備蓄はいくらかかる?予算3,000円・1万円・3万円で買う順番

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備蓄にかかる額は、人数と家にある物で変わります。大人1人なら、3,000円でトイレ3日分、1万円で水と足りない食事まで届く見当です。4人家族は3,000円だとトイレが1日分に届かず、トイレと水の3日分だけで1万円を超えます。どの額でも、家の物を数えてから、トイレ→水→食事→熱源→明かりの順に足します。

防災庁は2026年11月2日の緊急要請で、「最低3日間、できれば1週間分の水や食料を備蓄してください。」と呼びかけました(防災庁「事前防災徹底のための緊急要請」・2026年11月3日確認)。全部を一度に買えなくても、いまの予算でどこまで届くかは先に見えます。

目次

予算ごとに、どこまでそろう?

下の表は、店の税込価格を当てはめた「この段でそろう量の見当」です。家に同じ物があれば、その分だけ先の段へ進めます。

物差しは、大人1人の3日分が水9L・9食・トイレ15回、4人なら水36L・36食・トイレ60回です。人数別の量と、米やカップ麺を何食に数えるかは3日分のリストにまとめています。

予算の段 大人1人 4人家族
0円 家の物を数える 家の物を人数分で数える
3,000円 携帯トイレ15回=3日分 携帯トイレ15回=1日に届かない
1万円 トイレ3日分、水12L、ボンベ3本、足りない食事 トイレ30回(1.5日分)、水24L(2日分)、ボンベ3本
3万円 コンロ、明かり、電池を足し、水とトイレを1週間分へ トイレと水の3日分、ボンベ12本、明かり1つ、コンロか足りない食事
それ以上 食事と熱源も1週間分へ、持ち出し用、電源 水とトイレを1週間分へ、持ち出し用、電源
予算の段(0円・3,000円・1万円・3万円・それ以上)と、それぞれの段で買うもの(家の物を数える・携帯トイレ・水とボンベ・コンロと明かり・1週間分と持ち出し用)の対応図

1人と4人で買い方が変わるのは、1万円の段です。1人は品目を1つずつ満たしていけます。4人は同じ額で1品目も満たしにくいので、トイレと水を半分ずつ持ちます。トイレ3日分だけに使うと、水が数本しか残らないからです。

表の金額は、何を基にしている?

表の見当は、次の数点の価格から出しています。どれもヨドバシ.comの2026年11月3日の税込表示で、日によって変わる数字です。店や時期が違えば、同じ段でも届く量は前後します。

品目 量 税込の目安 換算(当サイトの計算)
BOS 非常用トイレセット 15回分 2,600円 1回 約173円
BOS 非常用トイレセット 30回分 4,500円 1回 150円
BOS 非常用トイレセット 50回分 7,560円 1回 約151円
サーフビバレッジ 長期保存水 2L×6本 1,650円 1箱で12L
イワタニ カセットガス CB-250-OR 3本 843円 1本 281円
イワタニ タフまるJr. 1台 7,270円 —
パナソニック BF-BL45M 1台 5,130円 電池は別

岩谷産業のメーカー希望小売価格は、CB-250-OR(3本組)で税込1,584円です。表の843円より高く売る店もあるので、買う店の表示で確かめてください。品目を全部足した初期費用が知りたい方は、統計の小売価格で計算したローリングストックの初期費用を見てください。

買う前に、家の何を数える?

0円の段です。人数分の必要量から家にある分を引くと、買い物の額が決まります。棚や押し入れの物を1か所に並べて、次の項目を書き出します。

  • 水:2Lボトルの本数。お茶なども一緒に
  • 主食:パックご飯、カップ麺、乾麺、米
  • 携帯トイレ・簡易トイレ:袋の枚数ではなく使える回数
  • 明かり:懐中電灯やランタンの数と、使う電池の種類
  • カセットコンロの本体と、ボンベの本数
  • トイレットペーパー、ティッシュ、ラップ、ゴミ袋

コンロが家にある家は、7,000円ほどを別の品目へ回せます。乾電池が同じ種類で余っていれば、ランタンの電池も要りません。携帯トイレは買い置きの習慣がないと増えないので、ゼロでも気づきにくい品目です。乳幼児や高齢者、持病やアレルギーのある家族がいる家は、全員まとめずに、その人の分を別の行に書くと抜けが減ります。

なぜトイレから買う?

次の表は、品目ごとに困り始める時期と家の代わりを並べたものです。買う順番はこの表とほぼ同じで、明かりだけ後ろにずれます。理由は表のあとに書きます。

品目 困り始めるとき 家の代わり
トイレ 数時間のうち 少ない
水 断水した時点 買い置きの分だけ
明かり その日の夜 懐中電灯、スマホ
食事 買い置きが尽きるころ 棚の食品
熱源 米や乾麺を調理するとき そのまま食べられる物

トイレが先に来る理由は、待てる時間の短さです。国土交通省のガイドラインによると、熊本地震で195名に聞いた調査では、3時間以内に39%、9時間以内に86%がトイレに行きたくなったと答えました。東日本大震災の気仙沼市36名では、3時間以内が31%、9時間以内が78%です(国土交通省「マンホールトイレ整備・運用のためのガイドライン 2025年版」・2026年11月3日確認)。限られた人数への調査ですが、その日のうちに要ることは読み取れます。

しかも断水すると、家のトイレは流す水が無くなります。内閣府のガイドラインは、避難所などでトイレの使用をためらって我慢すると、水分や食品の摂取を控えることにつながり、栄養状態の悪化や脱水などの健康被害を引き起こすおそれがあるとしています(内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」・2026年11月3日確認)。避難所についての記述ですが、断水した自宅でもトイレは水や食事と同じころから要るので、3つをあわせて数えます。

ただし、大切さの順と買う順は別です。農林水産省の単身者向けの案内は、非常用トイレを「水・食品の次に重要です」と書いています(農林水産省「災害時にそなえる食品ストックガイド 単身者向け」・2026年11月3日確認)。それでも買い物の1番目に置くのは、水と食品はふだんから家に少しあることが多いのに、携帯トイレは日常の買い物で増えないからです。家に水が1本もないなら、次の節のように水と同時に買います。

明かりは困り始めるのが早い品目です。東京都の資料は、停電すると日中でもトイレが暗い可能性があるとして、トイレ用のLEDライトを挙げています(東京都「事業所防災リーダー通信2024 Vol.6」・2026年11月3日確認)。それを5番目に置いたのは、懐中電灯やスマホのライトで当座をしのげる家が多いからです。家に明かりが1つも無ければ、水の次へ繰り上げてください。

熱源が明かりより前にあるのは、米や乾麺が主食の家は、水と火がないと食べられないためです。3日分という量にも理由があります。農水省の案内は「公的な支援物資が届き始めるのは4日目以降になります」と書いており、3日分はそこまでをつなぐ量です。

もう1つ、備蓄の予算とは別枠で考えたいのが家具です。緊急要請の1番目は家屋の耐震診断と家具の固定で、備蓄はその次に書かれています(防災庁「国民のみなさまへ」・2026年11月3日確認)。

3,000円なら、何を買えばいい?

大人1人なら、携帯トイレの15回分でほぼ使い切ります。クリロン化成のBOS 非常用トイレセットは、臭わない袋と凝固剤、汚物袋が回数分そろった形で、公式の表示は15回分が1人で3日分、30回分が2人で3日分、50回分が4人で2.5日分です。いずれも1人1日5回の計算です(クリロン化成「BOS非常用臭わないトイレセット」・2026年11月3日確認)。

4人家族は1日に20回使う計算なので、15回分は18時間ほどの量です。それでも、ゼロと18時間分では発災当日の過ごし方が変わります。人数ごとの回数と箱の組み合わせは携帯トイレは何回分必要かの計算で確かめられます。下のカードの50回分は、4人家族が1箱で持つ場合の量です。表のとおり7,560円ほどかかるので、3,000円の段には収まりません。


家に水が1本もない場合は、配分を変えます。5回分のセット(税込1,210円)と保存水1箱を合わせると、3,000円の内側に収まります。トイレは1人1日分になり、水は12Lです。回数あたりの単価は5回分のほうが高くなりますが、片方がゼロのままになるより、両方を少しずつ持つほうが動きやすい買い方です。

1万円まで出せるなら、水とボンベをどこまで足す?

水は箱で考えると早く決まります。サーフビバレッジの長期保存水は2L×6本入りで、1箱12Lです。ヨドバシ.comの商品表示では保存期間は5年です。1人の3日分9Lは1箱で足り、4人の36Lは3箱になります。1箱で約12kgあるので、4人分の3箱は36kgほど。玄関から運ぶ回数も考えて、数回に分けて買うのが現実的です。


長期保存の水にこだわらなくてもかまいません。農水省の案内は「賞味期限の長い特別な食品や水でなくても大丈夫」としているので、ふだん飲む水を多めに買って回す方法でも量は同じです。入れ替えの手間を減らしたい家だけ、保存期間の長い箱を選ぶと考えれば足ります。

飲み水とは別に、トイレを流したりする生活用水も要ります。首相官邸の案内は、水道水を入れたポリタンクを用意する、お風呂の水を張っておくといった備えを挙げています(首相官邸「災害への備え 事前にできること」・2026年11月3日確認)。こちらはお金をかけずに始められます。

ボンベの本数は、使い方で幅があります。農水省の単身者向けの案内は1人1日1本程度で、3日なら3本。岩谷産業の試算では、レトルトとパックご飯を1日3回温める場合、2人で1日0.6〜0.7本です(岩谷産業「カセットボンベの備蓄の試算」・2026年11月3日確認)。4人なら、3日で4本ほどあれば温めるだけの食事は回せる計算です。表の4人・3万円の12本は、農水省の案内の1人1日1本を3日分に当てはめた数です。

1万円の段の3本は、湯せんを中心にした最初の持ち分と考えてください。イワタニ カセットガス CB-250-ORは1本250gの3本組で(岩谷産業「CB-250-OR」)、使用期限の目安は製造から約7年です(岩谷産業「カセットボンベの使用期限」・どちらも2026年11月3日確認)。


どの店で何を買うかは、品目で分かれます。非常食はスーパー、簡易トイレはホームセンターといった具合に、1か所ではそろいにくいものです。売り場の見分け方は防災グッズはどこで買えるかを参考にしてください。

3万円の段では、コンロと明かりをどう足す?

ここから、1回買えば長く使う道具の出番です。コンロが無い家は、イワタニのカセットフー タフまるJr.(CB-ODX-JR)が候補になります。公式の値で最大発熱量2.3kW、標準のカセットガス1本の連続燃焼時間は気温20〜25℃の強火で約102分、専用のキャリングケース付きです(岩谷産業「カセットフー“タフまるJr.”」・2026年11月3日確認)。テント内や車内では使わないよう、同じページに注意書きがあります。ふだんの鍋やキャンプでも使う家なら、しまい込まずに済みます。

夜に部屋全体を照らす明かりは、手に持つ懐中電灯とは役割が別です。パナソニックの多機能強力ランタン BF-BL45Mは、単1形電池3本で動き、明るさは最大800lmまで無段階で調整できます。エボルタネオを使うと、白色か電球色の1色(約400lm)で連続約16時間、全灯の800lmでは約8時間で、防滴はIPX2です(パナソニック「BF-BL45M 仕様」・2026年11月3日確認)。電池は別売なので、単1形を一緒に買います(エボルタネオ4本パックはヨドバシ.comで税込841円)。

4人家族の3万円の段は、トイレと水の3日分、ボンベ、明かりまでで残りが6,000〜7,000円ほどです。コンロが家にある家は足りない食事へ、無い家はコンロへ回すと、ほぼ3万円に届きます。大人1人は同じ額で余裕があるので、水を2箱に、トイレを45回に増やすと、水とトイレは1週間分を超える計算です。

防災セットをまとめて買うのは、どの段?

セットを買うかどうかは、値段より役割で決めます。リュック型のセットは、家を離れるときに持つための物で、在宅で過ごす3日分の量とは別の話です。緊急要請も、水や食料の備蓄と、リュック等に入れる非常持ち出し品を分けて書いています。

在宅で過ごす見込みの家は、トイレと水の段を埋めるのが先です。持ち出し用は、3万円の段の前後で足せば十分です。一方、ハザードマップで自宅に浸水の想定があるなど、家を離れる可能性が高い家は、持ち出し用を先にする判断もあります。その場合も、在宅分のトイレと水は別に数えておきます。

まとめて買うなら、持ち出し用として選ぶ

Defend Future 防災セット 1人用 Relief2は、公式ストアの表示で税込14,800円(全国一律送料無料)、37種類40点です。公式の説明では、防災士が開発した、大人1人の3日分を想定した構成で、全部詰めて約5.4kg、約22Lのリュックには約2/3の空きがあります。リュックに詰めずに届くので、自分で詰めます。セット内で最も近い賞味期限は2030年11月以降です(Defend Future 公式オンラインストア・2026年11月3日確認)。

持ち出し用としてなら合うセットです。ただし保存水は500ml×4本の計2L、非常用トイレは3枚(1枚の吸水は尿2〜3回分)なので、在宅の3日分(水9L・9食・トイレ15回)にはなりません。

防災グッズなら【ディフェンドフューチャー】

それ以上の予算は、1週間分と電源のどちらに回す?

先に回すのは1週間分です。緊急要請は水や食料を最低3日間、できれば1週間分としたうえで、携帯用トイレなどの生活用品も備えるよう書いています。量は、1人で水21L・21食・トイレ35回、4人で水84L・84食・トイレ140回です。4人の場合は水だけで7箱になるので、置き場所まで含めて4人家族の1週間分の備蓄で確かめておくと買いすぎません。

電源は、停電で何を動かしたいかが決まってから考えます。困るのがスマホの充電くらいなら、モバイルバッテリーで足りる家が多いです。医療機器がある家や、複数の家電を動かしたい家は事情が違うので、ポータブル電源が要るかどうかの判断を先に読むと、1万円の段より先に高い買い物をせずに済みます。

電源の段に進むなら

小さめの例は、Jackery ポータブル電源 240 New(JE-240A)です。公式の値で容量256Wh、定格出力300W、重さ約3.6kg、電池はリン酸鉄リチウムで、公式ストアの表示は32,800円です(Jackery Japan「ポータブル電源 240 New」・2026年11月3日確認)。動かせるのは消費電力300W以下の家電なので、買う前に家電の表示を見ておきます。

Jackery(ジャクリ)公式サイトでポータブル電源を見る

一度に買えないときは、月いくらずつ足す?

分けて買うときは、品目を2つに分けると計画が立ちます。緊急要請は「日頃、使っているものを多めに買っておき、使ったら補充する習慣を身に付けましょう。」と呼びかけています。このローリングストックで回せるのは、水、食品、電池、ふだん鍋に使うボンベです。食べて買い足す分は、いつもの食費が少し早く出ていくだけで、1回多めに買ったあとの月の出費はほとんど増えません。

回せないのは、携帯トイレ、コンロ、ランタンです。使わないまま置いておく物なので、ここが純粋に増える出費になります。月の予算は、まずこちらへ割り当てます。次の表は、大人1人が月3,000円ほど、4人家族が月5,000円ほど(5か月目だけ6,000円ほど)を足す場合の例です。

月 大人1人 4人家族
1か月目 携帯トイレ15回分 携帯トイレ30回分
2か月目 水1箱、ボンベ3本 水2箱、ボンベ3本
3か月目 足りない食事を多めに買う 携帯トイレ30回分(計60回)
4か月目 明かりの分を取り分ける 水1箱(計36L)、ボンベ9本(計12本)
5か月目 ランタンと電池 ランタンと電池
6か月目以降 コンロが無ければコンロ、次に1週間分へ コンロが無ければコンロ、次に1週間分へ

4人の食事は表に入れていません。毎月の買い物でパックご飯やカップ麺を6食分ずつ多めに買うと、6か月で36食になります(当サイトの計算)。そうして増やした棚の物を、古い順に食べて買い足していけば、量はそのまま保たれる形です。

月の額は例なので、3,000円が重い月は1,000円でも、順番を変えずに足せば進みます。途中の月で止まっても、買った分のトイレと水は手元に残ります。

参考・出典

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直しています。記事は、国・自治体の資料とメーカーの公表値を1つずつ開いて確かめて書いています。自分で使っていない商品を、使ったようには書きません。

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