離れて暮らす親の家の防災|帰省の30分でできる点検と、置いて帰るもの

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お盆に実家の玄関を開けた瞬間、「去年よりモノが増えているな」と思うことがあります。廊下の壁ぎわに積まれた段ボール、寝室のタンスの上にのった古い座布団と扇風機の箱、いっぱいの吊り戸棚。気にはなるけれど、久しぶりに顔を合わせた初日から説教くさい話は切り出しにくい。そのまま何も言わずに帰ってくる、という夏を何度か重ねている人は少なくないはずです。

それでも、優先順位ははっきりしています。令和6年能登半島地震では、年代が判明した直接死のうち70代が61人、80代が50人、90代が26人で、70代以上が約6割。さらに年齢が公表された災害関連死136人の内訳は、90代以上47人・80代62人・70代16人と、80代以上だけで約8割を占めました(内閣府「令和7年版防災白書」)。

この2つの数字が示しているのは、地震で家がどうなるかという話と、そのあとの生活で体がもつかという話は、別々に手当てが要るということ。だから帰省でやることは3つに絞れます。家の中の凶器を減らす/連絡の取り方を決める/避難のときに誰が動くかを決める。どれも、その場で買い物に走らなくても30分で形になります。

この記事でわかること
  • 高齢の親の備えは「地震の瞬間」と「避難後の生活」を分けて考えると整理できる理由
  • 玄関→寝室→台所→廊下・階段の順に30分で回る、実家の点検手順
  • 実家の築年・火災警報器の設置年・個別避難計画という3つの「いつ」の聞き方
  • 置いて帰るものの品目と置き場所、そして言い出しにくいときの持っていき方
目次

高齢の親に必要な備えは、地震そのものより避難後に効く

災害関連死とは、建物の倒壊などで直接亡くなったのではなく、避難生活のなかで体調が悪化するなどして亡くなり、災害による死亡と認定されたものを指します。地震のニュースで最初に流れる犠牲者数とは別枠で、あとから積み上がっていく数字です。

能登半島地震では、その内訳に高齢層への偏りがはっきり出ました。直接死は年代が判明した分で70代61人・80代50人・90代26人。関連死は年齢が公表された136人のうち90代以上が47人、80代が62人、70代が16人でした。直接死は70代以上が約6割、関連死は80代以上が約8割です。

言い換えると、年齢が上がるほど、危ないのは揺れた瞬間よりも、そのあとの数日から数週間に移っていきます。避難所の床で眠り、水分を控え、薬の管理がいつも通りにいかない。その積み重ねが体に出るということです。

死因の内訳も、その見立てを裏づけます。死因が公表された158人のうち、循環器系疾患が53人(約34%)、呼吸器系疾患が52人(約33%)で、合わせて約6割。持病のある人にとって、避難生活そのものが負荷になっていた形です。

だから、対策は2本立てで考えます。

  • 直接死への対策=家の中:家具の固定、寝室の安全、逃げ道の確保。帰省中に手を動かせるのはこちら
  • 関連死への対策=避難後の生活:薬とお薬手帳、水と食べ物、暑さ寒さをしのぐ道具、そして誰が親のそばに行くのかという段取り

この記事は前者を30分で片づけ、後者を「置いて帰るもの」と「連絡の取り方」に落とし込む順番で進みます。なお、健康や持病の管理そのものについては、かかりつけ医の指示が最優先です。ここでは触れません。

帰省の30分でできる家の点検

帰省の点検とは、その場ですべてを直しきる作業ではなく、危ない場所を見つけて「誰が、いつ直すか」まで決めて帰る作業です。ここを取り違えると、工具を探しているうちに時間が溶けます。

お茶を一杯飲んで、もう一杯注ぐくらいの時間で家を一周する。それだけでも、去年と違う状態にはなります。

  1. 玄関とその周り(5分)スリッパやサンダルが散らばっていないか、下駄箱の上に重い置物がないかを見ます。停電した夜に真っ暗な玄関で靴を探す場面を思い浮かべながら、懐中電灯の定位置をここで一つ決めてしまうのが早い。ドアの前に自転車や植木鉢が寄っているなら、その場でどかします。
  2. 寝室(10分)いちばん時間をかける場所です。東京消防庁は、地震のケガの原因の約30〜50%が家具類の転倒・落下・移動によるものだとしています。寝ている頭の側にタンスや本棚があれば、まず向きを変えられないかを検討します。動かせないなら固定の相談に切り替えます。ガラス戸、掛け時計、額縁も同じ目線で。詳しくは寝室の地震対策(枕元に置くもの・置いてはいけないもの)で1つずつ整理しています。
  3. 台所と居間(7分)吊り戸棚の扉が揺れで開かないか、冷蔵庫の上に電子レンジが乗っていないかを確認します。ここでエアコンのスイッチも入れてみてください。リモコンの電池切れや、そもそも「もったいないから」と使っていないケースが見つかることがあります。備蓄の賞味期限を見るのもこの段階です。
  4. 廊下・階段・水回り(8分)段ボールや新聞の束が通路を狭めていないか、階段の照明が切れていないかを見ます。夜中にトイレへ向かう動線が、そのまま地震のときの避難動線です。ここは片づけの押し問答になりやすいので、全部ではなく「通路の幅を人ひとり分だけ空ける」と決めて手を動かすほうが進みます。
帰省の30分でできる実家の点検手順|玄関・寝室・台所・廊下と階段の4か所と、それぞれその場で確認することを対比した図

エアコンの話を軽く扱わないでください。消防庁のまとめでは、令和7年(5〜9月)の熱中症による救急搬送人員のうち、高齢者(65歳以上)が57.1%を占めています。お盆の帰省は、まさにこの期間のまん中にあたります。停電で冷房が止まった家で何から手をつけるかは、真夏の停電に備える(冷房が止まった家で最初にすること)にまとめました。

3つの「いつ」を、その場で聞き取る

点検のあいだに、数字ではなく年号を3つ聞いておきます。この3つがそろうと、あとから離れた場所にいても判断ができます。書き込み式にしてあるので、スマホのメモに写して持っていってください。

  • 実家が建った年は(    年)/1981年(昭和56年)6月1日の建築基準法改正で新耐震基準に移行しました。国土交通省は、これ以前の建物を旧耐震基準として、耐震性が不十分な可能性があると注意喚起しています。それより前なら、耐震診断や耐震改修を支援する国の制度(住宅・建築物安全ストック形成事業、耐震改修税制など)があることだけ伝えて、詳しい要件は市町村の建築や住宅の窓口で確認する、という宿題の形にします
  • 住宅用火災警報器を付けた年は(    年)/消防庁は、設置後10年を目安に本体交換を推奨しています。電子部品や電池が経年で劣化するためです。付いている場所も数えてください。設置率は84.5%でも条例適合率は66.2%(令和6年6月1日時点)で、「1つ付いているから大丈夫」とは限りません
  • 自治体から個別避難計画や名簿の案内が来たのは(    年ごろ/来ていない)/根拠は令和3年5月の災害対策基本法改正です。詳しくは次の次の見出しで扱います

家具の固定具や備蓄の点検表をまとめて見直すなら、地震の備えリスト(家具の固定と備蓄の点検表)を印刷して持っていくと、確認の抜けが減ります。

親と決めておく連絡の取り方

災害用伝言ダイヤル171とは、被災地の電話番号あてに音声の伝言を預けておき、離れた家族が同じ番号で聞き取れるようにする仕組みです。電話がつながりにくい状況を前提にした、「置き手紙」に近い使い方をします。

ここで大事なのは、使い方の説明を口頭でするだけでは、いざというときに動けないという点。実際に一度、押してみるところまでを帰省中に済ませます。

災害用伝言ダイヤル171の仕様(NTT東日本・NTT西日本、2026年8月11日確認時点)

  • 震度6弱以上の地震では自動的に提供が始まります。震度5強以下の地震やその他の災害では、通信の状況などを踏まえてNTT東日本・西日本が提供を判断します
  • 1伝言あたりの録音時間は30秒以内。留守番電話に吹き込む一言ぶん、と思っておくとちょうどいい長さです
  • 1つの電話番号あたり、最大20件まで伝言をためられます
  • 録音した伝言は、その災害についての提供が終了するまで保存され、終了後は自動的に消去されます

30秒しかないので、何を言うかは先に決めておきます。「名前」「無事かどうか」「今どこにいるか」「次にいつ入れるか」の4点だけ。これ以上は入りません。

そして、どの電話番号に預けるかを1つに固定します。親のスマホ、実家の固定電話、子どもの携帯とバラバラに預けると、聞く側が探し回ることになります。実家の固定電話番号を「家族の掲示板」と決めてしまうのが、いちばん迷いません。

体験利用ができる日も決まっています。毎月1日と15日、正月三が日、防災週間(8月30日〜9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日〜21日)。お盆に帰省して、そのあと8月30日からの防災週間に、離れた場所から親と一緒に171を試す。この段取りなら、帰省中に「今日は体験日じゃない」と足踏みせずに済みます。カレンダーに入れて帰るところまでが仕事です。

171だけに頼らない組み合わせ方は、家族の安否確認方法の決め方(171と伝言板・SNSの使い分け)で整理しています。きょうだいがいる場合の連絡の順番も、ここで決めておくと当日の電話が減ります。

避難のときに誰が動くかを、行政の仕組みから確認する

個別避難計画とは、市町村が避難行動要支援者一人ひとりについて、心身の状況、避難を手伝う人、避難先や避難路などを書き留めておく計画です。令和3年5月の災害対策基本法改正で、市町村長が作成する努力義務として第49条の14に規定されました。

その手前にあるのが避難行動要支援者名簿です。こちらは同法第49条の10で市町村長に作成が義務づけられており、平成25年6月の改正で法定化されました。対象は、災害が起きたとき、あるいは起きるおそれがあるときに自分では避難が難しく、特に支援を要する人です。

つまり、親を助けに行くのは子どもだけではありません。名簿と計画という形で、地域の側にも仕組みが用意されています。問題は、その仕組みがどこまで動いているかに大きな幅があること。

内閣府と消防庁の調査によると、令和7年4月1日現在、名簿は全市町村で作成済みで、平時から名簿情報を避難支援関係者に提供しているのは1,653団体(94.9%)。一方、個別避難計画のほうは、全1,741市町村のうち作成した団体が1,691で、未作成は50団体(2.9%)にとどまるものの、作成率が8割を超えている団体は253団体(14.5%)しかなく、2割以下の団体が920(52.8%)と過半数を占めます。

読み替えると、「うちの自治体も、そろそろ親の分はできているだろう」という推測が当たる確率は高くない、ということ。着手はほぼ全国に広がった一方で、住民一人ひとりの計画が行き渡っているかどうかは地域によって相当に違います。

帰省中に聞くのは、この3つだけで足ります。

  • 市町村から名簿への登録について案内が来ているか。返事を出したかどうかも含めて
  • 自分の個別避難計画があるか。あるなら、避難を手伝う人として誰の名前が書かれているか
  • ないなら、どの窓口に相談すればいいか(高齢者福祉、地域包括支援センター、防災の担当課など、市町村によって呼び名が違います)

電話で問い合わせるとき、本人以外が聞いても答えてもらえないことがあります。親が受話器を持ち、横で子どもがメモを取る。この形にしておくと、話が早い。

あわせて、実家がどんな災害を想定されている場所なのかも見ておきます。浸水なのか土砂災害なのか揺れやすさなのかで、「動くべきか、家にとどまるべきか」の答えが変わるためです。ハザードマップの見方(自宅の想定を1枚にまとめる手順)の手順で1枚にまとめ、冷蔵庫に貼って帰ると、親も見返せます。

置いて帰るもの

置いて帰るものとは、親が自分で買い足しに行けない状況を前提に、あらかじめ家の中に置いておく物のことです。「今度送るね」で終わらせないために、品目と一緒に置き場所まで決めます。置き場所が決まっていない備えは、押し入れの奥で存在ごと忘れられます。

そなえぐらし管理人
編集部の整理では、置き場所を決めずに渡した物ほど「あれ、どこにしまったっけ」になりがちでした。だから品目の話より先に、置き場所の表を作っています。
品目 置き場所 なぜそこか
手回し充電のラジオライト 居間のテレビ台の脇、または電話の近く 停電で真っ先に情報が途切れる。座ったまま手が届く場所に
ランタン(据え置き型の明かり) 寝室の枕元と、廊下の入口の2か所 夜中の移動が転倒につながる。手元と足元を同時に照らす
長期保存水 台所の床、シンク下ではなく出しやすい壁ぎわ 重い物を高い所に置かない。運ばずに使える位置に
家具転倒防止の伸縮棒 背の高い家具と天井のすき間(使用状態で設置) 置いておくのではなく、その場で付けて帰る物
常備薬の予備とお薬手帳の写し 玄関の靴箱の上の小さな袋 持ち出すときに必ず通る場所。中身は必ずかかりつけ医に確認を
スマホの充電ケーブルとモバイルバッテリー いつも座る椅子のそば 「探しに行く」動作を減らす。充電の習慣も作りやすい

数と日数の目安から積み上げたい場合は、家庭の備蓄品リスト完全版(人数×日数の早見表)で人数分を計算してから、ここに戻ってきてください。以下は、実家に置く前提で選ぶときの見方です。

まず情報です。停電すると、テレビもWi-Fiも止まります。スマホの電池は連絡に使いたい。だから、電気に依存しない受信手段を1台だけ置きます。クマザキエイムの手回し充電ラジオライトSL-091は、手回しで充電しながらラジオと明かりが使える一体型です(メーカー公式サイト・2026年8月10日確認)。重量はメーカーが公表していないため、ここでは書きません。実物を持たせて、親の手でハンドルが回せるかどうかを帰省中に確かめるのが確実です。

次に明かり。懐中電灯は一点を照らしますが、停電した部屋で必要なのは、部屋全体がぼんやり見える状態です。パナソニックの多機能強力ランタンBF-BL45M-Wは約520g(メーカー公式サイト・2026年8月10日確認)。500mLのペットボトル1本とほぼ同じ重さなので、高齢の親でも枕元から廊下へ持って移動できます。手元と足元の両方を照らせることが、夜間の転倒を減らすうえでの実質的な条件になります。

3つ目は水。買い物に行けない、あるいは行かせたくない状況で、家の中にあるかどうかがすべてを決めます。アイリスオーヤマの長期保存水 2L×6は、長期保存に対応した飲料水です(メーカー公式サイト・2026年8月10日確認)。2Lのボトルは持ち上げるのが大変なので、床置きにして、コップに注ぐぶんだけ小分けにする使い方を親に見せておくといいでしょう。

最後は、置くのではなく取り付けて帰る物です。寝室の点検で「動かせない家具」が見つかったとき、天井とのすき間に突っ張って倒れにくくするのが伸縮棒。アイリスオーヤマの家具転倒防止伸縮棒M KTB-40Rは、家具と天井の間に設置するタイプです(Amazonの商品ページ表示・2026年8月10日確認)。重量や素材はここでは触れません。取り付けは家具の上端の奥側、壁に近い位置に2本を基本にします。

非常持ち出し袋を丸ごと贈るという選択もありますが、中身が親の生活に合っていないと、そのまま押し入れ行きになります。既製品を検討するなら、防災セットの中身を1点ずつ検証する選び方で中身を確認してから決めてください。袋を渡すより、中身を一緒に開けて説明するほうが使われます。

言い出しにくいときの持っていき方

防災の話とは、正しさを伝える作業ではなく、親が自分で決められる材料を置いてくる作業です。この前提を外すと、たいてい空気が悪くなります。

お盆の実家には独特の空気があります。年に一度か二度しか帰らない後ろめたさ、久しぶりの再会、親戚の目、そして「まだ大丈夫だ」という親の自負。そこへ「このタンスは危ないよ」と切り出せば、心配のつもりが否定として受け取られます。よくある展開ですよね。

そなえぐらし管理人
正直なところ、この記事でいちばん書くのが難しかったのがここです。防災メディアとしては「今すぐ固定を」と言いたい。でも、押し切って一度こじれると、次の帰省で話題にすら出せなくなります。編集部の整理では、その年に全部やろうとしないほうが、結果として進みが速いという結論になりました。

持っていき方は3つあります。ひとつめは、主語を自分にすること。「危ないよ」ではなく「離れているとこっちが心配だから、電話のかけ方だけ決めさせて」。ふたつめは、親に決めてもらう余地を残すこと。伸縮棒を2本持っていって、どの家具に付けるかは親に選んでもらう。みっつめは、宿題の形で帰ること。市町村の窓口に聞く役は親、調べた結果を受け取って整理する役は子ども、と分担します。

それでも1つも進まない年があります。そのときは、171の体験日をカレンダーに書き込むところまででも構いません。連絡の取り方が決まっているだけで、次の災害のときにできることが変わります。

向かない人・当てはまらないケース

この記事が当てはまらないケースとは、日常生活にすでに医療や介護の専門的な支援が入っている状態です。ここから先は、家族だけで判断する範囲を超えます。

  • 要介護度が高い場合/避難先も移動手段も、身体の状況によって選択肢が変わります。担当のケアマネジャーに相談し、ケアプランと避難の段取りをつなげてもらってください
  • 在宅で医療機器を使っている場合/人工呼吸器や在宅酸素などを使っているときは、停電時の対応をかかりつけ医と機器の提供元に確認するのが先です。市販の電源やバッテリーで代用できるかどうかを、家族が独自に判断しないでください
  • 持病があり服薬している場合/薬の予備をどれだけ持たせるか、避難時にどう管理するかは、かかりつけ医と薬剤師の指示に従ってください。この記事では触れていません
  • 認知症の症状がある場合/点検や話し合いの進め方そのものが変わります。地域包括支援センターや市町村の高齢者福祉の窓口に、個別避難計画とあわせて相談するのが近道です

そして最も大切な一文を。実際に避難するかどうか、いつ動くかの判断は、市町村が発表する避難情報に従ってください。この記事の点検や備えは、その判断に従って動けるようにするための準備であって、判断そのものに代わるものではありません。

よくある質問

Q. 日帰りの帰省で30分も取れません。1つだけやるなら何ですか

寝室です。東京消防庁は、地震のケガの原因の約30〜50%が家具類の転倒・落下・移動によるものだとしています。眠っている時間は無防備で、その間に頭の上から物が落ちてくる配置になっているかどうかが、いちばん結果を分けます。タンスや本棚の向きを変えるだけなら、5分で終わることもあります。

Q. 親が「うちは大丈夫」と言って取り合ってくれません

説得より、質問に切り替えるのが現実的です。「この家、いつ建ったんだっけ」「火災警報器、いつ付けたっけ」と年号を聞くだけなら、否定になりません。1981年6月1日より前に建った家であれば旧耐震基準にあたり、国土交通省は耐震性が不十分な可能性があるとして注意喚起しています。火災警報器は設置後10年が交換の目安(消防庁)。事実を挟むと、判断は親の側に残ります。

Q. 個別避難計画は、こちらから頼めば作ってもらえますか

作成は市町村長の努力義務(災害対策基本法第49条の14、令和3年5月改正)であり、家族の申請だけで確実に作られると約束されたものではありません。ただし、令和7年4月1日現在、作成率が2割以下の団体が920(52.8%)と過半数を占めており、「案内が来ていない=対象外」とも限らない状況です。まずは避難行動要支援者名簿への登録状況から、本人と一緒に窓口へ確認してください。

Q. 災害用伝言ダイヤル171は、どんな災害でも使えますか

震度6弱以上の地震では自動的に提供が始まります。震度5強以下の地震やその他の災害では、通信の状況などを踏まえてNTT東日本・NTT西日本が提供を判断する扱いです(2026年8月11日確認時点)。つまり、いつでも必ず使えるわけではありません。だからこそ、171だけに寄りかからず、複数の連絡手段を決めておく必要があります。

Q. 備蓄は何日分を置いておけばいいですか

人数と日数の考え方は家庭ごとに違うため、早見表から計算するのが確実です。ただし実家に置く場合は、日数よりも先に「重い物を高い所に置かない」「本人が一人で開けられる」の2点で置き場所を決めてください。取り出せない備蓄は、量がいくらあっても使われません。

今日やることは1つでいい

まとめとは、全部やる決意をする場ではなく、次の一手を1つに絞る場です。帰省の予定が決まっているなら、いま決めるのは「実家の固定電話番号を家族の掲示板にする」の1点で足ります。

  1. 帰省の前に3つの「いつ」(実家の築年/火災警報器の設置年/個別避難計画の案内)をスマホのメモに写しておきます。聞く順番を決めておくだけで、当日の会話が事務的になりすぎません
  2. 帰省の当日に玄関5分・寝室10分・台所7分・廊下8分で家を一周し、動かせる家具はその場で向きを変えます。動かせないものは「誰がいつ直すか」だけ決めて帰ります
  3. 8月30日からの防災週間に離れた場所から親と一緒に171を体験利用します。30秒で何を言うか、4項目を決めてから押してください

能登半島地震の関連死が示したのは、家が無事でも、そのあとの生活で体を崩す人が高齢層に集中するという事実でした。だからこそ、家の点検と同じ重さで、避難後に誰がどう動くかを決めておく価値があります。今年のお盆にできるのは、そのうちの一部で構いません。

実家に置いてくる停電対策をひとまとめに考えるなら、真夏の停電で冷房が止まった家で最初にすること防災セットの中身を1点ずつ検証した選び方が参考になります。

参考・出典

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この記事を書いた人

登山が趣味の会社員。山で非常食を食べてきた経験から「食べ慣れないものは災害時つらい」と実感し、家庭の備蓄を見直し中です。実際に買って食べたものだけ「おすすめ」と書きます。失敗も隠しません。

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