雨漏りしたら最初にやること|室内の応急処置と、修理はどこに頼むか

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雨漏りに気づいたら、最初の応急処置は室内で済ませます。まず水が照明・コンセント・分電盤の近くに来ていないかを見て、濡れた手で電気に触らないこと。そのうえで、落ちてくる水をバケツで受け、床を拭き、家具や家電を濡れない場所へ移し、雨漏りの場所と様子を写真に残します。屋根や天井裏には上りません。修理の頼み先は、新築の持ち家なら建てた住宅事業者、賃貸なら貸主か管理会社、分譲マンションの共用部分なら管理会社が最初の連絡先で、それ以外の持ち家は業者を自分で探して見積もりを比べます。

どこに頼めばよいか迷うときは、国土交通大臣が指定した住宅の相談窓口「住まいるダイヤル」に電話で相談できます。業者を自分で探すときの方法の1つとして、雨漏り修理の業者を紹介するサービスと、頼む前に確かめることもまとめました。突然訪ねてきた業者とは、その場で契約しないでください。

この記事でわかること

  • 雨漏りに気づいたときの室内の応急処置の順番と、電気のまわりで触らないもの
  • 「雨漏り修理を自分で」はどこまでできるか。屋根・天井裏に上らない理由
  • 持ち家・賃貸・分譲マンションで変わる、修理の最初の連絡先
  • 見積もりで見るところと、その場で契約しないための決まり(クーリング・オフ)
  • 天井や窓の水染みから、雨漏りか結露・配管の水漏れかの当たりをつける方法
目次

雨漏りに気づいたら、電気の近くかを先に見て、受ける・拭く・移す・撮るの順に室内で手を打つ

雨漏りとは、屋根・外壁・窓などのすき間から雨水が建物の中に入り、天井や壁、窓まわりに水が出てくることです。天井から水が落ちてくると慌てますが、室内でできることは限られていて、順番を決めておけば落ち着いて動けます。

先に断っておくと、バケツで受ける・雑巾で拭く・家具を覆うといった室内の応急処置の手順を示した国や公的機関の資料は見当たりません。下の表のうち、電気・写真・天井裏の行は公的資料の記載にもとづくもので、受ける・拭く・移すの行は、家の中の一般的な手当てとして書いています。

順番 すること よりどころ
1 照明・コンセント・分電盤の近くが濡れていないかを見る。濡れた手で触らない 関東電気保安協会・消費者庁(濡れた手でプラグなどを扱うのは危険)
2 落ちてくる水をバケツや洗面器で受ける 一般的な手当て(公的資料に手順の記載は見当たらない)
3 床や壁に広がった水をタオル・雑巾で拭く 一般的な手当て(同上)
4 家具・家電・布団を濡れない場所へ移す。動かせない物はビニールで覆う 一般的な手当て。電気機器に水がかかると漏電や火災の原因になることがある(関東電気保安協会)
5 雨漏りの場所・時刻・雨の様子を写真とメモに残す 住まいるダイヤル(状況を整理しておく)。台風・大雨など災害による被害なら内閣府の案内も
6 屋根・天井裏には上らない。天井裏は安全のため自分ではのぞかない 住まいるダイヤル(点検口からのぞいてもよいとしつつ、天井裏・屋根裏の確認は特に危険で、足場が不安なら専門家に任せる)

※関東電気保安協会・消費者庁・住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)・内閣府の公式資料から整理(2026年10月27日確認)。

雨漏りに気づいたら室内でやる順番の図。電気の近くかを見て濡れた手で触らない、水を受けるはバケツで受けて床を拭く、家具・家電は濡れない場所へ移す、写真とメモで場所・時刻・雨の様子を残す、屋根・天井裏は上らず業者に任せる

水を受ける・拭く・移すは、電気の確認のあとにする

天井から落ちる水は、バケツや洗面器、大きめの鍋などで受けます。水が跳ねて床が濡れるときは、容器の下や中にタオルを敷くと広がりにくくなります。落ちてくる場所が少しずつ動くこともあるので、容器は1つで済ませず、まわりの床もときどき見ておくとよいでしょう。

床や壁に広がった水は、タオルや雑巾で拭き取ります。畳やじゅうたんは水を吸うので、上に物があれば先にどけておくとよいでしょう。家具・家電・布団・本や書類は、濡れていない部屋や、水の落ちる場所から離れた所へ移します。テレビやパソコンのように重い物、すぐに動かせない物は、ビニールやごみ袋をかぶせ、上からの水を防ぎましょう。

ここで順番を守りたいのが、電気まわりです。家電を動かす前に、その家電やコンセント、延長コードに水がかかっていないかを見ます。濡れているなら、次の項の考え方で扱いを決めます。

照明・コンセントに水が来たら触らず、煙や焦げたにおいがあれば近づかずに119番

漏電とは、電気が本来の通り道(電線や器具の中)から外へ漏れ出すことです。水は電気を通すので、器具や配線が濡れると起こりやすくなります。公的資料で言えるのは、次のことです。

  • 水がかかった電気機器は漏電や火災の原因になる: 関東電気保安協会は、水がこぼれて電気機器にかかると漏電や火災などの原因になることがあるとしています。東京電力ホールディングスも、一度水に浸かった屋内配線や電気製品は漏電などの原因になるとして、使わないよう案内しています
  • 濡れた手で電気に触らない: 関東電気保安協会は、濡れた手で差し込みプラグなどを扱うのは危険だとしています。消費者庁は、肌が濡れていると体に電気が通りやすくなるため、濡れた手や口でコンセントやプラグに触れることは危険だと呼びかけています
  • 煙などの異常があれば、消防へ連絡する: 宮城県の消防の資料(水害向け)は、煙の発生などの異常を見つけたら直ちにブレーカーを落とし、最寄りの消防機関に連絡するよう求めています。雨漏りで分電盤や床が濡れている場所では、無理に近づかず、下の囲みのとおり119番へ連絡します
  • 器具や配線を自分で外したり直したりしない: 関東電気保安協会によると、家庭のブレーカーやコンセントの取替えなどは、第一種または第二種電気工事士でなければ作業できません

ただし、天井や壁からの雨水で照明やコンセント、分電盤に水が来たときの操作を直接書いた国・電力会社・電気保安協会・消防の資料は見当たりません。上の資料の多くは、台風・浸水・水害を想定したものです。ここから先は、上の事実をもとにした一般的な安全の考え方として読んでください。

照明器具やコンセントのまわりが濡れているとき(一般的な考え方)

  • 濡れた照明・コンセント・延長コード・家電のスイッチやプラグには触らない
  • 分電盤が濡れておらず、手足が乾いていて、足元も濡れていない所から安全に手が届くなら、ブレーカーを切ることも考えられる。少しでも不安があれば無理に触らない
  • 水がかかった家電は、乾いたように見えても電源を入れて試さない
  • 煙や焦げたにおいなどの異常があるときは、近づかずに119番へ連絡する
  • どう扱えばよいか迷うときは、電気工事店か、契約している電力会社に相談する

雨がやんで電気を戻すときも、急がないことが大切です。宮城県の資料(水害向け)は、電気を戻すときは漏水などで電気機器や配線が壊れていないかを確かめてから使うよう求め、外から見て傷んでいなくても、壁の中の配線が傷んでいて、電気を戻してから長い時間がたって火災になることがあると注意しています。雨漏りのあとに漏電ブレーカーが落ちた、上げてもすぐ落ちるというときの確かめ方は「ブレーカーが落ちた・上がらないときの確かめる順番|原因と漏電ブレーカーの戻し方」で整理しています。水が来た回路や器具があるうちは、むやみに戻さず電気工事店に相談します。関東電気保安協会は、漏電ブレーカーが頻繁に切れるときは契約先の電気の小売事業者に相談するよう案内しています。

写真とメモは、業者や管理会社に状況を伝えるために撮る

住まいるダイヤルは、雨漏りを相談するときに、雨漏りの状況(場所・どんな事象か・大雨の後か)を整理しておくことも重要だとしています。どこから・いつ・どのくらい漏れたかは、雨がやむと分かりにくくなります。片づける前に、次のものをスマートフォンで撮り、メモを添えておきます。

撮るもの 添えるメモ
部屋の全景(どの部屋のどのあたりか分かる引きの写真) 部屋の名前・何階か
天井や壁の水染み、水が落ちている所の寄りの写真 気づいた日時・落ちてくる速さ(ぽたぽた・筋になって流れる など)
窓まわり・サッシの水染み(上の方か下の方か) その日の雨の強さ・風の向き・雨が降り出してからの時間
濡れた家具・家電・床 移した物・ビニールで覆った物

台風や大雨など、災害で家が被害を受けたときは、写真にはもう1つの意味があります。内閣府(防災担当)のリーフレットは、修理などをする前にあらかじめ被害箇所の写真を撮るよう呼びかけ、外は4方向から、中は被害を受けた部屋ごとの全景と、壊れた所の寄りの写真を撮るよう案内しています。これは、災害による住宅の被害の程度を証明する「り災証明書」などの申請に向けた案内で、年数がたって起きた通常の雨漏りに当てはまるものではありません。災害のときの撮り方と申請の流れは「罹災証明書の申請の流れ|片づける前に撮る写真と、判定に納得できないときの再調査」にまとめています。外の写真は、どの場合も地上から撮ります。

「雨漏り修理を自分で」できるのは室内の手当てまでで、屋根・外壁・天井裏は業者に任せる

「雨漏り修理を自分で」と考えたとき、自分でできるのは、ここまでに書いた室内の手当てと記録までです。屋根や外壁を自分でふさぐことや、天井裏をのぞいて原因を探すことはしません。理由は、危ないことと、自分でふさいでも止まるとは限らないことの2つです。

自分でやること 業者に任せること
水を受ける・拭く・家財を移す 屋根・外壁・ベランダの外側の確認と修理
電気のまわりに触らない・異常時に119番 濡れた照明・コンセント・分電盤の点検と工事(電気工事店)
場所・時刻・雨の様子の写真とメモ 天井裏・屋根裏の確認と、原因の調査(散水試験など)
頼み先への連絡と、見積もりの比較 どこから入っているかの見立てと、直し方の提案

まず、危ないことです。住まいるダイヤルは、天井裏や屋根裏の確認は特に危険だとし、安全な足場がないときは無理をせず専門家に任せるよう書いています。内閣府が自治体向けに作った被災住宅の修理の手引きも、屋根の上での高い所の作業など危険を伴うものは、原則として修理業者に頼むよう住民に知らせることとしています。屋根の上に上るかどうかで迷っているなら、「屋根のブルーシートは自分で張っていい?上る前に確かめる3つと、点検商法の相談件数」で、上る前に確かめることを整理しています。

次に、自分でふさいでも止まるとは限らないことです。住まいるダイヤルの雨漏りの資料は、外から雨水が入った場所と、室内で雨漏りが見つかった場所が離れていることや、何か所もから入っていることがあるとしています。天井の水染みの真上をふさいでも、入り口が別の所にあれば雨漏りは続きます。原因の調査は、住宅事業者などの専門家が、水をかけて確かめる散水試験などで行うと同資料にあります。

修理の頼み先は、持ち家・賃貸・分譲マンションで最初の連絡先が変わる

結論から並べると、新築の持ち家は建てた住宅事業者、賃貸住宅は貸主か管理会社、分譲マンションの屋上・外壁などの共用部分は管理会社(管理組合)が最初の連絡先です。どれにも当てはまらない持ち家では、業者を自分で探し、複数の見積もりを比べて決めます。どこに頼むか迷うときは、平日の日中なら住まいるダイヤルに電話で相談できます。

業者を自分で探すとき、頼む前に確かめること

賃貸住宅やマンションの共用部分なら、業者を探す前に貸主や管理会社へ連絡します。持ち家で業者を探すときは、雨漏りの場所・時刻・雨の様子のメモと写真を用意し、見積もりを複数の業者で比べてから決めます。

全国雨漏りセンターは、madoguchi株式会社(東京都港区)が運営する、雨漏り修理の業者を紹介するサービスです。公式サイトでは、47都道府県に対応と案内しています。利用規約では、紹介する業者は最大3社で、どの業者を何社紹介するかは運営会社が決めるとしています。相談内容や物件の情報、雨漏り箇所の写真が紹介先の業者に渡り、業者から広告を含むメールなどが届くことがある、とも書かれています。工事の契約は紹介された業者と結ぶもので、運営会社は工事の内容や価格を保証しないと規約にあります。相談の流れの案内には「その場で決める必要はありません」とあります(2026年10月27日確認)。

全国雨漏りセンターの公式サイトで、相談の流れを見る

※見積もりは内訳を見て、できれば複数の業者で比べてから決めてください。屋根の上の確認は業者に任せ、自分では上らないでください。賃貸住宅・マンションの共用部分は、先に貸主や管理会社へ連絡してください。

住まい 最初の連絡先 よりどころ
新築で建てた・買った持ち家 建てた住宅事業者 住まいるダイヤル(新築時の住宅事業者へ連絡して相談)
それ以外の持ち家(中古で買った家など) 業者を自分で探し、複数の見積もりを比べる 住まいるダイヤル(複数の事業者から見積りをとる)
賃貸住宅(アパート・賃貸マンション・借家) 貸主・管理会社 民法606条(貸主の修繕の義務)・615条(借主の通知)
分譲マンション 管理会社・管理組合(屋上・外壁などの共用部分) 管理規約で受け持ちを確かめる
どこに頼むか迷うとき 住まいるダイヤル(電話相談) 国土交通大臣が指定した住宅の相談窓口

※住まいるダイヤル・国土交通省・e-Gov法令検索(民法)から整理(2026年10月27日確認)。

雨漏りの修理で最初に連絡する先の対応図。新築の持ち家は建てた住宅事業者、その他の持ち家は業者を探して複数の見積もり、賃貸住宅は貸主・管理会社、分譲マンションは管理会社・管理組合、迷ったときは住まいるダイヤル

新築の持ち家は、まず建てた住宅事業者に連絡する

住まいるダイヤルは、雨漏りと思われる不具合に気がついたら、まず新築時の住宅事業者へ連絡して相談するよう呼びかけています。原因の調査も、住宅事業者などの専門家が行うとしています。連絡するときは、写真とメモにまとめた場所・時刻・雨の様子を伝えます。この案内は、新築の木造戸建て住宅の雨漏りを扱った資料のものです。建てた事業者がいない中古の家や、連絡がつかない場合は、次の項のとおり業者を自分で探します。

それ以外の持ち家は、業者を自分で探して見積もりを比べる

中古で買った家などで、頼む先が決まっていないときは、業者を自分で探します。大切なのは、訪ねてきた業者ではなく、自分から連絡した業者に頼むことです。業者選びの手がかりの1つに、国土交通省の「住宅リフォーム事業者団体登録制度」があります。国が要件を満たすリフォーム事業者の団体を登録・公表する制度で、登録された団体は国土交通省のページに一覧が載っています(確認時点で16団体)。登録団体は相談の窓口を設け、構成員は契約のときに必要な書面を渡すことなどが求められています。ただし、これは団体を登録する制度で、個々の業者の工事の質や価格を国が保証するものではありません。

雨漏りの補償が受けられるかどうかは、加入している保険の契約先に確かめてください。

賃貸住宅は、業者を呼ぶ前に貸主・管理会社へ連絡する

賃貸住宅で雨漏りしたら、自分で業者を探す前に、貸主か管理会社へ連絡します。民法には、次の決まりがあります。

条文 書いてあること
民法606条1項 貸主は、住むために必要な修繕をする義務を負う。ただし、借主の責任で修繕が必要になったときは別
民法615条 修繕が必要なときは、借主は遅れずに貸主へ知らせなければならない(貸主がすでに知っているときを除く)
民法607条の2 借主が知らせた、または貸主が知っていたのに、貸主が相当の期間内に修繕しないとき、または急迫の事情があるときは、借主が修繕できる

※e-Gov法令検索の民法の条文から要約(2026年10月27日確認)。

雨漏りの修繕は、借主の責任による場合を除いて、貸主が行うのが原則です。そして借主には、遅れずに知らせる決まりがあります。連絡するときは、写真とメモを添えて、いつから・どこに・どのくらい漏れているかを伝え、連絡した日時と相手の名前を控えておきます。借主が自分で修繕できるのは、知らせても相当の期間内に直してもらえないときや、急迫の事情があるときです。誰がどこまで負担するかなど、条文より先の具体的な扱いは、契約書と貸主・管理会社との話し合いで確かめてください。

分譲マンションは、屋上や外壁が関わるなら管理会社・管理組合へ

分譲マンションでは、屋上や外壁など建物全体に関わる部分は、各住戸の持ち物ではない共用部分として扱われることがあります。天井や壁から雨水が出てきたら、自分で業者を呼ぶ前に、管理会社か管理組合に連絡します。どこが共用部分で、誰が修理を手配するかは、マンションの管理規約で確かめてください。上の階の住戸から水が来ている場合も考えられるので、雨漏りと決めつけずに状況を伝えます。

迷うときは、住まいるダイヤルに平日の日中に電話する

住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)は、国土交通大臣が指定した住宅専門の相談窓口で、建築士の資格を持つ相談員が電話で応じます。技術的な問題から法律的な問題まで相談できます。

項目 内容
電話番号 0570-016-100(ナビダイヤル)。一部のIP電話からは 03-3556-5147
受付時間 10:00〜17:00(土日・祝休日、年末年始の12月28日〜1月5日を除く)
相談できること 住まいの技術的な問題から法律的な問題まで。見積書の確認のサービスもある

※国土交通省・国民生活センター(2023年10月11日の報道発表)・住まいるダイヤルの公式ページから(2026年10月27日確認)。住まいるダイヤルのサイトでは 03-3556-5147 が案内されています。相談の条件は窓口で確かめてください。

受付は平日の日中だけなので、夜や休日に雨漏りしたときは、室内の手当てと記録を済ませておき、翌平日に電話します。

見積もりは内訳を見て複数社で比べ、その場で契約しない。訪問販売ならクーリング・オフは8日以内

「雨漏り修理の費用はいくらか」は気になるところですが、金額の相場を示した公的資料は見当たりません。雨漏りは原因の場所も直し方も家ごとに違うので、費用は見積もりで決まります。そのぶん、見積もりの見方が大切です。住まいるダイヤルは、悪質なリフォーム事業者への注意として、次のことを挙げています。

  • 複数の事業者から見積もりをとる。同業のプロがどう考えるかを比べると、工事の範囲や内容の相場も見えてくる
  • 複数社から見積もりをとることは、あらかじめ事業者に伝えておく
  • 「○○一式」のように中身が分からない項目は、できるだけ詳しい明細を事業者に求める
  • その場では契約しない。ひとりで悩まず相談する
  • 施工の前・途中・後の写真を撮って記録し、事業者との話は発言の内容をこまめに記録する

雨漏りの見積もりでは、どこから水が入っていると見たのか(原因の見立て)と、どこをどう直すのか(工事の範囲)が書かれているかも見ておきたいところです。複数の見積もりで原因の見立てが違うなら、その理由をそれぞれに聞きます。工事の前に、どんな調査をしたうえでの見積もりかも確かめます。

見積書の見方が分からないときは、契約前に見積チェックサービスを使う

住まいるダイヤルには、契約前のリフォーム工事の見積書を送ると、内容を確かめて電話で助言する「リフォーム見積チェックサービス」があります。使うときの条件は次のとおりです。

項目 内容
対象 契約前の見積書(契約書は対象外)
使えないとき 施工業者などとトラブルが起きているとき(電話相談を使う)
日程 ウェブで申し込んでから日程の案内まで3営業日程度。予約は最短で14日後以降
相談時間 最長60分

※住まいるダイヤル「リフォーム見積チェックサービス」から(2026年10月27日確認)。

予約まで日数がかかるので、今日の雨漏りの応急的な対応には向きません。急ぎでない本格的な修理を決める前に、見積もりを確かめる場として使います。

突然訪ねてきた業者とは、その場で契約しない

雨漏りや台風のあとは、「屋根が傷んでいる」と業者のほうから訪ねてくることがあります。国民生活センターは、突然訪問してきた業者には安易に点検させないようにし、屋根工事はすぐに契約せず、十分に検討したうえで契約するよう呼びかけています(2023年10月11日の報道発表)。同センターの「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」のページ(2026年7月31日更新)では、屋根に限らず分電盤や給湯器なども含む点検商法全体の相談が、2025年度に19,696件寄せられています(2026年5月31日現在の集計)。屋根工事の点検商法の年度ごとの件数は、屋根のブルーシートの記事で国民生活センターの公表値を載せています。

電気の点検をうたう訪問にも気をつけます。関東電気保安協会は、協会に似た名前を名乗って分電盤やブレーカーを点検し、高額な契約を持ちかける例に注意を呼びかけ、協会自身は電気工事を行わないとしています。国民生活センターは2026年9月16日、分電盤の点検商法の相談が2024年度の1,290件から2025年度は6,545件に増えたと公表し、法律で決まった点検では、点検のあとに分電盤の交換契約を持ちかけることはないとしています。雨漏りそのものの話ではありませんが、雨漏りで電気が心配なときほど、頼んでいない訪問者には点検させないことです。

訪問販売で契約してしまったときは、クーリング・オフ(一定の期間内なら契約を解除できる決まり)ができる場合があります。

項目 内容
期間 申込書面または契約書面のうち早く受け取った日から数えて8日以内(受け取った日を1日目と数える)
伝え方 書面か、電子メールなどの電磁的記録で通知する
効力が生じる時点 通知を出した時点。8日を過ぎて相手に届いてもかまわない
8日を過ぎても 契約書面に不備があるときや、事業者が妨害したときは、できる場合がある

※消費者庁「特定商取引法ガイド」と住まいるダイヤルの注意喚起ページから(2026年10月27日確認)。効力が生じる時点は住まいるダイヤルの記述によります。

自分の契約が当てはまるか分からない、不安があるというときは、消費者ホットライン「188」に電話します。最寄りの消費生活センターなどの相談窓口を案内してくれる全国共通の番号で、消費者庁に直接つながるものではありません。窓口につながった時点から通話料がかかります。

原因の当たりは、水染みの場所で雨漏りか結露・配管の水漏れかを分けてから業者に伝える

天井や壁が濡れていても、原因が雨とは限りません。住まいるダイヤルは、雨漏り以外の原因として、給排水や空調の設備の機器・配管からの水漏れ(エアコンのドレンホースの詰まりや外れなど)と、結露を挙げています。業者に伝えるときに役立つよう、同資料の見分け方を表にしました。

見えるもの 考えられる原因(住まいるダイヤル)
内壁・天井の水染みで、その裏側が屋外(外壁・屋根・バルコニーなど) 雨漏りの可能性が高い
窓や玄関ドアまわりの室内の枠の、上の方の水染み 雨漏りの可能性が高い
窓まわりの室内の枠の、下の方の水染み 窓ガラスの結露の可能性が高い
エアコンや水回りの近くの水染み 雨漏り以外の原因として、設備の機器・配管からの水漏れ(エアコンのドレンホースの詰まり・外れなど)が挙げられている
散水試験などでも原因が分からない 結露による水分のたまりの可能性もある

※住まいるダイヤル「住まいの雨漏り対策を考えましょう」(雨漏りが疑われる事象・結露)から整理(2026年10月27日確認)。

住まいるダイヤルの資料は、住宅は屋根・壁・窓・扉などの継ぎ目で雨水の入り込みへの対策が適切でないと、雨漏りのおそれが高まるとしています。事例として整理されている場所は、窓・ドアのサッシ、外壁、外壁と屋根のつなぎ目、屋根の棟(いちばん高い所)やけらば(端の部分)、天窓、バルコニー(床・立ち上がり・手すりの壁・排水口)です。この資料は新築の木造戸建て住宅の事例をもとにしたもので、資料自身も、集めた事例で確かめられなかった原因や場所は整理できていないと断っています。中古の家や鉄筋コンクリートの建物、マンションのすべてに当てはまる一覧ではありません。

点検の時期として、住まいるダイヤルの「雨漏りに気づいたら」のページは、雨の降っている日や翌日、台風や集中豪雨のあとにチェックするとよいとしています。家の中から見られる天井・壁・窓まわりの水染みを、雨のあとに見ておくと、業者に伝えられる情報が増えます。バルコニーの排水口の詰まりも事例に挙がっていて、ふだんの掃除の範囲は「台風前のベランダの片づけ|物干し竿と排水溝、順番を決めれば10分で終わる」で書いています。窓まわりの台風の備えは「台風の窓ガラス対策|養生テープは効くのか、フィルム・雨戸との使い分け」にあります。どちらも、手すりから身を乗り出す、脚立で高い所に上るといった作業はしません。

そなえぐらし管理人
雨漏りは、雨がやむと跡しか残らないのがやっかいなところです。水が落ちている最中の写真と「何時ごろ、どんな雨で」という一言のメモがあると、業者にも管理会社にも話が早く伝わると思います。

この記事の手順が当てはまらないケース

  • 台風で屋根の瓦や板金が飛んだ: 室内の手当ては同じですが、屋根の被害の写真の撮り方や、ブルーシートを張るかどうかの判断は、上で紹介した屋根のブルーシートの記事を見てください
  • 川の水や道路の水が家に入ってきた(浸水): 雨漏りとは別の水害です。電気の扱いや片づけの前の写真など、浸水のときの注意を優先してください
  • 雨が降っていないのに天井から水が出る: 配管からの水漏れの可能性があります。マンションや集合住宅なら、上の階の住戸からのこともあるので、管理会社か貸主へ連絡します
  • 照明・分電盤から煙が出ている、焦げたにおいがする: 雨漏りの手当てより先に、近づかずに119番へ連絡します

よくある質問

Q. 雨漏りは自分で直せますか?

自分でできるのは、水を受ける・拭く・家財を移す・写真とメモを残す、という室内の手当てまでです。屋根・外壁・天井裏は業者に任せます。住まいるダイヤルは天井裏や屋根裏の確認は特に危険だとしていて、外から雨水が入った場所と室内で漏れた場所が離れていることもあるため、自分でふさいでも止まるとは限りません。

Q. 夜や休日に雨漏りしたら、どこに連絡すればいいですか?

住まいるダイヤルの電話受付は平日10:00〜17:00です。夜や休日は、室内の手当てと写真・メモを済ませ、賃貸なら貸主か管理会社へ、新築の持ち家なら建てた住宅事業者へ連絡します。照明や分電盤から煙が出ている、焦げたにおいがするときは、時間に関係なく119番へ連絡します。

Q. 賃貸で雨漏りしたら、修理は誰がしますか?

民法606条で、住むために必要な修繕は貸主がするのが原則です(借主の責任で修繕が必要になったときは別)。民法615条で、借主は遅れずに貸主へ知らせなければなりません。自分で業者を呼ぶ前に、写真を添えて貸主か管理会社へ連絡してください。

Q. 天井のシミは雨漏りですか、結露ですか?

住まいるダイヤルは、内壁や天井の水染みで、その裏側が屋外(外壁・屋根・バルコニーなど)なら雨漏りの可能性が高いとしています。窓まわりの枠では、上の方の水染みは雨漏り、下の方の水染みは結露の可能性が高いとしています。エアコンのドレンホースなど、配管からの水漏れのこともあります。

Q. 雨漏り修理の費用の相場はいくらですか?

金額の相場を示した公的資料は見当たりません。費用は原因の場所と直し方で決まるので、複数の業者の見積もりを、内訳と原因の見立てで比べます。「○○一式」の項目は明細を求め、見方が分からなければ、契約前に住まいるダイヤルの見積チェックサービスを使えます。

Q. 突然来た業者に「屋根が傷んでいる」と言われました。

国民生活センターは、突然訪問してきた業者には安易に点検させず、屋根工事はすぐに契約しないよう呼びかけています。その場では契約せず、不安があれば消費者ホットライン188へ。訪問販売で契約した場合は、書面を受け取った日から数えて8日以内ならクーリング・オフができることがあります。

まとめ: 雨漏りの応急処置は室内まで。頼み先は住まいで決まり、見積もりは比べてから

雨漏りに気づいたら、まず電気の近くかを見て、濡れた手で照明・コンセント・分電盤に触らないこと。煙や焦げたにおいがあれば119番です。そのうえで、水を受ける・拭く・家財を移す・写真とメモを残す、の順に室内で手を打ちます。屋根や天井裏には上りません。

  1. 電気のまわりを確かめる濡れた器具には触らず、異常があれば119番へ
  2. 受ける・拭く・移すバケツで受け、床を拭き、家具・家電を濡れない場所へ
  3. 写真とメモを残す場所・時刻・雨の様子。災害のときは修理・片づけの前に
  4. 最初の連絡先に連絡する新築の持ち家は建てた事業者、賃貸は貸主・管理会社、分譲マンションは管理会社
  5. 見積もりを比べて決める内訳と原因の見立てを見て、その場で契約しない

今日やることは1つ、雨漏りの場所と様子を写真に撮り、最初の連絡先に電話することです。

参考・出典

  • 住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター) 雨漏りが疑われる事象・雨漏りに気づいたら https://www.chord.or.jp/amamori/leak/index.html (2026年10月27日確認)
  • 住まいるダイヤル 住まいの雨漏り対策を考えましょう https://www.chord.or.jp/amamori/index.html / 結露 https://www.chord.or.jp/amamori/dew/index.html (2026年10月27日確認)
  • 住まいるダイヤル 悪質なリフォーム事業者にご注意ください https://www.chord.or.jp/caution/index.html (2026年10月27日確認)
  • 住まいるダイヤル 相談のご案内 https://www.chord.or.jp/consult/index.html (2026年10月27日確認)
  • 住まいるダイヤル リフォーム見積チェックサービス https://www.chord.or.jp/reform/index.html (2026年10月27日確認)
  • 国土交通省 住宅リフォーム事業者団体登録制度 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000090.html (2026年10月27日確認)
  • e-Gov法令検索 民法 第606条・第607条の2・第615条 https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=129AC0000000089;article=606 / https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=129AC0000000089;article=607_2 / https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=129AC0000000089;article=615 (2026年10月27日確認)
  • 内閣府(防災担当) リーフレット「災害時の被災されたみなさまへ」(令和8年6月作成) https://www.bousai.go.jp/oyakudachi/pdf/202606_kyuujo_d_A2.pdf (2026年10月27日確認)
  • 内閣府 被災した住宅の修理に係る事前準備及び発災時対応のための手引き(令和3年5月) https://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/pdf/shuuri_zenpen.pdf (2026年10月27日確認)
  • 東京電力ホールディングス 台風・降雪のときは? https://www.tepco.co.jp/disaster/taifu_kousetu.html (2026年10月27日確認)
  • 関東電気保安協会 災害に備えて https://www.kdh.or.jp/safe/lesson/e_accident/e_accident_d/index02.html / 電気機器の正しい使い方 https://www.kdh.or.jp/safe/lesson/e_accident/e_accident_d/index01.html / よくあるご質問 https://www.kdh.or.jp/safe/faq.html (2026年10月27日確認)
  • 消費者庁 子ども安全メール Vol.616(2023年1月18日) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20230118/ (2026年10月27日確認)
  • 宮城県 通電火災に注意 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/syoubou/yoboutaisaku.html (2026年10月27日確認)
  • 国民生活センター 訪問販売によるリフォーム工事・点検商法(2026年7月31日更新) https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/reformtenken.html (2026年10月27日確認)
  • 国民生活センター 報道発表「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」(2023年10月11日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20231011_1.html (2026年10月27日確認)
  • 国民生活センター 報道発表 分電盤の点検商法(2026年9月16日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260916_2.html (2026年10月27日確認)
  • 消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問販売 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/ (2026年10月27日確認)
  • 消費者庁 消費者ホットライン https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ (2026年10月27日確認)
  • 全国雨漏りセンター 公式サイト https://amamori-center.com/ / 利用規約 https://amamori-center.com/terms / madoguchi株式会社 会社概要 https://madoguchi.inc/about/ (2026年10月27日確認)
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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直しています。記事は、国・自治体の資料とメーカーの公表値を1つずつ開いて確かめて書いています。自分で使っていない商品を、使ったようには書きません。

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