事の回数 3分×4回
炊飯1回あたりWh×回数 ◯◯Wh×◯回 取扱説明書・メーカー仕様の「炊飯時消費電力量」 187Wh×1回(JPV-M100)
必要な容量 ◯◯Wh 上の式で計算 約584Wh

計算例をたどると、レンジは1,400W×3分÷60=70Whで、4回なら280Wh。炊飯1回の187Whを足すと467Whです。これを0.8で割ると約584Whになります(当サイト試算)。

つまり、1日にレンジ4回と炊飯1回なら、1,070Wh級の満充電で2日目の途中までもつ計算です。ここに冷蔵庫や照明、スマホの充電が加わるので、調理家電だけで容量を使い切らない配分が要ります。ほかの家電を含めて積み上げる手順は「ポータブル電源の容量計算」で1台ずつ書き込めます。冬の停電で暖房家電も動かしたい場合は、「ホットカーペットはポータブル電源で何時間使える?」「電気毛布はポータブル電源で何時間使える?」の計算と合わせて考えてみてください。

  • わが家のレンジの定格消費電力(W)を、ラベルか取扱説明書で確認した
  • 炊飯器の「炊飯時消費電力量(Wh)」「保温時消費電力量(Wh)」を確認した
  • 炊飯器の定格消費電力が、ポータブル電源の定格出力以下か確かめた
  • 停電中に温める回数・炊く回数を家族で決めた
  • 書き込み式で必要な容量を出した

電気が尽きたら、カセットコンロとお湯で戻る主食に切り替える

複線の備えとは、ひとつの方法が使えなくなっても、別の方法で同じ目的(ここでは温かい主食)を果たせるようにしておくことです。1,070Wh級でも、消費電力1,400Wの電子レンジなら合計約37分しか動かせません。停電が長引けば、どこかで電気以外の熱源に切り替える場面が来ます。

考え方は段階です。電源が持つうちは電子レンジと炊飯器を使い、残量が減ってきたら冷蔵庫や照明などに電気を回して、調理はガスへ。ガスでお湯を沸かせば、お湯で戻る主食が食べられます。停電が起きた直後の動き全体は「停電したらまず何をする?」、電源を段階で考える全体像は「防災の電源は4段階で考える」にまとめています。オール電化の家では、停電でIHも給湯も止まるため、この切り替え先がより大切になります(「オール電化の停電対策」)。

段階 温める・炊く手段 使うもの ポイント
電源が十分にある 電子レンジ・炊飯器 ポータブル電源 炊いたら保温を切る。温めは回数を決める
電源の残量が減った ガスで湯を沸かす・鍋で調理 カセットコンロ・ボンベ 電気は冷蔵庫・照明・通信へ回す
ガスも節約したい お湯で戻す主食 アルファ米・マジックライス 沸かしたお湯を注ぐだけで主食になる
停電の段階ごとに、電子レンジ・炊飯器からカセットコンロとお湯で戻る主食へ切り替える分岐図

ガスの熱源の中心になるのがカセットコンロです。岩谷産業のカセットフー 達人スリムV(CB-TS-5)は、最大発熱量3.4kW。連続燃焼時間は約68分で、これは気温20〜25℃・強火で連続燃焼し、カセットボンベ1本を使い切るまでのメーカーの実測値です(2026年9月30日確認時点)。停電中の「電気の次の熱源」として置いておく1台です。


コンロと一緒にそろえたいのがボンベです。岩谷のカセットガス CB-250-OR は、250g×3本入りのメーカー品です。24本という単位は、この3本入りを8パックまとめた販売店のまとめ売りで、岩谷の型番として24本入りがあるわけではありません。強火で1本約68分という実測値で単純に掛けると、24本で約27時間分の強火になります(当サイト試算)。実際は弱火や中火の時間が多いので、目安の下限と考えてください。家族の人数から何本いるかは「カセットボンベは何本備蓄する?」で計算できます。


ガスでお湯を沸かせれば、主食はお湯で戻るタイプで確保できます。尾西食品のアルファ米は、公式FAQでお湯なら15分(商品によって異なる場合あり)とされ、製造から5年6か月と長いことから「賞味期限」表示をしていると説明されています。鍋にアルファ米とお湯を入れて火にかければ、およそ10分(煮炊き5分+蒸らし5分)で食べられる方法も案内されています。12種類のセットは、味を替えながら数日を過ごすための組み合わせです。

そなえぐらし管理人
ポータブル電源とカセットコンロは「どちらか」ではなく、順番に使う組み合わせだと考えています。電気で温める時間とガスで温める時間を、家族で分担して決めておけると心強いですね。

もうひとつの候補が、サタケのマジックライスです。メーカー公式ではお湯で15分、水でも60分で戻り、5年間の長期保存ができるとされています。水で戻せるので、ガスを節約したい段階でも主食になります。12食セットは、家族の数日分をまとめて置いておきたい家庭向けです。

ほかに、ポリ袋に米と水を入れて湯せんで炊く方法もあります。自治体や農林水産省も紹介している調理法です。分量や時間は紹介元の資料で確かめてから試してください。主食の備蓄量の考え方は「アルファ米と水の備蓄量」で整理しています。

向かない家庭・デメリットは「重さ」「減りの速さ」「調理だけなら割高」の3つ

向かない家庭とは、ポータブル電源で電子レンジや炊飯器を動かす計画が、計算上も暮らし方の上でも合いにくい家庭のことです。次に当てはまる場合は、カセットコンロとお湯で戻る主食を主役にしたほうが現実的です。

  • 持ち出して使いたい家庭: 1000 Newは約10.8kgで、2Lのペットボトル5本とちょっとの重さです。避難所へ持っていく、階段で運ぶ、といった使い方には向きません
  • 電子レンジを何度も使いたい家庭: 1,400Wのレンジなら、満充電の1,070Wh級でも合計約37分。容量をいちばん早く減らす家電です
  • 調理のためだけに大容量を買おうとしている家庭: 温かい食事だけが目的なら、カセットコンロとボンベ、お湯で戻る主食のほうが安く済む場合があります
  • 定格出力300Wクラスをすでに持っている家庭: 電子レンジと、表の炊飯器3機種はいずれも出力を超えます。容量が足りていても動かない前提で考えます

ポータブル電源が向いている家庭

  • 冷蔵庫・照明・スマホの充電など、調理以外にも電気を使う予定がある
  • オール電化で、停電中にほかの熱源がない時間を短くしたい
  • 据え置きで使い、重さが問題になりにくい

つまり、ポータブル電源は「調理の設備」ではなく、「停電の最初の数日に、調理も含めて電気を配る道具」です。調理だけを見ればガスのほうが長く持ちます。電気は冷蔵庫や通信に回し、調理の一部をレンジと炊飯器で楽にする。この役割分担が現実的な線です。

よくある質問

よくある質問とは、電子レンジ・炊飯器とポータブル電源の組み合わせで迷いやすい点を、本文の数値で短く答えたものです。

定格出力1000Wのポータブル電源で、1000Wの電子レンジは使えますか?

「1000W」が表示W(高周波出力)なら、消費電力はそれより大きいので出力が足りない可能性が高いです。この記事で比べたNE-FL1A(表示最大1,000W)は消費電力が1,400W、ER-S17Yは1,350W、RE-TF17S(60Hz)は1,300Wで、いずれも1,000Wを超えます。本体ラベルの消費電力で確かめてください。

ポータブル電源で電子レンジは何回使えますか?

容量1,070Whの1000 Newで1回3分なら、消費電力1,400Wの機種で約12.2回、950Wの機種で約18.0回が当サイト試算の目安です。計算式は「容量×0.8÷消費電力×60÷1回の分数」(係数0.8はJackery社公式)です。

炊飯器の保温はポータブル電源で何時間もちますか?

保温だけなら、1000 Newで約48.9〜62.5時間が当サイト試算です(保温1時間あたり13.7〜17.5Whの3機種)。ただし保温を8〜11時間ほど続けると炊飯1回分の電気を使うため、停電中は炊いたら保温を切るほうが食事の回数を増やせます。

マイコン炊飯器ならポータブル電源に向いていますか?

定格消費電力は小さめの傾向があり、たとえばアイリスオーヤマ RC-MGA30は485W(炊飯時)です。それでも定格出力300Wクラスでは届きません。回数を計算するには炊飯1回あたりのWhが必要ですが、この機種は公式ページに記載がないため、取扱説明書で確認してください。

まとめ: 今日やることは1つ、わが家のレンジの「消費電力」を見る

まとめとは、この記事の要点を、今日できる行動につなげたものです。電子レンジは表示Wではなく消費電力で判定し、メーカー3機種の消費電力は表示Wの約1.4〜2.0倍でした。定格出力300Wクラスでは届かず、1,500Wクラスが目安です。炊飯器は1回あたりWhで数え、1,070Wh級で約4.6〜7.4回。保温は切って、その電気を次の炊飯に回すのが効率的です。

今日やることは1つ。わが家の電子レンジの本体ラベルか取扱説明書を開き、「消費電力」の数字をメモしておくことです。

  1. 数字を控える: 電子レンジの消費電力(W)と、炊飯器の炊飯時・保温時の消費電力量(Wh)をメモする
  2. 書き込み式で計算する: 温める回数・炊く回数を決めて必要な容量を出し、定格出力も照らし合わせる
  3. 切り替え先を決める: 電気が尽きたあとのカセットコンロ・ボンベ・お湯で戻る主食を家族の人数分そろえる

電子レンジ・炊飯器以外の家電も含めて、わが家に要る容量を積み上げたい場合は、ポータブル電源の容量計算|自宅の家電のW数を積算して必要Whを求める書き込み式ガイドで1台ずつ書き込めます。

参考・出典

  • シャープ よくあるご質問(高周波出力と消費電力) https://cs.sharp.co.jp/faq/qa?qid=149987 (2026年9月30日確認)
  • パナソニック「NE-FL1A 仕様」 https://panasonic.jp/range/products/NE-FL1A/spec.html (2026年9月30日確認)
  • 東芝ライフスタイル「ER-S17Y 仕様」 https://www.toshiba-lifestyle.com/jp/microwaves/er-s17y/spec/ (2026年9月30日確認)
  • シャープ「RE-TF17S 仕様」 https://jp.sharp/range/products/retf17s/spec/ (2026年9月30日確認)
  • 象印マホービン「IH炊飯ジャー NP-GS」 https://www.zojirushi.co.jp/syohin/rice/ricecooker/np-gs/ (2026年9月30日確認)
  • パナソニック「SR-FE101 仕様」 https://panasonic.jp/suihan/products/SR-FE101/spec.html (2026年9月30日確認)
  • タイガー魔法瓶「圧力IHジャー炊飯器 JPV-M」 https://www.tiger-corporation.com/ja/jpn/product/rice-cooker/jpv-m/ (2026年9月30日確認)
  • アイリスオーヤマ「RC-MGA」 https://www.irisohyama.co.jp/ricecooker/rc-mga/ (2026年9月30日確認)
  • タイガー魔法瓶 炊飯器 取扱説明書(電源の注意) https://www.tiger.jp/customer/upload/pdf/jiv_a.pdf (2026年9月30日確認)
  • Jackery「ポータブル電源 1000 New」 https://www.jackery.jp/products/explorer-1000-new (2026年9月30日確認)
  • Jackery「電子レンジに使えるポータブル電源」 https://www.jackery.jp/blogs/power-station/portable-power-for-microwave (2026年9月30日確認)
  • Jackery「Solar Generator 240 New」 https://www.jackery.jp/products/solar-generator-240-new-100w (2026年9月30日確認)
  • 岩谷産業「カセットフー 達人スリムV CB-TS-5」 https://www.iwatani.co.jp/jpn/consumer/products/cg/stove/cb-ts-5/ (2026年9月30日確認)
  • 岩谷産業「カセットガス CB-250-OR」 https://www.iwatani.co.jp/jpn/consumer/products/cg/cb/cb-250-or/ (2026年9月30日確認)
  • 尾西食品 よくあるご質問 https://www.onisifoods.co.jp/faq/ (2026年9月30日確認)
  • サタケフードビジネス「保存食」 https://www.satake-fb.co.jp/products/hozon/ (2026年9月30日確認)
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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直しています。記事は、国・自治体の資料とメーカーの公表値を1つずつ開いて確かめて書いています。自分で使っていない商品を、使ったようには書きません。

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