本棚の上に置いた箱を見上げて、「そのうち留めよう」と思ったまま何か月か過ぎている。もし心当たりがあるなら、それはむしろ多数派です。内閣府「防災に関する世論調査」(令和7年〈2025年〉8月調査)で、家具・家電を固定していない人に理由をたずねたところ、いちばん多かった答えは「やろうと思っているが先延ばしにしてしまっているから」で38.2%(複数回答)。一方で「地震は起こらないと思うから」を選んだ人は1.1%しかいませんでした。
この2つの数字が並ぶと、見えてくるものがあります。備えが止まっているのは、必要性を認めていないからではない。必要だと分かっているのに、手が動いていない。つまり問題は意識ではなく段取りだということです。
だとすれば、やることは気持ちを入れ替えることではありません。動き出す手順を1つだけ短くする。この記事では、内閣府の調査が示した「備えていない理由」を数字のまま並べたうえで、理由ごとに今日できる最小の一手を対応させていきます。
この記事でわかること
- 家具・家電を固定していない理由の1位は「先延ばし」38.2%、「地震は起こらないと思うから」は1.1%(内閣府・令和7年8月調査)
- 「固定している」と答えた人でも、ほぼ全てを固定できているのは8.4%にとどまる
- 話し合わない理由・訓練に行かない理由でも、1位はいつも「きっかけ」「分からない」である
- 理由ごとに決める「今日の1つ」と、5分・30分・半日でできることの仕分け表
なお、何をどれだけ買えばいいかという必要量そのものは、家庭の備蓄品リスト完全版|人数×日数でわかる必要量早見表にまとめてあります。この記事は「なぜ手が止まるのか」と「今日の一手」に絞ります。
備えていない理由の1位は「先延ばし」である
備えていない理由とは、内閣府が家具・家電の固定をしていない人に直接たずね、選択肢で答えてもらった集計のことである。推測でも心理分析でもなく、本人が選んだ答えがそのまま並んでいます。
この記事が使っている調査
内閣府「防災に関する世論調査」(令和7年〈2025年〉8月調査)。政府広報室が実施し、全国18歳以上の日本国籍を有する人3,000人を標本として、層化2段無作為抽出法で抽出。調査方法は郵送法で、調査期間は令和7年8月21日〜9月28日(2025年)。有効回収数は1,707人(有効回収率56.9%)です。以下の数値はすべてこの調査の集計表から引用しています(2026年8月14日確認)。
下の表は、大地震への対策として「家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している」を挙げなかった1,045人が答えた、固定できていない理由です。
| 調査の選択肢(原文のまま) | 回答率 |
|---|---|
| やろうと思っているが先延ばしにしてしまっているから | 38.2% |
| 面倒だから | 20.7% |
| 家具や壁などに傷をつけるから | 17.8% |
| 固定の方法は分かっているが、自分ではその作業ができないと思うから | 16.4% |
| お金がかかるから | 15.8% |
| 地震が起きても危険ではないと思うから | 9.9% |
| 固定の方法が分からないから | 9.1% |
| 固定しても効果がないと思うから | 5.0% |
| 地震は起こらないと思うから | 1.1% |
| その他 | 8.2% |
| 特にない | 5.8% |
| 無回答 | 10.7% |
| 計(M.T.) | 158.7% |
出典: 内閣府「防災に関する世論調査(令和7年8月調査)」表6-1(2026年8月14日確認)
上から5つを読み返してみてください。先延ばし、面倒、傷、自分では作業ができない、お金。どれも「やらなくていい」と言っている答えではありません。やる前提で、その手前で止まっている理由ばかりです。
逆に、やらない理由として想像されがちな「地震は起こらないと思うから」は、およそ100人に1人。上位の「先延ばし」はおよそ5人に2人ですから、その差は35倍近くひらいています。備えを止めているのは、危機感の不足ではなく、着手の重さのほうだと数字が言っているわけです。
この記事の主張
備えていない理由の上位は、すべて「必要性を認めていない理由」ではなく「手が動かない理由」です。だから必要なのは、意識を高めることではなく、最初の一手を軽くすること。この記事は最後まで、この一点だけを扱います。
編集部としては、この38.2%という数字を見たとき、防災の記事の書き方そのものを間違えていたのかもしれないと考えました。「意識を高めましょう」と書いても、意識はすでにあるのですから。書くべきなのは、たぶん手順のほうです。
「やっている人」も途中で止まっている
備えの実施率とは、対策を「やった/やらない」で二分した数字ではなく、どこまで進んだかの途中経過を含んだ数字である。同じ調査の別の設問を並べると、それがはっきり見えてきます。
| 対策(原文のまま) | 実施率 |
|---|---|
| 停電時に作動する足元灯や懐中電灯などを準備している | 51.3% |
| 食料・飲料水、日用品、医薬品などを準備している | 46.1% |
| 家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している | 37.6% |
| 近くの学校や公民館などの避難場所・避難経路を決めている | 37.0% |
| 消火器を準備している | 23.3% |
| 自家用車の燃料を十分に補給するようにしている | 23.1% |
| 貴重品などをすぐ持ち出せるように準備している | 21.0% |
| 外出時には、携帯電話やスマートフォンなどの予備電池を携帯している | 18.6% |
| 家族の安否確認の方法などを決めている | 15.1% |
| 防災訓練に積極的に参加している | 8.3% |
| 非常持ち出し用衣類、毛布などを準備している | 7.3% |
| 揺れを感知して電気を止める感震ブレーカーを設置している | 6.0% |
| 特に対策は取っていない | 13.5% |
| 無回答 | 1.2% |
| 計(M.T.) | 309.4% |
出典: 同調査 表4-1(2026年8月14日確認)
「特に対策は取っていない」は13.5%。裏を返せば、8割以上の人は何かしら手をつけています。備えは、始まっていないのではなく、途中で止まっているわけです。
それがいちばんよく分かるのが、家具固定の「程度」を聞いた設問でした。上の表で「家具・家電などを固定し…」と答えた641人に、どこまで固定できているかを重ねてたずねています。
| 程度(原文のまま) | 回答率 |
|---|---|
| ほぼ全ての家具・家電などの固定ができている | 8.4% |
| 重量又は高さのある家具・家電などの固定はできている | 30.6% |
| 重量又は高さのある家具・家電などの一部の固定はできている | 58.8% |
| 無回答 | 2.2% |
出典: 同調査 表5-1(2026年8月14日確認)
「固定しています」と答えた人の中でさえ、ほぼ全てを留められているのは12人に1人ほど。いちばん多いのは「一部の固定はできている」で、6割近くを占めます。完了した人の集まりではなく、途中の人の集まりだということです。
ここは、読み方を変えると気が楽になるところだと思います。ゴールは「家じゅう終わっている状態」ではありません。今日1つ足せば、それは58.8%の人たちと同じ位置に進んだということ。壁に穴を開けられない住まいの事情については、賃貸の家具固定は穴を開けずにできる?東京消防庁が示す「2つ組み合わせ」の根拠で条件別に整理しています。
その「穴を開けたくない」という条件に対して、いちばん手前に置ける道具が突っ張るタイプの器具です。アイリスオーヤマ 家具転倒防止伸縮棒 S KTB-30(ホワイト)は、家具の天面と天井のあいだで突っ張って支える、転倒防止のための器具。ねじも釘も使わないため、「家具や壁などに傷をつけるから」(17.8%)で止まっていた人が、住まいに跡を残さずに1本目を試せる構成になっています。サイズや対応する高さはAmazonの商品ページの表示で確認してください(2026年8月10日確認)。取り付け方は、必ず製品の説明書と、お住まいの自治体・消防が出している家具固定の案内に従ってください。
同じ形の答えが調査の中で3回出てくる
「きっかけ待ち」とは、関心がないことと関心があることの中間にある状態で、調査の選択肢のうえでははっきり別の項目として扱われている。そして興味深いことに、同じ形が家具固定以外の設問でも繰り返し現れます。
1つ目は、家族や身近な人との話し合いです。自然災害への対処などを話し合ったことが「ある」人は63.6%、「ない」人は35.1%でした。その「ない」と答えた600人に理由をたずねたのが次の表です。
| 調査の選択肢(原文のまま) | 回答率 |
|---|---|
| 話し合うきっかけがなかったから | 56.7% |
| 自分や家族、身近な人の身の回りで自然災害が起きたとしても、家族や身近な人とすぐに連絡が取れると思うから | 22.0% |
| 話し合う時間がなかったから | 18.8% |
| 自分や家族、身近な人の身の回りで自然災害が起きたとしても、安全だと思うから | 13.0% |
| 自分や家族、身近な人の身の回りで自然災害が起きないと思うから | 12.5% |
| 関心や興味がなかったから | 5.7% |
| 特にない | 8.7% |
| 無回答 | 1.0% |
| 計(M.T.) | 138.3% |
出典: 同調査 表1-1・表2-1(2026年8月14日確認)
1位は「きっかけがなかったから」。「関心や興味がなかったから」は10分の1ほどです。話したくないのではなく、話し始める合図がなかった。それだけの差で、半数以上が止まっていたことになります。話す中身をあらかじめ決めておけば合図はつくれるので、家族の防災会議のやり方|30分で決める5つのことを食卓に開くだけでも用は足ります。
2つ目は防災訓練です。参加したことがある人が40.4%、見学したことがある人が4.3%、参加や見学をしたことがない人が38.4%、そして「防災訓練が行われていることを知らなかった」が14.5%でした。参加も見学もしていない656人の理由が、次の表になります。
| 調査の選択肢(原文のまま) | 回答率 |
|---|---|
| 具体的な日時・場所、申し込み方法が分からないから | 38.7% |
| 時間がなかったから | 32.3% |
| 特に理由はない | 20.0% |
| 関心や興味がなかったから | 17.1% |
| 会場に行くのが大変だから | 14.2% |
| 知人が参加していなかったから | 4.3% |
| 自分は自然災害に遭わないと思ったから | 3.0% |
| その他 | 5.8% |
| 無回答 | 0.5% |
| 計(M.T.) | 135.8% |
出典: 同調査 表16-1・表17-1(2026年8月14日確認)
ここでも上位に来たのは、行きたくない気持ちではありませんでした。日時と場所と申し込み方法という、調べれば分かるはずの情報が手元にないこと。3つの設問を横に並べると、答えの形がそろって見えてきます。
3つの設問で1位になった理由
家具の固定 →「やろうと思っているが先延ばしにしてしまっているから」38.2%
家族との話し合い →「話し合うきっかけがなかったから」56.7%
防災訓練 →「具体的な日時・場所、申し込み方法が分からないから」38.7%
3つとも、1位は「関心がない」ではありません。日付・きっかけ・手順という段取りの問題です。
3回続けて同じ形が出るなら、それは偶然ではなく構造でしょう。防災が進まないという現象は、気持ちの問題として語られがちですが、調査の答えを素直に読むかぎり、詰まっているのは入口の情報と着手の順番のほうです。
備蓄で最も抜けやすいのはトイレである
備蓄の穴とは、必要性が低いから抜けている項目ではなく、思いつく順番が後ろだから抜けている項目のことである。同じ調査の備蓄の設問を見ると、その順番がそのまま数字になっています。
| 備蓄している物(原文のまま) | 回答率 |
|---|---|
| 飲料水 | 69.8% |
| 食料品 | 59.8% |
| 衛生用品 | 38.4% |
| 食品加熱用熱源 | 27.7% |
| 携帯トイレ・簡易トイレ | 27.2% |
| 嗜好品 | 19.6% |
| 暑さ・寒さ対策の消耗品 | 18.6% |
| その他 | 2.6% |
| 無回答 | 8.6% |
| 計(M.T.) | 272.3% |
出典: 同調査 表8(2026年8月14日確認)
水はおよそ10人に7人、食べ物は10人に6人ほど。ところが携帯トイレ・簡易トイレになると、およそ4人に1人まで下がります。水と食料は毎日使うものの延長線上で思いつきますが、トイレは普段「備える対象」として意識されにくい。だから抜ける、という順番の話です。
そして、埋めるコストのわりに空きが大きいのもこの項目です。必要な数の出し方は簡易トイレは何回分必要?1人1日5回×人数×日数の計算式にまとめてあるので、計算だけなら5分で終わります。食料品の59.8%についても、温めずに食べられる品を選んでおくと在庫が回りやすくなるため、レトルト食品の備蓄|温めずに食べられる商品の見分け方を合わせて見ておくと選び直しが楽になります。
この記事では「備えていないとどうなるか」は扱いません。調査が示しているのは、抜けやすい項目とその理由だけです。数字が語っている範囲を超えて心配を足す必要はないと、編集部では考えています。
理由ごとに「今日の1つ」を決める
今日の1つとは、備え全体を完成させる行動ではなく、今日中に終わらせられて、明日の自分の着手を軽くする最小単位の行動である。以下は、内閣府の選択肢を左列にそのまま置き、右列に最小の一手を対応させた編集部の整理です。
| 調査の選択肢(回答率) | 今日できる最小の一手 | 目安 |
|---|---|---|
| やろうと思っているが先延ばしにしてしまっているから(38.2%) | 「買う日」と「留める日」を別々にカレンダーへ入れる。作業ではなく日付だけを決める | 3分 |
| 面倒だから(20.7%) | 対象を1つに絞る。「寝室の背の高い家具だけ」と紙に書いて他は今日考えない | 5分 |
| 家具や壁などに傷をつけるから(17.8%) | 穴を開けずに突っ張る方式の器具を、まず1本だけ用意する | 10分 |
| 固定の方法は分かっているが、自分ではその作業ができないと思うから(16.4%) | 工程の少ない金具に置き換える。あわせて自治体に取り付け支援の制度があるか確認する | 15分 |
| お金がかかるから(15.8%) | 安い順に1つだけ。まずは必ず使い切れる水や食料の1箱から始める | 15分 |
| 地震が起きても危険ではないと思うから(9.9%) | その家具が倒れる向きに、寝る場所や出入口があるかを立って確かめる | 5分 |
| 固定の方法が分からないから(9.1%) | 自治体・消防の家具固定の案内ページを1つ開き、ブックマークする | 5分 |
| 固定しても効果がないと思うから(5.0%) | 留める前に、家具の上に載せている物を下ろす。器具なしで今日できる | 10分 |
| 地震は起こらないと思うから(1.1%) | この記事の想定読者からは外れます。家族に不安な人がいれば、その人の部屋から | — |
表にしてみると、右列の多くが「買う」でも「作業する」でもないことに気づきます。日付を決める、対象を絞る、上の物を下ろす。先延ばしを崩すのは決意ではなく、着手のサイズを小さくすることのほうです。全体の点検表がほしい場合は、地震の備えリスト|家具の固定と備蓄を1枚で点検する家庭のチェック表を印刷して、今日の1つに丸をつけるところから始めてください。
もう1つ、時間で仕分けた表も置いておきます。先延ばしの正体はたいてい「どれくらいかかるか分からない」なので、所要時間が見えるだけで着手の重さが変わります。
| かかる時間 | できること | 崩れる「理由」 |
|---|---|---|
| 5分(コーヒーを1杯飲むあいだ) | 家具の上の物を下ろす/固定する対象を1つ決める/カレンダーに日付を入れる | 先延ばし・面倒 |
| 15分 | 水や食料を1箱だけ注文する/今ある備蓄の期限を1つ確認する/簡易トイレの必要数を計算する | お金がかかる |
| 30分(ドラマ1本の半分) | 器具を1つ、説明書の手順どおりに取り付ける/家族と防災の話を1回する | 自分では作業できない・きっかけがない |
| 半日(3〜4時間) | 部屋ごとに家具を見て回り、留める順番を決める/自治体の訓練の日時と申し込み方法を調べる | 方法が分からない・日時が分からない |
「自分では作業ができないと思うから」を選んだ16.4%の人にとって、負担になっているのは道具そのものより工程の数です。アイリスオーヤマ 家具転倒防止L字金具 JTK-L2(2個セット・ブラック)は、家具と壁をL字の金具でねじ留めするだけの、転倒防止のための最小構成の器具。手順が「位置を決める・ねじを留める」の2つに収まるぶん、途中で止まりにくいのが利点です。対応する家具の条件はAmazonの商品ページの表示で確認してください(2026年8月10日確認)。下地のある位置に留める必要があるため、取り付けは製品の説明書と自治体・消防の案内に従って進めてください。
残るのは「お金がかかるから」の15.8%です。ここへの答えは、安いものを探すことではなく、必ず使い切れるものから買うことだと考えています。使い切れる物なら、備蓄が無駄になる心配がなく、支出が備えではなく前倒しの買い物に変わるからです。値下がりしやすい時期を狙うなら防災の日セールで買うもの|8〜9月に安くなりやすい時期と備えの優先順位も参考になります。
その「最初の1箱」として選びやすいのが、by Amazon 保存水 長期保存水 天然水 500ml×24本(製造から5年保存)です。500mlのペットボトルは持ち出しにも普段の水分補給にも回しやすく、長期保存タイプなら入れ替えの手間が少なくて済みます。飲料水は備蓄率69.8%と最も進んでいる項目ですが、逆にいえば3割の人がまだ手をつけていない場所。1箱だけ置いて、置き場所の感覚をつかむところからで十分です。
この記事が当てはまらない人もいる
当てはまらない人とは、備えが足りない人のことではなく、この記事が前提にしている状況と条件が違う人のことである。正直に3つ挙げます。
- すでにほぼ全ての家具を固定できている人(8.4%)……次は備蓄の中身へ。特に携帯トイレ・簡易トイレは27.2%と空きが大きい項目です
- 賃貸で構造に手を入れられない人……天井や壁の条件によっては使える方式が限られます。管理会社への確認が先で、器具の購入は後です
- 持ち家でも天井が弱い・家具の天面が狭いなどの条件がある人……方式の選択そのものが変わるため、自治体・消防の案内で条件から確認してください
また、この記事は内閣府の世論調査という「回答者が自分で選んだ理由」の集計だけを扱っています。実際の被害の起き方や建物の強さについては別の分野の資料が必要で、ここでは触れていません。数字が言っていないことまで広げないのが、この記事の立場です。
よくある質問
Q. 地震に備えている人の割合はどれくらいですか?
内閣府「防災に関する世論調査」(令和7年〈2025年〉8月調査、有効回収1,707人)では、大地震への対策として「特に対策は取っていない」と答えた人は13.5%でした。多い順では足元灯や懐中電灯の準備が51.3%、食料・飲料水などの準備が46.1%、家具・家電の固定が37.6%、避難場所・避難経路を決めているが37.0%です(複数回答)。
Q. 「先延ばし」を止めるには何から手をつければいいですか?
作業ではなく日付から決めるのが、いちばん軽い一手です。調査で1位だった「やろうと思っているが先延ばしにしてしまっているから」(38.2%)は、やる意思はある状態を指しています。意思があるのに動かないときに足りていないのは、たいてい「いつやるか」の指定なので、買う日と取り付ける日を別々にカレンダーへ入れてしまうところから始めてください。
Q. 家具の固定は「傷をつけたくない」場合でもできますか?
穴を開けない方式の器具があり、調査でも「家具や壁などに傷をつけるから」は17.8%と上位に入っています。ただし、使える方式は天井や壁の下地、家具の形状といった住まいの条件で変わります。器具を選ぶ前に、お住まいの自治体や消防が公開している家具固定の案内で、自分の部屋がどの条件に当てはまるかを確認してください。
Q. 備蓄は何から買うのが無駄になりにくいですか?
普段も使い切れるものからがおすすめです。水・レトルト食品・トイレ用品のように日常の延長で消費できるものであれば、期限が来ても捨てずに済みます。備蓄率の数字を見ると、飲料水69.8%・食料品59.8%に対して携帯トイレ・簡易トイレは27.2%。空きが大きく、必要数の計算も短時間で終わるトイレ用品は、後回しにされがちなわりに埋めやすい項目です。
今日やることは1つでいい
もう一度、いちばん大事な数字だけ。備えていない理由の1位は「やろうと思っているが先延ばしにしてしまっているから」で38.2%、「地震は起こらないと思うから」は1.1%。止まっているのは意識ではなく段取りです。そして固定している人でも、ほぼ全てを終えているのは8.4%。みんな途中にいます。
- 理由を1つ選ぶ……先延ばし・面倒・傷・作業・お金のどれで止まっているか、対応表から自分の行を見つける
- 右列の一手だけをやる……3分から15分で終わるものばかりです。今日はそれ以上やらなくて構いません
- 次の日付を1つ入れる……終わったら、次にやることの日付だけカレンダーに置く。これで明日の着手が軽くなります
家具固定の器具は「転倒を防ぐための道具」であり、効果は取り付け方や住まいの条件に左右されます。設置は必ず製品の説明書と、自治体・消防が公開している案内に従って行ってください。
必要量の早見表や品目ごとの数え方は、家庭の備蓄品リスト完全版|人数×日数でわかる必要量早見表にまとめてあります。今日の1つが終わったら、次の1つを選びに来てください。
あわせて読みたい: 家庭の備蓄品リスト完全版|人数×日数でわかる必要量早見表【2026年版】/賃貸の家具固定は穴を開けずにできる?東京消防庁が示す「2つ組み合わせ」の根拠と器具の公表値
参考・出典
- 内閣府 政府広報室「防災に関する世論調査(令和7年8月調査)」https://survey.gov-online.go.jp/public_safety/202510/r07/r07-bousai/index.html(2026年8月14日確認)。本記事の数値は同調査の集計表 表1-1/表2-1/表4-1/表5-1/表6-1/表8/表16-1/表17-1 から引用
- 同調査 標本抽出方法https://survey.gov-online.go.jp/public_safety/202510/r07/r07-bousai/sampling/index.html(2026年8月14日確認)。標本数3,000人・層化2段無作為抽出法・郵送法・調査期間 令和7年8月21日〜9月28日・有効回収数1,707人
- 商品の型番・仕様表示はAmazonの商品ページ表示(2026年8月10日確認)
