※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます
冬の停電で最初に思い浮かぶのは、たいてい「何かを燃やして暖をとる」ことだと思います。カセットこんろ、カセットガスストーブ、石油ストーブ。防災グッズの棚にも、そう見える道具が並んでいます。ところが、そのうちのひとつは冬の屋外や無暖房の室内では、そもそも火がつきにくくなるという性質を持っています。
岩谷産業の公式サポートには、カセットボンベについて「10℃を下回ると気化しにくくなり、5℃以下になると、ほとんど気化しなくなる」と書かれています(2026年10月30日確認時点)。つまり暖房が止まって室温が下がるほど、カセットガスは当てにしづらくなっていく。冬の停電に備えるうえで、これは順番を組み替えるだけの重さがある事実です。
だから、この記事は「体から逃げていく熱を止める」ほうを先に置きます。湯たんぽ、カイロ、毛布、寝袋、重ね着。地味ですが、電源も換気も要らず、気温が下がっても性能が落ちません。燃やす熱源は、その次に、条件を確かめてから足すものとして扱います。
この記事でわかること
- カセットボンベが低温で使えなくなる温度の目安(メーカー公表値)
- 電気を使わない熱源を「燃やす系/燃やさない系」で並べた比較表
- 毛布・寝袋の公表値を、住んでいる地域の冬の最低気温と突き合わせる考え方
- 一酸化炭素中毒を避けるための線引きと、公的機関が実際に書いていること・書いていないこと
カセットガスは10℃を下回ると気化しにくくなる
カセットボンベとは、液体に圧縮したブタンガスを金属缶に封じた燃料であり、缶の中で液体から気体に戻る(気化する)力を使って燃焼させる仕組みです。この「気化」が温度に強く依存します。
岩谷産業の公式サポート(FAQ)には、次のように記載されています。
カセットボンベは成分のブタンガスの特性により、10℃を下回ると気化しにくくなり、5℃以下になると、ほとんど気化しなくなるためお使いいただくことはできません。なお、カセットガスパワーゴールド、カセットガスジュニアは(中略)目安としては、5℃を下回ると気化しにくくなり、0℃以下になるとお使いいただけません
同社は使用可能の目安も示していて、イワタニカセットガスが外気温 約10℃以上、カセットガスパワーゴールドが外気温 約5℃以上となっています(2026年10月30日確認時点)。

数字だけ並べても実感が湧きにくいので、生活の側に翻訳します。暖房が止まった部屋の温度は、外気温に向かってゆっくり下がっていきます。真冬に一晩暖房なしで過ごした部屋、あるいは物置や玄関土間、ベランダに置いたストック。「10℃を下回る」は、冬の停電では特別な状況ではありません。むしろ、そうなることを前提にしたほうが自然です。
ここがこの記事の中心です。カセットガス機器は「停電時の熱源」として広く勧められていますが、冬の低温下では性能が落ちる方向に働きます。夏の停電と冬の停電で、同じ道具の当てにできる度合いが変わる、ということです。
もっとも、これは「カセットこんろを捨てなさい」という話ではありません。ボンベを冷やさない場所に置いておく、寒冷地向けに気化しやすく設計された製品を選ぶ、といった運用でカバーできる部分があります。備蓄本数の考え方はカセットボンベの備蓄は何本?人数別の目安と冬の増やし方にまとめています。
電気を使わない熱源は、燃やす系と燃やさない系に分かれる
電気を使わない熱源とは、コンセントもバッテリーも介さずに温度を保てる道具の総称であり、大きく「燃焼で熱をつくるもの」と「熱を逃がさない・化学反応や湯の熱を使うもの」の2系統に分かれます。この2つは、停電時の扱いやすさがまったく違います。
| 熱源 | 電源 | 低温での可否 | 換気の要否 | 集合住宅で使えるか |
|---|---|---|---|---|
| 石油ストーブ(開放型) | 機種により点火・送風に電池や電源を使う | 未確認(本記事では調べていません) | 必要(日本ガス石油機器工業会は、石油ストーブの使用中は1時間に1~2回(1~2分)程度の換気を求めています) | 管理規約で禁じられていることがある。要確認 |
| カセットガス機器 | 不要(点火に電池を使う機種あり) | 10℃を下回ると気化しにくい/5℃以下でほぼ気化しない(岩谷産業) | 必要 | 火気の扱いを規約で制限していることがある。要確認 |
| 湯たんぽ | 不要(湯を沸かす手段は別途必要) | 低温そのものでは性能が落ちない | 不要 | 使える |
| 使い捨てカイロ | 不要 | 低温そのものでは性能が落ちない | 不要 | 使える |
| 毛布・寝袋 | 不要 | 低温そのものでは性能が落ちない | 不要 | 使える |
| 重ね着・靴下・帽子 | 不要 | 低温そのものでは性能が落ちない | 不要 | 使える |

表を眺めると、右にいくほど条件が減っていくのが見えます。燃やす系は「電源が要らない」代わりに、換気・住まいの規約・温度という3つの条件を同時に満たさないと機能しません。燃やさない系は条件がほぼゼロで、その代わり熱を新しくつくることはできず、すでにある熱を逃がさないだけです。
停電が何日続くかによって、この配分は変わってきます。ライフラインが戻るまでの実際の日数感については電気・水道・ガスはどの順で戻る?一次資料で確認できた復旧日数と、備蓄を何日分にするかの決め方で整理しました。
過去の大規模停電の規模感として、2018年の北海道胆振東部地震では約295万戸が停電し、約2日で約99%が復旧したとされています(資源エネルギー庁)。2021年1月7〜8日の暴風雪では、東北電力ネットワークの発表で、青森・岩手・秋田・山形・福島・新潟の6県で延べ169,879戸が停電し(うち新潟県は延べ88,474戸)、8日23時32分に復旧しています。同じ発表には、復旧後も一部の地域で停電が発生しているとも書かれています。
先にやるのは、熱をつくることではなく逃がさないこと
保温とは、体が出し続けている熱を空気や床や窓に持っていかれないようにする作業であり、道具の性能よりも「どこから逃げているか」の把握が効きます。停電した部屋でまずやることは、火をつけることではなく、逃げ道をふさぐことです。
- 家族が1部屋に集まる。人がいるだけで部屋の空気は暖まりやすくなり、使わない部屋のドアは閉める
- 床に直接座らない・寝ない。断熱マット、畳んだ毛布、段ボールを重ねて床から体を離す
- 日が落ちたらカーテンを閉める。厚手のカーテンや、窓に貼る断熱シートで窓面からの冷えを減らす
- 首・手首・足首を覆う。ネックウォーマー、手袋、厚手の靴下、そして帽子
- 体をしめつけない。きつい重ね着は逆効果になりやすいので、ゆとりを残して重ねる
この5つは、どれも道具を買い足さずに今夜からできます。逆に言うと、ここを飛ばして熱源だけ揃えても、つくった熱が同じ速さで逃げていくだけです。
湯たんぽ:湯さえ沸かせれば熱源になる
湯たんぽは、電気もガスも要りません。正確には湯を沸かす手段が別に要るのですが、いったん湯を入れてしまえば、あとは何のエネルギーも使わずに熱を持ち続けます。停電が長引くほど、この「入れっぱなしで済む」性質が効いてきます。
尾上製作所(ONOE)のゴム湯たんぽ2L カバー付 MY-422は、容量2.0L、本体サイズ約375×210×40mm、製品重量約0.45kgと公表されています(尾上製作所 公式オンラインショップ・2026年10月30日確認時点)。材質は本体が天然ゴム、カバーがポリエステル100%と、販売店の商品ページに記載があります。金属製と違って落としても割れにくく、柔らかいので布団の中で体に沿わせやすいのが、寝るときの使い方に向いています。使用方法・注湯量・お湯の温度は製品の説明書に従ってください。消費者庁は、布団を暖めるために使うときは就寝前に布団から出し、長時間体に触れさせないよう呼びかけています(「ゆたんぽを安全に正しく使用しましょう!」・2026年10月30日確認)。
使い捨てカイロ:持続時間が公表されているから逆算できる
カイロの良いところは、性能が数字で出ていることです。アイリスオーヤマのぽかぽか家族 貼る レギュラー PKN-30HRは、最高温度 約63℃、平均温度 約53℃、持続時間 12時間と公表されています(東京都条例に基づく表示・アイリスオーヤマ公式・2026年10月30日確認時点)。
12時間という数字は、夕方に貼れば夜の冷え込む時間帯をまたいで持つという目安になります。ただしアイリスオーヤマは、就寝時は低温やけどを起こしやすいため使い捨てカイロを使わないよう案内しています(2026年10月30日確認)。寝るときは外し、毛布や寝袋で保温します。起きている時間に「1人1日に何枚か」「何日ぶん備えるか」を掛け算していけば、必要枚数が出ます。性能が公表されている道具は、感覚ではなく算数で備えられるということです。
実際の積算のしかた(人数×夜数の書き込み式)は、湯たんぽとカイロは何個いる?停電時に電気なしで暖をとる人数×夜数の書き込み式積算表に表を用意しているので、そちらで数えてください。
寝るときの装備は、住んでいる地域の最低気温から決める
就寝時の防寒とは、動かない時間帯に体温が下がっていくのを、寝具の性能で受け止める備えであり、公表された温度表示と自分の地域の気温を突き合わせて決めるのが最短です。日中は動けば温まりますが、寝ている間はそれができません。
世界保健機関(WHO)は「Housing and health guidelines」(2018)で、住宅の室温は寒さの健康影響から居住者を守れる高さにすべきだとして(強い推奨)、温帯や寒冷な気候の国では、寒い季節に一般の人々の健康を守る安全でバランスのとれた室温として18℃が提案されている、としています。高齢者・子ども・慢性疾患のある人には、18℃より高い最低室温が必要になる場合があるとも書かれています。日本の官公庁がこの数値をどう扱っているかまでは確認できていないので、あくまでWHOの提案として置いておきます。
毛布:数を持てるかどうかで選ぶ
備蓄用不織布毛布「もしもうふ」(株式会社アクシスの製品。シバタ工業が商品情報を掲載)は、サイズ140×200cm、1枚あたり約500g、保温率60%、(公財)日本防災協会の難燃認定商品と公表されています(シバタ工業・2026年10月30日確認時点)。1枚約500gは、500mLのペットボトル1本ぶんの重さです。10枚入りのカートンでも約5.6kgです。
普段使いの毛布と違うのは、圧縮梱包で長期保管できる点です。家族のぶんだけでなく、帰宅できなかった来客や、近所の人のぶんまで数を持ちたいときに、この軽さと保管性が効いてきます。毛布・寝袋・アルミブランケットの違いは防災用の毛布・寝袋・アルミブランケットの違いと場面別の組み合わせ方【メーカー公表値で比較】で並べています。
寝袋:「何℃まで」が書いてあるものを選ぶ
寝袋を選ぶときに見るべきなのは、見た目の厚みではなく温度表示です。コールマンのパフォーマーIIIは、快適温度がC5(型番2000034774)で5℃以上、C10(2000034775)で10℃以上、C15(2000034776)で15℃以上と公表されています(コールマンジャパン公式オンラインショップ・2026年10月30日確認時点)。
やることは単純で、住んでいる地域の冬の明け方の最低気温を調べ、その温度を下回らない表示の製品を選ぶ。暖房が止まった室内は外気温そのものにはなりませんが、外気温に向かって下がっていくので、外気温を基準にしておくと余裕が生まれます。表示温度が快適温度なのか下限温度なのかは製品ごとに違うので、購入前に表示の定義を確認してください。
毛布と寝袋は競合しません。寝袋で体を包み、その上に毛布を掛け、床には断熱材を敷く。層をつくるほど逃げる熱が減る、という単純な足し算で考えると迷いません。
一酸化炭素中毒を避ける線引き
一酸化炭素中毒とは、燃焼で発生する無色無臭の一酸化炭素を吸い込むことで起きる中毒であり、閉め切った空間で燃焼器具を使うときに問題になります。冬の停電では、寒さのあまり窓を閉め切りがちになるため、リスクの方向が普段と変わります。
公的機関の記載を、確認できた範囲でそのまま並べます。
- 製品評価技術基盤機構(NITE):石油ストーブを使うときは定期的に換気をすること、換気が不十分だと酸素が不足して不完全燃焼になり、一酸化炭素濃度が上がって中毒に至るおそれがあることを示しています。カセットこんろについても、使うときは定期的に換気をするよう求めています
- 東京消防庁:カセットこんろをテント内や車内で使用すると、一酸化炭素中毒や酸欠になる旨を明記しています
- 日本ガス石油機器工業会(JGKA):カセットボンベを「暖房機のそばやガスこんろの近くなど高温になる場所に置かないでください」としています
正直に書いておきます。「カセットこんろを暖房目的で使ってはいけない」と名指しした公式の文言は、今回の調査では確認できませんでした。確認できたのは上の3点、すなわち「狭所での使用でCO中毒・酸欠に触れている(東京消防庁)」「石油ストーブには定期的な換気が要る(NITE)」「ボンベは高温になる場所に置かない(JGKA)」までです。
ただし、カセットこんろは調理器具として設計されており、暖房器具として設計されたものではありません。断定の根拠が無い箇所を断定しないかわりに、確認できた事実と設計上の位置づけを並べて判断材料にしていただければと思います。
実務としては、燃焼器具を使うなら換気とセットにする。これは器具の種類を問わず共通で、暖かい空気を逃がしたくない気持ちと真正面からぶつかります。だからこそ、燃やさない系を先に積んでおく意味があります。
なお、停電の直後にやることの時系列(ブレーカー、冷蔵庫、情報の取り方)は停電したらまず何をする?発生直後10分→3時間→1日の時系列やることリストとチェック表に、復旧時の家電トラブルについては雷で家電が壊れる仕組みと対策|雷サージの入口3つとコンセントを抜くタイミングにまとめています。
マンション・集合住宅では、使える熱源が先に絞られる
集合住宅の制約とは、建物の管理規約や使用細則によって、住戸内やベランダでできることが個別に定められている状態であり、同じ道具でも住まいによって可否が変わります。戸建て前提の防災情報をそのまま持ち込むと、ここでつまずきます。
よく問題になるのは次の3点です。いずれも建物ごとに規定が違うため、ここで一般論として可否を断定することはできません。
- 住戸内での石油ストーブなど燃焼器具の使用が、管理規約で禁じられていることがある
- ベランダ・バルコニーは避難経路を兼ねる共用部分にあたる場合が多く、物を置くことや火気の扱いが制限されていることがある
- 廊下・階段室などの共用部での使用や保管も、同じく制限されていることがある
やるべきことはひとつだけで、自宅の管理規約と使用細則を、停電が起きる前に一度読んでおく。手元に無ければ管理会社か管理組合に問い合わせれば入手できます。冬の停電の夜に「これ、使っていいんだったか」と迷わずに済むのは、それだけで価値があります。
集合住宅では停電で給水ポンプが止まり、上階の水が出なくなることもあります。暖房だけでなく、水と調理をまとめて考えたい場合はオール電化の停電対策|何が止まるかを時系列で並べ、必要な電源を計算するも合わせてどうぞ。
温かい食事は、暖房の代わりではなく体の内側からの手当てになる
温かい飲食とは、湯や汁物として体の内側に熱を入れる行為であり、部屋を暖める暖房とはまったく別の役割を持ちます。ここを混同しないことが、安全上いちばん大事な線引きです。
停電の夜に、湯を沸かせるかどうかで気持ちの持ちようがずいぶん変わります。白湯、スープ、温かいお茶。それに、沸かした湯はそのまま湯たんぽにも回せます。ひとつの熱で二役です。
岩谷産業のカセットフー 達人スリムV CB-TS-5は、最大発熱量3.4kW(2,900kcal/h)、連続燃焼時間 約68分(気温20〜25℃・強火連続でCB缶1本を使い切るまで)、外形335×275×84mm、約1.3kg、日本製と公表されています(岩谷産業公式・2026年10月30日確認時点)。厚さ84mmは、収納棚のすき間に立てて入れられる薄さです。
カセットこんろを使う前に、この4点を確認してください。
- カセットこんろは調理器具であり、暖房器具として設計されたものではありません。「これで暖をとる」道具としては扱わないでください
- 低温ではボンベが気化しにくくなります(10℃を下回ると気化しにくく、5℃以下でほぼ気化しない/岩谷産業)。ボンベは人がいる室内側に置いておき、冷え切らせないという運用が要ります
- 使うときは換気する。東京消防庁は、テント内・車内での使用でCO中毒や酸欠になる旨を明記しています
- 保管時は、JGKAが示すとおり暖房機のそばやガスこんろの近くなど、高温になる場所に置かないでください。ボンベを温めようとして熱源に近づけるのは逆効果です
ボンベの本数の考え方は、調理に使う回数から逆算するのが素直です。備えるものを一通り洗い出したい場合は、停電の備えに買うものリスト|明かり・熱・情報・電源を、必要数の計算で決めるを土台にしてください。
低体温症は深部体温35℃以下から
低体温症とは、体の中心部の温度(深部体温)が35℃以下に下がった状態を指す医学用語であり、日本救急医学会の医学用語解説集では重症度が3段階に分けられています。
| 重症度 | 深部体温 | 備考 |
|---|---|---|
| 軽度 | 35〜32℃ | 低体温症の定義は深部体温35℃以下 |
| 中等度 | 32〜28℃ | — |
| 高度 | 28℃以下 | 30℃以下では致死的な不整脈を起こしやすいとされる |
数字を並べたので、意味のほうを言い直します。ここで押さえたいのは「何℃で何が起きるか」を覚えることではなく、低体温症は屋外の遭難だけの話ではなく、暖房が止まった室内でも考えるべき対象であるという一点です。上の重症度分類は、あくまで公的機関が示している定義として置いています。
体調の判断は、この記事ではできません。様子がおかしいと感じたときは、自己判断で対処せず、医療機関や消防・自治体などの公的機関の指示に従ってください。とくに乳幼児・高齢者・持病のある方については、平常時のうちにかかりつけの医療機関へ相談しておくことをおすすめします。
この考え方が当てはまらないケース
例外とは、この記事が前提にしている「一般的な住まいで、健康な大人が中心の世帯」から外れる条件であり、外れる場合は優先順位そのものを組み替える必要があります。
- オール電化の住まい:調理・給湯・暖房がすべて電気に寄っているため、停電時に止まる範囲が広くなります。湯を沸かす手段を電気以外に確保しておく必要があります
- 在宅医療機器を使っている家:暖房より先に電源の確保が最優先です。機器の停電時対応は、必ず主治医・機器メーカー・電力会社に事前確認してください
- 豪雪地帯・寒冷地:外気温が氷点下まで下がる地域では、カセットガスの制約がより強く出ます。寝袋の温度表示も、より低い温度に対応したものが必要になります。氷点下の夜は、暖房とは別に水まわりの凍結にも備えが要ります(水道管の凍結対策・給湯器が凍結してお湯が出ないとき)
- 乳幼児・高齢者がいる家:WHOは寒い季節の安全な室温として18℃を提案し、高齢者・子ども・慢性疾患のある人にはそれより高い最低室温が必要になる場合があるとしています。同じ室温でも受ける影響が違う前提で備えてください
- 避難所に移る可能性がある場合:床の冷えへの備えが自宅とは別に要ります。避難所の床で寝る備え|段ボールベッドは届くのか、自分で持つマットの選び方を参照してください
ここまでは電気を使わない熱源の話でした。停電中も電気毛布やホットカーペットを使い続けたい場合は話が分かれ、コンセントの代わりになるポータブル電源が要ります。何時間使えるかは、暖房器具の消費電力(製品の表示で確かめてください)と電源の容量で決まります。電気毛布の時間の目安は下の囲みの記事に、ホットカーペットやこたつの場合はホットカーペット・こたつはポータブル電源で何時間?畳数別の消費電力量から必要な容量を計算にまとめています。
一晩つけておく使い方では容量の数字が時間を左右するので、選ぶときは容量から見るのが近道です。容量の大きい機種の例として、Jackery ポータブル電源 1000 New は容量1,070Wh・定格出力1,500W・重さ約10.8kg・リン酸鉄リチウム(LiFePO4)電池と公表されています。なお、1000 New は Jackery の公式ストアで売り切れの表示になっており、後継の 1000 New V3(容量1,024Wh)が2026年7月24日に発売されています(2026年10月30日確認)。直販の製品一覧も確かめたい場合はこちらです(Jackery(ジャクリ)公式サイトでポータブル電源を見る
)。※価格・在庫は変動します。最新の情報は各リンク先でご確認ください。
電気を使う暖の取り方・冬前のセール
冬の停電の暖は「逃がさない」から積む
燃やす熱源より先に、逃げる熱を止める道具(湯たんぽ・カイロ・毛布・寝袋・重ね着)を積みます。カセットガスは10℃を下回ると気化しにくくなるので、冬の停電では当てにしすぎず、使うなら換気と置き場所の決まりを守ります。
参考・出典
- 岩谷産業「カセットガス公式サポート(FAQ)」 http://www.i-cg.jp/support/faq/gas/(2026年10月30日確認)
- 岩谷産業「カセットフー 達人スリムV CB-TS-5」 https://www.iwatani.co.jp/jpn/consumer/products/cg/stove/cb-ts-5/(2026年10月30日確認)
- 日本救急医学会「医学用語解説集|偶発性低体温症」 https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0508.html(2026年10月30日確認)
- 東京消防庁「カセットこんろの誤使用・誤廃棄による事故に注意!」 https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kasai/kasetto.html(2026年10月30日確認・ページ更新日 2026年10月15日)
- 日本ガス石油機器工業会(JGKA)「カセットこんろ・カセットボンベの安全な使い方」 https://www.jgka.or.jp/gasusekiyu_riyou/anzen/gasu_cassette/index.html、同「石油ストーブの安全な使い方」 https://www.jgka.or.jp/gasusekiyu_riyou/anzen/sekiyu_stove/index.html(2026年10月30日確認)
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「石油ストーブ 換気不足による不完全燃焼」 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03280102.html、「カセットこんろ 換気不足による不完全燃焼」 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/03280103_1.html(2026年10月30日確認)
- 世界保健機関(WHO)「Housing and health guidelines」(2018) https://www.who.int/publications/i/item/9789241550376(2026年10月30日確認)
- 資源エネルギー庁「日本初の“ブラックアウト”、その時一体何が起きたのか」 https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/blackout.html(2026年10月30日確認)
- アイリスオーヤマ「ぽかぽか家族 貼る レギュラー PKN-30HR」 https://www.irisohyama.co.jp/products/health-care/disposable-heating-pad/stick-regular-type/pokapoka-family-stick-regular(2026年10月30日確認)
- コールマンジャパン公式オンラインショップ「パフォーマーIII C5」 https://ec.coleman.co.jp/category/240/2000034774.html(2026年10月30日確認)
- シバタ工業(SHIBATA)「備蓄用不織布毛布 もしもうふ」 https://www.sbt.co.jp/product/kenchiku/relief/moshimofu.html(2026年10月30日確認)
- 尾上製作所 公式オンラインショップ「ゴム湯たんぽ2Lカバー付 MY-422」 https://shop.onoess.co.jp/ja-jp/products/4907797004227(2026年10月30日確認)
- 東北電力ネットワーク「暴風雪の影響による停電の復旧について」(2021年1月9日) https://nw.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1218154_2394.html(2026年10月30日確認)
- 消費者庁「ゆたんぽを安全に正しく使用しましょう!」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_045/(2026年10月30日確認)
- アイリスオーヤマ「使い捨てカイロの正しい使い方」 https://www.irisohyama.co.jp/plusoneday/beauty/336(2026年10月30日確認)