災害ごみの出し方|環境省の分別区分と、片づけを始める前に決めておく3つ

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揺れがおさまって、水が引いて、玄関を開ける。濡れて重くなった畳、脚の折れた棚、動かなくなった洗濯機が、部屋から廊下へあふれている。とにかく外へ出したい――そう思ったときに最初にぶつかるのが「これ、いつものごみ置き場に出していいの?」という疑問だと思います。答えを先に置きます。災害で壊れたものや水に浸かったものは、普段のごみ集積所には出しません。市区町村が開設する仮置場へ持ち込むのが原則です。環境省の資料でも「生活ごみは一次仮置場に出さないで!」と、逆向きの注意まで含めて二系統で示されています(環境省近畿地方環境事務所「災害ごみの扱い方について」2026年8月20日確認時点)。

ここでつまずきやすいのが、「災害が起きたら家から出るごみは全部“災害ごみ”になる」と思ってしまうこと。実際には、台所から毎日出る生ごみは災害の前も後も生活ごみのままです。災害ごみと呼ばれるのは、片付けごみとがれき類のほう。同じ日に同じ家から出ても、行き先が二手に分かれるという点が、この話のいちばんの骨格になります。

そしてもう一つ。災害廃棄物の処理主体は市区町村等である、と環境省の指針にはっきり書かれています。つまり、仮置場をどこに、いつ、どんな受付方法で開くかを決めるのは、あなたの住む市区町村です。この記事では環境省の指針が示す「全体の骨組み」を出典つきで整理しますが、最終的な分別や搬入の可否はお住まいの市区町村の案内が優先します。告知が届く前に、動ける準備だけ整えておく――そういう使い方をしてもらえたらと思います。

この記事でわかること

  • 「生活ごみ」と「片付けごみ」の行き先が分かれる理由と、家から出るものの振り分け早見表
  • 片づけに手をつける前に決めておく3つ(写真・分ける場所・出さない物の確認)
  • 環境省の指針が示す仮置場の分別区分9つ(技術資料番号・改定年月つき)
  • 仮置場に出してはいけない危険物と、火災につながる物のチェックリスト

なお、この記事は「ごみ」に絞った話です。地震のあとに何から手をつけるかという全体の段取りは地震の備えリスト|家具の固定と備蓄を1枚で点検する家庭のチェック表にまとめてあるので、片づけの前後をつなげて見たいときはそちらから戻ってきてください。

目次

「生活ごみ」と「片付けごみ」は別物である

片付けごみとは、被災した家の中から出る、壊れた家具や家電、水に浸かった畳などのことである――環境省の資料では、災害ごみを「片付けごみとがれき類からなります」と説明しています。一方の生活ごみは、災害があってもなくても毎日出る、いつものごみ。この2つは同じ袋にも同じ山にも混ざりません。

いつものごみは、いつもの出し方のまま。片付けごみは仮置場へ。言葉にすると当たり前に見えますが、片づけの最中はこれが一気にあいまいになります。畳を運び出すついでに、キッチンの生ごみ袋も一緒に積んでしまう。逆に、壊れた小物を燃えるごみ袋に入れて集積所へ持っていく。どちらも起こりやすい取り違えです。

家から出るもの どちらの系統か 出す先の考え方 確認すること
台所から毎日出る生ごみ、食べたあとの容器 生活ごみ いつものごみ集積所へ 収集が動いているかどうか
使用した簡易トイレキット、おむつ 生活ごみ 可燃ごみとして出すことができる、とされています 自分の地域の可燃ごみの日
水に浸かった畳、壊れた家具、動かない家電 片付けごみ(災害ごみ) 市区町村が開設する仮置場へ 仮置場の開設状況と受付方法
建物が壊れて出た木材やコンクリート片 がれき類(災害ごみ) 市区町村の案内に従う 解体との関係、搬入の可否
電池、ボンベ類、消火器、灯油 どちらでもない 個別の収集・処理ルートへ回すよう指針が定めています 販売店・メーカーへの依頼先
災害で壊れた物かどうかで生活ごみと片付けごみに振り分ける分岐図

表のうち2行目、使用済みの簡易トイレについては、環境省の資料に「使用した簡易トイレキットやおむつは可燃ごみとして出すことができます」という記述があります。ただ、断水が続くあいだの置き場所や、においとの付き合い方といった実務は、それだけで一本ぶんの話になる。使用済みの携帯トイレの扱いは使った簡易トイレはどう保管して捨てる?ごみ収集が止まる期間の置き場所と分別に委ねます。

そなえぐらし管理人

正直なところ、片づけの最中に「これはどっち?」といちいち考えるのは無理です。だから最初に、家の外に置き場を2つ作ってしまうのが早い。いつものごみ袋を置く場所と、仮置場へ運ぶものを積む場所。判断を減らす仕掛けを、手を動かす前に用意しておく感じですね。

集合住宅の場合は、この「置き場を2つ作る」が自分の一存では決められません。共用のごみ置き場に片付けごみを積み上げてしまうと、住んでいる人全員の生活ごみの出し先がふさがります。どこに何を積むか、いつ運び出すかは住民のあいだで決めておく必要がある話で、そういう合意はふだんの訓練の場でしか作れません。集合住宅の防災の話し合いで何を確かめるかはマンションの防災訓練で住民が確かめること|年2回の義務は共同住宅にはないで扱っています。

片づけを始める前に決めることが3つある

片づけ前の準備とは、ごみを運び出す前に「戻せなくなるもの」を先に確保しておく作業のことである。運び出してしまってから気づいても、もう元には戻りません。決めるのは次の3つです。

  1. 家の被害状況を写真に撮る。政府広報オンラインは、住まいが被害を受けたとき最初にすることとして「家の被害状況を写真に撮っておくことです。市区町村から罹災証明書を取得して支援を受ける際や、損害保険を請求する際などに役に立ちます」と案内しています(取材協力:内閣府防災担当、2026年8月20日確認時点)。片づけが進むほど、撮り直しはきかなくなります。
  2. 分けて積む場所を決める。家の前か、駐車場か、共用部のどこか。1か所にまとめて積むと、あとで区分ごとに分け直す作業が発生します。運び出す動線の途中に置かないことも大事。
  3. 出してはいけない物を先に抜く。電池やボンベ類は、山に混ざってから探すのがいちばん大変です。片づけを始める前に家の中を一周して、別の箱にまとめておく。この項目の中身は次の章で一覧にします。

1つめの写真については、何をどの角度から撮るか、いつまでに撮るかで細かい作法があります。撮る対象や申請の流れは罹災証明書の申請の流れ|片づける前に撮る写真と、判定に納得できないときの再調査に委ねます。ここでは「片づけより先に撮る」という順番だけ持ち帰ってもらえれば十分です。

作業中のけが・粉じん・アスベストについて
環境省の技術資料は、仮置場での作業について「作業は安全・衛生面に配慮した服装で行うものとし、防塵マスク、保護メガネ、安全靴等、必要な保護具を用意する」とし、資機材リストにも「保護マスク、めがね、手袋、安全(長)靴、耳栓」を挙げています(用途:安全対策、アスベスト吸引防止/技術資料【技17-1】令和5年1月改定)。厚生労働省の浸水家屋向けリーフレットも「清掃中のケガ予防に手袋を着用」「ほこりを吸わないようにマスクを着用」「清掃が終わったらしっかり手洗い」と呼びかけています。アスベストについては「家屋解体の段階で対処すべき」とされており、建材の判断を個人で行うものではありません。作業中の安全に関する具体的な判断は、環境省・厚生労働省およびお住まいの市区町村の案内に従ってください。

マスクの規格について、確認できませんでした
「防じんマスクはDS2以上を」といった規格の指定があるのかを調べましたが、環境省・厚生労働省の原典では「防塵マスク」「マスク」という表現にとどまり、規格を名指しした記載は見当たりませんでした(2026年8月20日確認時点)。規格を選ぶ必要があるかどうかは、作業内容によって変わる可能性があります。判断に迷う場合は、市区町村の窓口や作業を依頼する事業者に確認してください。

浸水した家では、この「片付けごみ」の量が想像を超えて増えます。床上まで水が来れば、畳も、家具も、家電も、押し入れの中身も、まとめて外へ出ることになる。地震の備えに何を足すかという視点で、浸水想定エリアの家庭向けに整理したのが水害の備蓄品リスト|浸水想定エリアで地震の備えに足す7つです。

環境省の指針が示す分別区分は9つである

仮置場の分別区分とは、持ち込まれた災害廃棄物を、その後の処理先ごとに山を分けておくための区切りのことである。環境省の資料では、仮置場の分別区分の例として次の9つが示されています。

番号 区分 同じ性質でまとまっているところ 出す前に確認すること
可燃物 燃えるものが、大きさで2つに分かれている 区分の呼び方と受け入れの可否は市区町村ごとに異なります。必ずお住まいの市区町村の案内で確認してください。
可燃性大型ごみ
単独で1区分が立てられている
木くず 単独で1区分が立てられている
不燃物 燃えないものも、大きさで2つに分かれている
不燃性大型ごみ
金属くず 単独で1区分が立てられている
廃家電 単独で1区分が立てられている
土砂 土砂災害時は、これに廃棄物混入土砂を追加

出典は環境省近畿地方環境事務所「仮置場の選定及び運営管理方法の手引き」令和5年度の表3-1で、そこにさらに出典として「災害廃棄物対策指針 技術資料【技18-3】令和5年1月改定」と記されています(2026年8月20日確認時点)。指針の本体は「災害廃棄物対策指針(改定版)」平成30年3月が最新の改定版で、その下に個別の技術資料がぶら下がる構造。技術資料のほうが新しい年月で改定されているのは、そういう関係だからです。

この9つを眺めると、区分の作り方の癖が見えてきます。燃えるか燃えないかで割ってから、それぞれを大きさで割る。そのうえで、畳・木くず・金属くず・廃家電という「処理先がはっきりしているもの」が独立して立っている。だから片づけの現場でやることは、細かい分類ではなく「燃えるか・燃えないか」「手で持てるか・持てないか」という粗い仕分けから入るのが自然、という読み取り方ができます。ただし実際にどの山へ入れるかを決めるのは市区町村なので、現地の表示に従ってください。

⑧廃家電のうち4品目は、別の法律が関わります
家電リサイクル法(正式名称は「特定家庭用機器再商品化法」)の対象は、エアコン、テレビ(ブラウン管・液晶/プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目です(経済産業省「家電4品目の『正しい処分』早わかり!」2026年8月20日確認時点)。災害時にこの4品目をどう扱うかは市区町村の案内によって変わるため、運び出す前に確認してください。

仮置場に出してはいけないものがある

個別有害・危険製品とは、仮置場の山に混ぜず、それぞれの収集・処理ルートへ回すよう定められている物のことである。環境省の技術資料【技1-20-15】「個別有害・危険製品の処理」(平成26年3月31日作成)は、次のような物を個別のルートへ回すよう規定しています。

山に混ぜない物と、その行き先(環境省 技1-20-15より/2026年8月20日確認時点)

  • 電池類(リチウムイオン電池を含む)/カーバッテリー … 個別の収集・処理ルートへ
  • 灯油・ガソリン・エンジンオイル/有機溶剤 … 個別の収集・処理ルートへ
  • ガスボンベ … 引取販売店への返却を依頼する
  • カセットボンベ・スプレー缶 … 使い切ってから穴をあけ、燃えないごみとして排出する
  • 消火器 … 購入店・メーカー・廃棄物処理許可者に依頼する

この中でいま特に注意が呼びかけられているのが、リチウムイオン電池です。環境省は「リチウムイオン電池総合対策パッケージ」を策定し、2030年までにリチウムイオン電池に起因する重大火災事故ゼロを目指す方針を示しています。令和7年9〜12月を「火災防止強化キャンペーン」、11月を「火災防止月間」として周知・啓発を行う、という発表も出ています(環境省報道発表資料、2026年8月20日確認時点)。

厄介なのは、リチウムイオン電池が「電池の顔」をしていないこと。モバイルバッテリー、コードレス掃除機、電動アシスト自転車のバッテリー、加熱式たばこ、光る子どものおもちゃ。壊れた家電を山に積むとき、その中に電池が入ったままかどうかを外から見分けるのは難しい。だから、片づけを始める前に一周する時間が効いてきます。

片づけ前のチェックリストとして、この形で使ってください。

  • モバイルバッテリーや充電式の家電を、山に積む前に抜き出したか
  • 車庫や物置のカーバッテリーを、別の場所へ移したか
  • 灯油の残ったポリタンク、エンジンオイル、シンナー類の缶を分けたか
  • キャンプ用や暖房用のガスボンベ、カセットボンベを分けたか
  • 家庭用の消火器を、山に混ぜていないか
  • スプレー缶を、中身が入ったまま燃えないごみに入れていないか

仮置場で火が出ると、片づけ全体が止まります
環境省の手引きは、仮置場の火災防止対策として「木くずや可燃物は、高さ5m以上(たたみは2m以上)積み上げを行わないようにする等、火災発生を予防する」と定めています(技術資料の運用にもとづく記載/2026年8月20日確認時点)。5mというと、2階建ての住宅の屋根に手が届くくらいの高さ。畳の2mは、大人が手を伸ばしてやっと届くあたりです。積み方にまで基準があるという事実は、そこに何が混ざると困るのかを裏側から教えてくれます。

なお、ここに挙げた物が「絶対に受け入れられない」と決まっているわけではなく、市区町村によっては別の窓口や別の日程で回収を行う場合があります。搬入できるかどうかの最終的な判断は市区町村が行います。迷ったら、山に積む前に問い合わせてください。

在宅避難中のごみは、出す先が戻るまで家の中でたまる

在宅避難とは、家が使える状態のときに避難所へ移らず自宅で生活を続けることである。このとき、生活ごみだけは毎日きっちり出続けます。人が生きているかぎり止まらない一方で、収集車のほうは道路の状況や職員の被災で止まりうる。ここに時間差が生まれます。

収集がいつ通常どおりに戻るのか、全国一律の目安があるかを調べましたが、国が全国一律に示す数値は確認できませんでした。環境省の地方環境事務所が公開する自治体向け説明資料に「発災後、3日以内にごみの通常収集再開を目指す」という記述はありますが、これは個別の自治体が自分の計画に書いている目標例であって、どの地域にも当てはまる数字ではありません(2026年8月20日確認時点)。「3日で戻るはず」という前提で在宅避難の計画を立てないほうが安全です。

実際、同じ資料には「すぐに出さなくても良い資源ごみ等は、しばらく家で保管することを市民の皆さまにお願いすることもあります」という記述もあります。つまり、収集が動きはじめても、全部の品目が同時に戻るとはかぎらない。家の中に、ごみを一時的に置いておく場所を最初から見込んでおくという設計が要るわけです。在宅避難が成立する条件と、人数×日数で必要量を出す考え方は在宅避難の準備リスト|成立する3つの条件と、人数×日数でわかる水・トイレの必要量早見表にまとめてあります。

生ごみそのものの保管方法は、確認できませんでした
密閉容器を使う、保冷剤を当てる、といった生ごみ単体の家庭内保管方法について、環境省・内閣府の一次情報を探しましたが、具体的に指示する記載は見つかりませんでした(2026年8月20日確認時点)。使用した簡易トイレキットやおむつを可燃ごみとして出せる、という記述は確認できています。生ごみの扱いについては、お住まいの市区町村の案内で確認してください。

密閉して一時保管するための袋を、備蓄の側に入れておく

置き場所を見込むといっても、ベランダや玄関にごみ袋を積み上げるだけでは、暑い季節に持ちこたえられません。夏場に数日ぶんとなると、量よりも「開け閉めのたびに広がるもの」のほうが生活を削ってきます。そこで、ふだんの備蓄リストに密閉して一時保管するための袋を一項目足しておくと、収集が止まった日の手数が減ります。

その用途で使いやすいのが、クリロン化成の「BOS」シリーズの袋です。今回挙げるのはBOS 臭わない袋 ストライプ L 90枚。商品名のとおり「臭わない袋」という名前のシリーズで、Lサイズが90枚入っています。1枚ずつ口をしばって密閉し、一時保管するという使い方に向いた形で、枚数の考え方も分かりやすい。1日3枚使う家庭なら90枚は1か月ぶんに届くかどうか、という換算になります。おむつ・ペット用品・生活ごみと用途をまたいで消費するので、実際にはもっと早くなくなる前提で見ておくと安心です。仕様やサイズの詳細はクリロン化成の公式製品ページで確認してください。

そなえぐらし管理人

備蓄って、水と食料の話になりがちなんですよね。でも実際に生活を止めにくる順番でいうと、「出せないごみが家の中にたまる」は水や食料と同じくらい早い。袋は場所を取らないので、備蓄の隙間に押し込んでおけるのも助かるところです。

当てはまらないケースもある

ここまでの話は、被災した家庭から出るごみを前提にしています。次のようなケースは、同じ扱いにならないのが一般的です。

  • 事業所・店舗・事務所から出るごみ … 家庭ごみとは処理の仕組みが異なるため、仮置場の対象外とされることがあります
  • 他の市区町村からの持ち込み … 仮置場はその市区町村の住民のために開設されるため、搬入条件が設けられるのが通例です
  • 災害と関係のないごみ … 環境省の指針は「便乗ごみ」を「災害廃棄物の回収に便乗した、災害とは関係のない通常ごみ、事業ごみ、危険物など」と定義し、市区町村が平時から住民に「便乗ごみの排出、混乱に乗じた不法投棄及び野焼き等の不適正な処理の禁止」を啓発するよう定めています(災害廃棄物対策指針 平成30年3月改定版/2026年8月20日確認時点)

この3つは、いずれも「線引きが市区町村ごとに置かれる」タイプの話です。片づけの前に家の中を一周するときに、事業で使っていた物と家庭の物が同じ場所にある家は、そこを分ける手間を計算に入れておくと後が楽になります。

よくある質問

Q. 災害で壊れた家具を、いつものごみ集積所に出してもいいですか?

A. 環境省の資料は「生活ごみは一次仮置場に出さないで!」と示す一方で、片付けごみ・がれき類は一次仮置場へ、という二系統の流れを示しています。壊れた家具は片付けごみにあたるため、集積所ではなく仮置場が原則の行き先になります。ただし、仮置場をいつどこに開くか、どんな受付方法にするかを決めるのは市区町村です。お住まいの市区町村の案内を確認してください。

Q. 仮置場が開く前に、家の外に出しておいてもいいですか?

A. 開設前の一時的な置き方については、市区町村ごとに案内が異なります。道路や共用部に積むと通行や消火活動の妨げになる可能性があるため、自己判断で置き場所を決めず、市区町村の案内を待つのが安全です。待つあいだにできるのは、写真を撮ること、危険物を抜き出すこと、燃えるもの・燃えないものの粗い仕分けをしておくことでしょう。

Q. 電池が入ったままの家電を、そのまま持ち込んでもいいですか?

A. 環境省の技術資料は、電池類(リチウムイオン電池を含む)を個別の収集・処理ルートへ回すよう規定しています。リチウムイオン電池については、環境省が「リチウムイオン電池総合対策パッケージ」で2030年までに重大火災事故ゼロを目指す方針を示すなど、火災防止の呼びかけが強められている状況です。取り外せるものは外し、外せない場合の扱いは市区町村に確認してください。

Q. ごみの収集は、災害からどのくらいで元に戻りますか?

A. 全国一律の目安となる国の基準は確認できませんでした。ある自治体の計画に「発災後、3日以内にごみの通常収集再開を目指す」という目標例が記載されている資料はありますが、これは個別自治体の目標であり、どの地域にも当てはまる数字ではありません。再開の見通しは市区町村の発信で確認してください。

Q. 片づけのとき、どんな服装をすればいいですか?

A. 環境省の技術資料は仮置場の作業について「防塵マスク、保護メガネ、安全靴等、必要な保護具を用意する」とし、厚生労働省のリーフレットは浸水した家屋の清掃に手袋とマスクの着用、作業後の手洗いを挙げています。マスクの規格(DS2等)を名指しした記載は、確認できた原典には見当たりませんでした。作業内容ごとの判断は、公的機関および市区町村の案内に従ってください。

まとめ:今日やることは1つだけ

災害ごみの出し方でいちばん取り返しがつかないのは、分別を間違えることではありません。片づけてしまってから、被害を証明する材料が残っていないと気づくことです。分別は現地で直せますが、運び出した畳の写真はもう撮れない。だから今日のうちにやることを1つだけ選ぶなら、スマホのカメラで撮る順番を頭に入れておくこと、になります。

  1. 撮る。片づけに手をつける前に、家の被害状況を写真で記録する。罹災証明書と保険の請求で使う材料になります。
  2. 分ける。いつものごみ袋を置く場所と、仮置場へ運ぶものを積む場所を、家の外に2つ作る。
  3. 抜く。電池・ボンベ・消火器・灯油を、山に積む前に別の箱へまとめる。火が出れば片づけ全体が止まります。

そのうえで、市区町村の発信を確認する。仮置場の場所も、受付の時間も、分別の呼び方も、決めるのはそこです。この記事の9区分は「だいたいこういう並びで分かれる」という下地として持っておいて、現地の表示が出たらそちらへ上書きしてください。

使用済みの簡易トイレの保管と処分は、使った簡易トイレはどう保管して捨てる?ごみ収集が止まる期間の置き場所と分別でまとめています。

参考・出典

  • 環境省「災害廃棄物対策指針(改定版)」平成30年3月(環境再生・資源循環局災害廃棄物対策室) https://www.env.go.jp/content/900536548.pdf (2026年8月20日確認)
  • 環境省近畿地方環境事務所「仮置場の選定及び運営管理方法の手引き」令和5年度(表3-1/出典:災害廃棄物対策指針 技術資料【技18-3】令和5年1月改定、【技17-1】令和5年1月改定) https://kinki.env.go.jp/content/000327264.pdf (2026年8月20日確認)
  • 環境省「災害廃棄物対策指針 技術資料【技1-20-15】個別有害・危険製品の処理」平成26年3月31日作成 https://www.env.go.jp/recycle/waste/disaster/dwasteguideline/pdf/parts/gi1-20-15.pdf (2026年8月20日確認)
  • 環境省近畿地方環境事務所「災害ごみの扱い方について」(資料1-1) https://kinki.env.go.jp/content/000125394.pdf (2026年8月20日確認)
  • 環境省「リチウムイオン電池総合対策パッケージの策定について」(報道発表資料) https://www.env.go.jp/press/press_02192.html (2026年8月20日確認)
  • 環境省「リチウムイオン電池による火災防止強化キャンペーンについて」(報道発表資料) https://www.env.go.jp/press/press_00560.html (2026年8月20日確認)
  • 経済産業省「家電4品目の『正しい処分』早わかり!」(家電リサイクル法) https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/kaden_recycle/fukyu_special/ (2026年8月20日確認)
  • 政府広報オンライン「災害で住まいが被害を受けたとき 最初にすること~被害状況を写真で記録する~」(内閣府大臣官房政府広報室、取材協力:内閣府防災担当) https://www.gov-online.go.jp/prg/prg22018.html (2026年8月20日確認)
  • 厚生労働省「浸水した家屋の感染症対策」リーフレット https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001149192.pdf (2026年8月20日確認)
  • クリロン化成 BOS 公式製品ページ(ストライプ) https://bos-bos.com/product/stripe/ (2026年8月20日確認)
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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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